GA4の離脱率・離脱数とは?確認方法から計算式・改善施策まで徹底解説
「GA4で離脱率が見つからない…」「UAの時は簡単に確認できたのに、どこを見ればいいの?」このような悩みを抱えていませんか?
GA4では標準指標として離脱率が表示されなくなったため、多くのマーケターが戸惑っています。しかし、離脱率はサイト改善に欠かせない重要な指標です。
本記事では、GA4で離脱率・離脱数を確認する具体的な手順から計算方法、UAとの違い、さらには離脱率を改善する実践的な施策まで、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。
この記事を読めば、GA4での離脱率分析をマスターし、データに基づいたサイト改善を実現できます。さっそく、GA4における離脱率の基礎知識から見ていきましょう。
目次
GA4における離脱率・離脱数の基礎知識
離脱率と離脱数の定義
離脱数とは、ユーザーがセッションの最後にサイトを離れた回数を指します。 一方、離脱率は特定のページから何%のユーザーがサイトを離れたかを示す割合です。
離脱率の計算式は以下の通りです。
離脱率(%) = (離脱数 ÷ 表示回数) × 100
例えば、あるページの表示回数が100回で、そのうち30回が離脱数だった場合、離脱率は30%となります。
ユニバーサルアナリティクス(UA)では離脱率が標準指標として自動表示されていましたが、GA4では標準レポートに離脱率が表示されません。 これは、Googleがエンゲージメント中心の指標体系に移行したためです。
GA4でも離脱数は取得できるため、探索レポートを使えば手動で離脱率を計算できます。離脱率は、どのページでユーザーがサイトを離れやすいかを把握し、改善ポイントを特定するために重要な指標です。
| 項目 | 説明 | 計算方法 |
|---|---|---|
| 離脱数 | セッション終了時にユーザーが離れた回数 | GA4で直接取得可能 |
| 離脱率 | ページ表示回数に対する離脱の割合 | (離脱数÷表示回数)×100 |
| 表示回数 | ページが表示された合計回数 | GA4で直接取得可能 |
直帰率との違いを図解で理解
直帰率と離脱率は似ているようで全く異なる指標です。 直帰率は「セッション開始ページで即座にサイトを離れた割合」を示し、離脱率は「任意のページでセッションを終了した割合」を示します。
具体例で説明しましょう。ユーザーがトップページ→商品ページ→カートページと閲覧し、カートページで離脱した場合、カートページの離脱率にカウントされますが、直帰率にはカウントされません。
一方、トップページだけを見てすぐに離脱した場合は、トップページの直帰率にも離脱率にもカウントされます。
GA4における直帰率は、UAとは定義が異なります。GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」 で、以下の計算式で求められます。
直帰率 = 100% - エンゲージメント率
エンゲージメントとは、10秒以上の滞在、2ページ以上の閲覧、またはコンバージョンイベントの発生を指します。
| 指標 | 測定対象 | 用途 |
|---|---|---|
| 直帰率 | セッション開始ページでの即離脱 | ランディングページの質を評価 |
| 離脱率 | 任意のページでのセッション終了 | サイト内の問題ページを特定 |
| エンゲージメント率 | ユーザーの積極的な関与 | コンテンツの魅力度を測定 |
GA4で離脱率が標準指標から削除された理由
Googleは「ユーザーの行動の質」を重視する方針に転換したため、GA4では離脱率を標準指標から削除しました。 UAまでの分析手法は「ページビュー数」や「セッション数」といった量的指標が中心でしたが、GA4では「エンゲージメント」という質的指標に重点が置かれています。
Googleの考えでは、単純に「離脱した」という事実よりも、「ユーザーが価値ある体験をしたか」が重要です。例えば、ブログ記事を最後まで読んで満足して離脱するのと、内容に不満を持って即座に離脱するのでは、意味が全く異なります。
エンゲージメント率は以下の要素で判定されます。
- 10秒以上のサイト滞在
- 2ページ以上の閲覧
- コンバージョンイベントの発生
しかし、離脱率が重要でなくなったわけではありません。 サイト改善の観点では、どのページで多くのユーザーが離脱しているかを把握することは依然として重要です。特に、購入フローやお問い合わせフォームなど、コンバージョンに直結するページの離脱率分析は不可欠です。
そのため、GA4でも探索レポート機能を使えば離脱数を取得でき、手動計算で離脱率を算出できます。エンゲージメント率と離脱率を組み合わせることで、より深いユーザー行動の理解が可能になります。
GA4で離脱数を確認する方法【画像付き手順】
探索レポートを使った離脱数の確認手順
GA4で離脱数を確認するには、探索レポートの「自由形式」を使用します。 標準レポートには離脱数が表示されないため、この方法が最も確実です。
具体的な手順は以下の通りです。
ステップ1: 探索レポートを開く GA4の左メニューから「探索」をクリックし、「自由形式」を選択します。新しいレポート画面が表示されます。
ステップ2: ディメンションを設定 左側の「ディメンション」セクションで「+」ボタンをクリックし、以下のいずれかを選択します。
- 「ページタイトルとスクリーン名」: ページのタイトルで分析したい場合
- 「ページパス+クエリ文字列」: URLパスで分析したい場合
選択後、「インポート」をクリックして、行のセクションにドラッグ&ドロップします。
ステップ3: 指標を設定 左側の「指標」セクションで「+」ボタンをクリックし、以下を選択します。
- 「離脱数」
- 「表示回数」
両方を選択後、「インポート」をクリックして、値のセクションにドラッグ&ドロップします。
ステップ4: データの確認 レポートに各ページの離脱数と表示回数が表示されます。離脱数が多いページほど、ユーザーがそのページでサイトを離れている回数が多いことを意味します。
この方法で取得したデータをもとに、次のステップで離脱率を計算します。期間設定や比較期間の設定も可能なため、時系列での変化も追跡できます。
データのエクスポートとExcel計算
探索レポートで取得したデータはCSV形式でエクスポートでき、Excelやスプレッドシートで離脱率を計算できます。 この方法なら、複数ページの離脱率を一括で算出できるため効率的です。
CSVエクスポートの手順
- 探索レポートの右上にある「︙」(縦3点メニュー)をクリック
- 「データをダウンロード」を選択
- ファイル形式で「CSV」を選択
- 「ダウンロード」をクリック
Excelでの離脱率計算方法
ダウンロードしたCSVファイルをExcelで開き、新しい列を追加します。離脱率の計算式を入力します。
=(離脱数のセル ÷ 表示回数のセル)× 100
例えば、C列が離脱数、D列が表示回数の場合、E2セルに以下の式を入力します。
