Looker Studioのコンポーネント表示・非表示設定完全ガイド【Pro版機能も解説】

Looker Studioでレポートを作成していると、「部署によって見せるデータを変えたい」「クライアント向けと社内向けで表示内容を切り替えたい」といった悩みはありませんか?

実は、Looker Studioにはコンポーネントの表示/非表示を制御する機能があり、特にPro版では閲覧者ごとに異なるデータを表示することができます。この記事では、無料版での基本的な設定方法からPro版限定の高度な機能まで、コンポーネントの表示制御を完全解説します。

適切な表示制御を活用すれば、1つのレポートで複数の用途に対応でき、レポート管理の効率が大幅に向上します。初心者の方でもすぐに実践できるよう、画像付きで丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。


Looker Studioのコンポーネント表示/非表示とは?

コンポーネントの表示制御でできること

Looker Studioのコンポーネント表示制御とは、レポート内のグラフ、表、コントロールなどの要素を、特定の条件で表示または非表示にする機能です。この機能を使うことで、レポートの見せ方を柔軟にカスタマイズできます。

具体的には、以下のような制御が可能です。編集モードで作業する際にパネルマネージャーを使ってプロパティパネルやデータパネルの表示/非表示を切り替えることができます。また、Pro版ではさらに高度な機能として、「表示を制御」オプションを使って閲覧者ごとに異なるコンポーネントを表示できます。

コンポーネントの表示制御は、レポートの複雑さを軽減し、ユーザーに必要な情報だけを提供するために非常に有効です。例えば、経営層向けには売上サマリーのみを表示し、営業担当者向けには詳細な商品別データを表示するといった使い分けができます。

主な制御方法:

  • パネルマネージャーでの編集画面のパネル表示切り替え
  • レポートレベルとページレベルの切り替え
  • Pro版での閲覧者ベースの表示制御

無料版とPro版の機能の違い

Looker Studioの無料版とPro版では、コンポーネントの表示制御機能に明確な違いがあります。無料版でも基本的な表示/非表示の操作は可能ですが、Pro版ではエンタープライズ向けの高度な機能が利用できます。

無料版では、編集モードでのパネル表示の切り替えや、コンポーネントをページレベル・レポートレベルで管理することができます。これは編集者が作業しやすい環境を整えるための機能です。しかし、閲覧者によって表示内容を動的に変更することはできません。

一方、Pro版では「表示を制御」機能が利用可能です。この機能により、GoogleグループやメールアドレスごとにコンポーネントのVisibilityを制御できます。例えば、営業部のGoogleグループには売上グラフを表示し、マーケティング部には表示しないといった細かな制御が実現できます。

無料版でできること:

  • 編集画面でのパネル表示/非表示
  • レポートレベル・ページレベルの切り替え
  • 全閲覧者に対する一律の表示

Pro版でできること:

  • Googleグループによる閲覧者別表示制御
  • メールアドレス指定での個別制御
  • 組織レベルでのアセット管理
  • 技術サポートとSLA保証

実務での活用シーン(社内レポート・クライアント向けなど)

コンポーネントの表示制御は、様々なビジネスシーンで実用的に活用できます。特に、1つのレポートを複数の目的で使い分けたい場合に威力を発揮します。

社内レポートでの活用例: 部署別に異なるKPIを表示したい場合、Pro版の表示制御機能を使えば、営業部には売上・受注データ、マーケティング部にはCVRやCPAデータ、経営層には全体サマリーを表示するといった使い分けができます。これにより、レポートの管理数を減らし、データの一元管理が実現します。

クライアント向けレポートでの活用例: 広告代理店などでは、クライアント企業ごとに見せるべきデータが異なります。表示制御を活用すれば、クライアントAには自社のキャンペーンデータのみを、クライアントBには別のキャンペーンデータを表示できます。また、社内メンバーには全クライアントのデータを表示するといった運用も可能です。

権限管理との組み合わせ: コンポーネントの表示制御は、Looker Studioの共有設定と組み合わせることで、より強固なセキュリティを実現できます。閲覧権限を持つユーザーでも、表示制御により必要な情報のみにアクセスを限定できるため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。


