GA4クロスドメイントラッキングの設定方法完全ガイド
「複数のドメインをまたいで正確にユーザー行動を追跡したい」「ECサイトと決済ページのドメインが異なっていて、コンバージョンが正しく計測できない」こんな悩みを抱えていませんか?
GA4のクロスドメイントラッキングを設定すれば、管理画面だけの簡単操作で異なるドメイン間のユーザー行動を同一セッションとして計測できます。UAと違いGTMでの複雑なコード編集は不要で、初心者でも5分で設定可能です。
この記事では、GA4クロスドメイントラッキングの設定手順から動作確認、よくあるエラーの解決法まで、実務で即活用できる情報を網羅的に解説します。
正しい設定でユーザーの真の行動を可視化し、データドリブンなマーケティング施策を実現しましょう。
目次
GA4のクロスドメイントラッキングとは?
GA4のクロスドメイントラッキングとは、異なるドメイン間を移動するユーザーを同一ユーザーとして計測するための機能です。
通常、GA4では異なるドメインは別々のサイトとして扱われます。例えば、メインサイト「example.com」からショッピングカート「cart.example-shop.jp」へユーザーが移動した場合、クロスドメイン設定がないと新規セッションとして分断され、正確なユーザー行動を追跡できません。
クロスドメイントラッキングを設定することで、ドメインをまたいだ移動を1つのセッションとして認識し、ユーザージャーニー全体を正確に把握できます。
UAとGA4の設定方法の違い
| 項目 | UA(ユニバーサルアナリティクス) | GA4 |
|---|---|---|
| 設定場所 | GTM(Googleタグマネージャー)でのコード編集が必要 | GA4管理画面のみで完結 |
| 難易度 | 高い(linkerパラメータの手動設定) | 低い(GUI操作のみ) |
| 設定時間 | 30分〜1時間 | 5分程度 |
GA4では管理画面のドメイン設定だけでリンクパラメータ付与が自動化されており、UAと比較して圧倒的に簡単になりました。
どんな時に必要?具体的なユースケース
クロスドメイントラッキングが必要なケースは以下の通りです:
1. ECサイトとカート決済ドメインが別の場合
- メインサイト: example.com
- 決済ページ: checkout.payment-service.jp → 購入プロセス全体を追跡するために必須
2. メインサイトとLPが別ドメインの場合
- コーポレートサイト: company.co.jp
- キャンペーンLP: campaign.special-offer.jp → 広告流入からコンバージョンまでの経路分析に必要
3. コーポレートサイトとメディアサイトの連携
- 企業サイト: corporate.com
- オウンドメディア: media.blog-service.jp → メディア経由のリード獲得を正確に計測
設定しないと参照元が「self-referral(自己参照)」として計測され、広告効果やコンテンツ評価が正しくできません。
クロスドメイントラッキング設定前の必須確認事項
クロスドメイントラッキングを正しく機能させるには、事前に3つの条件を満たす必要があります。
設定前の確認を怠ると、データが正しく取得できず再設定の手間が発生します。以下の項目を必ずチェックしてください。
同一測定IDの設置確認
すべての対象ドメインに同じGA4測定ID(G-XXXXXXXXX)のタグが設置されていることが必須条件です。
異なる測定IDが設置されていると、ドメイン間でCookieが共有されず、クロスドメイントラッキングが機能しません。
確認方法:
- Chrome拡張機能「Google Tag Assistant」を使用
- 各ドメインのページで拡張機能を起動
- 測定IDが全ドメインで一致しているか確認
- ページのソースコードを確認
- ブラウザで「右クリック→ページのソースを表示」
- 「G-XXXXXXXXX」で検索し、IDを確認
- GTM経由の場合
- GTM管理画面で「GA4設定タグ」の測定IDを確認
- すべてのドメインで同じコンテナを使用しているか確認
測定IDが異なる場合は、先に同一IDに統一してから設定を進めてください。
HTTPS化の確認
クロスドメイントラッキングを機能させるには、すべての対象ドメインがHTTPS化されている必要があります。
HTTPSでないドメインが含まれていると、セキュリティ上の理由でCookie共有ができず、ユーザートラッキングが途切れます。
HTTPSが必須の理由:
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| セキュアCookie | HTTPS環境でのみセキュアフラグ付きCookieが機能 |
