「サイトリニューアルをしたのに、アクセスが激減した」「費用をかけたのに問い合わせが減ってしまった」——そんな失敗を経験する企業は少なくありません。実は、サイトリニューアルで成果を出せている企業はわずか3割程度と言われています。
リニューアルの失敗を防ぐ鍵は、事前準備とチェックリストの活用にあります。本記事では、準備・設計・公開後の3フェーズに分けた40項目のチェックリストを、具体的なGA4分析手法やSEO対策と合わせて解説します。
この記事を最後まで読めば、サイトリニューアルで起こりがちな失敗を未然に防ぎ、SEO順位を維持しながらCV率を向上させるための具体的な行動が分かります。ぜひチェックリストとして保存し、プロジェクト推進にお役立てください。
目次
サイトリニューアルでよくある失敗事例7選
サイトリニューアルの失敗は、多くの場合「事前準備の不足」が原因です。ここでは、実際に企業が陥りやすい代表的な7つの失敗パターンを紹介します。自社のリニューアル計画に当てはまる項目がないか、事前に確認しておきましょう。
①目的が曖昧なまま「見た目だけ」刷新してしまう
サイトリニューアルの最大の失敗原因は、目的が明確でないまま進めてしまうことです。「デザインが古くなったから」「競合がリニューアルしたから」といった曖昧な理由だけで着手すると、プロジェクトの方向性が定まりません。
結果として、見た目はきれいになったものの、問い合わせ数や売上といったビジネス成果につながらないサイトが完成してしまいます。リニューアルはあくまで手段であり、「CVR(コンバージョン率)を2%向上させる」「月間問い合わせ数を3倍にする」など、具体的なKPIを設定してから着手することが重要です。
②現状分析をせずにリニューアルを進めてしまう
現状のサイトパフォーマンスを分析しないまま進めるリニューアルは、改善すべきポイントがわからないまま作り直すことになります。GA4(Googleアナリティクス4)で直近3〜6ヶ月分のPV数、直帰率、CVR、流入キーワードなどを確認しましょう。
特に、どのページが上位表示されていて、どのページからコンバージョンが発生しているかを把握することが大切です。このデータがないと、リニューアル後の効果測定もできず、改善のPDCAサイクルを回すことが困難になります。
③SEO評価の高いページを削除・URL変更してしまう
検索順位が高く流入を稼いでいるページを、リニューアル時にうっかり削除したりURLを変更したりしてしまうケースは非常に多い失敗事例です。SEO評価の高いページは企業にとって貴重な資産であり、安易に手を加えるべきではありません。
URL変更が避けられない場合は、必ず301リダイレクトを1対1で設定し、旧URLのSEO評価を新URLに引き継ぐ必要があります。この対応を怠ると、検索エンジンは新しいページを「別のページ」として認識し、それまで蓄積してきた評価がゼロになってしまいます。
④スマホ対応が不十分でUXが悪化する
現在、多くの業種でスマートフォンからのアクセスが全体の50%以上を占めています。それにもかかわらず、PC画面のデザインを優先してスマホ表示を後回しにすると、ユーザー体験(UX)が大きく悪化します。
Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、スマホ版の品質がSEO評価に直結します。文字が小さすぎる、ボタンが押しにくい、画像がはみ出すといった問題は、離脱率の増加と検索順位の低下を招きます。スマホファーストの設計を徹底しましょう。
⑤コンテンツの移行漏れ・リダイレクト設定ミス
大規模なリニューアルでは、数百〜数千ページのコンテンツを移行する必要があります。この過程で移行漏れが発生したり、リダイレクトの設定にミスがあると、404エラーページが大量に発生します。
リダイレクトの設定ミスとして特に多いのが、旧ページすべてをトップページにリダイレクトしてしまうケースです。Googleはこの設定を推奨しておらず、旧ページの評価が正しく引き継がれません。必ず旧URLと新URLの対応表(リダイレクトマップ)を作成し、1対1で正確に設定してください。
⑥フォームが複雑でCV率が下がる
リニューアルでフォームを新しくした結果、入力項目が増えてしまい、かえってCV率が下がるケースがあります。入力項目が多いフォームはユーザーに心理的な負担を与え、途中離脱の原因になります。
BtoBサイトの問い合わせフォームでは、入力項目を5個以内に絞ることが推奨されます。必須項目は「会社名」「氏名」「メールアドレス」「電話番号」「お問い合わせ内容」程度にとどめ、それ以外の情報は営業段階でヒアリングする設計にしましょう。EFO(エントリーフォーム最適化)ツールの導入も効果的です。
