GA4カスタムディメンションの使い方完全ガイド|設定から活用まで徹底解説

「GA4でカスタムディメンションを設定したいけど、どうやって使うの?」「UAと何が違うの?」とお悩みではありませんか。GA4のカスタムディメンションは、標準では収集できない独自のデータを分析軸として追加できる強力な機能です。本記事では、設定の基本手順からGTMを使った実装方法、業種別の活用例まで、初心者でも分かるように徹底解説します。この記事を読めば、あなたのビジネスに最適なカスタムディメンションを設定し、より深いデータ分析が実現できます。ぜひ最後までお読みください。


目次

GA4カスタムディメンションとは?基本を理解しよう

カスタムディメンションの定義と役割

カスタムディメンションとは、GA4が標準で収集しないビジネス固有のデータを分析軸として追加できる機能です。GA4では、ページビューやイベントなどの基本データは自動で収集されますが、会員ランクや商品カテゴリなど、サイト独自の情報は自動では取得できません。カスタムディメンションを設定することで、これらの独自データをGA4で分析できるようになります。

標準ディメンションとの違いは、データの種類と設定の必要性にあります。標準ディメンションは、ページパスやデバイスカテゴリなど、GA4が自動で収集する共通的なデータです。一方、カスタムディメンションは、ビジネスやサイトの特性に合わせて自由に設定できる独自の分析軸となります。

UAからGA4への変更点として重要なのは、UAで設定したカスタムディメンションは自動で引き継がれないという点です。GA4では、イベントパラメータやユーザープロパティとして送信したデータを、カスタムディメンションとして登録する仕組みに変更されました。そのため、UA時代に使っていたカスタムディメンションは、GA4で再度設定し直す必要があります。

カスタムディメンションでできること

カスタムディメンションを活用すると、ユーザー属性の詳細分析が可能になります。例えば、会員の登録日や会員ランク、年齢層などをカスタムディメンションとして設定すれば、「プレミアム会員のコンバージョン率」や「30代ユーザーの離脱ページ」など、より深い顧客理解につながる分析ができます。

イベント単位でのデータ収集も重要な活用方法です。商品の購入イベントに対して「購入商品カテゴリ」や「決済方法」をカスタムディメンションとして設定すれば、どのカテゴリの商品がよく売れているか、どの決済方法が好まれているかを詳細に分析できます。このように、イベントに紐づく詳細情報を可視化することで、マーケティング施策の改善につなげられます。

ビジネス固有のKPI測定も実現できます。例えば、SaaSサービスであれば「利用プラン」や「アカウント作成からの経過日数」、メディアサイトであれば「記事の著者」や「コンテンツタイプ」など、自社のビジネスモデルに特化した指標を設定できます。これにより、一般的なアクセス解析だけでは見えない、ビジネスの成長に直結する重要な洞察が得られるようになります。

設定前に確認すべきこと

カスタムディメンションを設定する前に、デフォルトディメンションで対応できないか必ず検証してください。GA4には、ページロケーション、デバイスカテゴリ、参照元など、100種類以上の標準ディメンションが用意されています。これらで分析できる場合は、わざわざカスタムディメンションを設定する必要はありません。まずはGA4の探索レポートで標準ディメンションを確認し、不足している分析軸を明確にしましょう。

必要なディメンションの洗い出し方としては、ビジネスゴールから逆算するアプローチが効果的です。例えば「会員種別ごとのCV率を知りたい」という目標があれば、「会員種別」をカスタムディメンションとして設定する必要があります。現場のマーケティング担当者や営業担当者にヒアリングし、「どんなデータがあれば意思決定に役立つか」を具体的にリストアップしてください。

設定上限数の把握も重要です。GA4では、ユーザースコープのカスタムディメンションは25個まで、イベントスコープは50個までという制限があります。この上限を超えて設定することはできないため、本当に必要なディメンションを優先順位付けして設定する必要があります。将来的な拡張も考慮し、上限の8割程度に抑えておくことをおすすめします。


GA4カスタムディメンションの設定手順

GA4管理画面での基本設定方法

GA4管理画面での設定は、左下の歯車アイコンから「設定」にアクセスすることから始まります。設定画面に移動したら、「カスタム定義」のメニューを探してください。このメニューは「データの表示」セクション内にあります。カスタム定義の画面が開いたら、「カスタムディメンションを作成」ボタンをクリックして設定を開始します。

作成画面では、まず「ディメンション名」を入力します。これはレポートで表示される名前になるため、分かりやすい日本語名を付けることをおすすめします。次に「範囲」を選択します。ユーザー単位で記録したい情報は「ユーザー」、イベント単位で記録したい情報は「イベント」を選択してください。

最後に、「イベントパラメータ」または「ユーザープロパティ」の欄に、実際にデータを送信する際のパラメータ名を入力します。この名前は、GTMやサイトのコードで設定するパラメータ名と完全に一致させる必要があります。大文字・小文字も区別されるため、注意深く入力してください。すべての項目を入力したら「保存」ボタンをクリックして設定完了です。

ディメンション名の付け方のコツ

ディメンション名は、レポートで一目見て何のデータか分かる名前にすることが重要です。例えば、会員のランク情報であれば「会員ランク」、商品カテゴリであれば「商品カテゴリ」といった直感的な名前が最適です。英語表記よりも日本語の方が、チームメンバー全員が理解しやすくなります。

