【初心者向け】Looker Studioの使い方完全ガイド|レポート作成の基本手順を徹底解説

「Looker Studioを使ってみたいけど、何から始めればいいかわからない…」そんな悩みを抱えていませんか。データ分析ツールは便利そうだけど、専門用語が多くて難しそうと感じている方も多いでしょう。

この記事では、Looker Studio初心者の方でも、たった30分で基本的なレポートが作成できるようになる実践的な手順を解説します。データソースの接続からグラフ作成、共有方法まで、画面操作を追いながら丁寧に説明しますので安心してください。

記事を読み終わる頃には、あなたも自分でWebサイト分析レポートやSEOレポートが作成できるようになります。さあ、今すぐLooker Studioでのレポート作成を始めましょう。


Looker Studioとは?初心者が知っておくべき基礎知識

Looker Studioでできること

Looker Studioは、Googleが提供する無料のBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)です。Googleアカウントさえあれば、誰でもすぐに利用開始できます。

このツールの最大の特徴は、複数のデータソースからデータを集約し、視覚的にわかりやすいレポートを自動で作成できる点です。Google Analytics 4(GA4)やGoogle Search Console、Google広告など、800種類以上のデータソースと連携可能です。

例えば、Webサイトのアクセス数、検索キーワードの順位、広告の費用対効果などを1つのレポートにまとめて表示できます。データは自動で更新されるため、毎月手動でExcelやPowerPointにコピー&ペーストする手間が不要になります。さらに、作成したレポートはURLひとつで簡単に共有でき、チーム内での情報共有もスムーズです。

初心者におすすめの理由

Looker Studioが初心者におすすめな理由は3つあります。

第一に、プログラミング知識が一切不要です。ドラッグ&ドロップの直感的な操作だけで、プロフェッショナルなレポートを作成できます。コードを書く必要がないため、非エンジニアの方でも安心して使えます。

第二に、豊富なテンプレートが用意されています。GA4用、Search Console用など、用途別のテンプレートをコピーして使えば、1から作る必要がありません。テンプレートをカスタマイズするだけで、すぐに実用的なレポートが完成します。

第三に、Googleアカウントだけで始められる手軽さです。特別なソフトウェアのインストールは不要で、Webブラウザがあればどこからでもアクセスできます。スマートフォンやタブレットからもレポートの閲覧が可能です。

Looker Studioの料金体系

Looker Studioの基本機能は完全無料で利用できます。個人利用から企業利用まで、費用を気にせず使い始められるのが大きな魅力です。

無料プランでは、データソースの接続、レポート作成、グラフの追加、共有機能など、ほとんどの機能が制限なく使えます。作成できるレポート数にも制限はありません。多くのユーザーにとって、無料プランで十分な機能が揃っています。

なお、Googleは2023年に「Looker Studio Pro」という有料プランを発表しましたが、現時点では一般向けには提供されていません。Pro版では、チーム管理機能の強化、SLA保証、専用サポートなどが追加される予定です。個人や中小企業であれば、無料版で十分に実用的なレポート作成が可能ですので、まずは無料版から始めることをおすすめします。

Looker Studio Pro完全ガイド【2025年最新】料金・機能・無料版との違いを専門家が徹底解説


【STEP1】Looker Studioの初期設定とログイン方法

必要なものを準備する

Looker Studioを始める前に、以下の3つを準備しましょう。

まず、Googleアカウント(無料)が必要です。すでにGmailを使っている方は、そのアカウントをそのまま利用できます。Googleアカウントを持っていない場合は、Googleアカウント作成ページから無料で新規登録できます。

次に、接続したいデータソースへのアクセス権を確認してください。例えば、GA4のデータを使いたい場合は、そのGA4プロパティへの閲覧権限以上が必要です。会社のデータを使う場合は、管理者に権限付与を依頼しましょう。

最後に、推奨ブラウザはGoogle Chromeです。Looker StudioはGoogleのサービスなので、Chromeとの相性が最も良く、動作も安定しています。他のブラウザ(Edge、Safari、Firefoxなど)でも利用できますが、一部機能が正常に動作しない場合があります。

Looker Studioへのログイン手順

Looker Studioへのログインは非常に簡単です。以下の手順で進めてください。

  1. Webブラウザで「lookerstudio.google.com」にアクセスします
  2. 画面右上の「Looker Studioを使用」または「無料で使用」ボタンをクリックします
  3. Googleアカウントの選択画面が表示されるので、使用するアカウントを選びます
  4. 初回ログイン時は利用規約への同意が求められるので、内容を確認して「同意する」をクリックします
  5. メール配信設定の画面が表示される場合がありますが、後から変更できるので任意で選択してください