| ブラウザ制限 | ChromeなどのモダンブラウザはHTTP→HTTPSのCookie送信を制限 |
| データ保護 | ユーザー情報を暗号化して安全に転送 |
確認手順:
- 各ドメインのURLバーに「鍵マーク」が表示されているか確認
- URLが「https://」で始まっているか確認
HTTP環境が残っている場合は、SSL証明書を取得してHTTPS化を完了させてください。
対象ドメインの洗い出し
設定漏れを防ぐため、クロスドメイントラッキングの対象となるすべてのドメインを事前にリストアップします。
サブドメインと完全別ドメインの違いを理解し、適切に分類することが重要です。
サブドメインとルートドメインの関係:
| ドメインタイプ | 例 | GA4での扱い |
|---|---|---|
| ルートドメイン | example.com | 設定が必要 |
| サブドメイン(同一ルート) | blog.example.com | GA4では自動計測(設定不要) |
| 完全別ドメイン | different-site.jp | 設定が必要 |
重要: GA4では同一ルートドメインのサブドメイン間(www.example.com ↔ blog.example.com)は自動的にクロスドメイン計測されるため、設定は不要です。
チェックリスト作成例:
【クロスドメイン設定対象】
✓ メインサイト: company.co.jp
✓ 決済ページ: cart.payment-service.jp
✓ LP: campaign.special.com
【設定不要(サブドメイン)】
✓ www.company.co.jp ↔ blog.company.co.jp(自動計測)
すべての対象ドメインをリストアップし、次の設定手順に進みましょう。
GA4管理画面でのクロスドメイン設定手順
GA4のクロスドメイントラッキング設定は、管理画面から4つのステップで完了します。
GTMでのコード編集は不要で、GUIベースの簡単操作のみで設定可能です。画面の指示に従って進めれば、初心者でも5分程度で設定できます。
ステップ1: データストリームの選択
まず、GA4管理画面からクロスドメイン設定を行うデータストリームを選択します。
- GA4にログイン
- 左下の「管理」(歯車アイコン)をクリック
- プロパティ列の「データストリーム」を選択
- ストリーム一覧から「ウェブ」のデータストリームをクリック
注意点: クロスドメイン設定は「ウェブストリーム」単位で行います。アプリストリームでは設定できません。
ステップ2: ドメイン設定画面を開く
データストリーム詳細画面からタグ設定メニューに進みます。
- ウェブストリーム詳細画面を下にスクロール
- 「タグ設定を行う」ボタンをクリック
- さらに下にスクロールして「ドメインの設定」をクリック
「ドメインの設定」画面が開くと、現在設定されているドメイン条件が表示されます(初回は空欄)。
ステップ3: ドメイン条件の追加
ここがクロスドメイン設定の核となる部分です。対象ドメインを条件として登録します。
設定手順:
- 「条件を追加」ボタンをクリック
- 以下の2項目を入力:
- マッチタイプ: ドメインの一致条件を選択
- ドメイン: 対象ドメインを入力
マッチタイプの選び方:
| マッチタイプ | 使用ケース | 入力例 | マッチするドメイン |
|---|---|---|---|
| 含む | サブドメインを含む広範囲な指定 | example.com | shop.example.com<br>blog.example.com |
| 完全一致 | 特定ドメインのみ指定 | cart.example.jp | cart.example.jp のみ |
| 先頭が一致 | 特定の接頭辞で始まるドメイン | campaign- | campaign-a.com<br>campaign-b.com |
| 末尾が一致 | 特定の接尾辞で終わるドメイン | .co.jp | company.co.jp<br>shop.co.jp |
実例ベースの登録例:
【例1: ECサイトとカート】
マッチタイプ: 完全一致
ドメイン: cart.payment-service.jp
【例2: 複数のサブドメインを含む】
マッチタイプ: 含む
ドメイン: example.com
【例3: キャンペーンLP複数】
マッチタイプ: 先頭が一致
ドメイン: campaign-
重要: 条件を追加するごとに「保存」ボタンを押す必要はありません。すべての条件を追加してから最後に一括保存します。