後から管理しやすい名前の例として、接頭辞を統一する方法があります。例えば、ユーザー属性に関するディメンションには「ユーザー_」、商品に関するディメンションには「商品_」といった接頭辞を付けることで、一覧で見たときに分類が明確になります。「ユーザー_会員ランク」「商品_カテゴリ」「商品_ブランド名」といった命名規則です。

避けるべき命名パターンとしては、「dim1」「custom_data」といった抽象的な名前や、「test」「tmp」といった一時的な名前です。また、「会員のランク情報(2024年版)」のように長すぎる名前も、レポート画面で表示が切れてしまうため避けましょう。簡潔で分かりやすく、かつ永続的に使える名前を心がけてください。

スコープの選択方法

スコープの選択は、データの性質によって決まります。ユーザースコープは、ユーザーに紐づく属性情報を記録する際に使用します。具体的には、会員ランク、登録日、生年月日、性別など、そのユーザーが持つ固有の情報です。一度設定すると、そのユーザーのすべてのセッションやイベントに対して同じ値が適用されます。

イベントスコープは、イベントごとに異なる値を記録したい場合に使用します。例えば、商品購入イベントに対する「購入商品カテゴリ」や、検索イベントに対する「検索キーワード」などです。同じユーザーでも、イベントごとに異なる値を記録できるため、より詳細な行動分析が可能になります。

スコープ選択の判断基準として、「そのデータはユーザーに固定されているか、それとも行動ごとに変わるか」を考えてください。会員ランクのように通常は変わらない情報はユーザースコープ、閲覧ページや購入商品のように毎回変わる情報はイベントスコープを選択します。判断に迷う場合は、より詳細な分析ができるイベントスコープを選ぶことをおすすめします。

イベントパラメータ・ユーザープロパティの設定

イベントパラメータ名の指定は、GTMやウェブサイトのコードで送信する際のキー名と完全に一致させる必要があります。例えば、GTMで「product_category」というパラメータ名でデータを送信する場合、GA4のカスタムディメンション設定でも「product_category」と正確に入力してください。スペルミスや大文字・小文字の違いがあると、データが正しく記録されません。

既存パラメータの確認手順として、GA4の「設定」>「イベント」画面で、すでに送信されているイベントとそのパラメータを確認できます。また、リアルタイムレポートで「イベント名」をクリックすると、そのイベントに含まれるパラメータの一覧が表示されます。新しくカスタムディメンションを作成する前に、すでにデータが送信されているパラメータがないか確認しましょう。

新規パラメータの作成時の注意点として、パラメータ名には英数字とアンダースコアのみを使用してください。日本語や記号は使用できません。また、GA4が予約しているパラメータ名(例:page_location、session_id など)は使用できないため、独自の名前を付ける必要があります。「custom_」や「user_」といった接頭辞を付けることで、予約語との衝突を避けられます。

設定後の確認とデータ反映タイミング

GA4でカスタムディメンションを設定すると、24〜48時間でデータの収集が開始されます。設定直後はデータが表示されないため、焦らず待つ必要があります。ただし、この反映期間はカスタムディメンション自体の登録時間であり、過去のデータに遡って適用されることはありません。設定後に新しく収集されるデータから記録が始まる点に注意してください。

正しく設定できたか確認する方法として、最も簡単なのはリアルタイムレポートの活用です。「レポート」>「リアルタイム」を開き、実際にサイトで該当するイベントを発生させてください。その後、イベント名をクリックしてパラメータの値が正しく送信されているか確認します。この時点でパラメータが表示されていれば、カスタムディメンションも正しく記録されています。

トラブルシューティングとしては、以下の点を確認してください。まず、GTMやコードで送信しているパラメータ名と、GA4で設定したパラメータ名が完全に一致しているか。次に、データが実際に送信されているか(リアルタイムレポートで確認)。最後に、編集者以上の権限があるアカウントで設定作業を行っているか。これらを順番にチェックすることで、多くの問題が解決できます。


スコープの種類と使い分け【実例付き】

ユーザースコープの特徴と活用例

ユーザースコープは、特定のユーザーに紐づく属性情報を永続的に記録する機能です。一度設定されると、そのユーザーがサイトを訪問するたびに同じ値が自動的に適用されます。例えば、初回訪問時に「会員ランク:ゴールド」と設定すれば、2回目以降の訪問でも自動的にゴールド会員として記録され続けます。

会員ランクや生年月日などの設定例として、ECサイトでは「会員ランク」「初回購入日」「累計購入金額レベル」などが有効です。これらは会員登録時やログイン時に一度設定すれば、その後のすべての行動分析に活用できます。例えば「プレミアム会員の平均セッション時間」や「ゴールド会員の購入率」といった分析が可能になります。

ECサイトでの活用シーンとしては、会員ランク別のマーケティング施策の効果測定が代表的です。例えば、ゴールド会員向けの特別セールを実施した際、その会員グループのコンバージョン率や平均購入金額を測定できます。BtoBサイトでの活用シーンでは、「企業規模」「業種」「担当者の役職」などをユーザースコープで設定することで、リード育成の段階ごとのエンゲージメントを分析できます。

イベントスコープの特徴と活用例

イベントスコープは、個別のイベント(行動)ごとに異なる値を記録できる機能です。同じユーザーでも、閲覧ページや実行アクションによって異なる値が記録されるため、より詳細な行動分析が可能になります。例えば、ある商品ページを見たときは「カテゴリ:家電」、別の商品ページを見たときは「カテゴリ:書籍」と、イベントごとに異なる値を記録できます。