これでLooker Studioのホーム画面が表示されます。初回ログイン時は「ようこそ」画面が表示されることがありますが、チュートリアルは後からでも見られるので、スキップして問題ありません。

管理画面の見方と基本操作

Looker Studioのホーム画面は、シンプルで直感的な構成になっています。主要な3つのエリアを理解しましょう。

画面左上には「作成」ボタンがあります。ここから新しいレポートやデータソースを作成できます。初めてレポートを作る際は、このボタンをクリックするところからスタートします。

画面中央には、自分が作成したレポートの一覧が表示されます。サムネイル形式で並んでおり、クリックすればすぐに編集や閲覧ができます。検索ボックスを使えば、レポート名で素早く探すことも可能です。

画面上部のタブでは、「レポート」「データソース」「エクスプローラ」の3つを切り替えられます。「レポート」タブには作成したレポートが、「データソース」タブには接続済みのデータソースが表示されます。まずは「レポート」タブから始めましょう。


【STEP2】データソースの接続方法|初心者向け詳細手順

データソース接続前の確認事項

データソースを接続する前に、2つの重要なポイントを確認しておきましょう。

まず、アクセス権限の確認です。接続したいデータソースに対して、あなたのGoogleアカウントが閲覧権限以上を持っているか確認してください。GA4であれば「閲覧者」以上、Google広告であれば「標準アクセス」以上の権限が必要です。権限がない場合、データソースが一覧に表示されないか、接続エラーになります。

次に、初心者におすすめのデータソースを把握しておきましょう。最も扱いやすいのは、Googleスプレッドシート、GA4、Google Search Consoleの3つです。これらはGoogleの純正サービスなので接続がスムーズで、エラーも起きにくい特徴があります。初めての方は、まずこの3つのいずれかから始めることをおすすめします。

Google Analytics 4(GA4)の接続方法

GA4は最もよく使われるデータソースの1つです。以下の手順で接続しましょう。

  1. Looker Studioのホーム画面で「作成」→「レポート」をクリックします
  2. 「データのレポートへの追加」パネルが開くので、「データに接続」タブを選択します
  3. Googleコネクタの一覧から「Google Analytics」を探してクリックします
  4. アカウント選択画面が表示されるので、接続したいGA4アカウントを選びます
  5. 次にプロパティを選択します。ここで表示されるのは、あなたがアクセス権を持っているプロパティのみです
  6. 画面右下の「追加」ボタンをクリックすれば接続完了です

接続が完了すると、自動的にレポート編集画面に移動します。これでGA4のデータを使ってレポートが作成できる状態になりました。

Google Search Consoleの接続方法

Google Search Consoleの接続も、GA4と同様に簡単です。手順を詳しく見ていきましょう。

レポート作成画面で「データソースを追加」をクリックし、「Google Search Console」を選択します。「サイトのURL」または「ドメインプロパティ」の選択肢が表示されるので、使用したい方を選んでください。通常は「サイトのURL」で問題ありません。

接続したいWebサイトのURLを一覧から選択し、「追加」をクリックします。もしURLが表示されない場合は、Search Consoleでの権限が不足している可能性があります。Search Consoleの管理画面で、あなたのアカウントに権限が付与されているか確認しましょう。

よくあるエラーとして、「データソースが見つかりません」と表示される場合があります。これは、Looker Studioで使用しているGoogleアカウントと、Search Consoleの権限を持つアカウントが異なる時に発生します。同じアカウントでログインし直すことで解決できます。

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その他主要データソースの接続

初心者がよく使う他のデータソースについても簡単に紹介します。

Google広告は、広告キャンペーンのパフォーマンスを分析する際に必須です。接続方法はGA4と同様で、「Google広告」コネクタを選択し、アカウントとキャンペーンを選ぶだけです。費用、クリック数、コンバージョン数などの指標が取得できます。

Googleスプレッドシートは、CSVデータや自社で管理しているデータを使いたい場合に便利です。「Googleスプレッドシート」コネクタを選び、対象のスプレッドシートとシートを指定すれば接続完了です。データ範囲も指定できます。

BigQueryは大規模データの分析に使われますが、初心者には少し難易度が高いため、まずは上記の3つのデータソースに慣れてから挑戦することをおすすめします。

データソース接続時のよくあるトラブルと解決策

データソース接続時によくあるトラブルと、その解決方法を3つ紹介します。

権限エラーが最も多いトラブルです。「アクセス権がありません」というメッセージが表示される場合、使用しているGoogleアカウントがデータソースへのアクセス権を持っていません。データソースの管理者に連絡し、閲覧権限以上を付与してもらいましょう。