=(C2/D2)*100
この式を下方向にコピーすれば、全ページの離脱率が一括計算されます。パーセント表示にする場合は、セルの表示形式を「パーセンテージ」に変更するとより見やすくなります。
Googleスプレッドシートでの自動計算
Googleスプレッドシートを使えば、GA4と連携した自動更新も可能です。Google Analytics Add-onを使用すると、定期的にデータを自動取得して離脱率を計算できます。
セグメント適用方法
探索レポートでは、デバイス別(PC・スマートフォン)、流入元別(オーガニック・広告)など、セグメントを適用してデータを絞り込めます。セグメント機能を活用することで、より詳細な分析が可能になります。
Looker Studio(旧データポータル)での可視化
Looker Studioを使えば、GA4の離脱率を自動計算し、ダッシュボードで視覚的に管理できます。 手動計算が不要になり、常に最新データが反映される点が最大のメリットです。
Looker StudioとGA4の接続手順
- Looker Studioにアクセスし、「作成」→「データソース」を選択
- コネクタ一覧から「Google Analytics」を選択
- 接続するGA4プロパティを選択して「接続」をクリック
- 必要なディメンションと指標を確認して「レポートに追加」
計算フィールドでの離脱率作成
Looker Studioの強力な機能が「計算フィールド」です。以下の手順で離脱率を自動計算できます。
- データソース画面で「フィールドを追加」をクリック
- フィールド名を「離脱率」と入力
- 計算式に以下を入力
(離脱数 / 表示回数) * 100
- 「保存」をクリック
この計算フィールドを作成すれば、レポート上で離脱率が自動表示されます。
ダッシュボード作成例
効果的なダッシュボードには以下の要素を含めると良いでしょう。
- ページ別離脱率ランキング(表形式)
- 離脱率の時系列推移(折れ線グラフ)
- デバイス別離脱率比較(棒グラフ)
- 流入元別離脱率(円グラフ)
自動更新レポートの構築
Looker Studioは自動的にデータが更新されるため、毎日・毎週のレポート作成業務が不要になります。フィルタ機能を使えば、特定のページグループや期間でのデータ抽出も簡単です。共有機能を使ってチームメンバーと情報を共有することも可能です。
Looker studioでの可視化は下記のメディアを参考にしてください。
https://inno-mark.jp/datavista/
GA4で離脱率を計算する3つの方法
方法1:Excelでの手動計算
最もシンプルな方法は、探索レポートからエクスポートしたデータをExcelで計算することです。 プログラミング知識が不要で、誰でもすぐに実践できる点がメリットです。
基本的な計算手順
GA4の探索レポートから離脱数と表示回数をエクスポートした後、Excelで以下の計算式を使用します。
離脱率(%) = (離脱数 ÷ 表示回数) × 100
具体的な計算例
| ページタイトル | 表示回数 | 離脱数 | 離脱率 |
|---|---|---|---|
| トップページ | 1,000 | 250 | 25% |
| 商品一覧ページ | 500 | 150 | 30% |
| 商品詳細ページ | 300 | 120 | 40% |
上記の例では、商品詳細ページの離脱率が40%と最も高く、改善の優先度が高いことがわかります。
複数ページの一括計算方法
数百ページのデータを一度に計算する場合、以下の手順が効率的です。
- E列(離脱率列)のE2セルに計算式を入力:
=(C2/D2)*100 - E2セルを選択し、セル右下の小さな四角をダブルクリック
- 自動的に下方向へ計算式がコピーされる
- 離脱率の降順で並び替えて、問題ページを特定
条件付き書式を使えば、離脱率が高いページを色分けして視覚的に把握できます。例えば、離脱率50%以上を赤色、30-50%を黄色で表示すると、改善すべきページが一目でわかります。
方法2:Googleスプレッドシートでの自動計算
Googleスプレッドシートを使えば、GA4データの自動取得と離脱率計算を完全自動化できます。 一度設定すれば、毎日最新データが自動更新される点が最大の利点です。
Google Analytics Add-onの活用
Googleスプレッドシートには「Google Analytics」アドオンが用意されており、これを使ってGA4データを直接取得できます。
- スプレッドシートを開き、「拡張機能」→「アドオン」→「アドオンを取得」
- 「Google Analytics」を検索してインストール
- 「拡張機能」→「Google Analytics」→「Create new report」
QUERY関数を使ったデータ取得
GA4と連携したデータソースから、QUERY関数でデータを抽出できます。
=QUERY(データソース範囲, "SELECT A, B, C WHERE B > 0 ORDER BY C DESC")
この関数を使えば、表示回数が0以上のページだけを抽出し、離脱率の降順で並び替えることが可能です。
計算式の自動適用
離脱率の計算式をスプレッドシートに設定します。
=ARRAYFORMULA(IF(ROW(B:B)=1,"離脱率",(C2:C/D2:D)*100))
ARRAYFORMULA関数を使うことで、1つの式で全行に計算を適用できます。新しいデータが追加されても自動的に計算されるため、メンテナンスフリーです。
テンプレートの活用
一度作成したスプレッドシートは、他のサイトやプロジェクトでも再利用できます。データソースを変更するだけで、同じ分析を別サイトに適用できる点が便利です。
自動更新スケジュールを設定すれば、毎朝最新の離脱率データを確認できます。
方法3:Looker Studioでの計算フィールド活用
Looker Studioの計算フィールドを使えば、リアルタイムで離脱率を自動計算できます。 データの手動エクスポートやExcel計算が一切不要になり、最も効率的な方法です。
リアルタイム計算のメリット
Looker Studioは常にGA4の最新データと同期しているため、ダッシュボードを開くたびに最新の離脱率が表示されます。月次レポート作成の工数が大幅に削減されます。
データ更新の遅延はほぼなく、前日のデータまで確認できます。複数のサイトやプロパティを一元管理する場合にも最適です。
計算フィールドの設定方法
Looker Studioで離脱率を計算する手順は以下の通りです。
- Looker Studioのレポート編集画面を開く
- 右側のパネルで「リソース」→「追加したデータソースを管理」
- データソースの「編集」をクリック
- 右上の「フィールドを追加」をクリック
- フィールド名:「離脱率」
- 計算式:
(離脱数 / 表示回数) * 100 - タイプ:「数値」、「パーセント」を選択
- 「保存」→「完了」
フィルタ・セグメント適用例