購入商品カテゴリや検索キーワードなどの設定例として、ECサイトでは「閲覧商品カテゴリ」「カートに入れた商品カテゴリ」「購入商品カテゴリ」などが有効です。メディアサイトでは「閲覧記事カテゴリ」「記事の著者名」「コンテンツタイプ(記事/動画/インフォグラフィック)」などが代表的な設定例となります。

メディアサイトでの活用シーンとしては、「どのカテゴリの記事がコンバージョンに貢献しているか」や「どの著者の記事が読者のエンゲージメントが高いか」といった分析が可能です。SaaSサービスでの活用シーンでは、「利用した機能名」「操作した画面名」「実行したアクション種類」などをイベントスコープで記録することで、ユーザーの行動パターンや機能の利用状況を詳細に把握できます。

スコープ別の設定上限と管理方法

GA4のカスタムディメンションには明確な上限があります。ユーザースコープは25個、イベントスコープは50個までしか設定できません。この制限は、GA4プロパティごとに適用されるため、複数のプロパティがあっても、それぞれで同じ制限が適用されます。無制限に設定できるわけではないため、計画的な設定が必要です。

上限に達した場合の対処法として、まず使用していないカスタムディメンションをアーカイブすることが基本です。GA4では、不要になったカスタムディメンションを完全に削除することはできませんが、アーカイブすることで上限のカウントから除外できます。アーカイブしたディメンションは、過去のデータには影響せず、新規データの収集のみが停止されます。

アーカイブ機能の使い方は簡単です。「設定」>「カスタム定義」>「カスタムディメンション」の一覧から、不要になったディメンションの右側にある三点リーダーをクリックし、「アーカイブ」を選択します。アーカイブしたディメンションは、過去のレポートでは引き続き利用できますが、新しいデータは収集されなくなります。必要に応じて後から再度有効化することも可能なため、削除ではなくアーカイブを活用してください。


GTM(Googleタグマネージャー)を使った設定方法

GTM経由でカスタムディメンションを送信する理由

GTMを活用する最大のメリットは、エンジニアに依頼せずにマーケターやアナリストがデータ送信の設定を変更できることです。ウェブサイトのコードを直接編集する場合、開発チームへの依頼が必要で、実装までに時間がかかります。GTMを使えば、タグマネージャーの画面上で設定を完結でき、スピーディーな分析環境の構築が可能になります。

直接実装との違いは、管理の柔軟性と変更のしやすさにあります。直接実装では、パラメータ名の変更やイベントの追加のたびにコード修正が必要です。GTMでは、管理画面上で変数やタグを変更するだけで、すぐに反映できます。また、GTMのプレビューモードを使えば、本番環境に影響を与えずに設定の動作確認ができる点も大きなメリットです。

どちらを選ぶべきかについては、継続的に分析要件が変わる環境ではGTMの活用を強くおすすめします。特に、マーケティング施策を頻繁に実施する企業や、A/Bテストを定期的に行う企業では、GTMの柔軟性が非常に役立ちます。一方、分析要件が固定的で変更がほとんどない場合は、直接実装でも問題ありません。ただし、将来的な拡張性を考えると、GTMの導入が無難な選択です。

GTMでのイベントパラメータ設定手順

GTMでカスタムディメンションを送信するには、まずデータレイヤー変数の作成が必要です。GTMの「変数」メニューから「新規」をクリックし、変数タイプで「データレイヤーの変数」を選択します。データレイヤー変数名には、ウェブサイトのコードで設定したデータレイヤーのキー名を入力してください。例えば、「memberRank」というキーでデータを送信している場合、変数名も「memberRank」と設定します。

タグの設定方法として、GA4イベントタグを作成します。「タグ」メニューから「新規」をクリックし、タグタイプで「GA4イベント」を選択してください。設定IDにはGA4の測定IDを入力し、イベント名には任意の名前を付けます。次に「イベントパラメータ」セクションで、パラメータ名(例:member_rank)と値(先ほど作成したデータレイヤー変数)を設定します。

トリガーの設定では、どのタイミングでこのタグを発火させるかを定義します。ページビューのたびに送信する場合は「すべてのページ」トリガーを使用し、特定のボタンクリック時に送信する場合は「クリック」トリガーを使用します。トリガーの条件は、ビジネス要件に合わせて柔軟に設定できます。設定が完了したら、必ずプレビューモードで動作確認を行い、意図したタイミングでデータが送信されているか検証してください。

GA4側での受け取り設定

GTMから送信したパラメータは、GA4の「設定」>「イベント」画面で確認できます。まず、GTMで設定したイベントが正しく送信されているか、イベント一覧に表示されているか確認してください。イベント名をクリックすると、そのイベントに含まれるパラメータの一覧が表示されます。ここで、GTMで設定したパラメータ名(例:member_rank)が表示されていれば、データは正しく送信されています。

カスタムディメンションへの紐付けは、「設定」>「カスタム定義」>「カスタムディメンションを作成」から行います。ディメンション名に分かりやすい日本語名(例:会員ランク)を入力し、範囲でユーザーまたはイベントを選択します。イベントパラメータまたはユーザープロパティの欄には、GTMで送信したパラメータ名(例:member_rank)を正確に入力してください。大文字・小文字も区別されるため、GTMの設定と完全に一致させることが重要です。