データが表示されない場合は、データソースの更新タイミングが原因かもしれません。GA4などは通常24~48時間のデータ処理遅延があります。また、フィルター設定が厳しすぎてデータが絞り込まれすぎている可能性もあります。フィルターを一度解除して確認してみてください。

複数アカウントの切り替えで混乱する場合は、Looker Studio画面右上のアカウントアイコンから、正しいGoogleアカウントに切り替わっているか確認しましょう。データソースごとに異なるアカウントを使っている場合は、都度切り替えが必要です。

【すぐ解決】Looker Studioエラー対処法|よくある10の問題と解決手順


【STEP3】初めてのレポート作成|空白から作る基本手順

新規レポートの作成方法

新規レポートの作成方法には2つのアプローチがあります。それぞれの特徴を理解して選びましょう。

「空白のレポート」から作成する方法は、完全にゼロからレポートをデザインできます。自由度が高い反面、どこから手をつけていいか迷う初心者には少しハードルが高いかもしれません。ただし、レポートの構成を自分で考えられるので、独自のレイアウトを作りたい場合に最適です。

「テンプレート」から作成する方法は、初心者に強くおすすめします。GA4用、Search Console用など、用途別のテンプレートが多数用意されており、データソースを接続するだけですぐに使えます。テンプレートをコピーした後、自分の好みに合わせてカスタマイズすることも可能です。

キャンバスサイズは自動で最適なサイズに設定されますが、後から変更も可能です。テーマは「現在のテーマ」から選択でき、レポート全体の配色やフォントを一括で変更できます。まずはデフォルトのまま進めて、後から調整するのがおすすめです。

レポートページの基本構成

効果的なレポートには、基本的な構成パターンがあります。プロフェッショナルなレポートを作るために押さえておきましょう。

ヘッダー部分には、レポートのタイトル、ロゴ、期間選択コントロールを配置します。閲覧者が最初に目にする部分なので、わかりやすく整理しましょう。通常、ページ上部20%程度をヘッダーに使います。

本文部分には、メインとなるグラフや表を配置します。最も重要な指標(KPI)を上部に大きく表示し、詳細な分析グラフを下部に配置するのが一般的です。関連するグラフ同士は近くにまとめると、レポートが見やすくなります。

フッター部分には、データソースの更新日時や注記を記載します。「最終更新:2025年3月」のように表示することで、データの鮮度を明示できます。フッターは省略することも可能ですが、共有する相手がいる場合はあった方が親切です。

データソースの追加とディメンション・指標の理解

Looker Studioを使いこなすには、「ディメンション」と「指標」の概念を理解することが重要です。

ディメンションとは、データを分類・グループ化するための属性のことです。例えば、「ページURL」「日付」「デバイスカテゴリ」「地域」「参照元」などがディメンションに該当します。「何で分けるか」を決めるのがディメンションの役割です。

指標とは、数値で表される測定値のことです。例えば、「セッション数」「ユーザー数」「ページビュー数」「直帰率」「コンバージョン数」などが指標に該当します。「何を測るか」を決めるのが指標の役割です。

グラフを作成する際は、横軸にディメンション、縦軸に指標を設定するのが基本です。例えば、「日付別のセッション数推移」というグラフであれば、ディメンションは「日付」、指標は「セッション数」となります。この2つの概念を理解すれば、Looker Studioでのレポート作成が格段にスムーズになります。


【STEP4】グラフと表の追加方法|視覚化の基本テクニック

よく使うグラフの種類と使い分け

Looker Studioには20種類以上のグラフが用意されていますが、初心者がまず覚えるべきは5つです。

時系列グラフ(折れ線グラフ)は、時間経過に伴う変化を表示する際に最適です。セッション数の推移、売上の月次推移など、トレンドを把握したい時に使います。複数の指標を1つのグラフに重ねて表示することも可能です。

棒グラフは、カテゴリ間の比較に適しています。ページ別のPV数ランキング、地域別のユーザー数比較など、どの項目が多いか少ないかを一目で把握できます。横棒グラフと縦棒グラフの両方があります。

円グラフは、全体に占める割合を表示する際に使います。デバイス別の訪問者割合、参照元別のセッション比率などに適しています。ただし、項目が5つ以上になると見づらくなるため、主要項目のみに絞りましょう。

表(スコアカード)は、KPIとなる単一の数値を大きく表示する際に使います。「今月のセッション数:12,345」のように、最も注目してほしい指標を目立たせられます。

地図グラフは、地域別のデータ分布を視覚化できます。国別・都道府県別のユーザー数を色の濃淡で表現でき、地理的な傾向が一目でわかります。

Looker Studio積み上げ複合グラフの作り方|売上とコストを同時表示する方法

グラフの追加手順(実践例:時系列グラフ)