Looker Studioでは、計算フィールドにフィルタを適用できます。
- デバイス別離脱率:フィルタでデバイスカテゴリを指定
- 特定ページグループの離脱率:ページパスに正規表現フィルタを適用
- 新規ユーザーの離脱率:ユーザータイプでフィルタ
条件付き書式を使えば、離脱率が基準値を超えたページを自動的に色分けできます。例えば、離脱率50%以上を赤背景で表示すると、問題ページが一目でわかります。
計算フィールドは一度作成すれば、すべてのグラフや表で再利用できます。複数のレポートで同じ計算ロジックを共有できるため、分析の一貫性が保たれます。
離脱率が高いページの見つけ方と分析手法
離脱率の目安と判断基準
離脱率に絶対的な「良い・悪い」の基準はありませんが、業界やページタイプによって目安となる数値は存在します。 自社サイトの離脱率が適正かどうかは、業界平均やページの役割と比較して判断します。
業界別・ページタイプ別の平均値
一般的な離脱率の目安は以下の通りです。
| サイトタイプ | 平均離脱率 | 許容範囲 |
|---|---|---|
| ECサイト全体 | 40-60% | 30-70% |
| BtoBサービスサイト | 50-70% | 40-80% |
| メディア・ブログ | 60-80% | 50-90% |
| ランディングページ | 70-90% | 60-95% |
ECサイト:ページタイプ別の基準
ECサイトでは、ページの役割によって適正な離脱率が大きく異なります。
- トップページ: 40-60% → 比較的低くすべき
- 商品一覧ページ: 30-50% → 商品詳細への誘導が重要
- 商品詳細ページ: 50-70% → カートへの追加を促す
- カートページ: 60-80% → 離脱防止が最優先
- 購入完了ページ: 90-100% → 高くて当然
メディアサイト:コンテンツタイプ別の基準
メディアサイトでは、記事の性質によって離脱率の評価が変わります。
- トップページ: 50-70%
- 記事ページ(読み物系): 70-90% → 読了後の離脱は自然
- LPページ(集客記事): 40-60% → 関連記事への誘導が重要
- カテゴリページ: 30-50% → 記事への導線が機能しているべき
問題視すべき離脱率の基準
以下のケースは改善が必要なサインです。
- カートページの離脱率が80%以上
- お問い合わせフォーム1ページ目の離脱率が70%以上
- 商品一覧ページの離脱率が70%以上
- LPで離脱率が90%以上
自社の過去データと比較して、急激に離脱率が上昇した場合も要注意です。サイト改修やデザイン変更の影響を受けている可能性があります。
高離脱率ページの抽出方法
GA4の探索レポートとセグメント機能を組み合わせることで、問題のあるページを効率的に特定できます。 闇雲に全ページを確認するのではなく、優先度の高いページから分析しましょう。
セグメント機能の活用
GA4の探索レポートでセグメントを作成し、特定条件のページを抽出します。
- 探索レポートで「セグメント」→「+」をクリック
- 「カスタムセグメント」を作成
- 条件を設定:例「離脱数 > 100」など
- セグメントを適用してデータを絞り込み
フィルタ条件の設定例
効果的なフィルタ条件をいくつか紹介します。
パターン1: 表示回数が多く離脱率も高いページ
表示回数 > 500 AND 離脱数 > 250
このフィルタで、影響度が大きい問題ページを特定できます。
パターン2: コンバージョンパス上のページ
ページパス CONTAINS "/cart/" OR "/checkout/" OR "/form/"
購入フローや問い合わせフローのページだけを抽出します。
パターン3: 特定のカテゴリページ
ページパス CONTAINS "/category/" AND 離脱数 > 50
カテゴリページの中で離脱が多いものを特定します。
デバイス・流入元別の分析
離脱率はデバイスや流入元によって大きく異なります。
デバイス別分析 探索レポートのディメンションに「デバイスカテゴリ」を追加すると、PC・スマートフォン・タブレット別の離脱率が確認できます。多くのサイトでは、スマートフォンの離脱率がPCより10-20%高い傾向があります。
流入元別分析 「セッションの参照元/メディア」をディメンションに追加すると、以下が分析できます。
- オーガニック検索からの訪問者の離脱率
- 広告経由の訪問者の離脱率
- SNS経由の訪問者の離脱率
- 直接流入(ブックマークなど)の離脱率
広告経由の訪問者は期待とのギャップが大きいため、離脱率が高くなりがちです。流入元ごとにコンテンツやデザインの最適化が必要です。
ユーザー行動フローとの組み合わせ分析
離脱率の数値だけでなく、ユーザーがどのような経路で離脱に至ったかを分析することで、より効果的な改善策を導けます。 GA4の経路分析レポートと組み合わせることで、離脱の根本原因を特定できます。
経路分析レポートの活用
GA4の「探索」→「経路データ探索」を使用すると、ユーザーの行動フローを視覚的に把握できます。
設定手順:
- 開始点に「ページタイトル」または「イベント名」を設定
- 終了条件として「セッション終了」を指定
- どのページから離脱が多いかを確認
例えば、「トップページ→商品一覧→商品詳細→離脱」というフローが多い場合、商品詳細ページに問題がある可能性が高いです。
離脱前のユーザー行動パターン
離脱直前のユーザー行動を分析すると、離脱の理由が見えてきます。
パターン1: 即離脱(直帰)
- ページを開いてすぐ離脱
- 原因:ページの読み込みが遅い、コンテンツが期待と異なる
パターン2: 徘徊後の離脱
- 複数ページを閲覧したが購入せず離脱
- 原因:欲しい情報が見つからない、価格が高い
パターン3: カート追加後の離脱
- 商品をカートに入れたが購入完了せず
- 原因:送料が高い、決済方法が限られている
GA4のイベントパラメータを活用すると、スクロール深度や滞在時間など、離脱前の詳細な行動も分析できます。
コンバージョンパスとの関連性
コンバージョンに至ったユーザーの経路と、離脱したユーザーの経路を比較すると、成功パターンと失敗パターンが明確になります。
成功パターンの例
トップページ → 商品一覧 → 商品詳細 → レビュー確認 → カート → 購入完了
失敗パターンの例
トップページ → 商品詳細 → カート → 離脱
上記の比較から、「レビュー確認」のステップが購入の決め手になっていることがわかります。商品詳細ページにレビューを目立たせることで、離脱率を改善できる可能性があります。
アトリビューション分析と組み合わせることで、初回訪問から購入までの長期的なユーザー行動も把握できます。
GA4離脱率を改善する具体的施策10選
コンテンツ改善施策(1~5)
離脱率を下げるには、ユーザーがサイトに留まりたくなるコンテンツと環境を提供することが不可欠です。 以下、実践的な改善施策を5つ紹介します。
