「Googleスプレッドシートのデータを見やすいダッシュボードにしたい」「Looker Studioでの分析作業を効率化したい」そんな悩みをお持ちではないでしょうか?新機能で、スプレッドシートから数クリックでダッシュボードが作れるようになりました。この記事では、初めての方でもすぐに実践できる連携方法から、データを見やすく整理するコツまで、図解でわかりやすく解説します。面倒だったデータ分析を、もっと簡単に、もっと効果的にしていきましょう。
スプレッドシートとlooker studioでグラフやデータの可視化がより便利に効率的に行うことができます。
Looker StudioとGoogleスプレッドシートの連携の基本
Looker StudioとGoogleスプレッドシートの連携によって、エクセルのような表データを見やすいグラフやダッシュボードに変換できます。簡単な例を見てみましょう。
【基本的な活用例】
📊 売上データの可視化
スプレッドシート:
日付 売上 商品
2024/1/1 10,000 A商品
2024/1/2 15,000 B商品
↓
Looker Studioで表示させると。
・月間売上推移グラフ
・商品別円グラフ
・日別売上ランキング
特に以下のような方におすすめです
- マーケティングレポートを自動化したい方
- 経営数値を見やすく整理したい方
- チームでデータを共有したい方

実際にグラフにすると上記のようなレポートがすぐにlooker studioとスプレッドシートを連携させることで表示させることができます。
新機能アップデートのポイント
アップデートで、連携方法が大きく変わりました。主な変更点を表にまとめました。
機能 | 従来の方法 | 新機能 |
---|---|---|
連携手順 | Looker Studioから10ステップ | スプレッドシートから3ステップ |
更新頻度 | 手動更新が必要 | リアルタイム自動更新 |
テンプレート | 基本的なものだけ | 業種別テンプレート追加 |
モバイル表示 | 一部制限あり | 完全対応 |
今まではlooker studioから連携の設定を行うため手間が多く発生しておりましたが、スプレッドシートからlooker studioのレポートを作成できるようになり手間がかなり少なくレポート化が可能になりました。
このアップデートでよりスプレッドシートの活用範囲やlooker studioも便利になりました。
具体的な活用シーンと効果
業種や目的別に、具体的な活用例をご紹介します。
1. ECサイト運営者の場合
ECサイト運用者は、売上・商品・顧客の大きく3つの分析が必要になります。特に売上と商品に関しては、数値化して管理する必要があります。スプレッドシートとlooker studioを連携させることで外部のサービスを使わずシームレスにデータを分析することができます。
活用前
- 売上データを毎日手作業で更新
- 商品別の分析に時間がかかる
- 在庫状況の把握が遅れがち
活用後
- 売上が自動で可視化
- 商品別の売れ筋がひと目でわかる
- 在庫アラートの可視化設定
月が変わったりした際の手作業の部分の手間がなくなり、データをスプレッドシートに反映させるだけでデータを可視化できるため手間なく分析を行い各社へ共有もすることが可能です。
実際に社内の分析をlooker studioにするだけで、分析工数を半分にすることも可能です。
まだ外部の売上管理システムやECサイト側のデータ分析では不十分と感じている運用者は一度試していただければと思います。
弊社では、顧客の行動分析としてGA4の無料レポートを配布しておりますので、参考までにご利用ください。
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2. マーケティング担当者の場合
マーケティング担当者は、多くのデータの分析が必要になります。SNSから広告からサイト分析など複数のメディアを管理するため様々なデータを別々で管理していることが多くあります。
スプレッドシート1つにまとめることで、looker studioではシートを横断して分析することができます。
活用前
- レポート作成に数時間必要
- 広告効果の測定に時間がかかる
- レポート作成に数時間必要
活用後
- 全SNSの効果を一画面で確認
- 広告ROIをリアルタイム把握
- レポートが自動更新
複数のデータを横断したり、結合したりデータ自体を組みわせることでより詳細の分析を行うことができます。
多くの画面からデータをダウンロードして、集計するには膨大な時間がかかるため、スプレッドシートとlooker studioを連携することで、looker studioの共有だけでレポートとして提出も可能になります。
