Looker Studioのデメリット完全解説

Looker Studioは非常に使いやすいかつ無料で利用可能なレポーティングツールとして知られていますが、実務で活用する際にはいくつかの注意点や制限事項があります。本記事では、実際の運用経験から得られた知見をもとに、Looker Studioのデメリットと、その対処法について詳しく解説していきます。

基本的な制限事項

Looker Stduioはあくまでも無料で利用することができるツールですが、無料ではできるのですが無料のため一部機能の制限があります。そこがデメリットになるかどうかは企業様毎の運用方法などによって変わってきます。

早速結論ですが、Looker Studioは中小企業向けのサービスがメインになるため、大手企業ではデメリットになってしまいます。

1. データソースの制限

Looker StudioはGoogleが提供しているサービスのためGoogleへの依存度が高いサービスになります。Googleの多数のGoogleのサービスを使用している企業は便利ですが、Googleに依存度を高くしたくないや他のサービスをメインに使用している場合はメリットが少なく、逆にデメリットになる場合があります。

Googleプロダクトへの依存

  • Google製品との連携が前提
  • サードパーティーツールとの連携の難しさ
  • カスタムデータソース作成の複雑さ

データソースがGoogleのサービスがメインになるため、他のサービスをメインに運用している場合やその他サービスと連携したい場合は、Looker Studioではデメリットが多くなります。

Googleのサービスをメインに使用している企業様のメリットが大きくなります。

データ取得の制限

  • 取得可能なデータ量の上限
  • リアルタイムデータの制限
  • 更新頻度の制約

Looker Studioは、大規模のデータを処理することが得意ではなく、大手企業など大量のデータを処理する必要があるが、Looker Studioではすぐに制限がかかり利用が難しいかと思います。

Looker Studioは大手企業向けの利用は難しいです。

パフォーマンスに関する課題

前項でもお伝えしましたが、大量のデータを処理することが得意ではなく、制限にかかる可能性があります。
大手企業など大量のデータを処理する必要がある場合は、運用上問題が発生します。

1. 読み込み速度の問題

大量のデータではなくても複雑な計算フィールドを使用する場合は、処理が重たくなるためデメリットになります。
シンプルな計算フィールドであればLooker Studioで処理ができますが、複雑な処理が必要なデータを抽出することが求められるレポートは作成が難しいかと思います。

主な原因

  • 大量データの処理負荷
  • 複雑な計算式の影響
  • フィルターの過剰使用

対処方法

  • データ範囲の最適化
  • 集計テーブルの活用

多少データの集計方法や使用する関数の処理を変更することでパフォーマンスは改善することができますが、プログラミングの知識が必要になるため、エンジニアに相談することが必須です。

2. ブラウザの負荷

前項のパフォーマンスの話に近い部分ですが、ブラウザ自体の負荷も高くなるため大量のタブを開いた状態など、ブラウザ自体に負荷がかかる状態で利用することで、リクエスト数の制限などに引っかかってレポートが表示されない場合があります。

発生する状況

  • 多数のグラフ表示時
  • 複雑なフィルター使用時
  • 大量のデータ処理時

カスタマイズの制限

1. デザイン面での制約

複雑なレイアウトはできないため、グリッドに沿ったレイアウトが原則になります。デザイン面でフォントの制約やグラフ自体の制限が他のBIツールより少ない場合があります。

特にエンタープライズ向けのBIツールよりグラフの種類は少ない場合があります。

レイアウトの制限

  • グリッドシステムの制約
  • 要素の配置の柔軟性不足
  • テーマのカスタマイズ制限

ビジュアル表現の限界

  • グラフの種類の制限
  • カラーパレットの制約
  • フォント選択の制限

デザイン面にこだわる必要があるレポートは少ないと思いますが、場合によってはLooker Studioでは対応できなくデメリットと感じる企業様もいるかと思います。

2. 機能面での制約

機能面で一番大きき制限としては、レポート枚数が100ページまでになる部分かと思います。
例えば、セールス部・マーケティング部・カスタマーサクセス部など部署を横断してまとめて1つのレポートで表示させたいなどの要望には対応ができないです。