動作確認の方法として、リアルタイムレポートを活用します。GTMのプレビューモードを起動し、ウェブサイト上で該当するイベントを発生させてください。その後、GA4のリアルタイムレポートで、イベント名をクリックしてパラメータの値が正しく表示されているか確認します。さらに、24〜48時間後に探索レポートでカスタムディメンションが選択できるようになっているか、データが正しく集計されているかも確認してください。


カスタムディメンションの活用方法【レポート作成】

探索レポートでの使い方

探索レポートは、GA4でカスタムディメンションを最も柔軟に活用できる機能です。アクセスするには、GA4の左メニューから「探索」をクリックし、「空白」または任意のテンプレートを選択します。探索レポートでは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、自由にディメンションと指標を組み合わせた分析が可能です。

カスタムディメンションの追加方法は簡単です。探索レポートの左側にある「ディメンション」の横の「+」ボタンをクリックすると、利用可能なディメンションの一覧が表示されます。検索ボックスでカスタムディメンション名を入力すると、すぐに見つかります。追加したいカスタムディメンションにチェックを入れて「インポート」をクリックすれば、レポートで使用できるようになります。

ディメンション軸での分析例として、「会員ランク」というカスタムディメンションを行に配置し、「セッション数」「コンバージョン」「平均セッション時間」などの指標を値に配置することで、会員ランク別のパフォーマンスを比較できます。さらに、「ページタイトル」をセカンダリディメンションとして追加すれば、会員ランクごとにどのページがよく閲覧されているかも分析できます。

標準レポートでの使い方

標準レポートでカスタムディメンションを活用するには、レポートのカスタマイズ機能を使用します。任意の標準レポート(例:「ページとスクリーン」レポート)を開き、右上の鉛筆アイコンをクリックして「レポートをカスタマイズ」を選択します。これにより、レポートの表示内容を変更できるようになります。

セカンダリディメンションとしての活用が、標準レポートでの主な使い方です。カスタマイズ画面で「ディメンション」セクションを展開し、「ディメンションを追加」をクリックします。検索ボックスでカスタムディメンション名を入力し、追加したいディメンションを選択してください。これにより、既存の標準レポートにカスタムディメンションが追加され、より詳細な分析が可能になります。

比較分析のやり方として、例えば「トラフィック獲得」レポートに「会員ランク」というカスタムディメンションを追加すれば、「どの流入元が高ランク会員を多く獲得しているか」を分析できます。また、「ページとスクリーン」レポートに「商品カテゴリ」を追加すれば、「どのカテゴリの商品ページがよく閲覧されているか」を把握できます。標準レポートとカスタムディメンションの組み合わせで、日常的なモニタリングに役立つダッシュボードを構築できます。

セグメントとの組み合わせ

カスタムディメンションを使ったセグメント作成は、特定の条件に合致するユーザーやセッションを抽出する強力な手法です。探索レポートで「セグメント」の横の「+」ボタンをクリックし、「カスタムセグメントを作成」を選択します。条件設定画面で、カスタムディメンションを選択し、特定の値(例:会員ランク = ゴールド)を条件として設定できます。

より詳細な分析の実現として、複数の条件を組み合わせたセグメントが有効です。例えば、「会員ランク = プレミアム」かつ「購入商品カテゴリ = 家電」といった複合条件を設定することで、特定の会員層の特定カテゴリにおける行動パターンを深掘りできます。このような詳細なセグメントを作成することで、ピンポイントなマーケティング施策の立案が可能になります。

実践的な活用パターンとして、以下のようなセグメントが効果的です。1つ目は「初回購入から30日以内のユーザー」セグメントで、新規顧客の行動を分析できます。2つ目は「特定カテゴリを3回以上閲覧したが購入していないユーザー」セグメントで、購入障壁を分析できます。3つ目は「高額商品を購入した会員」セグメントで、優良顧客の特性を理解できます。これらのセグメントを保存しておけば、継続的なモニタリングに活用できます。

BigQueryエクスポート時の注意点

GA4のデータをBigQueryにエクスポートする際、カスタムディメンションは元のパラメータ名で記録されます。GA4の管理画面で設定した「ディメンション名」ではなく、「イベントパラメータ」または「ユーザープロパティ」で指定したパラメータ名がBigQueryのカラム名になるため、注意が必要です。例えば、ディメンション名が「会員ランク」でも、BigQueryでは「member_rank」というパラメータ名で確認する必要があります。

データ構造の理解として、BigQueryではイベントパラメータは「event_params」というネストされた構造に格納されます。ユーザープロパティは「user_properties」に格納されます。これらはキーと値のペアの配列形式になっているため、SQLで抽出する際はUNNESTを使用する必要があります。この構造を理解していないと、カスタムディメンションのデータを正しく抽出できません。

SQL活用のヒントとして、イベントパラメータを抽出する基本的なクエリは以下のようになります。SELECT (SELECT value.string_value FROM UNNEST(event_params) WHERE key = ‘member_rank’) AS member_rank FROM project.dataset.events_* このように、UNNESTを使ってパラメータ配列を展開し、特定のキーに対応する値を取得します。この基本パターンを理解すれば、BigQueryでカスタムディメンションを活用した高度な分析が可能になります。


業種別カスタムディメンション設定例

ECサイトの設定例

ECサイトでは、会員ランク(ユーザースコープ)の設定が最も重要です。ゴールド会員、シルバー会員、一般会員といったランク情報を記録することで、会員ランク別の購買行動や平均購入金額を分析できます。会員ランクは通常変動しないため、ユーザースコープで設定します。ログイン時に会員ランク情報を取得し、GTM経由でGA4に送信する実装が一般的です。

