小規模企業のWEBサイトに必要な機能と費用相場
小規模企業がWEBサイトを立ち上げる際、「どこまでの機能が必要なのか」「制作費用はいくらかかるのか」と悩んでいませんか。実は、小規模企業のWEBサイトは必要最低限の機能で十分な成果を出すことができます。本記事では、10万円〜50万円の予算で実現できる基本機能と、依頼先別の費用相場を詳しく解説します。さらに、制作会社選びの失敗を避けるポイントや、運用コストを抑える具体的な方法もご紹介。この記事を読めば、自社に最適なWEBサイトを適正価格で構築するための知識が身につきます。
目次
小規模企業のWEBサイトに必要な基本機能5つ
小規模企業のWEBサイトに必要な機能は、トップページ、会社概要ページ、サービス・製品紹介ページ、お問い合わせフォーム、スマホ対応とSEO基本設定の5つです。これらの基本機能があれば、企業の信頼性を高め、見込み客からの問い合わせを獲得できます。高額な追加機能は後から必要に応じて追加すれば良いため、初期段階では5ページ程度の構成で十分な効果が期待できます。
トップページ(会社の顔となるファーストビュー)
トップページは企業の第一印象を決定づける最も重要なページです。訪問者はわずか3秒で「このサイトを読み進めるか」を判断するため、キャッチコピーとメインビジュアルで企業の価値を瞬時に伝える必要があります。
効果的なトップページの構成要素
- 明確なキャッチコピー(何の会社か一目でわかる表現)
- 視覚的に訴求力のあるメインビジュアル(業種がイメージできる写真や動画)
- 主要サービスの概要(3つ程度のポイント)
- お問い合わせへの導線(CTAボタン)
特に小規模企業の場合、「地域名+業種+強み」を組み合わせたキャッチコピーが効果的です。例えば「大阪で創業30年、中小企業の税務に特化した会計事務所」のように、具体性のある表現が信頼感を生み出します。トップページで企業の独自性を明確に示すことで、競合との差別化につながります。
会社概要ページ(信頼性を高める基本情報)
会社概要ページは企業の信頼性を証明する重要なページです。BtoB取引では特に、取引先が会社の実在性や事業内容を確認するために必ず閲覧されます。
会社概要ページの必須項目
- 会社名・代表者名
- 事業内容(具体的なサービス内容)
- 所在地(Googleマップ埋め込み推奨)
- 連絡先(電話番号・メールアドレス)
- 設立年月日・資本金
- 取引実績や許認可番号(該当業種の場合)
Googleマップを埋め込むことで、訪問者が実際に来社する際の利便性が向上し、SEO対策としても効果があります。また、代表者の顔写真やメッセージを掲載すると、企業の人間味が伝わり信頼感が増します。会社概要ページは地味に見えますが、商談成立率を左右する重要なページです。
サービス・製品紹介ページ(売上に直結するコンテンツ)
サービス・製品紹介ページは、売上に直結する最も重要なコンテンツです。訪問者が「この会社に依頼したい」と思うかどうかは、このページの内容次第で決まります。
効果的なサービス紹介のポイント
- 顧客が得られるメリット(特徴ではなくベネフィット)
- 具体的な価格帯や料金プラン
- 実績や事例(数字で示せる成果)
- ビフォーアフターの比較
- サービスの流れ(ステップ形式で説明)
例えば「高品質な塗装」という特徴ではなく、「10年間メンテナンス不要で外壁の美しさを保てる」というベネフィットで訴求します。写真や図解を効果的に使い、視覚的にサービス内容が理解できるよう工夫することが重要です。また、競合との違いを明確に示すことで、価格競争に巻き込まれにくくなります。
お問い合わせフォーム(見込み客獲得の窓口)
お問い合わせフォームは見込み客を獲得する最重要の窓口です。フォームの使いやすさによって問い合わせ率が大きく変わるため、入力項目の最適化が必要です。
問い合わせ率を高めるフォーム設計
- 必須項目は最小限に(名前、メールアドレス、問い合わせ内容のみ)
- 入力例を表示(プレースホルダー活用)
- エラーメッセージを分かりやすく
- 送信完了後の自動返信メール設定
- プライバシーポリシーへのリンク
初期段階ではGoogleフォームを活用することで、追加費用をかけずに問い合わせフォームを設置できます。ただし、本格的に運用する場合は、顧客管理システムと連携できる専用フォームの導入を検討しましょう。問い合わせ後の対応スピードも重要で、24時間以内の返信を心がけることで成約率が向上します。
スマホ対応とSEO基本設定(集客の土台)