⑦公開後の運用体制が決まっていない
リニューアルを「ゴール」と捉えてしまい、公開後の運用体制を準備しないまま本番を迎えるケースが多く見られます。Webサイトはリニューアルして終わりではなく、公開後に改善を繰り返して育てていく必要があります。
運用体制が未整備だと、コンテンツの更新が止まり、効果測定も行われず、せっかくのリニューアル効果が時間とともに失われていきます。公開前の段階で、CMS(WordPressなど)の更新担当者、効果測定の担当者、改善サイクルのスケジュールを明確にしておきましょう。
なぜサイトリニューアルは失敗するのか?根本原因を解説
失敗事例を個別に見るだけでなく、その根本原因を理解することで、同じ過ちを繰り返さないようにしましょう。リニューアルが失敗する背景には、共通する3つの根本原因があります。
「リニューアル=デザイン変更」という誤解
サイトリニューアルが失敗する最も根本的な原因は、リニューアルをデザイン変更と同義に捉えてしまう誤解です。見た目の改善は確かにリニューアルの一要素ですが、それだけでは事業課題は解決しません。
リニューアルの本来の目的は、ビジネス成果の向上です。たとえば「サービスページからの問い合わせが少ない」という課題があるなら、デザインだけでなく、ページ構成、コンテンツの内容、CTAの配置、フォームの使いやすさなど、多角的な改善が必要です。デザインはあくまでその一部として位置づけましょう。
データに基づかない意思決定が招くリスク
「なんとなくこうした方がいい」「担当者の好みで決めた」といったデータに基づかない意思決定は、リニューアルの失敗に直結します。特に危険なのは、現在アクセスを稼いでいるコンテンツをデータ確認なしで削除してしまうケースです。
GA4やSearch Consoleのデータは、リニューアル判断の羅針盤です。ページごとの流入数、コンバージョン貢献度、検索クエリを分析した上で、残すページ・改善するページ・統合するページを判断しましょう。データに基づく意思決定が、リニューアルの成功確率を大きく高めます。
社内合意形成の不足がプロジェクトを迷走させる
リニューアルプロジェクトが失敗するもう一つの大きな原因は、社内の関係者間で合意形成ができていないことです。経営層、マーケティング部門、営業部門、制作会社など、それぞれが異なる目的やイメージを持ったまま進めると、プロジェクトは確実に迷走します。
対策として、プロジェクト開始時にリニューアルの目的、KPI、ターゲットユーザー、デザインの方向性、予算、スケジュールなどをドキュメントにまとめ、関係者全員で共有・合意する場を設けましょう。この工程を省略すると、後工程で大幅な手戻りが発生し、コストと時間を浪費することになります。
【準備フェーズ】リニューアル前のチェックリスト15項目
サイトリニューアルの成否は、準備フェーズで8割が決まると言っても過言ではありません。ここでは、リニューアルに着手する前に必ず確認・実施すべき15項目を解説します。
目的・KPIの設定(CVR○%向上・問い合わせ○倍など具体数値)
リニューアルの最初のステップは、達成したい目的とKPI(重要業績評価指標)を具体的な数値で設定することです。「なんとなく良くしたい」では、成功・失敗の判断基準がなく、プロジェクト全体の方向性も定まりません。
KPIは、KGI(最終目標)から逆算して設定します。たとえばKGIが「年間売上20%向上」であれば、KPIは「月間問い合わせ数50件→100件」「CVR 1.5%→3.0%」「オーガニック流入30%増加」のように分解できます。数値化することで、リニューアル後の効果測定が明確になります。
| 指標 | リニューアル前(例) | 目標値(例) |
|---|---|---|
| 月間PV数 | 30,000PV | 45,000PV(+50%) |
| 直帰率 | 65% | 50%以下 |
| CVR | 1.5% | 3.0% |
| 月間問い合わせ数 | 20件 | 50件 |
GA4で現状データを3〜6ヶ月分析する(PV・直帰率・CVR)
リニューアル前のサイトパフォーマンスをGA4で最低3ヶ月、できれば6ヶ月分を分析しておくことは必須です。このデータがリニューアル後の効果測定のベースライン(比較基準)になります。
分析すべき主な指標は、ページ別のPV数、直帰率(エンゲージメント率)、平均セッション時間、コンバージョン数・CVR、流入チャネル別の割合です。特にコンバージョンに貢献しているページとそうでないページを明確にし、リニューアルの優先度を決定しましょう。分析データはスプレッドシートにまとめ、プロジェクトメンバー全員で共有してください。