ステップ4: 保存と反映確認
すべてのドメイン条件を追加したら、設定を保存します。
- 画面右上の「保存」ボタンをクリック
- 設定が保存されたことを確認
反映までの時間目安:
- 設定保存後: 即時反映
- データ取得開始: 数分〜24時間以内
設定直後はリアルタイムレポートで動作確認することをおすすめします(詳細は後述)。
マッチタイプ別の設定パターン【実例で解説】
実際のビジネスシーンで頻出する3つのパターンを、具体例とともに解説します。
ドメイン構成によって最適なマッチタイプが異なるため、自社の状況に合わせた設定を選択してください。
パターン1: サブドメイン間のトラッキング
同一ルートドメイン配下のサブドメイン間は、GA4では自動的にクロスドメイン計測されます。
具体例:
- example.com ↔ shop.example.com
- www.example.com ↔ blog.example.com
推奨設定:
設定不要(GA4が自動計測)
注意点: UAでは手動設定が必要でしたが、GA4では同一ルートドメインのサブドメイン間は自動的にCookieが共有されるため、クロスドメイン設定は不要です。
ただし、以下のケースでは明示的な設定を推奨します:
【サブドメインと完全別ドメインが混在する場合】
・www.example.com(メインサイト)
・blog.example.com(ブログ:自動計測)
・cart.payment-service.jp(決済:設定必要)
この場合の設定:
マッチタイプ: 完全一致
ドメイン: cart.payment-service.jp
パターン2: 完全別ドメイン間のトラッキング
異なるルートドメイン間でユーザーを追跡する最も一般的なパターンです。
具体例:
- main-site.jp ↔ cart-service.com
- corporate.co.jp ↔ lp.special-campaign.net
推奨設定:
【設定例1: 2ドメイン間】
マッチタイプ: 完全一致
ドメイン: cart-service.com
【設定例2: メインドメインも明示的に設定する場合】
条件1
マッチタイプ: 完全一致
ドメイン: main-site.jp
条件2
マッチタイプ: 完全一致
ドメイン: cart-service.com
複数条件の組み合わせ方:
- 各ドメインごとに「条件を追加」
- すべての条件を入力後に一括「保存」
- OR条件として機能(いずれかに一致すればトラッキング)
ベストプラクティス: メインドメインも明示的に設定することで、設定漏れのリスクを軽減できます。
パターン3: 複雑な構成(3ドメイン以上)
企業サイト+メディア+決済など、3つ以上のドメインを連携させる高度なパターンです。
具体例:
- 企業サイト: corporate.com
- オウンドメディア: media.blog-platform.jp
- 決済ページ: checkout.payment.net
推奨設定:
条件1(企業サイト)
マッチタイプ: 完全一致
ドメイン: corporate.com
条件2(メディア)
マッチタイプ: 完全一致
ドメイン: media.blog-platform.jp
条件3(決済)
マッチタイプ: 完全一致
ドメイン: checkout.payment.net
設定順序と優先度:
GA4のクロスドメイン設定には優先度の概念はありません。すべての条件が等しく扱われ、OR条件として機能します。
注意点:
- 10個を超えるドメインを設定する場合は、「含む」マッチタイプで共通部分をまとめることを検討
- 設定後は必ず全ドメイン間の遷移をテストして動作確認
複雑な構成での動作確認ポイント:
- すべてのドメイン間の遷移パターンをテスト
- A→B、B→C、C→A など
- リアルタイムレポートで全ドメインが表示されるか確認
- 参照元レポートでself-referralが発生していないか確認
GTM利用時のクロスドメイン設定方法
GTM(Googleタグマネージャー)経由でGA4タグを配信している場合も、基本的な設定方法は同じです。
GTM特有の設定項目はありますが、クロスドメイン自体の指定はGA4管理画面側で行うのがGoogleの推奨方法です。
GTMでの設定フロー:
1. GTMタグでの測定ID設定
- GTMコンテナを開く
- 「タグ」から「GA4設定タグ」を選択
- 測定ID(G-XXXXXXXXX)が全ドメインで同一か確認
- 「このタグは以下で配信されます」が全ページに設定されているか確認
重要: すべての対象ドメインで同じGTMコンテナと測定IDを使用する必要があります。
2. GA4管理画面側のドメイン設定は同じ
