GA4のコンバージョン経路を完全攻略|確認方法から活用施策まで徹底解説

「GA4でコンバージョンに至った経路が分からない」「どの施策が成果につながっているか判断できない」こうした悩みを抱えていませんか?

GA4のコンバージョン経路分析を使えば、ユーザーがどの流入元から、どのページを経由してコンバージョンに至ったかを明確に把握できます。

本記事では、GA4でコンバージョン経路を確認する4つの方法を画像付きで詳しく解説し、データを活用した具体的なマーケティング施策まで紹介します。この記事を読めば、GA4初心者でもコンバージョン経路を正しく分析し、マーケティング成果を最大化できるようになります。


目次

GA4のコンバージョン経路とは?基礎知識を理解する

コンバージョン経路の定義と重要性

コンバージョン経路とは、ユーザーがサイトに訪問してからコンバージョン(購入や問い合わせなど)に至るまでの一連の流れを指します。

具体的には、最初にどのチャネル(検索、SNS、広告など)から流入し、サイト内でどのページを閲覧し、最終的にどのページでコンバージョンしたかという経路全体を可視化できます。

コンバージョン経路分析が重要な理由は、以下の3点です。

  • 効果的なチャネルの特定:直接コンバージョンだけでなく、間接的に貢献したチャネルも評価できる
  • マーケティング予算の最適化:成果につながる経路に予算を集中投下できる
  • ユーザー行動の理解:サイト内の離脱ポイントや改善すべきページが明確になる

例えば、「検索流入→ブログ記事閲覧→サービスページ→問い合わせ」という経路が多いと分かれば、ブログコンテンツの強化がコンバージョン増加につながることが明確になります。

UA(旧GoogleAnalytics)との違い

GA4のコンバージョン経路分析は、UAと比較してユーザー中心の測定方法に進化し、より精度の高い経路把握が可能になりました。

主な違いを表にまとめます。

項目UA(旧GA)GA4
測定の基準セッション中心イベント・ユーザー中心
クロスデバイス追跡限定的Google シグナルで精度向上
アトリビューションラストクリックが標準データドリブンが標準
経路分析機能マルチチャネルアトリビューション + 経路データ探索
コンバージョン設定目標(20個まで)イベント(無制限)

特に重要なのは、GA4ではデータドリブンアトリビューションが標準となった点です。これにより、コンバージョンに至るまでの各タッチポイントの貢献度が機械学習で自動的に評価され、より公平な効果測定が可能になっています。

UAでは「最後にクリックした広告が成果」とされていましたが、GA4では「最初に接触したSNS広告」「途中で閲覧したブログ記事」なども適切に評価されるようになりました。

コンバージョン経路分析で分かる3つのこと

GA4のコンバージョン経路分析を活用すると、マーケティング施策の改善に直結する3つの重要な情報が得られます。

1. 流入チャネルごとの貢献度

各マーケティングチャネル(検索、SNS、広告、メールなど)がコンバージョンにどれだけ貢献しているかが分かります。直接的なコンバージョンだけでなく、アシストコンバージョン(間接的な貢献)も含めて評価できるため、予算配分の判断材料になります。

2. サイト内のページ遷移パターン

コンバージョンしたユーザーが「どのページを」「どの順番で」閲覧したかが明確になります。例えば「料金ページ→事例ページ→問い合わせ」という順が多ければ、料金の透明性が重要と分かります。

3. コンバージョンまでの接触回数と期間

ユーザーが何回サイトに訪問し、初回訪問からどれくらいの期間でコンバージョンしたかが把握できます。BtoBサービスなら検討期間が長い傾向が、ECサイトなら即日コンバージョンが多い傾向が見えてきます。

これらの情報を組み合わせることで、「どのチャネルに投資すべきか」「どのページを改善すべきか」「リターゲティング広告はいつ配信すべきか」といった具体的なアクションが明確になります。


GA4でコンバージョン経路を確認する4つの方法

【方法1】アトリビューションパスで経路を確認する手順

アトリビューションパスは、コンバージョンに至るまでのチャネル経路を視覚的に確認できる最も基本的な方法です。

アトリビューションレポートの開き方

  1. GA4管理画面の左メニューから「広告」をクリック
  2. 「アトリビューション」内の「コンバージョン経路」を選択
  3. 分析したいコンバージョンイベント(purchaseなど)を選択

これだけで、ユーザーがコンバージョンに至るまでに接触したチャネルの組み合わせが一覧表示されます。

コンバージョン経路とタッチポイントの見方

表示される経路は「Organic Search > Direct > Paid Search」のように、時系列順にチャネルが並んでいます。この場合、ユーザーは以下の流れでコンバージョンしたことを意味します。