【基本】コンポーネントの表示/非表示設定方法

編集モードでの基本操作手順

Looker Studioでコンポーネントの表示/非表示を設定するには、まず編集モードに切り替える必要があります。レポート画面右上の「編集」ボタンをクリックして編集モードに入ります。編集ボタンが表示されない場合は、レポートへの編集権限がないため、オーナーまたは編集者に権限付与を依頼してください。

編集モードに入ると、画面右側にプロパティパネル、データパネル、パネルマネージャーが表示されます。これらのパネルを使ってコンポーネントの詳細な設定を行います。特定のコンポーネントをクリックすると、そのコンポーネントに関する設定オプションがプロパティパネルに表示される仕組みです。

コンポーネントの表示/非表示を切り替える基本的な方法は、コンポーネントを選択して配置メニューから「レポートレベルに変更」または「ページレベルに変更」を選択することです。レポートレベルに設定したコンポーネントは全ページに表示され、ページレベルは現在のページのみに表示されます。

基本操作の流れ:

  1. レポート右上の「編集」ボタンをクリック
  2. 対象のコンポーネント(グラフ、表など)を選択
  3. 右側のプロパティパネルで設定を確認
  4. 必要に応じて配置メニューからレベルを変更
  5. 設定完了後、「表示」ボタンで閲覧モードに戻して確認

パネルマネージャーでの表示切り替え

パネルマネージャーは、編集作業の効率を高めるための重要な機能です。レポートエディタの右側に配置されており、プロパティパネルとデータパネルの表示/非表示をワンクリックで切り替えることができます。

パネルマネージャーは、編集画面右上のアイコンから操作します。プロパティパネルやデータパネルが画面のスペースを取りすぎている場合や、レポート全体のレイアウトを確認したい場合に、一時的にパネルを非表示にすると作業がしやすくなります。再度表示したい場合は、同じアイコンをクリックするだけで元に戻せます。

作業スタイルに応じてパネルの表示状態を調整することで、編集効率が大幅に向上します。例えば、複数のコンポーネントのレイアウトを調整する際はパネルを非表示にして作業スペースを広く取り、細かなデータ設定をする際はパネルを表示して詳細設定を行うといった使い分けができます。

パネルマネージャーの活用ポイント:

  • プロパティパネル:選択中のコンポーネントの詳細設定
  • データパネル:データソースとフィールドへのアクセス
  • 一時的な非表示で作業スペースを確保
  • ショートカットキーでの切り替えも可能

プロパティパネル・データパネルの非表示方法

プロパティパネルとデータパネルを個別に非表示にする方法を理解しておくと、編集作業がさらにスムーズになります。これらのパネルは、編集モードでの作業に必要な情報を提供しますが、レイアウト調整時には邪魔になることもあります。

プロパティパネルを非表示にするには、パネルマネージャーのアイコンをクリックするか、パネル上部の最小化ボタンを使用します。プロパティパネルには「設定」タブと「スタイル」タブがあり、コンポーネントのデータ設定やデザイン設定を行えます。作業内容に応じて表示/非表示を切り替えることで、効率的な編集が可能です。

データパネルも同様に、パネルマネージャーから非表示にできます。データパネルには、レポートで利用可能なすべてのデータソースとフィールドが表示されます。新しいフィールドの追加やパラメータの作成もこのパネルから行えるため、データ設定時は表示しておき、レイアウト調整時は非表示にするという使い分けが効果的です。

パネル非表示の具体的な手順:

  1. パネルマネージャーアイコンをクリック
  2. 非表示にしたいパネル(プロパティ/データ)を選択
  3. 再表示する場合も同じ操作で切り替え
  4. 編集フィルタパネルも同様に制御可能

【Pro版限定】表示を制御機能の使い方

「表示を制御」オプションの設定手順

Looker Studio Pro版の「表示を制御」機能は、閲覧者ごとに異なるコンポーネントを表示する高度な機能です。この機能を使用するには、Pro版のライセンスが必要です。設定することで、特定のGoogleグループまたはメールアドレスを持つユーザーにのみコンポーネントを表示できます。