スマホ対応とSEO基本設定は、WEBサイトへの集客を実現する土台です。現在、WEBサイトへのアクセスの約70%がスマートフォンからであり、スマホ対応していないサイトは大きな機会損失につながります。
必須のスマホ対応とSEO設定
- レスポンシブデザイン(画面サイズに自動調整)
- ページ表示速度の最適化(3秒以内が理想)
- タイトルタグとメタディスクリプションの設定
- 適切な見出しタグ(H1〜H3)の構造化
- Googleビジネスプロフィールとの連携
- SSL証明書の導入(https化)
特にタイトルタグは検索順位に大きく影響するため、「地域名+業種+サービス名」を含めた具体的な表現にします。例えば「大阪市の外壁塗装専門店 | 10年保証の〇〇塗装」のような形式が効果的です。これらの基本設定を行うことで、地域名と業種で検索した際に上位表示されやすくなり、自然な集客が期待できます。
小規模企業のWEBサイト制作費用の相場
小規模企業のWEBサイト制作費用は、依頼先によって10万円〜200万円と大きく異なります。フリーランスに依頼する場合は10万円〜30万円、中小制作会社では20万円〜50万円、大手制作会社では50万円〜200万円が一般的な相場です。予算に応じて適切な依頼先を選ぶことで、コストパフォーマンスの高いWEBサイトを構築できます。
依頼先別の費用比較表
WEBサイト制作の依頼先は、フリーランス、中小制作会社、大手制作会社の3つに大きく分類されます。それぞれの費用相場、納期、特徴を理解することで、自社に最適な依頼先を選択できます。
| 依頼先 | 費用相場 | 納期 | 特徴 | おすすめの企業 |
|---|---|---|---|---|
| フリーランス | 10万円〜30万円 | 1〜2ヶ月 | コスパ重視、柔軟な対応 | 予算を抑えたい創業期の企業 |
| 中小制作会社 | 20万円〜50万円 | 1〜3ヶ月 | バランス型、実績豊富 | 標準的な品質を求める企業 |
| 大手制作会社 | 50万円〜200万円 | 2〜6ヶ月 | 高品質、サポート充実 | ブランド重視の企業 |
フリーランスは人件費が抑えられるため低価格ですが、担当者が1人のためトラブル時のリスクがあります。中小制作会社は価格と品質のバランスが良く、小規模企業には最もおすすめです。大手制作会社は高額ですが、戦略立案から運用サポートまで一貫して対応してくれます。
ページ数別の制作費用目安
WEBサイトの制作費用は、ページ数によって大きく変動します。ページ数が増えるほど、デザイン・コーディング・ライティングの工数が増加するためです。
ページ数別の費用相場
- 5ページ以内の基本構成:10万円〜30万円
- 内容:トップ、会社概要、サービス、実績、お問い合わせ
- 期間:3週間〜1.5ヶ月
- 10ページ程度の充実構成:30万円〜70万円
- 内容:基本ページ+サービス詳細×複数、事例紹介、ブログ機能
- 期間:1.5ヶ月〜3ヶ月
- 20ページ以上の大規模構成:70万円〜150万円
- 内容:全ページオリジナルデザイン、高度な機能実装
- 期間:3ヶ月〜6ヶ月
小規模企業の場合、まずは5ページ構成でスタートし、成果を見ながら段階的にページを追加する方法が費用対効果が高いです。初期段階で大規模なサイトを作るよりも、最小構成で公開し、顧客の反応を見ながら改善していく方が成功率が高まります。
テンプレート利用で費用を抑える方法
WordPressテーマなどのテンプレートを活用することで、制作費用を5万円〜15万円程度に抑えることができます。テンプレートは既にデザインやレイアウトが完成しているため、デザイン工程を大幅に削減できるからです。
テンプレート活用のメリット
- 制作費用が半分以下になる(10万円→5万円程度)
- 納期が短縮される(2ヶ月→3週間程度)
- 更新や修正が簡単(管理画面から編集可能)
- SEO対策が標準装備されている
- セキュリティアップデートが自動化
テンプレート活用のデメリット
- デザインの独自性に制約がある
- 他社と似たデザインになる可能性
- カスタマイズに限界がある
- テーマによっては動作が重い
小規模企業の場合、独自性よりも「情報がしっかり伝わること」が重要です。テンプレートでも、写真やテキストを工夫することで十分に差別化できます。人気の高いWordPressテーマ(Lightning、SWELL、Arkheなど)を選べば、品質も担保されます。
予算別のおすすめWEBサイト構成プラン