購入商品カテゴリ(イベントスコープ)も重要な設定です。ユーザーが購入した商品のカテゴリ(家電、書籍、ファッションなど)をイベントパラメータとして送信することで、どのカテゴリがよく売れているか、どのカテゴリの商品がクロスセルにつながりやすいかを分析できます。購入イベント発生時に商品カテゴリ情報を取得し、カスタムディメンションとして記録します。

その他の有効な設定として、お気に入り登録有無(イベントスコープ)とクーポン利用状況(イベントスコープ)があります。お気に入り登録している商品を購入したユーザーと、検索から直接購入したユーザーの購買意欲の違いを分析できます。クーポン利用の有無を記録すれば、クーポンの費用対効果や、クーポン利用者と非利用者の生涯価値の違いを測定できます。これらのディメンションを組み合わせることで、マーケティングROIの最適化につながります。

メディアサイトの設定例

メディアサイトでは、記事カテゴリ(イベントスコープ)の設定が基本です。ビジネス、エンタメ、テクノロジーといった記事のカテゴリを記録することで、どのカテゴリがユーザーのエンゲージメントを高めるか、どのカテゴリがコンバージョン(会員登録や広告クリック)に貢献しているかを分析できます。ページビューイベントに記事カテゴリをパラメータとして追加します。

著者名(イベントスコープ)も重要な分析軸です。どのライターの記事が読者に好まれているか、どの著者の記事が滞在時間が長いかを測定できます。これにより、人気ライターへの執筆依頼を増やしたり、パフォーマンスの低い著者へのフィードバックに活用できます。記事のメタデータから著者情報を取得し、カスタムディメンションとして設定します。

コンテンツタイプ(イベントスコープ)と読了率(イベントスコープ)も効果的です。記事、動画、インフォグラフィック、ポッドキャストなど、コンテンツの種類別にエンゲージメントを比較できます。読了率は、スクロール深度を計測してカスタムディメンションとして記録することで、「最後まで読まれた記事」と「途中で離脱された記事」の違いを分析できます。これらのデータは、コンテンツ戦略の改善に直結する重要な指標となります。

BtoB・SaaSサービスの設定例

BtoBやSaaSサービスでは、企業規模(ユーザースコープ)の設定が有効です。従業員数や売上規模といった企業の大きさをセグメント化することで、エンタープライズ企業とスタートアップでは異なるマーケティングアプローチが必要であることを定量的に示せます。リード情報フォームや外部CRMデータと連携して企業規模情報を取得し、ユーザープロパティとして設定します。

業種(ユーザースコープ)も重要な分析軸です。製造業、IT、金融、小売など、業種別に製品への関心度や導入プロセスが大きく異なります。業種別の成約率や平均契約金額を分析することで、どの業種にリソースを集中すべきか戦略的な意思決定ができます。問い合わせフォームやアカウント登録時に業種情報を取得してください。

利用プラン(ユーザースコープ)と問い合わせ種別(イベントスコープ)も効果的です。無料プラン、スタンダードプラン、エンタープライズプランといったプラン別に、サイト内での行動パターンや機能の利用状況を分析できます。問い合わせ種別(製品の質問、価格の問い合わせ、技術サポートなど)を記録すれば、カスタマージャーニーのどの段階でどんな疑問が生じているかを把握し、コンテンツやFAQの改善につなげられます。

実店舗連携型サービスの設定例

実店舗連携型サービスでは、来店経験の有無(ユーザースコープ)が重要です。オンラインで調べているが実店舗に来たことがないユーザーと、すでに来店経験があるユーザーでは、提供すべき情報や促すべきアクションが異なります。来店履歴をPOSシステムやCRMから取得し、ユーザープロパティとして設定することで、O2O施策の効果測定が可能になります。

予約経路(イベントスコープ)の設定も有効です。ウェブサイトから直接予約、電話予約、アプリ経由など、予約に至った経路を記録することで、どのチャネルが効率的か分析できます。予約完了イベントに予約経路情報をパラメータとして追加し、カスタムディメンションとして記録してください。これにより、マーケティング予算の最適配分につながります。

利用店舗(イベントスコープ)と顧客タイプ(ユーザースコープ)も重要です。複数店舗を展開している場合、店舗別のオンライン経由の予約数や来店数を測定できます。顧客タイプ(新規顧客、リピーター、VIPなど)を設定すれば、顧客の成熟度に応じた分析が可能になります。例えば、新規顧客がどのページを重点的に閲覧しているか、リピーターはどんなキャンペーンに反応しやすいかといった洞察が得られます。


よくある失敗と注意点

UAのカスタムディメンションは引き継がれない

GA4への移行時、UAで設定していたカスタムディメンションは自動で引き継がれません。これはGA4とUAの根本的な仕組みの違いによるものです。UAではカスタムディメンションをインデックス番号(cd1、cd2など)で管理していましたが、GA4ではイベントパラメータやユーザープロパティをベースにした名前ベースの管理に変更されました。そのため、すべてのカスタムディメンションを再設定する必要があります。