設定手順は以下の通りです。まず、編集モードでレポートを開き、表示制御したいコンポーネント(グラフや表など)にカーソルを合わせます。コンポーネント右上の3点メニュー(︙)をクリックすると、「表示を制御」というオプションが表示されます。このオプションはPro版でのみ利用可能です。

「表示を制御」を選択すると、グループ変数を選択または新規作成するダイアログが表示されます。既存のグループ変数がある場合はそれを選択でき、新規作成する場合は「新しいグループ変数を作成」をクリックします。グループ変数には、どのユーザーがそのコンポーネントを閲覧できるかを定義するGoogleグループやメールアドレスを指定します。

設定の具体的な流れ:

  1. Pro版ライセンスが有効なレポートを編集モードで開く
  2. 制御したいコンポーネントの3点メニューをクリック
  3. 「表示を制御」オプションを選択
  4. 既存のグループ変数を選択または新規作成
  5. 設定後、閲覧モードで動作確認

Googleグループによるアクセス制限

Googleグループを使った表示制御は、Pro版の最も強力な機能の1つです。組織内で既に運用しているGoogleグループをそのまま活用できるため、管理の手間が最小限に抑えられます。例えば、「sales@company.com」というグループに所属するユーザーにのみ売上データを表示するといった制御が可能です。

Googleグループによるアクセス制限を設定するには、まずGoogle Workspace管理コンソールで適切なグループが作成されている必要があります。グループには、表示権限を付与したいユーザーのメールアドレスを登録します。Looker Studio側では、グループ変数の設定時にこのグループのメールアドレスを指定するだけで、グループメンバー全員に表示権限が付与されます。

この方法の利点は、人事異動や組織変更があった場合でも、Google Workspace側でグループメンバーを更新するだけでLooker Studioの表示制御が自動的に反映されることです。個別にメールアドレスを管理する必要がなく、大規模組織でも効率的な運用が可能になります。

Googleグループ活用のメリット:

  • 組織の既存グループ構造をそのまま利用可能
  • メンバー変更が自動反映される
  • 複数ユーザーの一括管理が容易
  • 部署別、プロジェクト別などの柔軟な設定

メールアドレス指定での閲覧者制御

特定の個人に対してコンポーネントの表示/非表示を制御したい場合は、メールアドレスを直接指定する方法が有効です。この方法は、Googleグループを作成するほどではない少人数のケースや、個別に権限を付与したい場合に適しています。

メールアドレス指定による制御では、グループ変数の設定時に個別のメールアドレスをカンマ区切りで入力します。例えば、「tanaka@company.com, suzuki@company.com」のように複数のアドレスを指定できます。指定したメールアドレスでLooker Studioにログインしているユーザーのみが、そのコンポーネントを閲覧できるようになります。

この方法は柔軟性が高い反面、人数が多くなると管理が煩雑になる欠点があります。一般的には、5名以下の小規模なグループや、特別な権限が必要な経営層向けのコンポーネントに使用することをおすすめします。それ以上の規模の場合は、Googleグループによる管理を検討してください。

メールアドレス指定の使い分け:

  • 5名以下の小規模グループ向け
  • 個別の特別権限が必要な場合
  • 一時的なアクセス権付与に適している
  • カンマ区切りで複数アドレス指定可能

グループ変数の作成と管理方法

グループ変数は、「表示を制御」機能の核となる要素です。グループ変数を適切に作成・管理することで、複数のコンポーネントに対して効率的に表示制御を適用できます。グループ変数は再利用可能なため、1度作成すれば複数のコンポーネントやレポートで活用できます。

新しいグループ変数を作成するには、コンポーネントの「表示を制御」メニューから「新しいグループ変数を作成」を選択します。変数名には、用途が分かりやすい名前を付けることが重要です。例えば、「営業部メンバー」「経営層のみ」「クライアントA」といった具体的な名前にすることで、後から管理しやすくなります。