GTM経由でもクロスドメインの設定自体はGA4管理画面で行います。
前述の「GA4管理画面でのクロスドメイン設定手順」と同じステップで設定してください。GTM側で特別なクロスドメイン設定は不要です。
3. GTM特有の注意点
変数設定での注意:
GTMで「クロスドメイントラッキング」関連の変数を設定している場合、以下を確認:
【UAの設定が残っている場合】
✓ UAのlinker設定変数を削除または無効化
✓ GA4タグでは使用しない
【GA4では不要な設定】
✓ 「allowLinker」パラメータ → 不要
✓ 手動でのリンクパラメータ付与 → 不要
GA4ではGA4管理画面の「ドメインの設定」だけで自動的にリンクパラメータが付与されます。
4. UAタグとの共存パターン
GA4とUA(ユニバーサルアナリティクス)を並行運用している場合:
【GTMコンテナ内の構成】
・UAタグ: 従来のクロスドメイン設定を維持
・GA4タグ: GA4管理画面でのドメイン設定のみ
【注意点】
✓ UAとGA4で異なる設定方法を併用
✓ それぞれ独立して動作確認が必要
✓ データが混在しないよう測定IDを明確に分ける
GTM経由でもシンプルに設定できるため、まずはGA4管理画面での設定を完了させてから動作確認を行いましょう。
【重要】設定後の動作確認手順
クロスドメイントラッキングの設定が完了したら、必ず動作確認を行ってください。
設定ミスがあると正確なデータが取得できず、後から修正すると過去データは遡って修正されません。3つの方法で確実に確認しましょう。
デバッグビューでのリアルタイム確認
最も確実な確認方法は、GA4のデバッグビューを使用したリアルタイム検証です。
デバッグモードの有効化方法:
方法1: Chrome拡張機能を使用
- 「Google Analytics Debugger」拡張機能をインストール
- 拡張機能アイコンをクリックして有効化
- 対象ドメインのページを開く
方法2: URLパラメータを使用
通常URL: https://example.com/
デバッグモード: https://example.com/?debug_mode=true
ドメイン遷移時のイベント確認ポイント:
- GA4管理画面で「設定」→「デバッグビュー」を開く
- ドメインA(例:example.com)のページを開く
- ドメインB(例:cart.payment.jp)へのリンクをクリック
- デバッグビューで以下を確認:
確認すべきイベント:
✓ page_view イベントが発生
✓ session_start が新規発生していないか
✓ 同じクライアントID(user_id)が継続しているか
正常時: セッションが継続し、session_startイベントが発生しない 異常時: 新規session_startが発生し、別セッションとして計測される
リアルタイムレポートでの検証
デバッグビューを使わない簡易確認方法として、リアルタイムレポートを活用します。
確認手順:
- GA4で「レポート」→「リアルタイム」を開く
- ブラウザで実際にドメイン間を遷移
- リアルタイムレポートで以下を確認:
セッション継続の確認方法:
【確認項目】
✓ アクティブユーザー数が「1」のまま維持されているか
✓ ページロケーション(URL)が異なるドメインに変わっているか
✓ イベント数がカウントアップされているか
新規セッションに分断されていないかチェック:
ドメインA→ドメインBへ遷移した際に:
- ✓ 正常: アクティブユーザー数が1のまま
- ✗ 異常: アクティブユーザー数が0→1に変動
分断が発生している場合は、ドメイン設定を再確認してください。
参照元/メディアレポートの確認
設定完了から24時間後、参照元レポートでself-referralが発生していないか確認します。
確認手順:
- GA4で「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開く
- ディメンションを「セッションの参照元/メディア」に変更
- 設定したドメインが参照元として表示されていないか確認
正常時と異常時の見分け方:
| 状態 | 参照元の表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 正常 | google / organic<br>facebook / social | 本来の流入元が正しく記録 |
| 異常 | cart.payment.jp / referral<br>example.com / referral | 自社ドメインが参照元(self-referral発生) |