レポート作成上の制限

  • 計算式の複雑さ
  • 条件付き書式の制限
  • レポート枚数100ページの制限

レポートページが100P以上になることは少ないかと思いますが、制限があることは認識しておいてください。

データ連携の課題

1. データソース統合の難しさ

主な課題

  • 異なるデータソース間の結合制限
  • 更新タイミングの非同期性
  • データ形式の互換性問題

異なるデータを結合する際には、シンプルな操作で可能ですがプログラミングの知識が多少必要になります。解説もシンプルな内容のみになっているので、基礎知識がない場合は理解するまでに時間がかかるかと思います。

2. データ上の問題

一部GA4のデータとLooker Studioのデータで差異が発生するデータが存在しております。これはGoogleの仕様上仕方ない部分になりますが、どこのデータを基準にするかはあらかじめ決めておく必要があります。

GA4で参照しているデータとLooker Studioで参照しているデータの元が違うため発生している事象になります。Google側が対応しない限りこの問題は発生するため検討が必要になります。

GA4とデータの差異の部分

  • アクティブユーザー数

分析機能の限界

1. 高度な分析の制約

制限される分析

  • 統計分析の制限
  • 予測分析の制約
  • パターン分析の限界

GA4では予測分析をしてくれますが、Looker Studioからそのデータにアクセスすることができないため、予測分析を立てることができません。統計・パターン分析も大量のデータが必要になるものは、分析するのに限界があります。

代替手段

  • 外部ツールとの併用
  • カスタム計算の活用
  • データの前処理対応
  • エンタープライズ向けのBIツール

2. データ加工の制限

主な制約事項

  • データクレンジングの制限
  • 条件分岐の複雑さ
  • 計算式の制限

特に計算式の制限が実務では運用が難しい場合があります。あらかじめ用意されている関数のみしか使用することができないため計算に限度があります。決められた関数内で計算できるものであれば問題ないですが、そうでない場合は、スプレッドシートなどにデータを吐き出してスプレッドシート上で計算したものをグラフ化するという流れになります。

レポート共有の課題

1. 共有設定の制限

発生する問題

  • 権限設定の粒度
  • 外部共有の制限
  • 埋め込み表示の制約

権限の付与を細かく設定できる機能はないため、部署単位や人単位で機能を制限することができないです。

対処方法

  • グループ管理の活用
  • 定期エクスポートの設定
  • PDF出力の活用

Looker Studio Pro(有料版)ではグループ管理機能がありますので、それを駆使して共有をしていくのがよいかと思います。

2. コラボレーションの制限

チーム作業での課題

  • 同時編集、通知の設定の制限
  • バージョン管理の難しさ
  • コメント機能の制約

コスト面での考慮点

1. 有料機能の制限

Pro版での制約

  • データ量の制限
  • 機能の制限
  • サポート範囲の制限


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まとめ

Looker Studioはメリットもありますが、デメリットもありますので業務や運用上に問題あるかどうかを下記のポイントを見て判断してください。

BIツールをまだ導入したことがない企業様は、Looker Studioを導入してみてから運用上問題ないかを検討したのちに他のBIツールを導入してもよいかと思います。

主要なデメリットの整理

重要度別の整理

  • データの処理は大きくなりすぎないかどうか。
  • レポートの共有は多くなり過ぎないかどうか。
  • 出力したいデータは標準のグラフで対応可能かどうか。

導入前の検討ポイント

  • 現状のデータソースの元は、Googleが多いか。
  • 必須でない困る機能はあるか。
[専門用語解説]
  • データクレンジング:データの整形や不要データの除去を行う作業
  • ドリルダウン:データを階層的に掘り下げて表示する機能
  • キャッシュ:データを一時的に保存し、アクセスを高速化する仕組み


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