グループ変数には、Googleグループのメールアドレスまたは個別のメールアドレスを設定します。設定後、そのグループ変数を使用しているすべてのコンポーネントに対して、指定したユーザーのみが閲覧可能になります。グループ変数は、レポートの「リソース」→「追加したグループ変数を管理」から一元管理できるため、複数の変数を使用している場合でも整理しやすい設計になっています。

グループ変数管理のベストプラクティス:

  • 分かりやすい変数名を使用する
  • 定期的に使用状況を確認し、不要な変数を削除
  • 同じ用途のコンポーネントには同じグループ変数を適用
  • ドキュメントで変数とユーザーの対応関係を記録

実践的な活用例とユースケース

部署別に異なるデータを表示する方法

部署別にデータを出し分けることは、多くの企業で求められる実用的なユースケースです。Looker Studio Pro版の表示制御機能を使えば、営業部、マーケティング部、経営層などそれぞれに最適化されたビューを1つのレポートで実現できます。

具体的な設定方法として、まず部署ごとのGoogleグループを用意します。例えば「sales@company.com」「marketing@company.com」「executive@company.com」といったグループです。次に、営業部向けの売上グラフには「sales」グループ変数を、マーケティング部向けの広告パフォーマンスグラフには「marketing」グループ変数を設定します。

この方法により、営業部のメンバーがレポートを開くと売上関連のKPIのみが表示され、マーケティング部のメンバーは広告データのみを見ることができます。経営層向けには全体サマリーを表示するといった階層的な情報管理も実現できます。各部署は自分に関係のある情報だけに集中でき、情報過多を防げます。

部署別表示の実装例:

  • 営業部:売上、受注件数、顧客データ
  • マーケティング部:CVR、CPA、広告費用
  • 経営層:全体サマリー、予実比較
  • 管理部:コスト分析、予算執行状況

クライアント向けと社内向けで切り替える設定

広告代理店やコンサルティング会社では、クライアント企業と社内メンバーで見せるデータを明確に分ける必要があります。Looker Studioの表示制御機能を活用すれば、1つのレポートでこの要件を満たせます。

クライアント向けと社内向けの切り替えは、メールアドレスベースのグループ変数で実現します。例えば、「client-a@example.com」というクライアント企業のドメインをグループ変数に設定し、そのクライアント専用のデータコンポーネントに適用します。同時に、社内メンバー用には「@your-agency.com」ドメインのグループ変数を作成し、社内分析用の詳細データや複数クライアントの比較データに適用します。

この設定により、クライアントがレポートを開くと自社のキャンペーンデータのみが表示され、代理店の社内メンバーは全クライアントのデータや内部分析用のグラフを閲覧できます。レポートの共有URLは1つで済むため、管理の手間が大幅に削減されます。

クライアント・社内の使い分け例:

  • クライアント向け:自社キャンペーンの成果データ
  • 社内向け:全クライアント比較、収益性分析
  • 共通表示:業界ベンチマーク、トレンド情報
  • セキュリティ:機密情報は社内のみ表示

埋め込みレポートでの動的制御

Looker Studioのレポートを自社のWebサイトやポータルに埋め込む場合も、表示制御機能が活用できます。埋め込みレポートでは、閲覧者の権限に応じて動的にコンポーネントの表示/非表示が切り替わるため、パーソナライズされたダッシュボード体験を提供できます。

埋め込みレポートで表示制御を使用する際の注意点は、埋め込み先のサイトにアクセスしているユーザーが、Looker Studioで適切な権限を持っている必要があることです。例えば、顧客ポータルサイトに埋め込む場合、各顧客はGoogleアカウントでログインし、そのアカウントがLooker Studioのグループ変数に登録されている必要があります。

この仕組みを利用すれば、SaaS製品のダッシュボードやクライアント向けレポートポータルなど、高度な用途にも対応できます。ユーザーがログインすると自動的に自分専用のデータが表示される、シームレスな体験を提供できるのが大きなメリットです。