WEBサイトの構成は予算によって最適なプランが異なります。予算10万円〜20万円のスタートアッププラン、30万円〜50万円のスタンダードプラン、50万円以上のプレミアムプランの3つに分けて、それぞれの特徴と適した企業タイプを解説します。自社の予算と目的に合ったプランを選ぶことで、無駄なコストを削減しながら必要な機能を確保できます。
予算10万円〜20万円:スタートアッププラン
スタートアッププランは、創業期や初めてWEBサイトを持つ企業に最適なプランです。WordPressテンプレートを活用することで、必要最低限の機能を低予算で実現します。
スタートアッププランの内容
- WordPressテンプレート使用(既製テーマのカスタマイズ)
- 5ページ構成(トップ、会社概要、サービス、実績、お問い合わせ)
- レスポンシブデザイン対応
- 基本的なSEO設定(タイトル・メタディスクリプション)
- Googleフォームでの問い合わせ機能
- 簡易的な操作マニュアル
このプランは自社で更新できる仕組みを備えているため、ランニングコストを最小限に抑えられます。写真や原稿を自社で用意することで、さらにコストダウンが可能です。「まずはWEBサイトを持ちたい」「予算を抑えて試したい」という企業におすすめです。納期は3週間〜1ヶ月程度で、スピーディーに公開できる点も魅力です。
予算30万円〜50万円:スタンダードプラン
スタンダードプランは、小規模企業に最も選ばれている標準的なプランです。セミオーダーデザインにより、企業の個性を表現しながらコストパフォーマンスを維持します。
スタンダードプランの内容
- セミオーダーデザイン(テンプレートベースで独自性追加)
- 8〜10ページ構成(サービス詳細ページ、事例紹介、ブログ機能追加)
- オリジナルのメインビジュアル作成
- 本格的なSEO対策(キーワード選定、内部対策)
- カスタマイズされた問い合わせフォーム
- Googleアナリティクス・サーチコンソール設定
- 詳細な操作マニュアルと運用サポート(1ヶ月)
ブログ機能を活用することで、自社で情報発信を継続でき、検索エンジンからの集客力が向上します。また、Googleアナリティクスの設定により、アクセス解析に基づいた改善が可能になります。「本格的にWEB集客に取り組みたい」「競合と差別化したい」という企業に最適です。
予算50万円以上:プレミアムプラン
プレミアムプランは、WEBサイトをビジネスの中核として位置づける企業向けのプランです。フルオーダーメイドで、戦略立案から実装、運用まで包括的にサポートします。
プレミアムプランの内容
- フルオーダーメイドデザイン(完全オリジナル)
- 10〜20ページ以上の充実構成
- プロカメラマンによる撮影
- プロライターによる原稿作成
- 高度なSEO対策(競合分析、コンテンツ戦略)
- カスタム機能実装(予約システム、会員機能など)
- Googleアナリティクス4、タグマネージャー設定
- 3ヶ月間の運用サポートとレポート提出
このプランでは、ターゲット顧客の分析からサイト設計を行うため、成果につながりやすいWEBサイトが構築できます。撮影やライティングもプロに依頼するため、訴求力の高いコンテンツに仕上がります。「WEBサイトで本格的に売上を作りたい」「ブランドイメージを重視したい」という企業におすすめです。
WEBサイトの運用にかかる継続費用
WEBサイトは制作費用だけでなく、運用にも継続的な費用が必要です。主な運用費用は、サーバー・ドメイン費用(年間1万円〜2万円)と保守・更新費用(月額5,000円〜2万円)の2つです。自社で更新できる体制を整えることで、運用コストを大幅に削減できます。
サーバー・ドメイン費用(年間1万円〜2万円)
サーバーとドメインは、WEBサイトを公開・維持するために必須のインフラです。これらの費用は年間1万円〜2万円程度で、WEBサイトを運用する限り継続的に発生します。
サーバー・ドメインの費用内訳
- レンタルサーバー:月額500円〜1,500円(年間6,000円〜18,000円)
- 推奨サービス:エックスサーバー、さくらインターネット、ロリポップなど
- 容量:100GB〜300GB程度で十分
- ドメイン取得・更新:年間1,000円〜3,000円
- .com、.jpなどメジャーなドメイン推奨
- 初年度は割引されることが多い
- SSL証明書:無料〜年間数万円
- Let’s Encryptなら無料
- 企業認証SSL(EV SSL)は年間5万円〜
小規模企業の場合、月額1,000円程度のレンタルサーバーとLet’s Encryptの無料SSLで十分です。合計で年間12,000円〜15,000円程度に収まります。サーバー選びでは、表示速度とサポート体制を重視しましょう。