実際に時系列グラフを追加する手順を、ステップバイステップで解説します。

  1. レポート編集画面で、画面上部の「グラフを追加」ボタンをクリックします
  2. グラフタイプの一覧が表示されるので、「時系列グラフ」を選択します
  3. レポート上の任意の位置にドラッグして配置します。この時点で簡単なプレビューが表示されます
  4. 画面右側の「データ」タブで、ディメンションを「日付」に設定します
  5. 指標は「セッション」を選択します。複数の指標を追加することも可能です
  6. 「スタイル」タブに切り替えて、線の色や太さをカスタマイズできます

これで基本的な時系列グラフが完成しました。期間を変更すると、グラフも自動的に更新されます。折れ線グラフの下に面グラフの塗りつぶしを追加したい場合は、「スタイル」タブの「塗りの不透明度」を調整しましょう。

スコアカード(KPI表示)の作り方

スコアカードは、重要な数値を大きく表示してレポートの見栄えを良くします。作成方法を詳しく見ていきましょう。

「グラフを追加」から「スコアカード」を選択し、レポート上部に配置します。データタブで指標を「セッション数」に設定すると、現在の期間のセッション数が大きく表示されます。

比較期間の設定をすることで、前期比を表示できます。データタブの「比較期間」をオンにすると、「前の期間」や「前年」との比較値が自動で計算されます。スコアカードに「+15.3%」のような増減率が表示され、パフォーマンスの変化が一目でわかります。

前期比の表示方法をカスタマイズするには、スタイルタブで「比較指標のスタイル」を選択します。色を緑(増加時)と赤(減少時)に設定しておけば、良い変化と悪い変化が視覚的に区別できます。複数のスコアカードを横並びに配置すれば、ダッシュボードのような見栄えになります。

表(テーブル)の作成とカスタマイズ

表(テーブル)は、詳細なデータを一覧で表示したい時に便利です。作成とカスタマイズの方法を解説します。

「グラフを追加」から「表」を選択し、レポートに配置します。ディメンションに「ページパス」、指標に「ページビュー」「ユーザー」「平均エンゲージメント時間」などを追加すれば、ページ別のパフォーマンス表が完成します。

列の追加・削除は、データタブの指標欄で「+ 指標を追加」をクリックするだけです。不要な列は、指標の横の「×」をクリックして削除できます。列の順番も、ドラッグ&ドロップで簡単に入れ替えられます。

ソート(並べ替え)設定は、デフォルトではディメンションの昇順になっています。データタブの「デフォルトの並べ替え」で、特定の指標の降順に変更できます。例えば「ページビュー数の多い順」に並べ替えることで、人気ページランキングとして使えます。

ページネーションを設定すれば、表に表示する行数を制限できます。スタイルタブの「行数」で「10行」と設定すれば、上位10件のみが表示され、レポートがすっきりします。


【STEP5】期間指定とフィルター機能の使い方

期間コントロールの追加方法

期間コントロールを追加することで、レポートの閲覧者が自由に期間を変更できるようになります。動的なレポート作成には必須の機能です。

画面上部の「コントロールを追加」から「期間」を選択し、ヘッダー部分に配置します。これだけで、カレンダー形式の期間選択機能が追加されます。閲覧者がクリックして期間を変更すると、レポート内のすべてのグラフが自動的に更新されます。

デフォルト期間の設定も重要です。期間コントロールのプロパティで「過去28日間」「今月」「先月」などのデフォルト値を設定できます。多くの場合、「過去28日間」がバランスの良い設定です。

比較期間の有効化をオンにすると、「前の期間と比較」というオプションが期間コントロールに表示されます。これにより、選択した期間と同じ長さの前の期間を自動的に比較できるようになります。前月比や前年比の分析が簡単に行えます。

フィルター機能で絞り込む

フィルター機能を使えば、特定の条件でデータを絞り込んだレポートが作成できます。2種類のフィルターを理解しましょう。

固定フィルターは、レポート作成者が設定する静的なフィルターです。例えば「日本国内のユーザーのみ表示」のように、閲覧者が変更できない条件を設定します。グラフを選択し、データタブの「フィルタを追加」から条件を指定します。

**可変フィルター(ドロップダウンフィルター)**は、閲覧者が自由に変更できる動的なフィルターです。「コントロールを追加」から「ドロップダウンリスト」を選択し、フィルタリングしたいディメンション(例:「デバイスカテゴリ」)を設定します。

これにより、閲覧者が「デスクトップ」「モバイル」「タブレット」を切り替えながらデータを確認できます。複数条件でフィルタリングする場合は、複数のドロップダウンフィルターを追加すれば、AND条件で絞り込めます。