埋め込みレポートでの活用シーン:

  • 顧客向けダッシュボードの提供
  • パートナー企業専用のレポートビュー
  • 社内イントラネットでの部署別ダッシュボード
  • 外部公開用と内部用の切り替え

条件付きでコンポーネントを表示/非表示にするテクニック

より高度な活用方法として、パラメータやフィルターと組み合わせた条件付き表示があります。直接的な表示制御機能ではありませんが、グループ変数とデータフィルタを組み合わせることで、実質的に条件付き表示を実現できます。

例えば、地域別の営業データを表示する場合、各地域の営業担当者グループに対して、その地域のデータのみを含むフィルタ済みコンポーネントを表示制御で設定します。東京の営業担当者には東京データのみが表示され、大阪の営業担当者には大阪データのみが表示されるという仕組みです。

また、日付パラメータと組み合わせることで、特定期間のみデータを表示するコンポーネントを作成することもできます。例えば、四半期レポートでは、その四半期のデータのみを表示するコンポーネントを配置し、年間レポートでは全期間データを表示するといった使い分けが可能です。これらのテクニックを活用することで、レポートの柔軟性が大幅に向上します。

条件付き表示の応用例:

  • 地域別データのフィルタリングと表示制御の組み合わせ
  • 期間パラメータによる季節別データの切り替え
  • データ存在チェックと表示制御の連携
  • 計算フィールドを使った動的表示条件

よくある質問と注意点

編集者と閲覧者で見え方はどう違う?

Looker Studioでは、編集者と閲覧者でレポートの見え方が大きく異なります。編集者権限を持つユーザーは、表示制御が設定されているコンポーネントであっても、編集モードですべてのコンポーネントを確認できます。これは、レポートの全体構造を把握し、適切に編集するために必要な仕様です。

一方、閲覧者権限のユーザーは、表示モードでレポートを開いた際、自分に表示権限が付与されているコンポーネントのみを見ることができます。表示制御により非表示に設定されているコンポーネントは、閲覧者からは完全に見えず、そのコンポーネントが存在すること自体も分かりません。つまり、閲覧者は自分専用にカスタマイズされたビューを見ているように感じます。

この違いを理解しておくことは非常に重要です。編集作業中は全コンポーネントが表示されているため、設定が正しく機能しているか確認するには、必ず閲覧モードに切り替えて、異なるユーザーアカウントでテストする必要があります。また、複数のグループ変数を使用している場合は、各グループのユーザーでログインして表示を確認することをおすすめします。

編集者と閲覧者の違い:

  • 編集者:すべてのコンポーネントが表示される
  • 閲覧者:権限のあるコンポーネントのみ表示
  • 編集モードでは表示制御が効かない
  • テストは必ず閲覧モードで実施する
フィルターコントロールとの違いと使い分け

フィルターコントロールとコンポーネントの表示制御は、目的が異なる機能です。フィルターコントロールは、レポート内のデータを絞り込むための機能で、閲覧者自身が対話的にデータを操作できます。例えば、期間を選択したり、特定の商品カテゴリに絞り込んだりする機能です。

一方、表示制御は、コンポーネント自体の表示/非表示を管理者側で制御する機能です。閲覧者は表示されているコンポーネントを選択できず、自分に権限があるコンポーネントのみが自動的に表示されます。つまり、フィルターは閲覧者の能動的な操作、表示制御は管理者による受動的な権限管理という違いがあります。

実務では、これら2つの機能を組み合わせて使用することが効果的です。例えば、営業部向けのコンポーネントを表示制御で設定し、その中で営業担当者がフィルターコントロールを使って自分の担当地域や顧客を絞り込むといった使い方です。表示制御で大枠の権限を管理し、フィルターで細かな分析を可能にするという階層的なアプローチが理想的です。

2つの機能の使い分け:

  • フィルターコントロール:閲覧者によるデータ絞り込み
  • 表示制御:管理者によるコンポーネント権限管理
  • フィルター:分析の柔軟性を提供
  • 表示制御:情報セキュリティを確保
表示制御が反映されない場合の対処法