1. ページ表示速度の最適化(Core Web Vitals)
ページの読み込み速度は離脱率に直結します。Googleの調査では、読み込みに3秒以上かかると53%のユーザーが離脱します。
改善アクション:
- 画像の圧縮とWebP形式への変換
- 不要なJavaScriptの削減
- CDNの活用
- ブラウザキャッシュの設定
- Core Web Vitalsの3指標(LCP、FID、CLS)を改善
Google PageSpeed InsightsやLighthouseで現状を測定し、スコア90以上を目指しましょう。
2. CTAボタンの配置・デザイン改善
CTAボタンは、ユーザーの次のアクションを促す最も重要な要素です。 視認性とクリックしやすさを最優先に設計します。
改善アクション:
- ファーストビューにCTAを配置
- ボタンの色をサイトの背景と対照的にする(例:白背景には濃いオレンジや青)
- ボタンのテキストは具体的に(「詳しく見る」より「無料で資料をダウンロード」)
- ボタンサイズをスマホでも押しやすい大きさに(最低44×44ピクセル)
- スクロール途中やページ下部にも複数配置
A/Bテストで最適なCTAの位置と文言を検証することが効果的です。
3. 内部リンクの最適化と導線設計
ユーザーが次に見たくなるコンテンツへの導線を戦略的に配置することで、離脱を防ぎます。
改善アクション:
- 関連記事を3-5件表示
- 本文中に自然な形でリンクを挿入
- パンくずリストで階層構造を明確化
- サイドバーに人気記事ランキングを表示
- 記事下に次のステップへの誘導バナーを設置
内部リンククリック率をGA4で測定し、効果を検証します。
4. コンテンツの関連性・網羅性強化
検索意図とコンテンツが一致していないと、ユーザーはすぐに離脱します。 検索キーワードに対する答えを明確に提示しましょう。
改善アクション:
- 検索上位10サイトの見出しを分析し、必要な情報を網羅
- ユーザーの「なぜ」「どうやって」「いつ」に答える構成
- 図解・画像・動画を活用してわかりやすく説明
- 具体例や事例を豊富に掲載
- 更新日を明記し、情報の鮮度を示す
GA4の「サイト内検索」データから、ユーザーが求めている情報を把握できます。
5. モバイルユーザビリティの向上
スマートフォンからのアクセスが全体の60-70%を占める現在、モバイル最適化は必須です。
改善アクション:
- レスポンシブデザインの実装
- フォントサイズを最低16pxに設定
- タップ領域を十分に確保(最低44×44ピクセル)
- 横スクロールを排除
- ポップアップは控えめに(Googleのモバイルフレンドリー基準を遵守)
Google Search Consoleの「モバイルユーザビリティ」レポートでエラーを確認し、修正します。
UX/UI改善施策(6~10)
ユーザー体験の向上は、離脱率改善の要です。 ストレスなくサイトを利用できる環境を整えましょう。
6. ポップアップ・広告の最適化
ポップアップや広告が多すぎると、ユーザーは不快感を覚えて離脱します。 適切なタイミングと頻度で表示しましょう。
改善アクション:
- ページ訪問直後のポップアップは避ける
- 離脱意図を検知した時(マウスが画面上部に移動)に表示
- 簡単に閉じられる「×」ボタンを大きく表示
- スマホでは画面全体を覆わないデザインに
- 広告は記事の邪魔にならない位置に配置
DataPushのような離脱防止ツールを活用すれば、ユーザー行動に応じた最適なタイミングでメッセージを表示できます。
7. フォーム入力項目の簡素化
フォームの項目が多すぎると、ユーザーは入力を諦めて離脱します。 必要最小限の項目に絞りましょう。
改善アクション:
- 必須項目を5個以内に削減
- 郵便番号から住所を自動入力
- エラーメッセージをリアルタイム表示
- 入力例を明示(電話番号:090-1234-5678)
- 確認画面を省略してワンステップ化
フォームの各項目での離脱率をGoogleタグマネージャーで計測し、問題箇所を特定します。
8. 離脱防止ポップアップの導入
ユーザーがサイトを離れようとする瞬間に、魅力的なオファーを提示することで離脱を防げます。
改善アクション:
- 「ちょっと待った!」形式のメッセージ
- 期間限定クーポンやプレゼントの提示
- 無料お試しやサンプル請求の案内
- 関連記事や人気コンテンツへの誘導
- アンケートで離脱理由を収集
離脱防止ポップアップは、カート離脱時やフォーム離脱時に特に効果的です。ただし、表示頻度はユーザーあたり1日1回程度に制限し、しつこくならないよう注意します。
9. パーソナライゼーション実装
ユーザーの属性や行動履歴に応じてコンテンツを最適化すると、関連性が高まり離脱率が下がります。
改善アクション:
- 初回訪問者とリピーターで表示内容を変える
- 閲覧履歴に基づくレコメンド表示
- 地域に応じた店舗情報やキャンペーンの表示
- デバイス別に最適化されたコンテンツ
- 流入元(広告・SNS・検索)に応じたメッセージ
GA4のオーディエンス機能とGoogleタグマネージャーを組み合わせることで、セグメント別の出し分けが可能です。
10. A/Bテストによる継続的改善
仮説ベースの改善だけでなく、データで検証しながら最適化を進めることが重要です。
改善アクション:
- CTAボタンの色・文言・配置をテスト
- ファーストビューのデザインを複数パターンテスト
- 記事タイトルやアイキャッチ画像のテスト
- 価格表示方法のテスト
- フォーム項目数や順序のテスト
Google OptimizeやVWOなどのA/Bテストツールを活用し、統計的に有意な差が出るまでテストを継続します。最低でも1,000セッション以上のデータを収集してから判断しましょう。
施策効果の測定方法
改善施策を実施した後は、必ず効果測定を行い、ROIを確認することが重要です。 データに基づいて次のアクションを決定しましょう。
改善前後の比較レポート作成
GA4の探索レポートで、改善前後のデータを比較します。
比較すべき指標:
- 離脱率の変化(改善前 vs 改善後)
- 表示回数・セッション数の変化
- エンゲージメント率の変化
- コンバージョン率の変化
- 平均セッション継続時間の変化
比較期間の設定例
改善前:2024年10月1日〜10月31日
改善後:2024年11月1日〜11月30日
同一曜日構成で比較するため、4週間単位での比較が理想的です。季節要因の影響を除外するため、前年同月比も確認しましょう。
GA4イベントトラッキングの設定
改善施策の効果を詳細に測定するため、カスタムイベントを設定します。
設定すべきイベント例
- CTAボタンのクリック
- 内部リンクのクリック
- スクロール深度(25%、50%、75%、100%)
- 動画再生開始・完了
- フォーム入力開始・完了
- ポップアップ表示・クリック
Googleタグマネージャーを使えば、コードを直接編集せずにイベント設定できます。
ROI計算と優先順位付け