【図解付き】Looker Studioフィルター機能完全マスター|基礎から応用テクニックまで実例で解説

セグメント機能の活用

セグメント機能を使うと、より高度なデータ分析が可能になります。初心者でも簡単に使える実用的なセグメント例を紹介します。

よく使うセグメント例としては、「新規ユーザー」と「リピーター」の分離があります。これにより、新規顧客とリピーターの行動の違いを分析できます。また、「コンバージョンしたユーザー」のみを抽出すれば、成果につながったユーザーの特徴が見えてきます。

カスタムセグメントの作り方は、データタブの「セグメント」から「新しいセグメントを作成」を選択します。条件を組み合わせて、例えば「モバイルユーザーで、かつセッション時間が3分以上」のような複雑な条件でユーザーを抽出できます。作成したセグメントは保存して、他のレポートでも再利用可能です。

Looker Studioのパラメーター完全ガイド:基礎から実践的な活用方法まで


【STEP6】レポートのデザインとカスタマイズ

テーマとスタイルの設定

レポートの見た目を整えることで、プロフェッショナルな印象を与えられます。テーマとスタイルの設定方法を解説します。

全体テーマの変更は、画面上部の「テーマとレイアウト」から行います。「シンプル」「モダン」「ダーク」など、複数のテーマが用意されています。テーマを選択するだけで、レポート全体の配色が統一されます。

カラーパレットの選び方では、企業のブランドカラーに合わせることが重要です。「テーマとレイアウト」の「色をカスタマイズ」から、プライマリカラー、セカンダリカラーを設定できます。色の一貫性があると、レポートの質が格段に向上します。

フォント設定も、全体テーマから一括で変更できます。見出しと本文で異なるフォントを使い分けることで、視認性が高まります。日本語フォントは「Noto Sans JP」が読みやすくておすすめです。英数字は「Roboto」との組み合わせが一般的です。

レイアウトの調整テクニック

美しいレイアウトを作るための実践的なテクニックを3つ紹介します。

要素の整列は、複数のグラフをきれいに並べるために重要です。グラフを複数選択した状態で、画面上部の「配置」メニューから「左揃え」「上揃え」「等間隔に配置」などが使えます。これにより、ピクセル単位で正確に整列できます。

グリッドとガイドの活用も効果的です。「表示」メニューから「グリッドとガイド」をオンにすると、10ピクセルごとにグリッド線が表示され、要素の配置がしやすくなります。また、スナップ機能により、要素が自動的にグリッドに吸着します。

レスポンシブデザインのコツとしては、グラフのサイズを固定せず、パーセント指定を使うことです。これにより、異なる画面サイズでもレイアウトが崩れにくくなります。また、モバイル表示を確認する場合は、「表示」メニューから「モバイルレイアウト」をプレビューできます。

画像とテキストの追加

グラフだけでなく、画像やテキストを追加することで、より説明的なレポートが作れます。

ロゴやヘッダー画像の挿入は、「挿入」メニューから「画像」を選択します。ローカルファイルをアップロードするか、URLを指定して画像を追加できます。ロゴはヘッダーの左上に配置するのが一般的です。画像のサイズは後から調整できます。

説明テキストの配置には、「挿入」メニューから「テキスト」を選択します。グラフの上に「月次セッション推移」のような見出しを追加したり、注意書きを記載したりできます。テキストボックスのフォントサイズ、色、太字などは自由に設定できます。

ハイパーリンクの設定をすることで、他のページへ誘導できます。テキストや画像を選択し、「リンク」アイコンからURLを設定します。例えば、詳細レポートへのリンクや、公式サイトへのリンクを追加すると便利です。


【STEP7】レポートの共有と権限設定

レポート共有の基本手順

作成したレポートを他の人と共有する方法を3つ紹介します。

共有リンクの発行が最も簡単な方法です。画面右上の「共有」ボタンをクリックし、「一般的なアクセス」を「リンクを知っている全員」に変更します。これで、URLを知っている人なら誰でも閲覧できるようになります。URLをコピーして、メールやチャットで共有するだけです。

メールでの招待方法は、特定の人にだけ共有したい場合に使います。「共有」画面で「ユーザーやグループを追加」にメールアドレスを入力し、閲覧権限または編集権限を選択します。招待された人にはGoogleからメール通知が届きます。

PDFダウンロード機能も便利です。画面右上の「ダウンロード」アイコンから「PDFをダウンロード」を選択すると、レポートを静的なPDFファイルとして保存できます。クライアントへの報告書として印刷する場合などに活用できます。

閲覧権限と編集権限の違い

権限設定を正しく理解することで、安全にレポートを共有できます。2つの権限レベルの違いを把握しましょう。

閲覧権限を持つユーザーは、レポートを見ることしかできません。期間やフィルターは変更できますが、レポートのレイアウトやグラフを編集することはできません。クライアントや上司への共有には、閲覧権限が適しています。