self-referralが出ている場合の対処法:
- GA4管理画面の「ドメインの設定」を再確認
- 該当ドメインが条件に含まれているか確認
- 追加されていない場合は条件を追加して保存
- 24時間後に再度レポートを確認
補足: 過去に発生したself-referralは修正されないため、設定変更後のデータで評価してください。
クロスドメイントラッキングでよくあるエラーと解決法
設定後にトラッキングが正常に動作しない場合、4つの主要なエラーパターンが考えられます。
それぞれの原因と具体的な解決策を理解し、迅速に対処しましょう。
エラー1: セッションが分断される
症状: ドメイン間を遷移すると新規セッションとして計測され、ユーザージャーニーが途切れる
原因:
- ドメイン設定の漏れ(一部ドメインが未登録)
- マッチタイプの設定ミス
- 測定IDの不一致
解決策:
- 全ドメインの登録確認
チェックリスト:
□ メインドメインは登録されているか
□ 遷移先の全ドメインは含まれているか
□ サブドメインと勘違いしていないか
- マッチタイプの見直し
【よくある誤り】
誤: マッチタイプ「完全一致」、ドメイン「example.com」
→ www.example.com や shop.example.com がマッチしない
正: マッチタイプ「含む」、ドメイン「example.com」
→ すべてのサブドメインを含む
- 測定ID確認
- 各ドメインのページソースで測定ID(G-XXXXXXXXX)が同一か確認
- GTM経由の場合は全ドメインで同じコンテナを使用しているか確認
エラー2: self-referralが大量発生
症状: 自社の別ドメインが参照元として記録され、本来の流入元が不明になる
原因:
- 一部ドメインの設定忘れ
- 「除外する参照のリスト」の未設定
- リダイレクト経由での遷移
解決策:
- 全ドメインの再確認
手順:
1. 参照元レポートでself-referralとなっているドメインを特定
2. GA4管理画面の「ドメインの設定」を開く
3. 該当ドメインが条件に含まれているか確認
4. 含まれていない場合は追加
- 参照元除外リストの設定
GA4管理画面での操作:
1. 「タグ設定を行う」を開く
2. 「除外する参照のリスト」をクリック
3. 「条件を追加」
4. self-referralとなっているドメインを追加
5. 「保存」
- リダイレクトの確認
- 301/302リダイレクトを経由するとパラメータが消える場合がある
- リダイレクト先でパラメータが保持されているか確認
- 必要に応じてリダイレクト設定を見直し
エラー3: クロスドメインパラメータが付かない
症状: ドメイン間のリンクに「_gl=」パラメータが付与されない
原因:
- タグの測定ID不一致
- ドメイン設定が保存されていない
- HTTPS化されていない
解決策:
- 全ドメインのタグ検証
Chrome DevToolsでの確認:
1. F12キーで開発者ツールを開く
2. Network タブを選択
3. 「collect?」で検索
4. Request Headersで測定IDを確認
→ すべてのドメインで同じIDか確認
- 設定の再保存
1. GA4管理画面の「ドメインの設定」を開く
2. 既存の条件が表示されているか確認
3. 変更していなくても「保存」ボタンをクリック
4. 設定が確実に反映されるのを待つ(数分)
- HTTPS化の確認
- すべてのドメインがHTTPSで配信されているか確認
- HTTP環境が残っている場合はSSL証明書を取得
- 混在コンテンツ(Mixed Content)エラーがないか確認
エラー4: データが重複カウントされる
症状: 同じページビューやイベントが複数回計測される
原因:
- 複数プロパティへの誤送信
- タグの二重設置
- GTMとハードコードタグの併用
解決策:
- データストリーム設定の確認
GA4管理画面での確認:
1. 「管理」→「データストリーム」を開く
2. 同じドメインが複数のストリームに含まれていないか確認
3. 重複している場合は不要なストリームを削除または無効化
- タグ設置状況の監査
確認項目:
□ GTMとハードコードタグが両方設置されていないか
□ 同じ測定IDのタグが複数箇所に設置されていないか
□ 異なるGTMコンテナが複数設置されていないか
- GTMプレビューモードでの検証
1. GTMでプレビューモードを開始
2. 対象ページを開く
3. Tags Firedセクションで「GA4設定」タグが1回のみ発火しているか確認
4. 複数回発火している場合はトリガー設定を見直し