計画的な移行スケジュールが重要です。GA4への完全移行前に、UAで使用していたカスタムディメンションのリストを作成し、それぞれがGA4でどう実装されるべきか設計書を作成してください。並行稼働期間中に、UAとGA4の両方でデータを収集し、整合性を確認することをおすすめします。GA4のカスタムディメンションは設定後24〜48時間でデータ収集が始まるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

データの連続性を保つ工夫として、移行タイミングを明確に記録しておくことが重要です。例えば「2024年1月1日からGA4でカスタムディメンションの収集を開始」といった記録を残すことで、後から分析する際にデータの断絶を理解できます。また、重要なディメンションについては、UAのデータをBigQueryにエクスポートし、GA4のデータと統合して長期的なトレンド分析を可能にする方法も検討してください。

編集者権限が必要

GA4でカスタムディメンションを設定するには、編集者以上の権限が必要です。閲覧者権限やアナリスト権限では、カスタムディメンションの作成や編集ができません。もし設定画面で「カスタムディメンションを作成」ボタンがグレーアウトしている場合、権限不足が原因です。自分のアカウントの権限レベルを確認してください。

権限がない場合の対処法として、まずGA4プロパティの管理者に連絡し、編集者権限の付与を依頼します。権限申請時には、なぜカスタムディメンションの設定が必要なのか、どんな分析を実現したいのかを具体的に説明すると、承認されやすくなります。また、設定内容を事前にドキュメント化し、レビューを受けてから実装することで、管理者の安心感を高められます。

権限申請の手順として、GA4の「管理」>「プロパティのアクセス管理」で、自分のメールアドレスに編集者権限が付与されているか確認してください。編集者権限があれば、カスタムディメンションの作成、編集、アーカイブがすべて可能になります。組織によっては、権限管理が厳格で簡単に編集者権限が付与されない場合もあります。その場合は、管理者に代わって設定してもらうか、権限申請の正式なプロセスに従ってください。

データが反映されない場合の対処法

カスタムディメンションを設定したのにデータが表示されない場合、まず設定ミスのチェックポイントを確認してください。最も多い原因は、GA4で設定したパラメータ名と、実際に送信されているパラメータ名が一致していないケースです。大文字・小文字の違い、スペルミス、アンダースコアとハイフンの違いなど、わずかな違いでもデータは記録されません。

パラメータ名の確認は、GA4のリアルタイムレポートで行います。「レポート」>「リアルタイム」を開き、実際にサイトで該当イベントを発生させてください。イベント名をクリックすると、そのイベントに含まれるパラメータ一覧が表示されます。ここに表示されているパラメータ名と、カスタムディメンション設定で入力したパラメータ名が完全に一致しているか確認してください。

GTM設定の見直しも重要です。GTMのプレビューモードを使用し、タグが意図したタイミングで発火しているか、正しいパラメータ名と値が送信されているか確認します。GTMの「デバッグ」画面で、GA4タグがfireされた際のパラメータ情報を詳細に確認できます。また、GA4の「DebugView」機能を有効にすることで、リアルタイムでイベントとパラメータの送信状況を監視できます。これらのツールを活用して、データフローの全体像を把握してください。

不要なディメンションの削除・アーカイブ

カスタムディメンションの上限(ユーザー25個、イベント50個)に達した場合、不要になったディメンションをアーカイブする必要があります。GA4では、カスタムディメンションを完全に削除することはできません。これは、過去のレポートでそのディメンションを使用している可能性があるため、データの整合性を保つための仕様です。そのため、「削除」ではなく「アーカイブ」を使用します。

削除ではなくアーカイブすべき理由は、過去のデータへの影響を最小限にするためです。アーカイブしたカスタムディメンションは、新規データの収集は停止されますが、過去に収集されたデータは保持されます。探索レポートで過去の日付範囲を指定すれば、アーカイブしたディメンションのデータも引き続き分析できます。完全に削除してしまうと、過去のレポートが正しく表示されなくなる可能性があります。

整理のベストプラクティスとして、定期的な棚卸しをおすすめします。四半期ごとに、すべてのカスタムディメンションをレビューし、実際にレポートで使用されているか確認してください。使用頻度が低いディメンションや、当初の目的を達成したディメンションは、アーカイブ候補としてリスト化します。また、新しいディメンションを設定する前に、既存のディメンションで代用できないか検討することで、上限に余裕を持たせられます。


カスタムディメンション設定のベストプラクティス

設定前の計画が重要

カスタムディメンションを設定する前に、ビジネスゴールを明確にすることが最も重要です。「どんなビジネス課題を解決したいのか」「どんな意思決定に役立てたいのか」を具体的に定義してください。例えば、「会員ランク別のLTV(顧客生涯価値)を測定したい」「どのコンテンツカテゴリがコンバージョンに貢献しているか知りたい」といった明確な目標があれば、必要なカスタムディメンションを適切に選定できます。

必要なディメンションの優先順位付けも欠かせません。設定上限があるため、すべての希望を実現することはできません。まず、ビジネスインパクトが最も大きいディメンションをリストアップし、実装の難易度や必要なリソースも考慮して優先順位を付けてください。例えば、簡単に実装でき即座に価値を生むディメンションから着手し、段階的に高度なディメンションを追加するアプローチが効果的です。

命名規則の統一も重要なベストプラクティスです。チーム全員が理解できる一貫した命名ルールを決めておくことで、後から見ても何のディメンションか分かりやすくなります。例えば、「ユーザー_」「商品_」「コンテンツ_」といった接頭辞を使う、日本語で分かりやすい名前を付ける、略語は使わないといったルールを設定してください。ドキュメントに命名規則を記録し、チーム内で共有しましょう。