保守・更新費用(月額5,000円〜2万円)
保守・更新費用は、WEBサイトの安全性を保ち、情報を最新に保つために必要な費用です。自社で更新するか外注するかによって、費用が大きく変わります。
保守・更新の内容と費用
- 自社更新の場合:ほぼ0円(サーバー代のみ)
- WordPressで更新可能な設計が前提
- 社内で操作できる担当者が必要
- 外注更新の場合:月額1万円〜3万円
- テキスト修正、画像差し替え、ページ追加など
- 月2〜5回程度の更新対応
- セキュリティ対策・バックアップ:月額3,000円〜1万円
- WordPressのアップデート
- プラグインの更新
- 定期的なバックアップ
- マルウェアスキャン
小規模企業の場合、WordPressの操作研修を受けて自社で更新できるようにすることで、月額費用をゼロに抑えられます。ただし、WordPressのアップデートやバックアップは定期的に行う必要があるため、最低限のITリテラシーは必要です。不安な場合は、月5,000円程度の保守契約を結ぶと安心です。
ランニングコストを抑える3つのコツ
WEBサイトの運用費用は、工夫次第で大幅に削減できます。特に小規模企業では、ランニングコストを最小限に抑えることが長期的な運用を成功させる鍵です。
コスト削減の3つの方法
- WordPressで自社更新体制を構築する
- 管理画面から簡単に更新できる設計にする
- 操作マニュアルを作成してもらう
- 制作会社から操作研修を受ける(1〜2時間程度)
- 月額更新費用0円を実現
- 必要な時だけスポット依頼する
- 日常的な更新は自社で対応
- デザイン変更やページ追加は外注
- スポット料金:1ページ1万円〜3万円程度
- 月額契約よりも年間コストを削減
- 年間契約で割引交渉する
- 保守契約を年間一括払いにする
- 10%〜20%の割引が得られる場合がある
- 複数年契約でさらに優遇される可能性
- 月額1万円×12ヶ月=12万円→年間10万円など
これらの方法を組み合わせることで、年間のランニングコストを3万円〜5万円程度に抑えることも可能です。ただし、自社更新の場合は担当者の退職リスクも考慮し、複数名が操作できるようにしておくことをおすすめします。
小規模企業がWEBサイト制作で失敗しないための注意点
WEBサイト制作では、費用の安さだけで制作会社を選ぶと後悔するケースが多くあります。将来の拡張性を考慮せずに作ってしまい、作り直しが必要になることもあります。制作会社選びの5つのチェックポイントを押さえることで、失敗を防ぎ、長く使えるWEBサイトを構築できます。
安さだけで選ばない(後悔する3つの理由)
制作費用の安さだけを基準に制作会社を選ぶと、完成後に大きな問題が発生することがあります。「安物買いの銭失い」にならないよう、価格以外の要素も慎重に検討する必要があります。
安さ重視で失敗する3つの理由
- 更新が困難な独自システム
- 特殊なCMSや独自開発システムで構築される
- 制作会社以外では修正・更新ができない
- 小さな修正でも追加費用が発生
- 結果的に高額な運用費用がかかる
- スマホ対応が不十分
- デスクトップのみの表示最適化
- スマホで見ると文字が小さい、レイアウトが崩れる
- モバイル検索での順位が下がる
- 訪問者の70%を逃す結果に
- SEO対策が皆無で集客できない
- タイトルタグやメタディスクリプションが未設定
- 見出しタグの構造が適切でない
- 検索エンジンに全く表示されない
- 「WEBサイトを作ったのに誰も見ない」状態
適正価格は品質の証でもあります。極端に安い見積もりには必ず理由があるため、どこでコストを削減しているのかを確認しましょう。相場より30%以上安い場合は特に注意が必要です。
将来の拡張性を考慮する
WEBサイトは一度作って終わりではなく、事業の成長に合わせて機能を追加していくものです。初期段階で拡張性を考慮した設計にしないと、後から大幅な作り直しが必要になります。
考慮すべき拡張機能
- ブログやニュース機能の追加可能性
- 情報発信でSEO効果を高める
- 社内の誰でも記事を投稿できる仕組み
- カテゴリー分類やタグ機能
- EC機能(ネットショップ)への対応
- 将来的に商品をオンライン販売する可能性
- 決済システムとの連携
- 在庫管理機能
- 多言語化の対応可否
- 海外展開を見据えた設計
- 英語・中国語などへの切り替え機能
- URLの構造設計