エラーが解決しない場合は、一度設定をリセットして最初から設定し直すことも検討してください。
クロスドメイントラッキング設定のベストプラクティス
一度設定して終わりではなく、継続的な運用とメンテナンスが重要です。
長期的に正確なデータを取得し続けるためのベストプラクティスを実践しましょう。
ドメイン追加時の運用フロー
新しいドメインを追加する際の標準的なワークフローを確立します。
推奨フロー:
【ステップ1: 事前準備】
□ 新ドメインにGA4タグを設置
□ 測定IDが既存ドメインと同一か確認
□ HTTPS化が完了しているか確認
【ステップ2: GA4設定】
□ 「ドメインの設定」に新ドメインを追加
□ マッチタイプを適切に選択
□ 保存後、設定内容をスクリーンショットで記録
【ステップ3: 動作確認】
□ デバッグビューでリアルタイム確認
□ 新旧ドメイン間の遷移テスト
□ リアルタイムレポートで検証
【ステップ4: 本番確認】
□ 24時間後に参照元レポート確認
□ self-referralが発生していないか確認
□ 必要に応じて「除外する参照のリスト」に追加
チェックリストテンプレート:
新ドメイン追加チェックリスト
ドメイン名: ________________
追加日: ____年__月__日
□ タグ設置完了
□ 測定ID確認(G-_________)
□ HTTPS化確認
□ GA4ドメイン設定追加
□ デバッグビュー確認
□ リアルタイムレポート確認
□ 参照元レポート確認(24h後)
確認者: ________________
定期的な動作確認の重要性
月1回または四半期に1回、クロスドメイン設定の動作確認を実施します。
定期確認項目:
【月次確認(推奨)】
1. 参照元/メディアレポートでself-referral確認
→ 前月比で異常な増加がないか
2. リアルタイムレポートで主要な遷移パスをテスト
→ メインサイト→決済ページなど
3. 新規追加されたドメインの動作確認
→ 追加後1ヶ月以内は特に注意
【四半期確認】
1. 全ドメインのタグ設置状況を監査
2. 測定IDの統一性を再確認
3. ドメイン設定の棚卸し
→ 不要になったドメインの削除
異常検知のための指標:
要注意のシグナル:
✓ self-referralが前月比で20%以上増加
✓ 特定のドメイン間でセッション継続率が低下
✓ 直帰率が突然上昇(ドメイン分断の可能性)
ドキュメント化と引き継ぎのコツ
設定内容を文書化し、担当者変更時にスムーズに引き継げる体制を整えます。
ドキュメント化すべき内容:
【GA4クロスドメイン設定書】
1. 対象ドメイン一覧
ドメイン | マッチタイプ | 追加日 | 用途
--------|------------|--------|------
example.com | 含む | 2024/01/15 | メインサイト
cart.payment.jp | 完全一致 | 2024/01/15 | 決済ページ
2. 測定ID
G-XXXXXXXXX
3. 除外参照リスト
- なし(必要に応じて記載)
4. 確認手順
- デバッグビュー: [URLと手順]
- リアルタイムレポート: [確認項目]
5. トラブルシューティング連絡先
- 担当者: ________
- メール: ________
最終更新: ____年__月__日
引き継ぎ時のポイント:
- 設定の背景と目的を説明
- 実際の管理画面を見せながら操作方法をレクチャー
- 動作確認の実演
- よくあるエラーと対処法を共有
- 定期確認のスケジュールを申し送り
プライバシー設定との両立
クロスドメイントラッキングは個人情報保護法やGDPRに配慮した運用が必要です。
プライバシーポリシーへの記載例:
【プライバシーポリシー記載例】
当社は、Google アナリティクス 4を使用してウェブサイトの
利用状況を分析しています。Google アナリティクスは
Cookieを使用して、複数のドメイン間でのユーザー行動を
追跡します。
対象ドメイン:
- example.com
- cart.payment.jp
取得する情報:
- ページ閲覧履歴
- 参照元情報
- デバイス情報
データは統計的な分析にのみ使用され、個人を特定する
情報は含まれません。
Cookie同意バナーとの連携:
実装のポイント:
✓ GA4タグ発火前にCookie同意を取得
✓ 同意がない場合はクロスドメイントラッキングも無効化
✓ GTMでCookie同意状態に応じたタグ制御を実装
ベストプラクティスを実践することで、長期的に安定した計測環境を維持できます。
よくある質問(FAQ)
Q1: 異なるGA4プロパティ間でのクロスドメインは可能?