定期的な見直しと最適化

カスタムディメンションは、一度設定したら終わりではありません。定期的に使われていないディメンションを確認し、整理することが重要です。GA4の探索レポートで、各カスタムディメンションの使用状況を確認してください。過去3ヶ月間で一度も使用されていないディメンションは、アーカイブ候補として検討する価値があります。

新しいニーズへの対応も継続的に必要です。ビジネス環境は常に変化し、新しいマーケティング施策や製品ラインが登場します。四半期ごとに、マーケティングチームや営業チームと打ち合わせを行い、新しい分析要件がないか確認してください。例えば、新しい会員プログラムを開始した場合、その効果を測定するための新しいカスタムディメンションが必要になるかもしれません。

レポート活用状況の確認も重要です。設定したカスタムディメンションが実際の意思決定に役立っているか、定期的にレビューしてください。もし設定したディメンションがレポートで使われていない場合、それは必要性が低かったか、チームへの周知が不足している可能性があります。カスタムディメンションの活用事例をチーム内で共有し、データドリブンな意思決定文化を醸成していきましょう。

ドキュメント化と共有

カスタムディメンションの設定内容は、必ずドキュメントとして記録してください。ドキュメントには、ディメンション名、パラメータ名、スコープ、設定目的、想定される使用シーン、設定日を含めます。スプレッドシートやNotionなどのツールを使い、チーム全員がアクセスできる場所に保管しましょう。このドキュメントは、新しいメンバーが参加した際のオンボーディング資料としても役立ちます。

チーム内での情報共有も欠かせません。新しいカスタムディメンションを設定したら、マーケティングチーム、営業チーム、経営層など、関係者に周知してください。どんな分析が可能になったのか、どうやって活用すればよいのかを具体例とともに説明することで、データ活用の促進につながります。社内Slackやメールで定期的にTipsを共有するのも効果的です。

引き継ぎ資料の作成も重要です。担当者が異動や退職する際に、カスタムディメンションの設定背景や実装の詳細が失われてしまうことはよくあります。これを防ぐために、技術的な実装手順(GTMの設定方法、データレイヤーの構造など)も含めた詳細な引き継ぎドキュメントを作成してください。将来の担当者が困らないよう、なぜそのディメンションが必要だったのか、背景や文脈も記録しておくことが大切です。


まとめ:GA4カスタムディメンションで分析精度を高めよう

カスタムディメンション活用のポイント整理

GA4カスタムディメンションを効果的に活用するには、設定前の確認事項をしっかり押さえることが重要です。まず、標準ディメンションで対応できないか検証し、本当に必要なカスタムディメンションだけを設定してください。ビジネスゴールを明確にし、そこから逆算して必要なディメンションを洗い出すアプローチが成功の鍵です。設定上限(ユーザー25個、イベント50個)を意識し、優先順位を付けて計画的に設定しましょう。

スコープの適切な選択も重要なポイントです。ユーザーに固定される属性情報はユーザースコープ、イベントごとに変わる情報はイベントスコープを選択してください。会員ランクや企業規模などはユーザースコープ、購入商品カテゴリや閲覧記事カテゴリなどはイベントスコープが適しています。スコープを誤ると、意図したデータが収集できないため、設定前に十分検討しましょう。

レポートでの効果的な活用については、探索レポートでカスタムディメンションを自由に組み合わせて分析することをおすすめします。セグメントと組み合わせることで、特定の条件に合致するユーザー層の詳細な行動パターンを把握できます。また、標準レポートにカスタムディメンションを追加することで、日常的なモニタリングダッシュボードとして活用できます。

次のステップ

この記事を読んだら、まず実際にカスタムディメンションを設定してみましょう。小さく始めて、徐々に拡大していくアプローチがおすすめです。最初は、会員ランクや商品カテゴリなど、確実にビジネス価値がある1〜2個のディメンションから設定してください。GTMを使った実装に不安がある場合は、テスト環境で十分に動作確認してから本番環境に適用しましょう。

レポート作成で効果を確認することも重要です。カスタムディメンションを設定したら、実際に探索レポートでそのディメンションを使った分析を行い、新しい洞察が得られるか確認してください。例えば、会員ランク別のコンバージョン率を分析し、マーケティング施策の優先順位付けに活用できるか検証します。効果が確認できれば、チーム内に共有してデータ活用を促進しましょう。

最後に、PDCAサイクルで継続的に改善してください。カスタムディメンションは一度設定したら終わりではありません。定期的に使用状況をレビューし、使われていないディメンションはアーカイブし、新しいビジネスニーズに対応した新規ディメンションを追加していきます。データドリブンな組織づくりは継続的な取り組みです。GA4カスタムディメンションを活用して、より深い顧客理解とビジネス成長を実現してください。


よくある質問

Q1: カスタムディメンションとカスタム指標の違いは何ですか?