上位流入ページの棚卸しとSEO資産の把握
SEO経由で安定した流入があるページは、サイトの重要な資産です。Search Consoleで検索パフォーマンスを確認し、上位表示されているページ、クリック数の多いページ、被リンクの多いページをリスト化しましょう。
リスト化したページは、リニューアル時に絶対に削除してはいけない「保護対象ページ」として管理します。URL変更が必要な場合は、301リダイレクトで確実にSEO評価を引き継ぐ計画を立てましょう。このステップを怠ると、リニューアル後に検索流入が大幅に減少するリスクがあります。
ターゲット像・ペルソナの再定義
リニューアルは、ターゲットユーザーを見直す絶好の機会です。現在のサイトが想定しているペルソナと、実際にサイトを訪問しているユーザー層にズレがないかを確認しましょう。
GA4のユーザー属性データや、営業チームからのヒアリングを基に、ペルソナを再定義します。BtoBサイトであれば、業種、企業規模、役職、抱えている課題、情報収集の方法などを具体的に設定します。ペルソナが明確になると、コンテンツの内容やサイト導線の設計指針が定まり、ブレのないリニューアルが実現できます。
競合サイトの分析と差別化ポイントの整理
リニューアルの方向性を決める上で、競合サイトの分析は欠かせません。同業界の主要競合3〜5社のサイトを調査し、サイト構成、コンテンツの充実度、CTAの配置、デザインの方向性などを比較しましょう。
競合分析の目的は、単に真似をすることではありません。競合が強い点を把握した上で、自社ならではの差別化ポイントを明確にすることが重要です。たとえば、競合が事例コンテンツに力を入れているなら、自社はデータや調査レポートで差別化するといった戦略を立てます。
予算・スケジュール・社内体制の確定
準備フェーズの最後に、予算、スケジュール、社内体制を確定させます。リニューアルの規模によって費用は大きく異なりますが、小規模なら50万〜150万円、中規模なら150万〜500万円、大規模なら500万円以上が一般的な相場です。
スケジュールは、準備フェーズに1〜2ヶ月、設計・開発フェーズに2〜4ヶ月、テスト・公開に1ヶ月程度を見込みましょう。また、社内のプロジェクト責任者、各部門の窓口担当者、承認フローを事前に決めておくことで、意思決定の遅延を防げます。
【設計・開発フェーズ】構築時のチェックリスト15項目
準備フェーズで定めた方針に基づいて、実際にサイトを設計・構築するフェーズです。SEO資産の継承、ユーザー導線の最適化、コンテンツの強化を軸に、15項目のチェックリストを確認していきましょう。
サイトマップの再構築と不要ページの統合
サイトマップの再構築は、リニューアルの設計段階で最初に取り組むべき作業です。現行サイトの全ページを棚卸しし、残すページ、統合するページ、削除するページを分類します。
不要なページや重複コンテンツは、関連性の高いページに統合(301リダイレクト)しましょう。ページ数を闇雲に減らすのではなく、ユーザーにとって価値のある情報を整理して集約することが目的です。新しいサイトマップは、ユーザーが3クリック以内で目的のページに到達できる階層構造を目指してください。
ワイヤーフレームによるユーザー導線設計(3クリック以内)
ワイヤーフレーム(画面設計図)を作成し、ユーザーが目的の情報やコンバージョンポイントに到達するまでの導線を設計します。特にBtoBサイトでは、「トップページ→サービス紹介→問い合わせフォーム」の導線を3クリック以内に収めることが重要です。
ワイヤーフレームの段階でCTAボタンの位置、グローバルナビゲーションの構成、パンくずリストの設計も決定しておきましょう。この段階で社内の関係者やターゲットに近いユーザーにレビューしてもらうと、公開後の導線改善工数を大幅に削減できます。
スマホファーストのレスポンシブ設計
Googleのモバイルファーストインデックスに対応するため、スマートフォンでの表示を最優先にした設計が必要です。レスポンシブデザインを採用し、PC・タブレット・スマホのすべてのデバイスで最適な表示ができるようにしましょう。
スマホ表示で特に注意すべきポイントは、タップしやすいボタンサイズ(最低44px×44px)、読みやすいフォントサイズ(16px以上推奨)、画像の最適化(WebP形式の活用)、スクロールの負担を減らすページ構成です。テスト環境で複数のスマホ実機を使って表示確認することを推奨します。