A: いいえ、異なるGA4プロパティ間でのクロスドメイントラッキングはできません。
クロスドメイントラッキングは、1つのGA4プロパティ内で複数ドメインをまたいだ計測を行う機能です。プロパティをまたいだユーザー追跡は技術的に不可能です。
詳細説明:
【不可能なパターン】
プロパティA(測定ID: G-AAAAAAA): example.com
プロパティB(測定ID: G-BBBBBBB): shop.example.jp
→ この2つでクロスドメイン設定は不可
【可能なパターン】
プロパティA(測定ID: G-AAAAAAA)
- example.com
- shop.example.jp
- cart.payment.net
→ 同一プロパティ内の複数ドメインは可能
解決策: 複数ドメインを統合して計測したい場合は、すべてのドメインに同じ測定IDのタグを設置し、1つのプロパティで管理してください。
Q2: サブドメインも設定が必要?
A: いいえ、同一ルートドメインのサブドメイン間は自動的にクロスドメイン計測されるため、設定は不要です。
GA4では、以下のようなサブドメイン間は自動的にCookieが共有されます:
【設定不要な例】
✓ www.example.com ↔ blog.example.com
✓ shop.example.com ↔ support.example.com
✓ example.com ↔ www.example.com
これらはすべて「example.com」というルートドメインが
同じため、GA4が自動で同一セッションとして計測
設定が必要なケース:
【設定必要な例】
✗ example.com ↔ different-domain.jp(完全別ドメイン)
✗ example.com ↔ cart.payment-service.net(外部サービス)
これらはルートドメインが異なるため、
クロスドメイン設定が必須
注意点: UAではサブドメイン間でも手動設定が必要でしたが、GA4では仕様が変更されています。UAの設定をそのまま移行しないよう注意してください。
Q3: 外部決済サービス(Stripe等)との連携は?
A: 外部決済サービスとのクロスドメイントラッキングは可能ですが、サービス側の制約に注意が必要です。
Stripe、PayPal、Square等の決済サービス:
【基本的な設定方法】
1. 決済サービスのドメインをGA4に追加
例: マッチタイプ「含む」、ドメイン「stripe.com」
2. 決済サービス側でGA4タグを設置できるか確認
→ 多くのサービスは第三者タグ設置不可
【制約がある場合の代替案】
✓ 決済完了後のリダイレクト先URLにパラメータ付与
✓ サーバー側でコンバージョンイベントを送信
✓ Measurement Protocol APIを使用
具体例(Stripe):
Stripeの決済ページにはGA4タグを直接設置できないため、以下の対応が必要:
- Stripe Checkoutの成功URLに計測パラメータを付与
- 自社サイトの完了ページでGA4タグを発火
purchaseイベントで決済完了を記録
ベストプラクティス: 外部決済サービスを使用する場合は、サービスのドキュメントを確認し、GA4との連携方法を事前に調査してください。
Q4: アプリとWebのクロスデバイストラッキングとの違いは?
A: クロスドメイントラッキング(Web間)とクロスデバイストラッキング(Web・アプリ間)は異なる機能です。
| 項目 | クロスドメイントラッキング | クロスデバイストラッキング |
|---|---|---|
| 対象 | 異なるWebドメイン間 | Web・アプリ・異なるデバイス間 |
| 識別方法 | Cookie + リンクパラメータ | User ID |
| 設定場所 | GA4管理画面のドメイン設定 | User IDの実装 |
| 難易度 | 低(GUI操作のみ) | 高(開発が必要) |
クロスデバイストラッキングの実装:
【必要な実装】
1. ユーザー識別システムの構築
- ログイン機能の実装
- ユニークなUser IDの生成
2. GA4へのUser ID送信
- WebサイトでsetUserIdメソッド使用
- アプリでUser IDプロパティ設定
3. GA4のUser ID機能を有効化
- 管理画面で「User-IDによるレポート用ID」を設定
使い分けの例:
【クロスドメイントラッキング】
メインサイト → LPサイト → 決済ページ
→ ドメインの設定で対応
【クロスデバイストラッキング】
スマホアプリ → PCサイト → タブレットアプリ
→ User IDの実装が必要
両方を組み合わせることで、より包括的なユーザー行動分析が可能になります。
Q5: 設定後、過去データは遡って統合される?