制作会社を選ぶ際は、「今後こういう機能を追加したい」という要望を伝え、対応可能かを確認しましょう。「できます」という返答だけでなく、具体的な追加費用や工期も聞いておくと安心です。拡張性の高いWordPressベースで構築することをおすすめします。
制作会社選びの5つのチェックポイント
制作会社選びは、WEBサイトの成功を左右する最も重要な判断です。以下の5つのポイントを確認することで、信頼できるパートナーを見つけられます。
制作会社選定の重要チェックポイント
- 実績(同業種の制作経験)
- 自社と同じ業種の制作実績があるか
- ポートフォリオを確認する
- 業界特有の表現やコンテンツを理解しているか
- 提案力(ヒアリング内容)
- こちらの話を丁寧に聞いてくれるか
- テンプレート的な提案ではなく、自社に合った提案か
- 競合分析やターゲット分析を行っているか
- サポート体制(納品後の対応)
- 納品後のサポート期間と内容
- 緊急時の連絡方法と対応時間
- 担当者の変更リスク
- 費用の透明性(見積もりの詳細度)
- 何にいくらかかるのか明確か
- 追加費用が発生する条件は明示されているか
- 分割払いや段階的な支払いは可能か
- 納期の現実性
- スケジュールに無理がないか
- 遅延した場合の対応は
- 中間報告の頻度
最低3社から相見積もりを取り、価格だけでなく提案内容やコミュニケーションの質を比較しましょう。直感的に「この会社なら安心できる」と感じられるかも重要な判断基準です。
WEBサイト制作の流れと期間
WEBサイト制作は、ヒアリングから公開までおよそ2〜3ヶ月かかります。一般的な制作フローは、ヒアリング・要件定義、サイト設計、デザイン制作、コーディング、テスト、納品の6ステップです。各工程の内容と所要期間を理解することで、スケジュール管理がしやすくなり、スムーズなプロジェクト進行が可能になります。
一般的な制作フロー(6ステップ)
WEBサイト制作は明確な工程に分かれており、各ステップを着実に進めることで品質の高いサイトが完成します。全体で2〜3ヶ月の期間が標準的です。
制作フローの詳細
- ヒアリング・要件定義(1〜2週間)
- 事業内容、ターゲット顧客、競合の確認
- サイトの目的と目標の明確化
- 必要なページ構成と機能の洗い出し
- 参考サイトの共有とイメージすり合わせ
- サイト設計・ワイヤーフレーム作成(1〜2週間)
- サイト全体の構造設計(サイトマップ)
- 各ページのレイアウト案(ワイヤーフレーム)
- ユーザー導線の設計
- この段階で全体像を確認・承認
- デザイン制作(2〜4週間)
- トップページのデザイン案作成(通常2〜3案)
- 下層ページのデザイン展開
- 画像選定・加工、ロゴ・アイコン作成
- デザインの修正対応(通常2回まで)
- コーディング・機能実装(2〜4週間)
- HTMLやCSSでのコーディング
- WordPressなどのCMS実装
- お問い合わせフォームなどの機能実装
- レスポンシブ対応(スマホ・タブレット)
- テスト・修正(1〜2週間)
- 各ブラウザでの表示確認
- スマホ・タブレットでの動作確認
- フォームの送信テスト
- 誤字脱字のチェック
- 最終的な修正対応
- 納品・公開(数日)
- サーバーへのアップロード
- ドメイン設定・DNS設定
- 最終チェックと公開
- 操作マニュアルの提供
各工程で依頼者の確認・承認が必要になるため、迅速なフィードバックが納期短縮のカギとなります。
納期を短縮する方法
通常2〜3ヶ月かかるWEBサイト制作を、1ヶ月程度に短縮する方法があります。ただし、品質を維持しながら短縮することが重要です。
納期短縮の3つの方法
- テンプレート活用で2〜3週間短縮
- デザイン工程を大幅に短縮
- WordPressテーマを使用
- トータル4〜6週間で完成
- 費用も30%〜50%削減
- 素材(写真・原稿)を事前準備
- 会社紹介やサービス説明の原稿を用意
- 商品写真や社員写真を撮影しておく
- ロゴデータを準備(AI形式推奨)
- 制作会社の待ち時間を削減
- 修正回数の制限を設定
- デザイン修正は2回までと決める
- 細かい修正は後からまとめて依頼
- 意思決定を迅速に行う
- 完璧を求めすぎない
急ぎの場合は、まず5ページの最小構成で公開し、後から段階的にページを追加する方法もおすすめです。「完璧なサイトを時間をかけて作る」よりも「80点のサイトを早く公開して改善していく」方が、ビジネスとしては成果が出やすい傾向があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. WordPressとHTMLサイト、どちらがおすすめですか?