すべての施策を同時に実施するのは現実的ではありません。費用対効果を計算し、優先順位をつけましょう。
ROI計算式
ROI(%) = (改善による利益増加 - 施策コスト)÷ 施策コスト × 100
優先順位マトリクス
| 施策 | 効果 | 難易度 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| ページ速度改善 | 高 | 中 | 高 |
| CTAボタン改善 | 中 | 低 | 高 |
| フォーム簡素化 | 高 | 低 | 高 |
| パーソナライゼーション | 高 | 高 | 中 |
| ポップアップ最適化 | 中 | 低 | 中 |
「効果が高く、難易度が低い」施策から着手すると、早期に成果を実感できます。
月次でKPIレポートを作成し、経営層や関係者に共有することで、継続的な改善活動へのコミットメントを得られます。
ページタイプ別の離脱率改善事例
ECサイトの商品詳細ページ改善事例
あるアパレルECサイトでは、商品詳細ページの離脱率を45%から28%に改善し、CVRを1.8倍に向上させました。 実施した具体的な施策を紹介します。
改善前の課題
- 商品画像が小さく、詳細が確認しづらい
- サイズ感がわかりにくく、購入をためらう
- レビューが目立たない位置にあった
- 類似商品への導線が弱い
- スマホでの操作性が悪い
実施した施策と結果
施策1: レビュー表示位置の最適化 商品画像の直下にレビュー評価(星マーク)と件数を表示し、詳細レビューへのリンクを追加しました。レビュー閲覧率が25%から58%に向上しました。
- 改善前:レビューがページ最下部
- 改善後:商品説明の直下、ファーストビュー内
- 効果:レビュー経由の購入が40%増加
施策2: 商品画像の大型化とズーム機能 商品画像を1.5倍に拡大し、ホバーまたはタップでさらに拡大表示できる機能を実装しました。
- 改善前:画像サイズ300×300ピクセル
- 改善後:画像サイズ600×600ピクセル+ズーム機能
- 効果:カート追加率が22%向上
施策3: 関連商品レコメンド強化 「この商品を見た人はこんな商品も見ています」セクションを、AIレコメンドエンジンで最適化しました。
- 改善前:ランダム表示4商品
- 改善後:AIによるパーソナライズ表示8商品
- 効果:関連商品クリック率が3.2倍、クロスセル率が18%向上
施策4: サイズガイドの充実 実際の着用画像とサイズ表を並べて表示し、身長別の推奨サイズを明記しました。
数値結果まとめ
離脱率: 45% → 28% (17ポイント改善)
カート追加率: 8% → 14.4% (1.8倍)
購入完了率: 2.1% → 3.8% (1.8倍)
平均滞在時間: 1分20秒 → 2分35秒
BtoBサイトのお問い合わせフォーム改善事例
あるBtoB SaaS企業では、お問い合わせフォームの離脱率を62%から35%に改善し、リード獲得数を2.1倍に増やしました。 フォーム最適化の実例を紹介します。
改善前の課題
- 入力項目が15個と多すぎた
- 必須項目と任意項目が不明確
- エラー時に入力内容がクリアされる
- フォーム送信後の進捗が見えない
- スマホでの入力がしづらい
実施した施策と結果
施策1: 入力ステップの簡素化 15項目あった入力フォームを2段階に分け、第1段階は必須5項目のみに削減しました。
第1段階(基本情報)
- 会社名
- 氏名
- メールアドレス
- 電話番号
- お問い合わせ内容(選択式)
第2段階(詳細情報)
- 従業員数
- 業種
- 予算感
- その他(任意)
この変更により、第1段階の完了率が38%から72%に向上しました。
施策2: 進捗バー実装による心理的効果 フォーム上部に「ステップ1/2」の進捗バーを表示し、あとどれくらいで完了するかを明示しました。
- 改善前:進捗が見えず不安感
- 改善後:ゴールが明確で完了意欲が向上
- 効果:完了率が27%改善
施策3: リアルタイムバリデーション 各項目の入力後、即座に正誤判定を表示するようにしました。
例:メールアドレス入力時
- 正しい形式: ✓ 緑のチェックマーク表示
- 誤った形式: ✗ 赤字で「正しいメールアドレスを入力してください」
送信ボタンを押してからエラーが出るストレスを解消し、離脱を防ぎました。
施策4: 入力補助機能の実装
- 郵便番号から住所を自動入力
- 電話番号のハイフン自動挿入
- 会社名の候補表示(法人番号データベース連携)
追加の工夫 フォーム送信後に「担当者から24時間以内にご連絡します」と明記し、期待値を設定したことで、問い合わせの質も向上しました。
メディアサイトの記事ページ改善事例
あるビジネスメディアでは、記事ページの離脱率を52%から38%に改善し、ページビュー数を1.6倍に増やしました。 読者のエンゲージメントを高める施策を紹介します。
改善前の課題
- 記事を読み終えたら即離脱される
- 関連記事が記事下にしかない
- 目次がなく、長文記事が読みづらい
- SNSシェアボタンが目立たない
- 記事の鮮度(更新日)が不明
実施した施策と結果
施策1: 関連記事レコメンドの最適化 記事内容を解析し、読者が次に読みたくなる記事を機械学習で予測して表示しました。
配置場所の工夫
- 記事中(2,000文字ごと):テキストベースの関連記事リンク3件
- 記事下:サムネイル付き関連記事6件
- サイドバー:カテゴリ内人気記事5件
記事中の関連リンククリック率が12%に達し、回遊率が大幅に向上しました。
施策2: 読了時間に応じたCTA表示 スクロール深度と滞在時間を計測し、記事を読み終えたタイミングで最適なCTAを表示しました。
CTA表示ロジック
- スクロール80%以上 + 滞在2分以上 → メルマガ登録CTA
- スクロール50-80% → カテゴリ内人気記事リンク
- スクロール50%未満 → 関連キーワードの記事リンク
このパーソナライズされたCTA表示により、メルマガ登録率が2.3倍になりました。
施策3: 目次の自動生成と固定表示 長文記事(2,000文字以上)に自動で目次を生成し、スクロール時に画面左側に固定表示しました。
- 改善前:目次なし、離脱率58%
- 改善後:目次あり、離脱率42%
- 効果:読了率が38%から61%に向上
目次から直接該当セクションへジャンプできるため、ユーザーが求める情報に素早くアクセスできます。
施策4: 記事内検索とタグ機能 記事下に「このトピックをもっと知る」セクションを設け、関連タグを表示しました。
例:「マーケティングオートメーション」の記事なら
- #MA導入事例
- #メールマーケティング
- #リードナーチャリング
タグクリック率が8%に達し、専門性の高い読者の回遊に貢献しました。
追加の成果 記事の滞在時間が延びたことで、Googleの評価も向上し、検索順位が平均5.2ポイント上昇しました。オーガニック流入が30%増加する副次効果も得られました。
GA4離脱率分析でよくある質問(FAQ)
離脱率100%のページがあるのはなぜ?