SEO資産の継承(meta情報・内部リンク・URL設計)
リニューアルでSEO順位を落とさないためには、SEO資産の継承が最も重要です。具体的には、タイトルタグ、メタディスクリプション、見出し構成(H1〜H3)、内部リンク構造、canonical設定を新サイトに正しく引き継ぐ必要があります。
URL設計は可能な限り現行のURL構造を維持しましょう。URLを変更する場合は、旧URL→新URLの対応表を事前に作成し、漏れなく301リダイレクトを設定します。また、XMLサイトマップの更新とrobots.txtの確認も忘れずに行ってください。
301リダイレクトの設計と一覧表の作成
301リダイレクトは、サイトリニューアルのSEO対策として最も重要な技術的施策です。旧URLから新URLへの恒久的な転送設定により、旧ページが蓄積したSEO評価(被リンク、PageRank)を新ページに引き継ぐことができます。
リダイレクトマップ(対応表)は、スプレッドシートで旧URL・新URL・ステータスコード・備考の4列で管理します。設定時には以下の点に注意してください。すべての旧URLに対して1対1でリダイレクトを設定すること、トップページへの一括リダイレクトは避けること、リダイレクトチェーン(多段リダイレクト)やリダイレクトループが発生していないか確認すること、設定後はリダイレクトチェックツールで全URLを検証することです。Googleは301リダイレクトの設定期間として1年以上を推奨しています。
コンテンツ強化(事例・FAQ・CTAの最適配置)
リニューアルはコンテンツを強化する絶好の機会です。特にBtoBサイトでは、導入事例、お客様の声、FAQ(よくある質問)、ホワイトペーパーなど、ユーザーの意思決定を後押しするコンテンツを充実させましょう。
CTA(行動喚起ボタン)は各ページの適切な位置に配置します。ファーストビュー、コンテンツ中盤、ページ下部の3箇所に設置するのが基本です。また、テキストコンテンツを画像化することは避けてください。検索エンジンは画像内のテキストを正確に読み取れないため、SEO評価にマイナスとなります。
フォーム最適化(入力項目5個以内・EFO対策)
問い合わせフォームや資料請求フォームは、サイトのCV率に直結する重要な要素です。入力項目が多すぎると途中離脱が増加するため、BtoBサイトでは5項目以内に絞ることを推奨します。
EFO(エントリーフォーム最適化)として、リアルタイムバリデーション(入力中のエラー表示)、入力例の表示(プレースホルダー)、必須項目と任意項目の明確な区別、送信ボタンの文言を「送信」ではなく「無料で資料を受け取る」のように具体的にする工夫を取り入れましょう。これらの対策で、フォームの完了率を20〜30%向上させることが可能です。
【公開・運用フェーズ】リリース後のチェックリスト10項目
サイトの公開はゴールではなく、スタートラインです。公開前のテストから公開後のモニタリングまで、確認すべき10項目を解説します。ここでのチェック漏れが、リニューアル全体の成否を左右します。
公開前テストの徹底(全ページクロール・表示速度3秒以内・404確認)
公開前のテストは、リニューアルの品質を担保する最後の砦です。テスト環境で全ページをクロールし、404エラー、リンク切れ、表示崩れがないかを網羅的に確認しましょう。
表示速度は3秒以内を目標にします。Googleが公表しているデータによると、ページの読み込みが3秒を超えるとユーザーの53%が離脱するとされています。PageSpeed Insightsでモバイル・デスクトップ両方のスコアを計測し、画像圧縮やキャッシュ設定で改善してください。また、すべてのフォームが正常に動作するかの確認も忘れずに行いましょう。
Search Consoleでインデックス状況を確認する
公開後は、Google Search Consoleでインデックス状況を速やかに確認しましょう。新しいXMLサイトマップを送信し、主要ページがGoogleにインデックスされているかをチェックします。
「ページのインデックス登録」レポートで、インデックス済みページ数、除外されたページ数、エラーが発生しているページを確認します。リダイレクト設定が正しく機能しているかは「URL検査ツール」で個別に確認できます。公開直後は毎日チェックし、問題があれば即座に対応しましょう。
公開後1ヶ月のモニタリング項目と判断基準
公開後1ヶ月間は集中的なモニタリング期間として、毎週の定点観測を行います。確認すべき主な指標は、オーガニック検索からの流入数の推移、主要キーワードの検索順位変動、CVR・コンバージョン数の変化、直帰率・平均セッション時間の変化、404エラーの発生状況です。