カスタムディメンションは分析の「軸」を追加する機能であり、カスタム指標は数値データを追加する機能です。カスタムディメンションは、会員ランクや商品カテゴリといった「分類」や「属性」を表すデータを記録します。一方、カスタム指標は、売上金額やポイント数といった「数値」を記録します。

具体例で説明すると、「プレミアム会員」という情報はカスタムディメンション、「購入金額:5,000円」という情報はカスタム指標です。探索レポートでは、カスタムディメンションを「行」や「列」に配置し、カスタム指標を「値」に配置して分析します。例えば、会員ランク(ディメンション)ごとの平均購入金額(指標)を比較するといった使い方になります。

どちらも標準では収集されないビジネス固有のデータを扱う点は共通していますが、用途が異なります。「何で分類して分析したいか」を考える場合はカスタムディメンション、「何を数値として測定したいか」を考える場合はカスタム指標を設定してください。両方を組み合わせることで、より高度な分析が実現できます。

Q2: カスタムディメンションの設定上限を増やすことはできますか?

残念ながら、GA4の無料版では設定上限を増やすことはできません。ユーザースコープは25個、イベントスコープは50個という制限は固定されています。この上限はGoogleが定めた仕様であり、プロパティの設定や契約内容によって変更することはできません。

ただし、GA4 360(有料版)では上限が拡張されます。GA4 360では、ユーザースコープが50個、イベントスコープが125個まで設定可能になります。大規模なエンタープライズ企業や、非常に複雑な分析要件がある組織では、GA4 360の導入を検討する価値があります。ただし、GA4 360は年間数百万円以上の費用がかかるため、コストと効果を慎重に検討してください。

無料版で上限に達した場合の対処法として、不要になったカスタムディメンションをアーカイブすることで、新しいディメンションを設定するスペースを確保できます。また、複数のディメンションを統合できないか検討してください。例えば、「商品カテゴリ_大」「商品カテゴリ_中」「商品カテゴリ_小」という3つのディメンションを、「商品カテゴリ」という1つのディメンションに統合し、階層構造をデータの値として表現する方法もあります。

Q3: 過去のデータに遡ってカスタムディメンションを適用できますか?

いいえ、カスタムディメンションは過去のデータに遡って適用することはできません。カスタムディメンションを設定した時点から、新しく収集されるデータにのみ適用されます。例えば、2024年6月1日にカスタムディメンションを設定した場合、6月1日以降のデータのみが記録され、5月31日以前のデータには遡って適用されません。

これはGA4のデータ収集の仕組み上の制限です。イベント発生時にパラメータとして送信されたデータのみが記録されるため、過去に発生したイベントのデータを後から変更することはできません。この制限は、データの整合性を保つための設計です。

対処法として、重要なカスタムディメンションは早めに設定することをおすすめします。GA4を導入した段階で、将来必要になりそうなディメンションを洗い出し、優先順位の高いものから設定してください。また、UAからGA4に移行する際は、並行稼働期間中にカスタムディメンションを設定し、できるだけ早くデータ収集を開始することで、データの蓄積期間を最大化できます。すでに過去のデータが必要な場合は、UAのデータをエクスポートして別途保管しておく必要があります。

Q4: GTMを使わずに直接ウェブサイトのコードで実装することは可能ですか?

はい、GTMを使わずに直接ウェブサイトのコードでカスタムディメンションを実装することは可能です。GA4の測定コード(gtag.js)を直接編集し、イベントパラメータやユーザープロパティを送信できます。例えば、会員ランクをユーザープロパティとして送信する場合、以下のようなコードを使用します。

gtag('set', 'user_properties', {
  member_rank: 'gold'
});

イベントスコープのカスタムディメンションの場合は、イベント送信時にパラメータとして追加します。

gtag('event', 'page_view', {
  'product_category': '家電'
});

ただし、直接実装にはいくつかのデメリットがあります。まず、パラメータの変更や追加のたびにコード修正が必要で、開発リソースを消費します。また、本番環境に反映する前のテストが難しく、設定ミスのリスクが高まります。さらに、マーケティング担当者が自由に設定を変更できず、施策のスピードが低下します。

一方、GTMを使用すれば、管理画面上で設定を変更でき、プレビューモードで動作確認してから本番環境に反映できます。長期的な運用の柔軟性を考えると、GTMの導入を強くおすすめします。技術的な制約でGTMが使えない場合や、非常にシンプルな実装で十分な場合のみ、直接実装を検討してください。

Q5: カスタムディメンションのデータが突然記録されなくなった場合、どうすればよいですか?

カスタムディメンションのデータが突然記録されなくなった場合、まず原因を特定することが重要です。最も一般的な原因は、ウェブサイトやGTMの設定変更です。例えば、ウェブサイトのリニューアルでデータレイヤーの構造が変わった、GTMのタグやトリガーが誤って削除された、パラメータ名が変更されたといったケースがあります。

対処手順として、まずGA4のリアルタイムレポートで、該当するイベント自体が送信されているか確認してください。イベントが送信されていない場合は、GTMのプレビューモードで、タグが発火しているか、正しいタイミングで実行されているかを検証します。イベントは送信されているがパラメータが含まれていない場合は、データレイヤー変数の設定やタグのパラメータ設定を確認してください。

次に、GA4のカスタムディメンション設定が誤ってアーカイブされていないか確認します。「設定」>「カスタム定義」>「カスタムディメンション」の一覧で、該当するディメンションが「アクティブ」になっているか確認してください。アーカイブされている場合は、再度有効化できます。

最後に、パラメータ名の大文字・小文字が変更されていないか確認します。例えば、元々「product_category」だったパラメータ名が「Product_Category」に変更されると、GA4は別のパラメータとして認識し、既存のカスタムディメンションにデータが記録されなくなります。このような場合は、元のパラメータ名に戻すか、新しいパラメータ名で新規カスタムディメンションを作成する必要があります。

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