小規模企業には更新しやすいWordPressがおすすめです。WordPressは世界中のWEBサイトの約43%で使用されているCMS(コンテンツ管理システム)で、専門知識がなくても管理画面から簡単に更新できます。
WordPressのメリット
- 管理画面から文章や画像を簡単に更新できる
- ブログ機能が標準装備されており、SEO対策に有利
- プラグインで機能を簡単に追加できる
- テーマ(デザインテンプレート)が豊富で低コスト
- セキュリティアップデートが定期的に提供される
- ほとんどのWEB制作会社が対応している
HTMLサイトのメリット
- 表示速度が速い
- セキュリティリスクが低い
- サーバー負荷が小さい
ただし、HTMLサイトは更新のたびに制作会社に依頼する必要があり、ランニングコストが高くなります。小規模企業の場合、自社でニュースやブログを更新してSEO効果を高められるWordPressが圧倒的に有利です。年間の運用コストで比較すると、WordPressの方が20万円〜30万円程度安くなるケースが多いです。
Q2. 制作費以外にかかる費用は何ですか?
制作費以外にかかる主な費用は、サーバー・ドメイン代(年間1万円〜2万円)と保守費(月額5,000円〜2万円)です。これらはWEBサイトを維持・運用するために必要な継続費用となります。
必須の継続費用
- レンタルサーバー代:月額500円〜1,500円(年間6,000円〜18,000円)
- ドメイン更新費用:年間1,000円〜3,000円(.comや.jpなど)
- SSL証明書:無料〜年間数万円(Let’s Encryptなら無料)
オプションの費用
- 保守・更新代行:月額5,000円〜3万円
- 記事の更新やページ修正を外注する場合
- 自社で更新すれば不要
- セキュリティ対策:月額3,000円〜1万円
- WordPressのアップデート代行
- バックアップサービス
- マルウェアスキャン
- アクセス解析レポート:月額1万円〜3万円
- Googleアナリティクスの分析
- 改善提案
- 自分で見れば不要
最小構成では、サーバー代とドメイン代のみで年間1万円〜2万円程度です。自社で更新できる体制を整えれば、月額の固定費を大幅に削減できます。一方、全て外注する場合は月額2万円〜5万円程度の費用を見込む必要があります。制作会社に依頼する際は、初期費用だけでなく、ランニングコストも含めた総額で比較することが重要です。
Q3. 自社で更新できるようにしたい場合はどうすれば良いですか?
自社で更新できるWEBサイトにするには、WordPress導入と操作研修込みのプランを選びましょう。多くの制作会社が「CMS導入プラン」や「自社更新対応プラン」を用意しています。
自社更新を実現するためのポイント
- WordPress(CMS)での構築を依頼する
- 管理画面から直感的に更新可能
- ブログ記事の投稿が簡単
- 画像のアップロードもドラッグ&ドロップ
- 操作研修を受ける
- 制作会社から1〜2時間の研修を受ける
- 実際の管理画面を使った実習形式
- 通常は制作費に含まれる(または1〜3万円)
- 操作マニュアルを受け取る
- 画像付きの詳しいマニュアル
- よくある操作の手順書
- トラブル時の対処法
- サポート期間を確認する
- 納品後1ヶ月〜3ヶ月のサポート期間
- この期間中に分からないことを質問できる
- メールやチャットでの問い合わせ対応
実際の更新作業は、文章を書く、画像を選ぶ、公開ボタンを押すだけです。ブログを書くのと同じ感覚で操作できます。パソコンの基本操作ができれば、誰でも1〜2週間で慣れます。ただし、デザインの大幅変更やページ構造の変更は専門知識が必要なため、そのような場合は制作会社にスポット依頼するのが賢明です。
Q4. 最低何ページあれば良いですか?
