便利なBIツール5選:データ可視化でマーケティング分析を加速

ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの選択は、データドリブンな意思決定を目指す企業にとって重要な課題となっています。本記事では、特にLooker Studioを中心に、初心者でも扱いやすいBIツール5選をご紹介します。

Looker Studioとは?

Looker Studioは、Googleが提供する無料のデータ可視化ツールです。Looker Studioの特徴は、Google Analytics 4やスプレッドシートなど、様々なデータソースと簡単に連携できる点です。且つ無料でほとんどの機能が使用することができ、初心者でも利用しやすいツールになります。ドラッグ&ドロップの直感的なインターフェースにより、プログラミングの知識がなくてもダッシュボードを作成できます。

Looker Studioの料金

Looker Studioには、無料版とPro版の2つのプランが用意されています。

無料版は、個人ユーザーや小規模ビジネスに最適で、以下の機能が利用可能です。

  • 基本的なデータソース連携(Google製品との連携)
  • レポート作成・共有機能
  • 基本的なダッシュボード機能
  • コミュニティサポート

Pro版は、エンタープライズ向けの機能があり1ユーザーあたりに9ドルがかかります。
Pro版は下記の機能を提供しております。エンタープライズ向けの機能になるため、管理人数や部署ごとの連携などが必要な場合はPro版を検討してもよいかと思います。

  • モバイルアプリでの利用
  • 組織のグループ管理機能
  • カスタムSQLクエリのサポート
  • Googleのテクニカルサポート

その他のおすすめBIツール4選

1. Tableau(タブロー)

https://www.tableau.com/ja-jp

充実した分析機能

Tableauは、企業の多様なニーズに応える豊富な機能を搭載しています。データ分析からビジュアル化まで、包括的なソリューションを提供することで、業務に直結するインサイトを導き出すことができます。SalesforceのグループということでSalesforceとの連携が簡単にできます。

主要な機能は以下の4つです。

特徴と機能

  • マルチビューダッシュボード:複数の分析結果を一画面に集約し、データ間の相関関係や比較分析できる
  • 高度なビジュアライゼーション:目的に応じて最適なグラフやチャートで作成できる
  • 統合データベース管理:散在する各種データを一元管理し、必要な情報を素早く抽出・分析できる環境を提供します
  • データ更新:設定した条件に基づいてデータを自動更新し、常に最新の分析環境を維持します

直感的なユーザーインターフェース

Tableauの強みは、美しいビジュアル表現と使いやすさの両立にあります。専門的なプログラミング知識は不要で、ドラッグ&ドロップの簡単な操作だけで、データ分析やレポート作成が可能です。Looker Studioに近いイメージになります。

初心者でも短期間で基本操作を習得でき、わかりやすいレポートを作成することができます。また、会話型AIによるデータの準備からビジュアル化までも行うことができることにより、データの特性に合わせた効果的なビジュアル化を実現。これにより、分析結果から重要なポイントを即座に把握できます。

シームレスな外部連携

Tableauは、様々なデータソースとシームレスに連携します。対応するデータソースには以下のようなものがあります。

  • Microsoft Excel
  • Google スプレッドシート
  • PDF文書
  • Google アナリティクス
  • 各種データベース(SQL Server、MySQL、Oracle等)
  • クラウドサービス(Salesforce、Amazon Redshift等)

この優れた連携性により、既存のシステムやツールからスムーズにデータを取り込み、分析することができます。さらに、分析結果を組織全体で共有できる機能も搭載。これにより、データに基づいた意思決定を行うことができます。

料金プラン

  • Tableau Creator:¥9,000/ユーザー/年~
  • Tableau Explorer:¥5,040/ユーザー/年~
  • Tableau Viewer:¥1,800/ユーザー/年~

2. Power BI

https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-bi

Microsoft Power BIは、マイクロソフトが開発した直感的なデータ分析・可視化ツールです。複数のデータソースから情報を集約し、インタラクティブなダッシュボードやレポートを作成できるBIプラットフォームです。「Microsoft Power Platform」の一部として提供されています。Power Platformは、ノーコードやローコードの開発環境を通じて、業務効率化やプロセス自動化を実現するためのツール群です。