離脱率100%のページは、すべてのユーザーがそのページでセッションを終了していることを意味します。 ただし、これは必ずしも問題ではありません。ページの役割によっては、離脱率100%が正常な状態です。
ページ構成上の理由
離脱率100%になる主な理由は以下の3つです。
- そのページがセッションの最後に表示される設計 サンクスページ、購入完了ページ、ダウンロード完了ページなど、ユーザーの目的が達成された後のページでは、離脱率100%が自然です。
- 表示回数が極端に少ない 表示回数が1回のみの場合、そのセッションで離脱すれば離脱率は自動的に100%になります。統計的に意味のある数値とは言えません。
- ランディングページとして機能していない 直接流入がなく、サイト内の他ページからのみアクセスされるページは、訪問者がそこで目的を完了して離脱する傾向があります。
サンクスページ・完了ページの特性
以下のようなページでは、離脱率100%は正常かつ望ましい状態です。
| ページタイプ | 離脱率100%の評価 |
|---|---|
| 購入完了ページ | 正常(目的達成) |
| 会員登録完了ページ | 正常(目的達成) |
| 資料ダウンロード完了ページ | 正常(目的達成) |
| お問い合わせ送信完了ページ | 正常(目的達成) |
| ログアウトページ | 正常(意図的な離脱) |
これらのページでは、むしろ「ありがとうございました」のメッセージと、次回の訪問を促すCTA(メルマガ登録、SNSフォローなど)を配置することが重要です。
改善すべきかの判断基準
離脱率100%のページで改善が必要かどうかは、以下の基準で判断します。
改善不要なケース
- 購入完了などのゴールページ
- 表示回数が月10回未満の低トラフィックページ
- 外部サイトへのリンクページ(意図的な離脱)
改善が必要なケース
- 商品詳細ページで離脱率100%
- ブログ記事で離脱率100%
- フォーム入力ページで離脱率100%
- 表示回数が月100回以上あるにも関わらず離脱率100%
改善が必要な場合は、以下を確認しましょう。
- ページの内容が検索意図とずれていないか
- 次のアクションへの導線が不足していないか
- ページの読み込みエラーが発生していないか
- モバイルで表示が崩れていないか
GA4の「ページとスクリーン」レポートで、エンゲージメント率やセッション継続時間も併せて確認すると、より正確な判断ができます。
離脱数と直帰数はどう使い分ける?
離脱数と直帰数は似た概念ですが、測定対象が異なるため、分析の目的によって使い分けが必要です。 それぞれの特性を理解し、適切に活用しましょう。
分析目的による使い分け
離脱数と直帰数の主な違いと使い分けは以下の通りです。
| 指標 | 測定対象 | 主な用途 | 重要なページ |
|---|---|---|---|
| 直帰数/直帰率 | セッション開始ページでの即離脱 | ランディングページの質評価 | トップページ、LP、検索流入ページ |
| 離脱数/離脱率 | 任意のページでのセッション終了 | サイト内の問題ページ特定 | 全ページ(特にコンバージョンパス上) |
ランディングページ vs 中間ページ
ランディングページ(直帰率を重視) ユーザーが最初に訪れるページでは、直帰率が重要な指標です。直帰率が高い場合、以下の問題が考えられます。
- 検索意図とコンテンツがミスマッチ
- ページの読み込みが遅い
- ファーストビューが魅力的でない
- 次のアクションへの導線が不明確
例えば、Google広告のランディングページで直帰率が80%なら、広告文とLPの内容を一致させる、CTAを目立たせるなどの改善が必要です。
中間ページ(離脱率を重視) サイト内の回遊途中で訪れるページでは、離脱率が重要です。離脱率が高い中間ページは、ユーザーの期待を裏切っている可能性があります。
例えば、ECサイトで以下のような分析ができます。
トップページ(直帰率30%) → 商品一覧(離脱率25%) → 商品詳細(離脱率60%) → カート(離脱率45%)
この場合、商品詳細ページの離脱率が突出して高いため、商品情報の充実化やレビュー表示などの改善が必要と判断できます。
コンバージョン分析での活用
直帰率の活用場面
- 広告キャンペーンのLPパフォーマンス評価
- SEO記事の検索意図との整合性確認
- 新規訪問者の第一印象評価
離脱率の活用場面
- 購入フロー各ステップの問題箇所特定
- お問い合わせフォームの入力障壁分析
- 会員登録プロセスの最適化
実践的な分析例
BtoB SaaSサイトの無料トライアル申し込みフローの場合:
トップページ(直帰率40%)
→ 料金ページ(離脱率35%)
→ 無料トライアル申込フォーム(離脱率70%) ← 要改善
→ 申込完了ページ(離脱率100% = 正常)
直帰率から、トップページの第一印象は悪くないと判断できます。しかし、申込フォームの離脱率70%は高すぎるため、入力項目の削減やステップ分割が必要です。
GA4では、探索レポートの「経路データ探索」を使うと、直帰と離脱の両方を視覚的に把握できます。
セグメント別の離脱率が見たい時は?
