【完全ガイド】Looker Studioで散布図を作成する方法 データ可視化の基礎

Webサイトのデータ分析において、2つの指標間の関係性を視覚的に理解するために散布図は非常に効果的です。本記事では、Looker Studioを使用した散布図の作成方法から実践的な活用方法まで、詳しく解説していきます。

散布図の基本概念

散布図は、2つの変数の関係性を点の分布として表現するグラフです。Looker Studioの散布図機能を使用することで、例えばページビュー数と滞在時間の関係性や、商品価格と売上数の相関関係などを視覚的に把握することができます。

そもそも散布図とは?

散布図は、2つの数値の関係を「点」で表すグラフです。たとえば、「商品の価格」と「売れた個数」という2つの数値があったとき、それぞれを横軸と縦軸にとり、各商品のデータを点で表現します。このように表すことで、「価格が高くなると売れなくなる」といった関係性が一目で分かるようになります。

では具体的にどのようなことがわかるのでしょうか。日常的な例で考えるとわかりやすいです。

電車の「混雑率」と「遅延時間」の関係を見る際に、横軸に混雑率(0%~200%)・縦軸に遅延時間(0分~30分)
をとり、毎日の運行データを点でプロットすると、混雑率が高くなるほど遅延が増えるといった傾向が分かります。

散布図は2つの数値の関係性を表すグラフになりますので、必ず2つの数値を用いてグラフ化する必要があります。

散布図の特徴と用途

  • 2つの指標の相関関係の可視化
  • 外れ値の検出
  • データの分布パターンの把握
  • トレンドの分析

散布図の作成手順

散布図のグラフも通常のグラフと同じ設定方法で設置することができます。特に変わった手順などがないので簡単にご紹介します。

1. 基本的な設定手順

グラフの追加

  1. レポートに新規グラフを追加
  2. 「散布図」を選択
  3. データソースの設定
  4. X軸とY軸の指標を選択

初期設定のポイント

  • 適切なデータ範囲の選択
  • スケールの調整
  • 軸ラベルの設定
  • 凡例の配置

ポイントとなる部分としては、見た目の部分になりますので、別の記事で紹介しておりますのでこちらも参考にしてください。

2. データの設定

データの設定が他のグラフとは違い少し複雑になりますが、概念が理解できれば問題なく設定することができます。
X軸とY軸の関係性がもっとも重要になります。散布図は関連性がない場合は、データが表示されません。

例えば、ランディングページのディメンションに対しては、表示回数・セッションが紐づいているためXとY軸の関係がなりたります。しかし、参照元/メディアのディメンションには、表示回数・セッションが関連性がないため散布図が正しく表示されません。

X軸・Y軸の設定

  • 指標の選択方法
  • 目盛りの調整
  • 単位の設定
  • スケールの最適化

データフィルタリング

散布図は大量のデータを表示させることになるため、表示させるデータ数やフィルタなどの設定は必ず必要になります。
大量のデータはLooker Studioのレポートのデータ制限になる可能性も高くなるため、制限は必要です。

  • 異常値の除外
  • データ範囲の指定
  • 条件付きフィルター
  • セグメントの適用

散布図のカスタマイズ

結論、他のグラフと同じような形でデザインを変更することができます。バブルの大きさや色や表示数などの設定ができます。工夫として基準線などを設定することで見やすくなります。

散布図のグラフをより見やすくする方法を下記でまとめておりますので参考にしてください。

1. スタイルの調整

基本的な設定項目

  • 色の設定
  • バブル数の変更
  • グリッド線の表示

デザインを変更・設定変更を行うことで見やすいレポートになります。(データの都合上バブルが固まっておりますが)
もっとバブル数を減らすことで視覚的にわかりやすくなります。

デザイン要素

  • フォントスタイル
  • 軸線の設定
  • ラベルの配置

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実践的な活用例

実際の分析をする際の例を説明します。GA4で分析したりする時には考慮しておいてデータを分析するとよりデータの関係性を明確にすることができます。

1. アクセス解析での活用

GA4のデータを分析する機会が多いと思いますので参考としてどのようなデータを散布図で表示させるが良いかを一例をあげております。基本的なパターンは、アクセスに対してコンバージョンをベースに計測するのがよいかと思います。

基本的な分析パターン

  • PVと直帰率の関係
  • 滞在時間とコンバージョン率
  • セッション数と購入数
  • ページ速度と離脱率

①PVと直帰率の関係

  • 分析目的:コンテンツの質とユーザー満足度の把握
  • 具体的な見方
    • 縦軸:直帰率(%)
    • 横軸:ページビュー数
  • 読み取れること
    • PVが多いのに直帰率も高い→コンテンツの改善が必要になる可能性がある。
    • PVが多く直帰率が低い→人気のある良質なコンテンツになるため定期的なリライトが必要。
    • PVは少ないが直帰率が低い→ニッチだが価値の高いコンテンツのためCTAでCV率が向上する可能性がある。

②滞在時間とコンバージョン率の関係

  • 分析目的:最適な顧客体験の把握
  • 具体的な見方
    • 縦軸:コンバージョン率(%)
    • 横軸:平均滞在時間(秒)
  • 読み取れること
    • 滞在時間が長くCVR高い→じっくり検討して購入している可能性がある
    • 滞在時間が短くCVR高い→直感的な購買決定、購入する商品が決まっている。
    • 最適な滞在時間帯の発見→UX改善の指標

2. ECサイトでの活用

ECサイトでは購入を基準として分析するのが最善です。購入されることが目的になるためその購入が多い、なぜ多い、どの商品が多い、時期などの情報がECサイトを運営していくで必須の情報になります。

この情報を収集できる基盤はあらかじめ構築しておいてください。

販売データの分析

  • 価格と販売数の関係
  • 在庫数と売上の相関
  • 広告費用と収益
  • 季節変動の把握

データの解釈と活用

1. 相関関係の理解

散布図を表示させるときには、相関関係を理解しておくこととグラフを表示させることが簡単になります。

基本的な見方

  • 正の相関:例えば、勉強時間が増えると試験の成績も上がる、または気温が上がると飲料水の売上も増加するといった関係
  • 負の相関:通勤時間が長くなるほど仕事の満足度が下がる、または価格が上がると需要が減少するといった関係
  • 無相関:例えば、誕生日と学業成績の間には一般的に関連性がない。(Looker Studioではデータを表示できない)
  • 非線形の関係:例えば、運動量と健康状態の関係は、適度な運動は健康に良いですが、過度な運動はかえって健康を害する可能性があるというな関係

2. レポーティングのコツ

効果的な表現方法

  • 適切な軸の設定
  • 見やすいスケール
  • わかりやすい凡例
  • 簡潔な説明

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トラブルシューティング

1. よくある問題と解決方法

一番多く発生するのがXとY軸の関係性に誤りがありデータが表示されない現象がもっとも多いです。
データを再度確認することを初めに行なってください。

表示の問題

  • データが表示されない
  • 軸のスケールが不適切
  • ラベルが読みにくい

対処方法

  • データ形式の確認
  • スケールの調整
  • フィルターの見直し
  • 表示設定の最適化

まとめ

Looker Studioの散布図機能を活用することで、データ間の関係性を視覚的に理解し、より深い分析が可能になります。本記事で紹介した設定方法やテクニックを参考に、目的に応じた効果的な散布図を作成してください。

[専門用語解説]
  • 相関関係:2つの変数間の関連の度合い
  • トレンドライン:データの傾向を示す線
  • セグメント:データを特定の条件で分類したグループ

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