データ分析やレポート作成に便利なLooker Studio。本記事では、実務で使える便利な関数をわかりやすく解説していきます。
関数を使用することで通常のデータソースでは算出することができないデータを加工して出力することができるようになります。便利な関数は頻繁に使用するため関数を使ってください。
Looker Studioとは?
Looker Studioは、Googleが提供する無料のデータ可視化ツールです。Googleアナリティクスやスプレッドシートなど、様々なデータソースから情報を取り込み、ダッシュボードやレポートを作成できます。
対応しているデータソース
- Google製品との連携
- Google アナリティクス(GA4)
- Google スプレッドシート
- Google 広告
- YouTube アナリティクス
- Search Console
- データベース連携
- MySQL
- PostgreSQL
- Amazon Redshift
- その他
- CSV ファイルのアップロード
- JSON コネクタ
- BigQuery
上記以外にも外部のデータソースを含めると100以上のデータと接続が可能です。
実務で使える便利な関数集
1. CASE関数
case文は条件を指定してその条件に合った場合の情報を表示。合わなかった場合の条件を表示させる。という関数になります。プログラミングでよく使用するif文にあたるものになります。
はじめに条件を提示してそれに合った場合と合わなかった場合を記述していきます。
WHEN 条件1 THEN 条件に合った場合の値
WHEN 条件2 THEN 条件に合った場合の値
ELES どの条件でもマッチしなかった場合
というような記述になります。
基本的な使い方
CASE
WHEN Session Duration >= 300 THEN 'Long Session'
WHEN Session Duration >= 60 THEN 'Medium Session'
ELSE 'Short Session'
END
上記のコードの解説
- Session Duration(セッション時間)を基準に、ユーザーの行動を3段階に分類
- 300秒(5分)以上を「Long Session」
- 60秒(1分)以上300秒未満を「Medium Session」
- 60秒未満を「Short Session」として分類
実際の使用場面
- ユーザーエンゲージメントの分析
- コンバージョン率の詳細分析
- ユーザーセグメント別の行動分析
対応データソース
- GA4
- BigQuery
- スプレッドシート(数値データを含む場合)
case文は頻繁に使うため使い方を覚えておいたらレポートの条件を絞り込みに使ったり指定の条件だけのものを抽出して計算などをすることができます。またcase文は他の関数と合わせて使用することも良くありますので、次に紹介する関数と合わせて使ってみてください。
2. CONCAT関数でのデータ結合
複数の文字列やフィールドを結合して1つの文字列として出力することができる関数になります。
よく使用するのがGAのレポートでURLとして出力したい際に、使用することが多いです。
パスデータのみで出力されるものに対して先頭にURLをつけることで、URLとして出力することができるようになり、looker studioからURLを直接開くことができるようなります。HYPERLINKの関数を追加で使用しますが。
基本的な使い方
CONCAT(Traffic_Source, ' - ', Landing_Page)
上記コードの解説
- Traffic_Source(トラフィックソース)とLanding_Page(ランディングページ)を結合
- 間にハイフン( – )を挿入して可読性を向上
- 複数のデータポイントを1つの列として表示
実際の使用場面
- 流入経路分析レポート
- ページパフォーマンス分析
- キャンペーントラッキング
対応データソース
- すべてのデータソース(文字列データを含むもの)
文章の結合を行うことで例で記載したようにページごとに多い流入元を算出したり本来2つの情報を見比べないといけない情報が1つにまとめることもできます。
3. 日付関数(DATETIME_TRUNC)
DATETIME_TRUNC関数は、日付データを指定した単位(年、四半期、月、週、日など)で切り捨てる関数です。期間でグループ化する際に非常に便利な関数になります。年月単位の時系列のデータや会社基準の独自の時間軸などに合わせたデータを表示させたい場合になどに使用します。
DATETIME_TRUNC(Date, 'MONTH')
上記コードの解説
- 日付データを月単位で集計
- 日次データを月次データに変換
- 時刻情報は00:00:00に設定される
実際の使用場面
- 月次レポートの作成
- 季節性分析
- トレンド分析
対応データソース
- GA4
- BigQuery
- スプレッドシート(日付データを含む場合)
データを週次や年次などその他独自の基準として一覧に表示させる場合や月の集計を行うために、計算フィールドを作成してデータを変換する際になどに使用します。
4. カスタム指標の計算
SUM(Revenue) / NULLIF(SUM(Sessions), 0)
コードの解説
- セッションあたりの収益を計算
- NULLIF関数でゼロ除算を防止
- 集計データから平均値を算出
実際の使用場面
- ROI分析
- パフォーマンス指標の計算
- 効率性分析
レポート作成のベストプラクティス
レポート作成時に使える便利な例もご紹介します。どのようなデータを計測していても稀に異常値(おかしなデータ)が発生することがあります。データの取得ミスなのかデータの入力ミスなのか異常値を検知するようなロジックがあれば異常にすぐに気づくことができます。
1. データの前処理
異常値の処理
CASE
WHEN Revenue > AVG(Revenue) + 3 * STDDEV(Revenue) THEN AVG(Revenue)
ELSE Revenue
END
コードの解説
- 異常値の検出と処理
- 平均値から標準偏差の3倍以上離れた値を異常値として処理
- より正確な分析結果を得るためのデータクリーニング
2. 高度な集計テクニック
SUM(CASE
WHEN User_Type = 'New' THEN Revenue
ELSE 0
END) / NULLIF(SUM(Revenue), 0)
コードの解説
- 新規ユーザーによる収益の割合を計算
- User_Typeを条件とした条件付き集計
- 全体の収益に対する比率を算出
まとめ
Looker Studioの関数を使いこなすことで、以下のような分析が可能になります。
Looker Studioの関数一覧が公式ページにもありますのでご覧ください。
関数一覧紹介ページ
- ユーザー行動の詳細な分類
- カスタマイジーニーの可視化
- 複雑なビジネスロジックの実装
- 高度なデータ集計と分析
これらの関数を組み合わせることで、より深い洞察を得ることができます。関数の一覧はLooker Studioのアップデートなどに合わせて追加変更をさせていただきます。
Looker Studioでレポートを作成するのに手間がかかるので弊社では無料のレポートをご提供しておりますので、ご利用してみてください。
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