編集権限を持つユーザーは、レポートの内容を自由に変更できます。グラフの追加・削除、デザインの変更、データソースの変更なども可能です。チームメンバーとの共同作業には編集権限が必要ですが、誤って重要なレポートを変更されるリスクもあります。

推奨される権限設定は、基本的には「閲覧のみ」で共有し、編集が必要なメンバーにのみ編集権限を与えることです。社外共有時の注意点として、データソースへのアクセス権限が共有相手にない場合、レポート上でデータが表示されないことがあります。その場合は、「閲覧者の認証情報」設定を「オーナーの認証情報」に変更すれば、データソースの権限がない人でもレポートを閲覧できます。

スケジュール配信の設定

定期的にレポートをメール配信する機能も便利です。設定方法を詳しく解説します。

画面右上の「共有」→「スケジュールされた配信」を選択します。新しい配信スケジュールを作成する画面が表示されます。

配信頻度の設定では、「毎日」「毎週月曜日」「毎月1日」など、様々なパターンを選択できます。マーケティングレポートであれば「毎週月曜日の朝9時」、月次レポートであれば「毎月1日の朝10時」のように設定するのが一般的です。

PDF添付オプションをオンにすると、レポートのPDFが自動的にメールに添付されます。メール本文にはレポートへのリンクも含まれるため、受信者は好みの方法でレポートを確認できます。配信先のメールアドレスは複数指定でき、チーム全体への一斉配信も可能です。


初心者が作るべき!おすすめレポートテンプレート3選

Webサイト分析レポート(GA4連携)

GA4と連携したWebサイト分析レポートは、最も基本的で実用的なレポートです。表示すべき基本指標を紹介します。

必須KPIとして、以下の指標を上部のスコアカードで大きく表示しましょう:ユーザー数、セッション数、ページビュー数、平均セッション時間、直帰率、コンバージョン数。これらの指標を前期比と一緒に表示することで、パフォーマンスの変化が一目でわかります。

推奨グラフ構成は以下の通りです。時系列グラフで「ユーザー数とセッション数の推移」、棒グラフで「ページ別PVランキングTop10」、円グラフで「デバイスカテゴリ別の割合」、地図グラフで「国別のユーザー分布」、表で「流入元別のセッション数とコンバージョン率」を配置します。これで基本的なWeb分析が網羅できます。

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SEO分析レポート(Search Console連携)

Search Consoleと連携したSEO分析レポートは、検索パフォーマンスの改善に役立ちます。

検索パフォーマンスの見える化として、まずスコアカードで「合計クリック数」「合計表示回数」「平均CTR」「平均掲載順位」を表示します。時系列グラフで「日別のクリック数と表示回数の推移」を追加すれば、SEOの改善効果が視覚化できます。

キーワード分析表の作り方は、表を使って「検索キーワード」をディメンション、「クリック数」「表示回数」「CTR」「掲載順位」を指標に設定します。「クリック数の多い順」にソートすれば、どのキーワードからの流入が多いかが一目でわかります。また、「掲載順位が11位~20位のキーワード」でフィルタリングすれば、あと少しで1ページ目に入るキーワードを特定でき、優先的に対策すべきキーワードが見つかります。

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広告効果測定レポート(Google広告連携)

Google広告と連携した広告効果測定レポートは、費用対効果の分析に必須です。

ROAS・CPA表示が最も重要です。スコアカードで「総費用」「コンバージョン数」「CPA(獲得単価)」「ROAS(広告費用対効果)」を大きく表示しましょう。目標CPAやROASと比較できるよう、比較期間機能を活用します。

キャンペーン比較表には、表を使って「キャンペーン名」をディメンション、「費用」「クリック数」「CPC」「コンバージョン数」「CPA」「ROAS」を指標に設定します。複数のキャンペーンを横並びで比較することで、どのキャンペーンのパフォーマンスが良いかが明確になります。棒グラフで「キャンペーン別のコンバージョン数」を視覚化すれば、経営層への報告資料としても使えます。

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Looker Studio初心者のよくある質問と回答

無料で使える範囲は?料金が発生するケースは?

Looker Studioの無料プランでは、個人利用から企業利用まで、ほぼすべての基本機能が制限なく使えます。データソースの接続数、作成できるレポート数、共有できるユーザー数に上限はありません。グラフの種類やカスタマイズ機能もすべて無料で利用可能です。

料金が発生する可能性があるのは、接続先のデータソースが有料サービスの場合です。例えば、BigQueryに大量のデータを保存している場合、BigQuery自体の利用料金が発生します。また、サードパーティ製のコネクタの一部は有料版のみで提供されているものもあります。

ただし、Googleの標準サービス(GA4、Search Console、Google広告、Googleスプレッドシートなど)との連携は完全無料ですので、多くのユーザーはコストをかけずに十分な分析が行えます。将来的に提供予定の「Looker Studio Pro」は有料になる見込みですが、無料版も継続して提供されることが発表されています。

データ更新頻度はどのくらい?リアルタイムで見られる?