GA4では、様々なセグメントで離脱率を分析することで、より詳細な改善ポイントを発見できます。 デバイス、ユーザータイプ、流入元別などのセグメント分析方法を解説します。
新規 vs リピーター
新規訪問者とリピーターでは、行動パターンが大きく異なります。
分析の視点
- 新規訪問者:サイトの第一印象、情報の見つけやすさが重要
- リピーター:目的のページへの到達しやすさ、新情報の有無が重要
一般的に、新規訪問者の離脱率はリピーターより10-20%高い傾向があります。
セグメント設定方法
- 探索レポートで「セグメント」→「+」をクリック
- 「新しいユーザー」または「リピーター」を選択
- ディメンションと指標を設定して比較
新規訪問者の離脱率が極端に高い場合は、ナビゲーションの改善や、初訪問者向けガイドの追加が効果的です。
デバイス別(PC/SP/タブレット)
デバイスによって離脱率は大きく変わります。多くのサイトでは、スマートフォンの離脱率がPCより高い傾向があります。
典型的なデバイス別離脱率
- PC:35-45%
- スマートフォン:50-65%
- タブレット:40-50%
セグメント設定手順
- ディメンションに「デバイスカテゴリ」を追加
- 指標に「離脱数」「表示回数」を追加
- デバイスごとの離脱率を計算
スマートフォンの離脱率が特に高い場合は、以下を確認します。
- ページ読み込み速度(モバイルは特に重要)
- タップ領域のサイズ(最低44×44ピクセル)
- フォームの入力しやすさ
- 画像やテキストのサイズ
流入元別(オーガニック/広告/SNS)
流入元によって、ユーザーの期待値や行動が異なるため、離脱率も変わります。
流入元別の特徴
| 流入元 | 典型的な離脱率 | 特徴 |
|---|---|---|
| オーガニック検索 | 40-60% | 明確な目的を持つ、比較的低い |
| リスティング広告 | 50-70% | 期待とのギャップで高め |
| ディスプレイ広告 | 60-80% | 偶然のクリックで高い |
| SNS(Facebook, X) | 65-85% | 流し読み中のアクセスで高い |
| 直接流入 | 30-50% | ブックマークやリピーターで低い |
セグメント設定の手順
- ディメンションに「セッションの参照元/メディア」を追加
- 指標に「離脱数」「表示回数」を追加
- 流入元ごとにデータを確認
広告経由の離脱率が極端に高い場合は、広告文とLPの整合性を確認しましょう。SNS経由が高い場合は、ファーストビューでの惹きつけが重要です。
複合セグメントの活用
さらに詳細な分析には、複数条件を組み合わせたセグメントが有効です。
例:スマートフォンの新規ユーザー
デバイスカテゴリ = mobile AND 新しいユーザー = Yes
例:オーガニック検索からのリピーター
参照元/メディア = google/organic AND 新しいユーザー = No
このような複合セグメントを作成することで、「スマホの新規ユーザーの離脱率が高い」といった、ピンポイントな問題発見が可能になります。
Looker Studioでセグメント別ダッシュボードを作成しておけば、定期的なモニタリングが効率化されます。
離脱率が異常に高い/低い場合の確認ポイント
離脱率が想定と大きく異なる場合、データ計測の問題または重大なサイトの問題が潜んでいる可能性があります。 以下のチェックポイントで原因を特定しましょう。
トラッキングコードの実装確認
離脱率が異常な値を示す最も一般的な原因は、GA4トラッキングコードの実装ミスです。
確認すべきポイント
- 全ページにタグが実装されているか Google Tag Assistant Legacy(Chrome拡張機能)を使って、各ページでタグが正しく発火しているか確認します。特定のページでタグが抜けていると、そのページの離脱率が100%になります。
- 重複タグがないか 同一ページで複数回タグが発火すると、表示回数が水増しされ、離脱率が実際より低く計算されます。ブラウザのデベロッパーツールのネットワークタブで、GA4へのリクエストが複数回送信されていないか確認しましょう。
- シングルページアプリケーション(SPA)対応 ReactやVue.jsなどのSPAでは、ページ遷移時に手動でページビューイベントを送信する必要があります。設定漏れがあると、離脱率が異常に高くなります。
確認コマンド例(Googleタグマネージャー使用時)
dataLayer.push({
'event': 'page_view',
'page_path': window.location.pathname
});
フィルタ設定の影響
GA4のデータフィルタや除外設定が原因で、離脱率が不正確になることがあります。
確認項目
- 内部トラフィックの除外 社内IPアドレスからのアクセスを除外している場合、そのアクセスが離脱率計算に含まれず、数値が変動します。
確認方法:
- GA4管理画面 → データストリーム → タグ設定 → すべて表示 → 内部トラフィックの定義
- フィルタが有効になっているか確認
- 参照元除外リスト 決済代行サービスなど外部サイトを参照元除外リストに追加している場合、そこからの戻りでセッションが切れず、離脱率に影響します。
- クロスドメイントラッキング設定 複数ドメインをまたぐサイトで設定が不適切だと、ドメイン移動時にセッションが切れ、離脱率が高くなります。
データ集計期間の妥当性
短期間のデータや特定時期のデータでは、離脱率が偏ることがあります。
確認ポイント
- データ量の充足性 最低でも1,000セッション以上のデータで判断しましょう。100セッション程度では統計的に信頼性が低く、離脱率が極端な値になりやすいです。
- 季節要因の考慮
- 年末年始:離脱率が高くなりがち(忙しい時期)
- ゴールデンウィーク:BtoBサイトは離脱率が上昇
- 月末・月初:業種によって変動
- キャンペーン期間の影響 広告キャンペーン実施中は、普段と異なるユーザー層が流入するため、離脱率が変動します。
異常値の判定基準
以下のような場合は、計測に問題がある可能性が高いです。
| 状況 | 正常範囲 | 異常値の例 |
|---|---|---|
| ECサイト全体の離脱率 | 40-70% | 10%未満 or 95%以上 |
| ブログ記事の離脱率 | 60-85% | 20%未満 or 100%(全記事) |
| 購入完了ページの離脱率 | 95-100% | 50%未満 |
異常時の対応手順
- Google Tag Assistant でタグ発火を確認
- GA4のDebugViewでリアルタイムデータを確認
- Google Search Consoleでクロールエラーをチェック
- 必要に応じて、Googleタグマネージャーのプレビューモードで詳細確認
問題が解決しない場合は、GA4の測定IDが正しいか、データストリームの設定が適切かを再確認しましょう。
まとめ:GA4で離脱率を活用したサイト改善の進め方
離脱率分析の3ステップ
GA4での離脱率分析は、「現状把握」「原因分析」「改善実行」の3ステップで進めることで、効果的なサイト改善を実現できます。 それぞれのステップで何をすべきか、具体的に解説します。
ステップ1:現状把握 – 探索レポートでデータ抽出
まず、自社サイトの離脱率の現状を正確に把握します。
実施内容:
- GA4の探索レポート(自由形式)で離脱数と表示回数を取得
- 全ページの離脱率を計算
- 離脱率の高いページTOP20をリストアップ
- デバイス別、流入元別にセグメント分析
- 前月比・前年同月比で推移を確認