一時的な検索順位の変動はリニューアル後に起こりうる現象ですが、1ヶ月以上経過しても改善しない場合は、リダイレクト設定やmeta情報の移行にミスがないかを再確認しましょう。問題の早期発見と迅速な対応が、リニューアルの成果を最大化する鍵です。
CMS運用体制の構築と更新ルールの策定
リニューアル後のサイトを継続的に改善するためには、CMS(コンテンツ管理システム)の運用体制を構築し、更新ルールを策定する必要があります。WordPress等のCMSを導入している場合、誰がどの頻度で更新するかを明確にしましょう。
具体的には、ブログ・お知らせの更新担当と頻度(週1回以上推奨)、事例コンテンツの追加フロー、画像・テキストの修正手順、CMSのプラグインやテーマのアップデート担当を決定します。運用マニュアルをドキュメント化し、担当者が変わっても品質を維持できる仕組みを整えてください。
バックアップ・社内マニュアルの整備
公開前には必ず旧サイトの完全なバックアップを取得しておきましょう。万が一リニューアル後に重大な問題が発生した場合、旧サイトに戻すための「ロールバック計画」を用意しておくことがリスク管理として重要です。
また、CMS操作マニュアル、更新手順書、緊急時の対応フローを整備し、関係者に共有します。段階的にページを移行するステージング方式を採用すると、全ページを一度に切り替えるよりもリスクを低減できます。
サイトリニューアルでSEO順位を落とさないための重要ポイント
リニューアル時にSEO順位が下がることは珍しくありません。しかし、適切な対策を講じることで、順位低下を最小限に抑えることができます。ここでは、SEO維持のために特に重要な3つのポイントを解説します。
リニューアル前後のインデックス状況を比較する方法
リニューアルによるSEOへの影響を正確に把握するには、リニューアル前後のインデックス状況を比較することが重要です。公開前にSearch Consoleで「インデックスされているページ数」「検索パフォーマンス(クリック数・表示回数・平均順位)」のスクリーンショットまたはデータエクスポートを保存しておきましょう。
公開後は同じデータを定期的に取得し、比較します。インデックス数が大幅に減少している場合は、リダイレクトの設定漏れやrobots.txtでのクロール拒否が原因の可能性があります。特に上位表示されていたキーワードの順位変動には注意し、1週間ごとに推移を追跡してください。
301リダイレクトの正しい設定手順と注意点
301リダイレクトの設定は以下の手順で進めます。まず、旧サイトの全URLをクローリングツール(Screaming Frog等)で取得します。次に、新サイトのURL構造と照合し、旧URL→新URLの対応表(リダイレクトマップ)を作成します。その後、.htaccessファイルまたはサーバー設定で301リダイレクトを実装します。WordPressの場合は「Redirection」プラグインも利用できます。最後に、テスト環境で全URLのリダイレクトが正しく動作するかを検証し、本番環境に適用します。
注意点として、リダイレクトチェーン(A→B→Cのような多段リダイレクト)はSEO評価の損失を招く可能性があるため、必ず最終URLへの直接リダイレクトにしてください。また、robots.txtの設定でクロールを拒否していると、検索エンジンがリダイレクトを認識できないため、robots.txtは解除しておきましょう。Googleは301リダイレクトの維持期間として最低1年以上を推奨しています。
リニューアル後にSEO順位が下がった場合の対処法
リニューアル後にSEO順位が下がった場合、まずは慌てずに原因を特定しましょう。一時的な順位変動はGoogleがサイトを再評価する過程で発生するもので、2〜4週間程度で回復するケースが多いです。
ただし、1ヶ月以上経過しても順位が戻らない場合は、以下の項目をチェックしてください。301リダイレクトが正しく設定されているか、robots.txtやnoindexタグでクロール・インデックスを拒否していないか、canonicalタグが正しいURLを指しているか、XMLサイトマップが更新・送信されているか、主要ページのtitleタグやmeta descriptionが正しく移行されているかを確認します。原因を特定したら速やかに修正し、Search ConsoleでURL検査を実行してGoogleに再クロールをリクエストしましょう。
BtoBサイトリニューアルで成果を出すための導線設計