データの更新頻度は、接続しているデータソースによって異なります。一般的なデータソースの更新タイミングを解説します。

GA4は、通常24~48時間の処理遅延があります。つまり、今日の データは明日か明後日にLooker Studioに反映されます。ただし、リアルタイムレポート機能を使えば、直近30分のデータを確認することも可能です。

Google Search Consoleは、通常2~3日の遅延があります。検索パフォーマンスデータは少し古いデータになりますが、トレンド分析には十分です。

Googleスプレッドシートは、ほぼリアルタイムで更新されます。スプレッドシートを編集すると、数分以内にLooker Studioのレポートにも反映されます。

Looker Studio自体のキャッシュ機能により、一度読み込んだデータは一定時間保持されます。強制的に最新データを取得したい場合は、レポート画面右上の「更新」ボタンをクリックしてください。

スプレッドシートと何が違うの?

GoogleスプレッドシートとLooker Studioは、どちらもデータ分析に使えますが、役割が大きく異なります。

スプレッドシートは、データの入力・編集・計算に優れています。Excelのように、セルに直接データを入力したり、関数を使って計算したりするのが得意です。しかし、大量のデータを視覚的にわかりやすく表現することは苦手です。

Looker Studioは、データの可視化・レポート作成に特化しています。データの入力や編集はできませんが、既存のデータから美しいグラフやダッシュボードを自動生成できます。また、複数のデータソースを統合して分析できる点も大きな違いです。

実務では、両方を組み合わせて使うのが一般的です。スプレッドシートでデータを整理・加工し、そのデータをLooker Studioで視覚化してレポートを作成します。例えば、「スプレッドシートで売上データを管理し、Looker Studioで売上ダッシュボードを作成する」といった使い方です。

スマホでも見られる?編集できる?

Looker Studioのレポートは、スマートフォンやタブレットからも閲覧できますが、編集には制限があります。

閲覧については、スマホのブラウザから完全にサポートされています。共有されたレポートのURLにアクセスすれば、モバイル画面に最適化されたレイアウトで表示されます。期間の変更やフィルターの操作も可能です。外出先で急にレポートを確認したい場合にも便利です。

編集については、モバイルブラウザからも可能ですが、操作性が悪く実用的ではありません。グラフの細かな配置やスタイル設定は、PC画面の大きさと精密なマウス操作が必要です。本格的な編集作業は、PCから行うことを強く推奨します。

なお、Looker Studio専用のモバイルアプリは現時点では提供されていません。モバイルからはWebブラウザでアクセスする形となります。Chrome for Mobileを使用すれば、比較的スムーズに閲覧できます。

複数のデータソースを1つのレポートに統合できる?

複数のデータソースを1つのレポートに統合することは可能で、Looker Studioの大きな強みの1つです。

基本的な統合方法は、同じレポート内に複数のデータソースを追加することです。例えば、GA4のグラフとSearch Consoleのグラフを同じページに配置できます。これにより、Webサイトのトラフィックと検索パフォーマンスを1つのレポートで確認できます。

データブレンド機能を使えば、異なるデータソース同士を結合して、より高度な分析が可能になります。例えば、「GA4のセッションデータ」と「CRMの顧客データ」を顧客IDで紐付けて、顧客属性別のWeb行動分析ができます。データブレンドは少し難易度が高いため、初心者は基本的な統合から始めることをおすすめします。

注意点として、データソースごとにディメンションや指標の定義が異なる場合があるため、データを結合する際は慎重に設定する必要があります。まずは関連性のあるデータソース同士から統合を試してみましょう。

作成したレポートは何個まで保存できる?

