データ分析を行う際に必要不可欠なLooker StudioのDATE関数。しかし、初めて使う方にとって、どの関数をどのように使えばよいのか悩ましいものです。
本記事では、DATE関数の基礎から実践的な活用方法まで、具体例を交えてわかりやすく解説します。Looker studioでレポートを効率的に作成することができますので参考にしてください。
Looker StudioのDATE関数は、名前の通り日付のデータを扱う関数になります。
例えば、「今日の日付を自動で取得したい」「2つの日付の間隔を計算したい」といった際に使用することができます。データ分析において日付の処理は非常に重要で、正確なレポート作成には欠かせない機能となっています。
一定の期間のデータを比較や期間などを比較したレポートを作成することが頻繁にあるため、DATE関数はよく使うものになります。
CURRENT_DATE関数:現在の日付を取得する基本機能
CURRENT_DATE関数は、最も基本的な日付関数の一つです。この関数を使うことで、レポートの更新日時を自動的に反映させたり、日々の売上データを自動更新したりすることができます。
具体的な使い方が下記になります。
// 日本時間の現在日付を取得
CURRENT_DATE("Asia/Tokyo")
// 基準時(UTC)の現在日付を取得
CURRENT_DATE()
この関数は特に以下のような場面で活躍します。
- 日次レポートの自動更新
- データの鮮度確認
- 期間限定キャンペーンの管理
Google アナリティクスデータとCURRENT_DATE関数の活用例
日付範囲の動的フィルタリング
Google アナリティクスのデータを過去30日間に絞り込む場合
// 過去30日間のデータを表示
DATE_DIFF(CURRENT_DATE("Asia/Tokyo"), ga_date, DAY) <= 30
これをフィルタとして適用することで、レポートを開くたびに自動的に直近30日間のデータが表示されます。
前年同期比較
Google アナリティクスの今年のデータと前年同期を比較する計算フィールドの作成
// 今年と前年の同じ日のセッション数の差分を計算
CASE
WHEN EXTRACT(YEAR, ga_date) = EXTRACT(YEAR, CURRENT_DATE("Asia/Tokyo"))
THEN ga_sessions
WHEN EXTRACT(YEAR, ga_date) = EXTRACT(YEAR, CURRENT_DATE("Asia/Tokyo")) - 1
THEN -ga_sessions
ELSE 0
END
CURRENT_DATETIME関数:時刻まで含めた詳細な日時管理
CURRENT_DATETIME関数は、日付だけでなく時刻も含めて取得できる便利な関数です。リアルタイム性の高いデータ分析や、時間帯による傾向分析に特に有効です。
// 日本時間の現在日時を取得(時分秒まで)
CURRENT_DATETIME("Asia/Tokyo")
// 基準時(UTC)の現在日時を取得
CURRENT_DATETIME()
Google アナリティクスデータとCURRENT_DATETIME関数の活用例
少し複雑になりますが、BtoB企業では有効な分析方法かと思いますので、一例を紹介します。
例では、CASE関数を使って時間を計算して、営業時間内と時間外のコンバージョン率を比較しております。
// 営業時間(9時〜18時)内のコンバージョン率
CASE
WHEN EXTRACT(HOUR, ga_datetime) >= 9 AND EXTRACT(HOUR, ga_datetime) < 18
AND EXTRACT(DAYOFWEEK, ga_datetime) BETWEEN 2 AND 6 // 平日のみ
THEN ga_conversions / NULLIF(ga_sessions, 0)
ELSE NULL
END
これによりどのタイミングでコンテンツを追加すれば良いか、メールを配信するべきかどうかが判断できます。コンバージョン数が一定量必要になりますが、分析することができます。
DATE_DIFF関数で期間の計算を簡単に
DATE_DIFF関数を使えば、2つの日付の間隔を簡単に計算できます。この機能は以下のような様々な分析で使用します。
- 会員の継続期間分析
- プロジェクトの進捗管理