この段階で重要なのは、「どのページの離脱率が高いか」だけでなく、「そのページは本来どれくらいの離脱率であるべきか」を業界平均やページタイプから判断することです。
ステップ2:原因分析 – ユーザー行動フローと組み合わせ
離脱率が高いページを特定したら、「なぜ離脱するのか」を深掘りします。
実施内容:
- 経路データ探索でユーザーの行動フローを可視化
- 離脱直前のユーザー行動パターンを分析
- スクロール深度や滞在時間から、コンテンツへの関与度を確認
- ヒートマップツール(Microsoft ClarityやHotjarなど)でクリック位置を分析
- 可能であればユーザーテストやアンケートで直接フィードバックを収集
例えば、フォームページで離脱率が高い場合、どの入力項目で離脱しているかをイベントトラッキングで特定します。商品ページなら、レビューやサイズ情報が不足していないか確認します。
ステップ3:改善実行 – 優先順位をつけた施策実施
原因が特定できたら、効果とコストを考慮して施策に優先順位をつけます。
実施内容:
- 影響度の大きいページから優先的に改善
- 低コストで実施できる施策(CTAの文言変更、レイアウト調整など)から着手
- A/Bテストで効果を検証しながら実施
- 改善後2-4週間でデータを測定
- 成功した施策を他のページにも横展開
優先順位マトリクスの例
| ページ | 月間PV | 離脱率 | 影響度 | 改善難易度 | 優先度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 商品詳細A | 10,000 | 65% | 高 | 低 | ★★★ |
| カートページ | 5,000 | 75% | 高 | 中 | ★★★ |
| ブログ記事B | 3,000 | 80% | 中 | 低 | ★★ |
| お問い合わせフォーム | 1,500 | 70% | 高 | 中 | ★★★ |
改善施策は一度に全て実施せず、段階的に進めることで、どの施策が効果的だったかを明確に把握できます。
継続的な改善サイクルの構築
一度の改善で終わらせず、PDCAサイクルを回し続けることが、長期的なサイトパフォーマンス向上の鍵です。 継続的な改善体制の作り方を解説します。
月次レポートの作成
定期的なレポーティングで、離脱率の変化を組織全体で共有します。
レポートに含めるべき項目
- 全体の離脱率推移(前月比・前年同月比)
- 離脱率が改善したページTOP5
- 離脱率が悪化したページTOP5
- デバイス別・流入元別の離脱率推移
- 実施した改善施策とその効果
- 次月の改善計画
Looker Studioで自動更新ダッシュボードを作成しておけば、レポート作成の手間が大幅に削減されます。月初にURLを共有するだけで、関係者が最新データを確認できます。
KPI設定と目標管理
具体的な数値目標を設定し、達成度を測定します。
KPI設定例
- 全体離脱率を3ヶ月で5%改善
- カートページの離脱率を60%以下に維持
- スマホの離脱率をPCとの差10%以内に縮小
- 重要記事(月間PV1,000以上)の離脱率を平均70%以下に
目標は「SMART」の原則(Specific:具体的、Measurable:測定可能、Achievable:達成可能、Relevant:関連性、Time-bound:期限)に沿って設定します。
PDCAサイクルの運用
継続的改善のフレームワークを確立します。
Plan(計画)
- 離脱率データから改善対象ページを選定
- 仮説を立てる(例:「CTAボタンが小さいため、離脱率が高い」)
- 改善施策を具体化
Do(実行)
- 施策を実装
- A/Bテストで検証
- 実装日と変更内容を記録
Check(評価)
- 2-4週間後にデータを確認
- 離脱率の変化を測定
- 副次的な効果(CVR、エンゲージメント率など)も確認
Act(改善)
- 成功した施策は他ページにも展開
- 失敗した施策は原因を分析し、次の仮説を立てる
- 学びをドキュメント化して組織内で共有
このサイクルを月次で回すことで、継続的にサイト品質が向上します。年間を通じて離脱率を10-20%改善することも可能です。
次のステップ:他のGA4指標との組み合わせ
離脱率単独ではなく、他のGA4指標と組み合わせて分析することで、より深いユーザー理解と効果的な改善が可能になります。 相関分析と総合的なサイト評価の方法を紹介します。
エンゲージメント率との相関分析
離脱率とエンゲージメント率は逆相関の関係にあります。両指標を組み合わせることで、ページの質を多角的に評価できます。
4象限マトリクスでの評価
| 象限 | エンゲージメント率 | 離脱率 | 評価 | アクション |
|---|---|---|---|---|
| A | 高 | 低 | 優秀 | 現状維持・ベストプラクティス化 |
| B | 高 | 高 | 要改善 | 導線強化・関連コンテンツ追加 |
| C | 低 | 低 | 問題 | コンテンツ品質の見直し |
| D | 低 | 高 | 最悪 | 抜本的改善または削除検討 |
例えば、ブログ記事でエンゲージメント率が高いのに離脱率も高い場合(象限B)、読者は記事を満足して読んでいるものの、次のアクションへの誘導が弱いと判断できます。
コンバージョン率との関係性
離脱率が低くてもコンバージョン率が低ければ、サイト改善の効果は限定的です。両指標をバランスよく見ることが重要です。
分析の視点
- 離脱率が低い → ユーザーはサイト内を回遊している
- コンバージョン率も高い → 正しい方向で改善できている
- コンバージョン率は低い → 回遊はするが購入・問い合わせに至らない = 魅力不足
改善アプローチ:
離脱率 ↓ + CVR ↓ → 商品・サービスの魅力を強化
離脱率 ↑ + CVR ↑ → 導線を最適化し無駄な回遊を削減
離脱率 ↓ + CVR ↑ → 理想的な状態、さらなる最適化で効率向上
離脱率 ↑ + CVR ↓ → 最優先で改善すべき状態
セッション継続時間の活用
離脱率とセッション継続時間を組み合わせると、離脱の「質」が見えてきます。
解釈のパターン
- 離脱率:高、セッション継続時間:短 → 即離脱・コンテンツが魅力なし
- 離脱率:高、セッション継続時間:長 → 満足して離脱・次のアクション不要
- 離脱率:低、セッション継続時間:短 → 回遊はするが浅い閲覧
- 離脱率:低、セッション継続時間:長 → 深く関与・理想的な状態
メディアサイトの記事ページで「離脱率80%、平均セッション継続時間4分」なら、読者は記事を最後まで読んで満足して離脱していると判断できます。この場合、無理に離脱率を下げるより、メルマガ登録やSNSフォローを促す方が効果的です。
総合的なサイト健全性スコア
複数指標を組み合わせた総合評価で、サイト全体の健全性を定量化できます。
スコアリング例
サイト健全性スコア =
(エンゲージメント率 × 0.3)
+ ((100 - 離脱率) × 0.2)
+ (CVR × 100 × 0.3)
+ (平均セッション継続時間(分) × 10 × 0.2)
このようなスコアを月次で追跡することで、個別指標の上下に惑わされず、サイト全体の改善度を把握できます。
GA4のカスタムディメンションとLooker Studioの計算フィールドを活用すれば、これらの複合指標を自動計算し、ダッシュボードで可視化できます。
GA4の離脱率分析は、単なる数値確認ではなく、ユーザー体験を改善し、ビジネス成果を高めるための重要な手段です。この記事で紹介した方法を実践し、データドリブンなサイト改善を進めてください。
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