Looker Studioの無料プランでは、作成できるレポート数に制限はありません。数十個でも数百個でも、自由に作成して保存できます。
レポートはすべてGoogleドライブに保存されますが、Looker Studioのレポートファイルはデータ本体を含まないため、ファイルサイズは非常に小さいです。通常、1つのレポートは数KBから数十KB程度で、Googleドライブの容量をほとんど消費しません。
ただし、レポート数が多くなりすぎると管理が煩雑になるため、適切にフォルダ分けして整理することをおすすめします。Looker Studioのホーム画面で、レポートを右クリックして「移動」を選択すれば、任意のフォルダに整理できます。
例えば、「月次レポート」「週次レポート」「クライアント別」などのフォルダを作成し、用途別に分類しておくと、後から探しやすくなります。古くなったレポートは削除するか、「アーカイブ」フォルダに移動して整理しましょう。

Looker Studioでつまずいたときの対処法

データが表示されない・更新されない場合

「グラフにデータが表示されない」というトラブルは初心者が最も遭遇しやすい問題です。以下の手順で解決しましょう。

キャッシュクリアの方法を まず試してください。ブラウザのキャッシュが古いデータを保持している可能性があります。Chromeの場合、Ctrl+Shift+Delete(Macはcmd+shift+delete)でキャッシュクリア画面を開き、「キャッシュされた画像とファイル」を削除します。その後、レポートを再読み込みしてください。

データソース再接続が必要な場合もあります。データソースとの接続が切れている可能性があるため、「リソース」→「追加済みのデータソースの管理」から該当のデータソースを選択し、「再接続」をクリックします。認証画面が表示されたら、再度ログインしてください。

権限確認のチェックリストとして、以下を確認しましょう:①Looker Studioで使用しているGoogleアカウントが、データソースへのアクセス権を持っているか、②データソース側(GA4など)でデータ収集が正常に動作しているか、③期間設定が適切か(未来の日付を指定していないか)、④フィルター設定が厳しすぎてすべてのデータが除外されていないか。

グラフが思い通りに表示されない

グラフの設定ミスにより、意図しない表示になることがあります。よくあるパターンと解決方法を紹介します。

ディメンションと指標の組み合わせミスが最も多い原因です。例えば、「ページURL」のディメンションに「日付」の指標を設定しようとしても、データ型が合わないためエラーになります。ディメンション(分類項目)には「日付」「ページ」「地域」など、指標(数値)には「セッション数」「PV数」「コンバージョン数」などを設定するのが正しい組み合わせです。

データ型の不一致も要注意です。例えば、スプレッドシートから読み込んだデータで、数値を「テキスト」として認識している場合、合計値が正しく計算されません。データソース編集画面で、各フィールドのデータ型(テキスト、数値、日付など)を確認し、適切な型に変更してください。

集計設定の確認も重要です。デフォルトでは「合計」で集計されますが、「平均」や「カウント」など、用途に応じて集計方法を変更する必要があります。データタブの指標欄で、集計方法のドロップダウンから選択できます。

共有したレポートが見られないと言われた

レポートを共有したのに相手が見られないというトラブルも頻発します。以下をチェックしましょう。

権限設定の再確認として、「共有」画面で相手のメールアドレスが正しく追加されているか確認します。また、「一般的なアクセス」が「制限付き」になっている場合、招待したユーザーしか閲覧できません。誰でも閲覧できるようにするには、「リンクを知っている全員」に変更してください。

Googleアカウントの確認も必要です。相手がGoogleアカウントでログインしていない状態では、レポートを閲覧できません。相手に「Googleアカウントでログインしてから再度アクセスしてください」と案内しましょう。また、複数のGoogleアカウントを持っている場合、権限を付与したアカウントと異なるアカウントでログインしている可能性があります。

リンク設定の変更で、「閲覧者の認証情報」の設定を確認してください。デフォルトでは「閲覧者の認証情報」になっていますが、これだとデータソースへのアクセス権がない相手はデータを見られません。「オーナーの認証情報」に変更すれば、相手がデータソースの権限を持っていなくてもレポートを閲覧できるようになります。


まとめ:Looker Studioでレポート作成を始めよう

本記事では、Looker Studio初心者の方が30分で基本的なレポートを作成できるよう、7つのステップで詳しく解説しました。

Looker Studioは無料で使える強力なBIツールで、プログラミング知識がなくても直感的な操作でプロフェッショナルなレポートが作成できます。GA4やSearch Consoleなどのデータソースと簡単に連携でき、データは自動更新されるため、毎月の定期レポート作成の手間が大幅に削減できます。

初心者の方は、まずテンプレートを使って基本的なレポートを作成することから始めましょう。操作に慣れてきたら、独自のグラフやフィルターを追加してカスタマイズしていくことをおすすめします。

次のステップとしては、データブレンド機能を使った複数データソースの結合や、計算フィールドを使った高度な分析に挑戦してみてください。Looker Studioの公式ヘルプやコミュニティフォーラムには、さらに詳しい情報が豊富に揃っています。

今すぐLooker Studioにアクセスして、あなたの最初のレポートを作成してみましょう。データ分析の世界が、きっとあなたのビジネスを次のレベルへと導いてくれるはずです。

様々なレポートを取り扱っております。用途やシーンに合わせて、最適なレポートを使っていただくことで、日々のレポート作成やデータ分析のお役に立ちます!
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