小規模企業のWEBサイトは5ページ(トップ、会社概要、サービス、実績、お問い合わせ)が基本です。この構成で企業としての最低限の情報を伝え、問い合わせを獲得することができます。
基本5ページの役割
- トップページ
- 企業の第一印象を決める
- 主要サービスの概要を示す
- 各ページへの導線を配置
- 会社概要ページ
- 企業の信頼性を証明
- 事業内容、所在地、連絡先を記載
- BtoB取引では必須
- サービス・製品紹介ページ
- 提供サービスの詳細説明
- 料金や事例の紹介
- 売上に直結する最重要ページ
- 実績・事例ページ
- 過去の実績や顧客の声
- 信頼性と実力の証明
- 「この会社なら安心」と思ってもらう
- お問い合わせページ
- 見込み客獲得の窓口
- フォームと電話番号を掲載
- アクセスマップも併記
業種によっては、サービスを複数ページに分けたり、スタッフ紹介ページを追加したりして8〜10ページにすることもあります。ただし、最初から大規模なサイトを作るよりも、5ページでスタートして反応を見ながら段階的に追加する方が費用対効果が高いです。「まずは基本5ページで公開し、3ヶ月後に追加ページを検討する」というアプローチをおすすめします。
Q5. 写真やテキストは誰が用意するのですか?
写真やテキストは基本的に依頼者(企業側)が準備しますが、撮影・ライティングは追加費用で制作会社に依頼できます。どちらを選ぶかは予算と求める品質によって判断します。
素材準備のパターン
- 全て自社で用意する場合(追加費用なし)
- 会社や商品の写真を自分で撮影
- サービス説明文を自分で作成
- 費用は抑えられるが、品質にばらつき
- スマホでの撮影も可能
- 撮影だけプロに依頼(追加3万円〜10万円)
- プロカメラマンによる撮影
- 社屋、商品、スタッフの撮影
- 文章は自社で作成
- 視覚的な訴求力が向上
- ライティングだけプロに依頼(追加5万円〜15万円)
- プロライターが取材・執筆
- SEOを意識した文章作成
- 写真は自社で用意
- 訴求力の高い文章になる
- 撮影もライティングも依頼(追加10万円〜30万円)
- 完全にプロに任せられる
- 統一感のある高品質なコンテンツ
- 時間がない企業におすすめ
自社で用意する場合でも、制作会社がテンプレート文章や撮影のコツを教えてくれることが多いです。また、ストックフォト(有料素材写真)を活用することで、撮影費用を抑えつつ一定の品質を保つ方法もあります。重要なのは、「自社の強みや実績は自分が一番よく知っている」という点です。予算が限られる場合は、文章は自分で書き、写真だけプロに依頼するのが費用対効果が高い選択肢です。
まとめ:小規模企業は必要最低限の機能で十分な成果が出せる
小規模企業のWEBサイトは、トップページ、会社概要、サービス紹介、実績、お問い合わせの5ページ構成で、制作費用10万円〜50万円が現実的な予算です。WordPressを活用することで自社での更新が可能になり、運用費は年間3万円程度から始められます。
小規模企業のWEBサイト制作で押さえるべきポイント
- 必要最低限の5ページ構成からスタートする
- WordPressで構築し、自社更新できる体制を整える
- 依頼先は実績・提案力・サポート体制で選ぶ(価格だけで選ばない)
- 初期費用は10万円〜50万円、運用費は年間3万円〜が目安
- 最初は最小構成で公開し、成長に合わせて拡張していく
WEBサイトは「作って終わり」ではなく、公開後に改善を重ねることで効果が高まります。完璧を目指して公開を遅らせるよりも、まずは基本的な構成でスタートし、アクセス解析の結果を見ながら段階的に改善していく方が成果につながります。
この記事で紹介した費用相場や注意点を参考に、自社に最適なWEBサイトを構築してください。不明点があれば、複数の制作会社に相談し、提案内容を比較検討することをおすすめします。
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