表示制御の設定が正しく反映されない場合、いくつかの原因が考えられます。最も一般的な原因は、Pro版ライセンスが有効になっていないことです。「表示を制御」オプションはPro版限定の機能のため、無料版では利用できません。まず、自分のアカウントにPro版ライセンスが割り当てられているか確認してください。

次に確認すべきは、グループ変数の設定内容です。Googleグループのメールアドレスやユーザーのメールアドレスが正しく入力されているか、スペルミスがないか確認します。また、Googleグループの場合は、Google Workspace管理コンソールで該当グループが存在し、適切なメンバーが登録されているかも確認が必要です。

さらに、閲覧者が正しいGoogleアカウントでログインしているかも重要なポイントです。複数のGoogleアカウントを持っているユーザーの場合、意図しないアカウントでLooker Studioにアクセスしている可能性があります。正しいアカウントでログインし直すことで問題が解決することがあります。

トラブルシューティングチェックリスト:

  1. Pro版ライセンスが有効か確認
  2. グループ変数の設定内容を再確認
  3. Googleグループのメンバー設定を確認
  4. 閲覧者のログインアカウントを確認
  5. ブラウザのキャッシュをクリア
  6. 編集モードではなく閲覧モードで確認
共有設定との関係性

Looker Studioの共有設定と表示制御は、連携して動作する重要な機能です。まず、レポートの共有設定で閲覧権限を付与されていないユーザーは、表示制御の設定に関わらずレポート自体にアクセスできません。つまり、共有設定が第一階層の権限管理、表示制御が第二階層の細かな権限管理という位置付けです。

共有設定では、「閲覧者」「編集者」「オーナー」の3つの権限レベルがあります。閲覧者権限を付与した後、さらに表示制御を設定することで、その閲覧者が見られるコンポーネントを限定できます。例えば、レポート全体の閲覧権限は全社員に付与しつつ、特定の機密データを含むコンポーネントは経営層のみに表示するといった運用が可能です。

注意点として、編集者権限を持つユーザーは、表示制御の設定に関わらず編集モードですべてのコンポーネントを見ることができます。機密性の高いデータを扱う場合は、編集者権限の付与を慎重に行い、信頼できるメンバーのみに限定することをおすすめします。また、定期的に権限の見直しを行い、退職者や配置転換者の権限を適切に削除または変更することも重要です。

共有設定と表示制御の関係:

  • 共有設定:レポート全体へのアクセス権
  • 表示制御:コンポーネント単位の表示権限
  • 2段階の権限管理で細かな制御が可能
  • 編集者は表示制御の影響を受けない
  • 定期的な権限の見直しが重要

まとめ:Looker Studioのコンポーネント表示制御を使いこなそう

Looker Studioのコンポーネント表示/非表示機能は、レポートの柔軟性と情報セキュリティを大幅に向上させる強力なツールです。無料版では編集画面でのパネル管理や基本的な表示切り替えが可能で、Pro版ではさらに閲覧者ごとの高度な表示制御が実現できます。

基本的な設定として、パネルマネージャーを使った編集画面の最適化、レポートレベルとページレベルの使い分けをマスターしましょう。Pro版を利用している場合は、Googleグループやメールアドレスを使った「表示を制御」機能を活用することで、部署別、クライアント別、権限レベル別など、様々なシーンに対応した柔軟なレポート設計が可能になります。

実務での活用では、フィルターコントロールと組み合わせた階層的な権限管理、埋め込みレポートでの動的表示、条件付き表示テクニックなど、応用的な手法も検討してみてください。表示制御が正しく機能しない場合は、Pro版ライセンス、グループ変数の設定、ログインアカウントを順番に確認することでほとんどの問題は解決できます。

適切な表示制御を実装することで、1つのレポートで複数の用途に対応でき、管理工数の削減と情報セキュリティの向上を同時に実現できます。本記事で紹介した手法を参考に、あなたのLooker Studioレポートをさらに使いやすく、安全なものにしてください。


参考URL・引用元


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