A: いいえ、クロスドメイントラッキングの設定は将来のデータにのみ適用され、過去データは修正されません。
重要なポイント:
【設定のタイミング】
設定日: 2025年1月15日
【データへの影響】
✗ 1月14日以前: 分断されたまま(修正不可)
✓ 1月15日以降: 正しく統合される
過去データを遡って統合する機能は
GA4には存在しません
設定前のデータ分析への影響:
【分析時の注意点】
✓ 設定前後でセッション数が変動する
✓ 直帰率が急激に変化する
✓ コンバージョン経路が変わる
→ 設定日を記録し、前後比較時は
時期の違いを考慮する
ベストプラクティス: GA4導入時に同時にクロスドメイン設定を完了させることで、最初から正確なデータを蓄積できます。
Q6: Cookieの有効期限との関係は?
A: GA4のクライアントID Cookieは2年間有効で、クロスドメイントラッキングもこの期間内で機能します。
Cookie有効期限の詳細:
【_ga Cookie(クライアントID)】
有効期限: 2年間
リセット条件:
- ユーザーがCookieを削除
- ブラウザのプライバシー設定で制限
- 2年間アクセスがない
【_gl パラメータ(クロスドメイン用)】
有効期限: 1分間(リンククリック時のみ有効)
用途: ドメイン間でのCookie受け渡し
Cookie削除時の挙動:
【ユーザーがCookieを削除した場合】
1. 新しいクライアントIDが生成される
2. 過去の行動との紐付けは失われる
3. 新規ユーザーとして計測される
→ これはクロスドメイン設定に関わらず
GA4の標準的な挙動
プライバシー設定の影響:
【ITP(Intelligent Tracking Prevention)】
Safari、iOS: 24時間でCookie削除
→ クロスドメイントラッキングも24時間で切れる
【対策】
✓ サーバーサイドタギングの検討
✓ ファーストパーティCookieの活用
✓ User IDによる補完
Cookieの制限が年々厳しくなっているため、クロスドメイントラッキングだけでなく、複数の計測手法を組み合わせることが推奨されます。
まとめ:GA4クロスドメイントラッキング設定の重要ポイント
GA4のクロスドメイントラッキングは、管理画面だけの簡単設定で複数ドメイン間のユーザー行動を正確に把握できる強力な機能です。
本記事で解説した内容を振り返りましょう:
重要ポイントまとめ
- 管理画面だけで完結する簡単設定
- GTMでのコード編集不要
- GUI操作のみで5分で完了
- UAと比較して圧倒的に簡単
- 全ドメインに同一測定IDが必須
- すべての対象ドメインで同じG-XXXXXXXを使用
- 測定ID不一致は最も多いエラー原因
- GTM経由でも同じコンテナを使用
- 動作確認を必ず実施
- デバッグビューでリアルタイム確認
- リアルタイムレポートでセッション継続を検証
- 参照元レポートでself-referral発生を監視
- 継続的なメンテナンスが重要
- 新ドメイン追加時は標準フローに従う
- 月次または四半期で動作確認
- ドキュメント化して引き継ぎ体制を整備
次のステップ
今すぐ実施すべきアクション:
□ 自社の全ドメインをリストアップ
□ GA4管理画面でクロスドメイン設定を実施
□ デバッグビューで動作確認
□ 24時間後に参照元レポートを確認
さらに高度な分析へ:
クロスドメイントラッキングを正しく設定することで、以下のような高度な分析が可能になります:
- コンテンツマーケティングから購入までの完全なユーザージャーニー分析
- 複数ドメインをまたいだコンバージョン経路の可視化
- 広告効果測定の精度向上
- LTV(顧客生涯価値)の正確な算出
正確なデータに基づいたマーケティング施策で、ビジネスを成長させましょう。
外部参考サイト
クロスドメイン測定のセットアップ – Google アナリティクス ヘルプ
GA4でクロスドメインの計測を行うには?設定手順や注意点を解説 | 株式会社PLAN-B
GA4でクロスドメインを設定する方法と注意点を解説 | HubSpot
GA4におけるクロスドメイントラッキングについて | Implement Digital
GA4のクロスドメイントラッキングとは?設定・確認方法と利用上の注意点
GTMでの設定は不要?GA4でクロスドメイントラッキングを設定する方法とは | 株式会社アーティス
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