3. 営業マネージャーの場合
もっと重要な指標として売上になります。売上に関わるデータをファネル分析などで管理することも可能です。
商談数や顧客のステータスの分布割合など、売上だけの数値ではなく多面的な分析が可能になります。
活用前
- 案件状況を手動で集計
- 営業員の活動把握が困難
- 商談進捗の共有に時間がかかる
活用後
- 案件パイプラインを可視化
- 営業活動を数値で把握
- チーム全体の状況を即座に共有
連携による具体的なメリット
- 時間削減効果
- 月次の更新のシート変更の手間削減
- グラフの作成の手間削減
- データ集計の手間削減
スプレッドシートではどうしてもグラフを表示させる際やシートが追加になった場合に毎回手動でシートを変更してグラフの表示エリアの変更などを行う必要がありますが、looker studioを使用することでその手間を一切なくすことができます。
- データ品質の向上
- 手動入力ミスの削減
- データの鮮度向上
- 分析の一貫性確保
データの構造をあらかじめlooker studioで表示させる最適な形式で保存しておけば、データの更新を最小限でグラフ化することができ、データ自体を再利用しやすい形式で保持することができます。
- チーム生産性の向上
- 情報共有の即時化
- 意思決定の迅速化
- リソース最適化
このように、Looker StudioとGoogleスプレッドシートの連携は、データ分析の効率を大きく改善します。続くセクションでは、具体的な連携手順と、つまずきやすいポイントについて、順を追って解説していきます。
はい、承知しました。続きのセクションを作成いたします。
準備:必要な権限と設定
まず、連携を始める前に必要な準備をご説明します。準備といってもgoogleのサービスを使用するためのgoogleアカウントなどになりますので誰でも簡単に準備することがきます。
- アカウント要件
必要なもの:
✓ Googleアカウント
✓ スプレッドシートの編集権限
✓ Looker Studioの利用権限(無料)
従来の連携方法(Looker Studioから)
従来の連携方法も、まだ利用可能ですので少し紹介します。新しい連携方法がより効率的かつシンプルな操作で連携することができます。
従来のやり方はlooker studioからの設定から行います。
- Looker Studioにアクセス
- looker.google.comにアクセス
- 「レポートを作成」をクリック
- データソースで「Googleスプレッドシート」を選択
ここまでが従来のlooker studioとスプレッドシートを連携させる方法になります。
次に紹介するのが新しいやり方になります。新しいやり方は、スプレッドシートからlooker studioのレポートを作成する方法になります。従来のやり方の逆になります。2024年にアップデートされてできるようになりました。
looker studio → レポートを作成をクリック。

スプレッドシートの右に上記のサイドバーが表示されますので、作成ボタンをクリック。
スプレッドシートとlooker studioの連携がされたレポートが作成されます。
あとは独自でカスタマイズを行なって完了になります。
- スプレッドシートのデータ構造の注意点
【推奨フォーマット】
・1行目:列名(重複なし)
・2行目以降:データ ・セルの結合なし ・一貫したデータ型
避けるべき構造:
【非推奨の例】
・複数のヘッダー行
・結合セルの使用
・空白行の存在
・計算式が混在
上記の構造のスプレッドシートの場合looker studioでエラーになります。
データのフォーマットの統一:
【推奨フォーマット】
日付: 2024/04/01 (YYYY/MM/DD)
金額:10000
時間:14:30:00 (HH:MM:SS)
パーセント:75.5
よくあるエラーと解決方法
主なエラーとその対処法を表にまとめました。looker studioではよくあるエラーになりますので、解決方法は覚えておいてください。
エラー内容 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
データ読み込みエラー | 権限設定の不備 | シートの共有設定を確認 |
グラフ表示されない | データ形式の不一致 | データ型を統一 |
更新が反映されない | キャッシュの問題 | 手動更新を実行 |
詳細な対処手順
- 権限エラーの場合
Step 1: スプレッドシートを開く
Step 2: 「共有」をクリック
Step 3: 「制限付き」を「リンクを知っている全員」に変更
Step 4: 「閲覧者」以上の権限を付与
- データ形式エラーの場合