BtoBサイトでは、リニューアルの成果を「リード(見込み顧客)の獲得」で測定することが一般的です。ここでは、問い合わせや資料請求といったコンバージョンにつなげるための導線設計のポイントを解説します。
資料請求・問い合わせまでの最短導線を設計する
BtoBサイトのコンバージョン率を高めるには、ユーザーが「問い合わせたい」「資料を見たい」と思ったタイミングで、すぐにアクションできる導線を設計することが重要です。理想は、どのページからでも2クリック以内で問い合わせフォームや資料請求ページにたどり着ける構造です。
具体的には、グローバルナビゲーションに「お問い合わせ」「資料請求」ボタンを常時表示し、各ページの下部にもCTAバナーを設置します。また、ユーザーの閲覧行動に合わせて関連コンテンツへの導線を設け、「サービス紹介→導入事例→料金ページ→問い合わせ」のような自然な流れを作りましょう。
事例ページ・ホワイトペーパーの効果的な配置
導入事例とホワイトペーパー(お役立ち資料)は、BtoBマーケティングにおいて最もCVに貢献するコンテンツです。事例ページは「課題→施策→成果」のストーリー構成で作成し、業種・規模・課題別に検索できるようにすると、ユーザーが自社に近い事例を見つけやすくなります。
ホワイトペーパーはリード獲得の主要手段です。サービスページや課題解決型のブログ記事と連動させ、「この課題について詳しく知りたい方はこちらの資料をダウンロード」といった形で自然にダウンロードを促しましょう。ダウンロード時のフォームは、氏名・会社名・メールアドレスの最低限に留めることで、ダウンロード率を高められます。
離脱防止施策(ポップアップ・CTA最適化)の活用
サイトからの離脱を防ぎ、CVにつなげるための施策も重要です。特に効果的なのが、離脱防止ポップアップの活用です。ユーザーがページを離れようとしたタイミングで、資料ダウンロードやキャンペーン情報のポップアップを表示することで、離脱するユーザーを一定数引き止めることができます。
ただし、ポップアップの表示頻度やタイミングには注意が必要です。しつこい表示はユーザー体験を損ない、逆効果になります。初回訪問時は控えめにし、2回目以降の訪問やページを一定以上スクロールしたタイミングで表示するなど、ユーザーの行動に合わせた出し分けが効果的です。CTAボタンの文言も「今すぐ問い合わせ」ではなく「3分で完了する無料相談」のように、心理的なハードルを下げる表現を使いましょう。
リニューアルを外注する際の制作会社の選び方
サイトリニューアルを外部の制作会社に依頼する場合、パートナー選びがプロジェクトの成否を大きく左右します。ここでは、失敗しない制作会社選びのポイントを3つの観点から解説します。
RFP(提案依頼書)に盛り込むべき項目
RFP(Request for Proposal:提案依頼書)は、制作会社に要件を正確に伝えるための書類です。RFPを作成することで、複数の制作会社から同じ条件で提案を受けられるため、比較検討がしやすくなります。
RFPに盛り込むべき主な項目は、プロジェクトの背景と目的、ターゲットユーザーの定義、必要な機能要件(CMS、フォーム、多言語対応など)、デザインの方向性やリファレンスサイト、SEO要件(301リダイレクト、meta移行など)、予算の目安、納期、評価基準です。RFPが具体的であるほど、制作会社からの提案の質も上がります。
見積もり比較時にチェックすべき3つの観点
制作会社の見積もりを比較する際は、金額だけでなく以下の3つの観点をチェックしましょう。
1つ目は「作業範囲の明確さ」です。デザイン、コーディング、SEO対策、コンテンツ制作、テスト、公開後サポートのどこまでが含まれているかを確認します。2つ目は「実績と専門性」です。自社と同じ業界や規模のリニューアル実績があるか、SEOやBtoBマーケティングの知見を持っているかを確認しましょう。3つ目は「運用サポート体制」です。公開後の保守・運用対応、障害発生時の対応速度、追加改修の対応可否を事前に確認しておくことが重要です。
制作会社とのコミュニケーションで失敗しないコツ
制作会社とのコミュニケーション不足は、リニューアルの失敗原因として非常に多い問題です。特に「すべてお任せ」にしてしまうと、自社の業界特性やターゲットの理解が浅いまま制作が進んでしまいます。
対策として、定期的な進捗確認ミーティング(週1回推奨)を設定し、各フェーズの成果物に対してフィードバックを返しましょう。また、自社の事業内容、商品やサービスの特徴、ターゲット顧客の詳細を制作会社に丁寧に説明し、理解を深めてもらうことが大切です。フィードバックは口頭だけでなく、ドキュメントやスクリーンショットで具体的に伝えると、認識のズレを最小限に抑えられます。