特徴と機能

  • Microsoft製品との優れた互換性
  • コストパフォーマンスの高さ
  • AIを活用した分析機能

大規模なデータセットでも高速で処理が可能で、不要なデータの削除や形式の統一化など、高度なクレンジング機能を備えています。

情報共有とコラボレーション

Webブラウザ・デスクトップアプリケーション・モバイルアプリ(iOS/Android)でシームレスな情報を共有とマルチデバイスに対応しているためチームでの情報共有がしやすいです。

料金プラン

  • 無料アカウント:あり
  • Power BI Pro:¥1,499/ユーザー/月
  • Power BI Premium:¥2,998/ユーザー/月

Microsoft 365との緊密な統合により、既存の業務フローにシームレスに組み込むことができます。

3. Qlik Sense

https://www.qlik.com/ja-jp

AI搭載のBIツールになります。BIツールの業界でも有名なツールです。さまざまなデータ連携を可能にしており、Microsoft・Google・AWS・Snowflake・SAPなど大手サービスとの連携がシームレスに可能です。シンプルかつ直感的な操作でデータを多彩な表現で可視化・分析できるツールになります。

特徴と機能

  • 複数のデータソースを簡単に関連付け
  • データをドラッグ&ドロップして、完全にインタラクティブなアナリティクスアプリを作成
  • AI が生成するインサイトの提案を自動的に表示
  • グループやチームと共有、および共同作業
  • 自動データ更新のスケジュール設定

料金プラン

料金は公開されてないため個別にお問い合わせしてご確認お願いします。

料金ページはこちら

4. Metabase

https://www.metabase.com/

唯一のオープンソースプロジェクトになります。オープンソースのためソースコードが公開されております。オープンソースのBIツールは珍しく有償で提供しているものがほとんどになります。Metabaseは開発者がいる場合は強力なツールにすることは可能ですが、開発者が自社にいない場合は導入は難しいツールになります。またカスタマイズすることで自社独自の機能などを追加することも可能です。

特徴と機能

  • オープンソース
  • シンプルな操作性
  • 柔軟なカスタマイズ性

料金プラン

  • オープンソース版:無料
  • Cloud版:$85/月~

自社でエンジニアがいる場合のみ導入を検討してもよいかと思います。
また自社のビジネスでは提供されているBIツールで網羅できない場合は検討になるかと思います。

BIツール選定のポイント

1. データソースとの連携

選定の際は以下の点を確認しましょう。自社のデータをどこにどのくらい保管して管理しているかを把握してください。
外部接続を行う場合は、別途データ量によって料金が変動するサービスが多いためご注意ください。

  • 既存システムとの連携のしやすさ
  • データ更新の頻度
  • 連携可能なデータ形式
  • API対応状況

2. 使いやすさとスキル要件

考慮すべきポイント。実際の導入担当者がスキルがあっても使用する人のスキルや教育までが可能かどうかが重要になります。導入後にデータを取得して分析する流れを社内の体制も考慮して考えてみてください。

  • インターフェースの直感性
  • 社内導入のしやすさ・運用可能か
  • トレーニング資料の充実度
  • コミュニティのサポート体制

3. スケーラビリティ

将来の拡張性を考慮をして検討してください。現状のデータ量だけでなく将来どのくらいのデータ量になり、どのデータソースが増えてきるかなども考慮しておいてください。

  • ユーザー数の拡張性
  • データ量の増加への対応
  • 新機能の追加しやすさ
  • カスタマイズの自由度

4. コストパフォーマンス

コストは初期の導入費用から別途カスタマイズ費用などが発生することが多いです。

  • 初期導入費用
  • 月額/年額ライセンス費
  • トレーニング費用
  • 保守・運用コスト

まとめ:自社に最適なBIツールを選ぼう

各BIツールの特徴を踏まえ、以下のような企業特性に応じた選択をお勧めします。

  • Looker Studio:Google製品との連携を重視する企業
  • Tableau:セールスフォースを導入しており高度な分析機能を求める企業
  • Power BI:Microsoft環境での活用を考える企業
  • Qlik Sense:大規模データ分析が必要な企業
  • Metabase:コスト重視でオープンソースを検討する企業

専門用語解説

  • BI(Business Intelligence):ビジネスデータを収集・分析し、経営判断に活用するための手法やツール
  • API(Application Programming Interface):ソフトウェア同士が連携するための仕様