Step 1: 該当列を選択
Step 2: 「表示形式」→「数値」を選択
Step 3: 適切なフォーマットを適用
Step 4: Looker Studioで再読み込み
パフォーマンス改善のコツ
looker studioではデータの読み込みに時間がかかることが多々あり、複雑な計算などをlooker studioで行うとパフォーマンスが悪くなりレポートが表示されないことがあります。
その解消方法をいくつかご紹介します。
レポートの表示速度を改善する方法
- データ量の最適化
推奨事項:
・不要な列を削除する
・過去データを別シートに移動する
・looker studio側の計算式を簡素化する
・計算をスプレッドシート側で行う
- グラフ数の調整
目安:
・1ページあたり最大6つ程度にする
・複雑なグラフは分散して表示させる
・重要度の低いものは別ページにする
原則複雑な計算はスプレッドシート側で行うことでlooker studio側の負荷を軽減することができます。looker studioはデータ量の制限もあり、できるだけシンプルにデータを表示させるなどに限定するのが理想です。
データ更新の問題と対処法
データ更新の際にも不具合が起こる場合の対象として下記の例を挙げております。もしもデータの表示がおかしい場合は、実施してみてください。
問題 | 症状 | 対策 |
---|---|---|
遅延 | 更新に時間がかかる | データ量を減らす |
不整合 | 古いデータが混在 | キャッシュをクリア データ更新をクリックする |
欠損 | データが部分的に表示されない | フィルタを確認 |
複数シートの連携
複数シートを活用する際の具体的な方法とデータ管理についてご紹介します。
ただしスプレッドシートで多くのシートを連携させるとパフォーマンスもよくないですが、それよもデータ管理が煩雑になるため、1つのスプレッドシートでどこまでのデータを管理する範囲を決めておく必要はあります。
- データの分散配置
推奨構成:
・マスターシート:基本データ
・集計シート:計算結果
・参照シート:ルックアップ用
集計シートのデータとlooker studioを連携させるでレポートを表示させるのが理想です。
参照シートは集計から一部抽出したデータを確認できるようにしておき、すぐに見れる状態にしておくのが良いです。
- シート間の関連付け
連携方法:
・VLOOKUP関数の活用
・QUERY関数での結合
・ピボットテーブルの利用
スプレッドシートの機能になりますが、別シートのデータを参照することもできます。
スプレッドシートの関数で取得するためシームレスにデータを見ることができますが、多くのシートの情報と連携させるとどのシートからどれを参照して来ているかわからなくなるため、ご注意ください。
シートを削除すると連携も外れるため、スプレッドシート自体がエラーになる場合があります。
別シートから取得してきたデータは、looker studioと連携できないためご注意ください。
高度な計算フィールドの作成
高度な計算フィールドを使用することで、looker studio側で計算したり条件にあった場合などの処理が可能になります。
計算フィールドを駆使することで、詳細の分析をすることができます。
計算式の例
【集客分析】
・コンバージョン率 = SUM(購入数) / SUM(訪問数)
・離脱率 = 1 - (次ページビュー / ページビュー)
looker studioでは専用の関数が用意されているのでそれを使うます。
関数に関しては別の記事でご紹介しておりますので、参考にしてください。
よくある質問と回答
Q1: 無料で使えますか?
A: はい、基本機能は無料です。
・データ連携:無料
・基本的なグラフ作成:無料
・チーム共有:無料
※ エンタープライズ機能のみ有料になります。
Q2: データの更新頻度は?
A: 以下の2つあります。
・画面表示のタイミングで更新
・手動更新
※更新を一時的に停止することも可能です。
Q3: セキュリティは大丈夫?
A: Googleの標準的なセキュリティ対策適用
・アクセス制御:権限設定で管理可能
・データ保護:Googleの暗号化対策適用
・監査ログ:変更履歴などの管理
アップデート情報
アップデート情報の公式サイトはこちらになります。https://cloud.google.com/looker-studio/docs/release-notes
定期的にアップデートされておりますので、気になった方は見ていただければと思います。
無料のレポートも配布しておりますのでお気軽にご利用ください。
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