サイトリニューアル チェックリスト一覧表【保存版】
ここまで解説してきた40項目のチェックリストを、フェーズ別の一覧表にまとめました。リニューアルプロジェクトの進行中に、漏れがないか確認する際にご活用ください。
準備フェーズ チェックリスト一覧
| No. | チェック項目 | 確認 |
|---|---|---|
| 1 | リニューアルの目的を明文化した | □ |
| 2 | KGI・KPIを具体的な数値で設定した | □ |
| 3 | GA4で3〜6ヶ月分のデータを分析した | □ |
| 4 | 上位流入ページをリスト化した | □ |
| 5 | SEO資産(被リンク・上位キーワード)を把握した | □ |
| 6 | ターゲットペルソナを再定義した | □ |
| 7 | 競合サイトを3〜5社分析した | □ |
| 8 | 差別化ポイントを整理した | □ |
| 9 | リニューアル予算を確定した | □ |
| 10 | スケジュールを策定した | □ |
| 11 | 社内のプロジェクト体制を確定した | □ |
| 12 | 承認フローを明確にした | □ |
| 13 | 制作会社にRFPを提出した | □ |
| 14 | 制作会社を選定・契約した | □ |
| 15 | 旧サイトの完全バックアップを取得した | □ |
設計・開発フェーズ チェックリスト一覧
| No. | チェック項目 | 確認 |
|---|---|---|
| 16 | 新サイトマップを作成した | □ |
| 17 | 不要ページの統合・削除計画を立てた | □ |
| 18 | ワイヤーフレームを作成・レビューした | □ |
| 19 | ユーザー導線が3クリック以内か確認した | □ |
| 20 | スマホファーストでレスポンシブ設計した | □ |
| 21 | titleタグ・meta descriptionを移行した | □ |
| 22 | 内部リンク構造を最適化した | □ |
| 23 | canonical設定を確認した | □ |
| 24 | 301リダイレクトマップを作成した | □ |
| 25 | 全URLのリダイレクト設定をテストした | □ |
| 26 | コンテンツの移行漏れがないか確認した | □ |
| 27 | 事例・FAQ等のコンテンツを強化した | □ |
| 28 | CTA配置を最適化した | □ |
| 29 | フォーム項目を5個以内に絞った | □ |
| 30 | EFO対策を実装した | □ |
公開・運用フェーズ チェックリスト一覧
| No. | チェック項目 | 確認 |
|---|---|---|
| 31 | 全ページの表示テストを完了した | □ |
| 32 | 表示速度が3秒以内か確認した | □ |
| 33 | 404エラーページがないか確認した | □ |
| 34 | 全フォームの動作テストを完了した | □ |
| 35 | XMLサイトマップを更新・送信した | □ |
| 36 | Search Consoleでインデックスを確認した | □ |
| 37 | 公開後1ヶ月のモニタリング体制を構築した | □ |
| 38 | CMS運用担当・更新ルールを策定した | □ |
| 39 | 操作マニュアル・緊急対応フローを整備した | □ |
| 40 | ロールバック計画を用意した | □ |
サイトリニューアルに関するよくある質問
Q1. サイトリニューアルにかかる費用の相場はどれくらいですか?
サイトリニューアルの費用は、サイトの規模や機能要件によって大きく異なります。一般的な相場は以下のとおりです。小規模サイト(10〜30ページ程度)のデザインリニューアルであれば30万〜100万円、中規模サイト(30〜100ページ)でCMS導入を含むリニューアルであれば100万〜300万円、大規模サイト(100ページ以上)で機能開発を含む場合は300万〜1,000万円以上が目安です。
費用を抑えるポイントとしては、RFPを明確にして余計な手戻りを防ぐ、全ページを一度にリニューアルするのではなく優先度の高いページから段階的に進める、テンプレートを活用してデザイン工数を削減するといった方法があります。ただし、SEO対策やリダイレクト設定の費用は削るべきではありません。ここを省略すると、リニューアル後に検索流入が激減し、結果的に大きな機会損失を招きます。
Q2. リニューアル後にSEO順位が一時的に下がるのは正常ですか?