- 商品の販売期間集計
// 会員登録からの経過日数を計算
DATE_DIFF(CURRENT_DATE(), 登録日)
// キャンペーン期間の残り日数を計算
DATE_DIFF(終了日, CURRENT_DATE())
上記はシンプルな例になりますが、日付の間隔を分析することは実務でも多くあるので、基本の形を理解することで、役立ちます。
Google アナリティクスデータとDATE_DIFF関数の活用例
ユーザーエンゲージメント分析に使うことができます。
初回訪問から再訪問までの日数を分析することで、どのくらいユーザー数が自社に興味があり再訪問しているユーザーなのかを判断することができます。
分析することで、再訪問時にポップアップでの訴求や再訪問がない場合は、再訪問促すメルマガなどに注力するべきなどの施策が見えてきます。
// 初回セッションから現在のセッションまでの経過日数
DATE_DIFF(ga_date, ga_first_visit_date, DAY)
よくあるDATE関数で課題への対応例
1. 前年比較レポートの作成方法
売上やアクセス数の前年比較は、ビジネス分析の基本です。この比較によって、ビジネスの成長率や季節的な変動パターンを明確に把握することができます。特に小売業や観光業など、季節性の強い業種では欠かせない分析手法です。Looker Studioでは、以下のようなコードで簡単に実装できます。
// 前年同月比較の計算
DATE_DIFF(
CURRENT_DATE(),
DATE_SUB(CURRENT_DATE(), INTERVAL 1 YEAR)
)
この基本的なコードに加えて、より実用的な前年比較のための計算フィールドとしては、以下のようなパターンも考えられます。
// 前年同日との売上差分率の計算
CASE
WHEN EXTRACT(MONTH, date) = EXTRACT(MONTH, CURRENT_DATE())
AND EXTRACT(DAY, date) = EXTRACT(DAY, CURRENT_DATE())
AND EXTRACT(YEAR, date) = EXTRACT(YEAR, CURRENT_DATE()) - 1
THEN (現在の売上 - 前年の売上) / 前年の売上 * 100
ELSE NULL
END
2. 月次レポートの自動更新設定
毎月のレポート更新を自動化する際は、以下のような方法が効果的です。
これにより、レポート作成の手間を大幅に削減し、常に最新データに基づいた意思決定を可能にします。
// 今月の初日を取得
DATE_TRUNC(CURRENT_DATE(), MONTH)
// 今月の最終日を取得
DATE_SUB(DATE_TRUNC(DATE_ADD(CURRENT_DATE(), INTERVAL 1 MONTH), MONTH), INTERVAL 1 DAY)
月次レポートは、多くの企業で標準的に使用されるレポート形式です。営業部門では月間の売上達成率、マーケティング部門ではキャンペーンの月次効果測定、人事部門では月間の労働時間分析など、様々な用途に活用されています。
- DATE関数とDATETIME関数の違いは何ですか?
- DATE関数は日付のみを扱う関数で、DATETIME関数は時刻まで含めた詳細な時間情報を扱う関数です。例えば、日次の売上集計にはDATE関数が適していますが、時間帯別のアクセス解析にはDATETIME関数が適しています。
- タイムゾーンの設定は必須ですか?
- タイムゾーンの設定は必須ではありませんが、グローバルなデータ分析や、複数地域のユーザーを対象とする場合は、明示的に設定することを強くお勧めします。設定しない場合はUTC(協定世界時)が使用されます。
まとめ:効果的なDATE関数の活用のために
Looker StudioのDATE関数は、データ分析に欠かせない重要な機能です。基本的な使い方を押さえた上で、以下のポイントに注意して活用することで、より効果的なデータ分析が可能になります。
- 目的に応じた適切な関数の選択
- タイムゾーンの正しい設定
- パフォーマンスを考慮した実装
- データ型の互換性確認
これらの点に注意を払いながら、実際のビジネスシーンに合わせてDATE関数を活用してください。
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