はい、リニューアル直後のSEO順位の一時的な低下は珍しいことではありません。これはGoogleがリニューアルされたサイトを再クロール・再評価するプロセスで自然に起こる現象です。通常、適切な301リダイレクトやmeta情報の移行が行われていれば、2〜4週間程度で元の順位に回復します。
ただし、1ヶ月以上経過しても順位が戻らない場合は、技術的な問題が発生している可能性があります。Search Consoleで「カバレッジ」レポートを確認し、インデックスエラーがないかチェックしてください。また、301リダイレクトの設定漏れ、robots.txtでのクロール拒否、noindexタグの誤設定がないかも併せて確認しましょう。問題を特定したら速やかに修正し、URL検査ツールで再クロールをリクエストすることで、順位回復を早めることができます。
Q3. リニューアル中のサイト更新はどうすればよいですか?
リニューアル中であっても、現行サイトの通常運用(ブログ更新、お知らせ掲載など)は継続することをおすすめします。更新を停止すると、検索エンジンからの評価が下がる可能性があるためです。
ただし、リニューアル中に現行サイトで新しいページを大量に追加すると、リダイレクトマップの管理が複雑になるため注意が必要です。リニューアル期間中の更新ルールを事前に決めておきましょう。たとえば「ブログ記事の投稿は継続するが、サイト構造に影響するページの追加・削除は凍結する」といったルールが一般的です。
Q4. サイトリニューアルの適切なタイミングはいつですか?
サイトリニューアルを検討すべきタイミングは主に以下の5つです。デザインやUI/UXが3〜5年以上更新されていない場合、サイトの表示速度が遅くモバイル対応が不十分な場合、問い合わせ数やCVRが継続的に低下している場合、事業内容やブランドの方向性が大きく変わった場合、CMS(コンテンツ管理システム)が古くセキュリティリスクがある場合です。
一般的には3〜5年に一度のフルリニューアルが目安ですが、必ずしも全体を作り替える必要はありません。GA4のデータを基に、改善が必要な箇所を特定し、部分的な改修で対応できるケースも多くあります。全体リニューアルと部分改修のどちらが最適かは、現状の課題と予算を踏まえて判断しましょう。
Q5. リニューアルで失敗した場合、旧サイトに戻すことは可能ですか?
旧サイトの完全なバックアップ(ファイル・データベース・サーバー設定)を事前に取得していれば、技術的には旧サイトに戻す(ロールバック)ことは可能です。ただし、ロールバックにはいくつかの注意点があります。
まず、リニューアル後に301リダイレクトを設定している場合、Googleは新URLをインデックスし始めているため、旧URLに戻すとさらなる順位変動が発生する可能性があります。また、リニューアル後に更新されたコンテンツは旧サイトには反映されないため、データの整合性に注意が必要です。ロールバックは最終手段として位置づけ、公開前のテストを徹底することで、ロールバックが必要にならないようにすることが最善の対策です。
まとめ:サイトリニューアルは「準備8割」で成否が決まる
サイトリニューアルの失敗を防ぐ最大のポイントは、準備フェーズに十分な時間と労力をかけることです。本記事で紹介した40項目のチェックリストは、「準備フェーズ15項目」「設計・開発フェーズ15項目」「公開・運用フェーズ10項目」の3段階に分かれています。
特に重要なのは、目的とKPIの明確化、GA4による現状分析、SEO資産の棚卸しと301リダイレクトの設計、そして公開後のモニタリング体制の構築です。これらのステップを確実に実行することで、SEO順位を維持しながらCV率を向上させるリニューアルが実現できます。
リニューアルは「一度やって終わり」ではありません。公開後もデータに基づいたPDCAサイクルを回し、継続的にサイトを改善していくことが、長期的なビジネス成果につながります。本記事のチェックリストをプロジェクトの羅針盤として活用し、失敗のないサイトリニューアルを実現してください。
引用元・参考URL一覧
デジ研:https://digital-marketing.jp/seo/points-to-be-aware-of-when-renewing-a-site/
TOPPAN(Business Transformation):https://solution.toppan.co.jp/bx/contents/webrenewal_mistake.html
ホームぺージドットコム:https://homepage296.com/blog/utilize/renewal-designfailure
全日本SEO協会:https://www.ajsa-seo.org/seo/website-renewal/
Kaizen Platform:https://kaizenplatform.com/contents/ng-site-renewal
才流(SAIRU):https://sairu.co.jp/guide/btobsite-improvement/method/2389/
ferret One:https://ferret-one.com/blog/site-renewal
関連記事
【工数70%削減】Web制作PM・ディレクター必見!AIツール15選と実践ワークフロー完全ガイド
【2026年版】CMS比較ランキング|WordPress比較徹底検証