  • 最初:自然検索で流入してサイトを認知
  • 2回目:直接訪問(URLを覚えている/ブックマーク)
  • 最後:有料広告をクリックしてコンバージョン

右側の数値列では、各経路のコンバージョン数、コンバージョン率、収益額が確認できます。経路ごとの並び替えも可能なので、「最も成果が高い経路パターン」を特定できます。

データドリブンアトリビューションの読み解き方

GA4のデフォルトであるデータドリブンアトリビューションでは、各タッチポイントに機械学習で算出された貢献度が割り当てられます。

画面右上の「アトリビューションモデル」から「モデル比較ツール」を選択すると、ラストクリックとの違いが確認できます。例えば、ラストクリックでは「Paid Search:100件」だったものが、データドリブンでは「Paid Search:70件、Organic Search:20件、Direct:10件」のように分散されます。

これにより、有料広告だけでなく、その前段階でユーザーを誘導したオーガニック検索の価値も正当に評価できるようになります。

【方法2】経路データ探索で詳細分析する設定方法

経路データ探索は、GA4で最も柔軟かつ詳細にコンバージョン経路を分析できる強力な機能です。

経路データ探索の基本設定

  1. 左メニュー「探索」→「空白(新規作成)」をクリック
  2. テンプレートギャラリーから「経路データ探索」を選択
  3. または空白から「手法」で「経路データ探索」を選ぶ

初期状態では「page_view」イベントの経路が表示されますが、これをコンバージョン経路に変更していきます。

終点(コンバージョン)の設定手順

画面右側の「経路データ探索の設定」で以下を設定します。

  1. 「開始地点」を「終了地点」に変更
  2. 「+」ボタンをクリック
  3. 「イベント名」を選択し、分析したいコンバージョンイベント(purchase、contactなど)を指定
  4. 「ステップ-1」の「+」をクリックし、「ページパスとスクリーンクラス」を選択

これで、コンバージョンイベントの1つ前にどのページが閲覧されていたかが表示されます。

始点からの遡行分析のやり方

コンバージョンの前のステップをさらに遡りたい場合は、「ステップ-2」「ステップ-3」と追加していきます。最大10ステップまで遡行可能です。

例えば「purchase(終点)」→「ステップ-1:product_page」→「ステップ-2:category_page」→「ステップ-3:landing_page」のように設定すると、コンバージョンまでの完全な経路が視覚化されます。

グラフ上の太い線は、多くのユーザーが通った主要経路を示しています。これにより「どのランディングページから、どのカテゴリを経由して、どの商品ページで購入されているか」が一目で把握できます。

セグメント活用で精度を高める方法

より詳細な分析には、画面左の「セグメント」を活用します。

新規ユーザーのみの経路を見る場合

  • 「+」→「条件」→「初回訪問」を選択

特定デバイスの経路を見る場合

  • 「+」→「条件」→「デバイスカテゴリ」で「mobile」を選択

購入金額が高いユーザーの経路を見る場合

  • 「+」→「条件」→「収益」で金額範囲を指定

セグメントを適用することで、「スマホユーザーとPCユーザーで経路に違いがあるか」「高単価商品購入者はどの経路を通るか」といった深い洞察が得られます。

【方法3】ユーザー獲得・トラフィック獲得レポートの活用

ユーザー獲得レポートとトラフィック獲得レポートは、チャネル別のコンバージョン数を素早く確認できるシンプルな方法です。

キーイベント(コンバージョン)の選択方法

  1. 左メニュー「レポート」→「ライフサイクル」→「集客」をクリック
  2. 「ユーザー獲得」または「トラフィック獲得」を選択
  3. 表の右上にある「キーイベント」ドロップダウンをクリック
  4. 分析したいコンバージョンイベントを選択

これで、各流入チャネルからのコンバージョン数が表示されます。

チャネル別コンバージョン数の確認手順

表には以下の情報が表示されます。

  • ユーザー数/セッション数:各チャネルからの流入規模
  • キーイベント数:選択したコンバージョンの発生回数
  • キーイベント率:流入数に対するコンバージョン率
  • 収益:ECサイトの場合は売上金額

デフォルトのチャネルグループでは「Organic Search」「Direct」「Paid Search」「Organic Social」などに分類されています。

特定のチャネルをクリックすると、さらに詳細な参照元(google、yahoo、facebookなど)ごとのデータが確認できます。

セッション基準とユーザー基準の使い分け

ユーザー獲得レポートは、ユーザーが最初に流入したチャネルを基準にコンバージョンを集計します。「認知施策の効果測定」に適しています。

トラフィック獲得レポートは、コンバージョンが発生したセッションのチャネルを基準に集計します。「直接的な成果測定」に適しています。

例えば、1人のユーザーが以下の行動をした場合:

  • 1回目:オーガニック検索で流入(離脱)
  • 2回目:有料広告経由で流入し購入

この場合、ユーザー獲得レポートでは「Organic Search」、トラフィック獲得レポートでは「Paid Search」にカウントされます。

両方を比較することで、「初回接触チャネル」と「購入決定チャネル」の違いが明確になり、カスタマージャーニー全体を理解できます。

【方法4】ランディングページレポートでCVR分析

ランディングページレポートは、どのページから流入したユーザーがコンバージョンしやすいかを特定する方法です。

ランディングページ別のコンバージョン率確認

  1. 左メニュー「レポート」→「ライフサイクル」→「エンゲージメント」
  2. 「ランディングページ」を選択
  3. 表の右上「キーイベント」から分析したいコンバージョンを選択

各ランディングページごとに、以下の指標が表示されます。

  • セッション数:そのページから流入したセッション数
  • キーイベント数:コンバージョン数
  • キーイベント率:CVR(コンバージョン率)
  • ユーザーあたりのキーイベント数:1ユーザーが何回コンバージョンしたか

高CVRページの特定方法

表の「キーイベント率」列をクリックして降順に並び替えると、CVRが高いランディングページが上位に表示されます。

高CVRページを見つけたら、以下のアクションを検討しましょう。

  • SEO強化:そのページの検索順位を上げる施策を実施
  • 広告配信:リスティング広告やディスプレイ広告でそのページへ誘導
  • 内部リンク強化:他のページからそのページへの導線を増やす
  • コンテンツ拡充:同じテーマで関連記事を増やす

逆に、流入数は多いのにCVRが低いページは改善の余地があります。ページコンテンツの見直しや、CTA(行動喚起)の最適化を検討してください。

また、「セカンダリディメンション」で「デフォルトチャネルグループ」を追加すると、「どのチャネル経由で、どのランディングページに流入した時にCVRが高いか」という掛け合わせ分析も可能です。


目的別|GA4コンバージョン経路の実践的な確認手順

チャネル別の貢献度を知りたい場合

アトリビューションレポートの「モデル比較ツール」を使えば、各チャネルの真の貢献度が明確になります。

手順:

  1. 「広告」→「アトリビューション」→「モデル比較」をクリック
  2. 「ラストクリック」と「データドリブン」の2つのモデルを選択
  3. 「コンバージョンイベント」で分析対象を選択
  4. 表示された比較表で各チャネルのコンバージョン数の変化を確認

データドリブンモデルで増加したチャネルは、間接的な貢献が大きいチャネルです。 例えば、Organic Searchがラストクリックでは50件だったのがデータドリブンで80件に増えていれば、SEOコンテンツが認知段階で重要な役割を果たしていることが分かります。

逆に減少したチャネル(特にPaid Searchなど)は、他チャネルのアシストを受けてコンバージョンしているケースが多いと理解できます。

活用ポイント:

  • 増加率が高いチャネルへの投資を検討
  • アシスト率の高いチャネルは「認知施策」として評価
  • 減少したチャネルも必要経費として継続判断

サイト内のページ遷移を把握したい場合

経路データ探索で「ページパスとスクリーンクラス」を軸にした分析が最適です。

手順:

  1. 「探索」→「経路データ探索」を開く
  2. 「終了地点」でコンバージョンイベントを設定
  3. 「ステップ-1」「ステップ-2」「ステップ-3」すべてに「ページパスとスクリーンクラス」を設定
  4. 必要に応じて「ステップ-4」以降も追加

グラフの見方:

  • 太い線:多くのユーザーが通った主要経路
  • 分岐:ユーザーが複数の選択肢を取った箇所
  • 数値:各ステップを通過したユーザー数

典型的なページ遷移パターン例:

パターン意味アクション
トップページ→サービスページ→問い合わせ直線的な導線トップページからの誘導を強化
ブログ→関連記事→サービスページ→問い合わせコンテンツ経由ブログのCTAを最適化
料金ページ→事例ページ→問い合わせ比較検討型料金ページに事例リンクを追加

特定のページで離脱が多い場合は、そのページのコンテンツやUIに改善の余地があることを示しています。

デバイス別の経路を比較したい場合

経路データ探索にデバイスセグメントを適用することで、デバイスごとの行動差異が明確になります。

手順:

  1. 経路データ探索を開く
  2. 画面左「セグメント」→「+」をクリック
  3. 「条件」→「デバイスカテゴリ」で「mobile」を選択して保存
  4. 同様に「desktop」「tablet」のセグメントも作成
  5. 各セグメントを個別に適用して経路を比較

デバイス別の典型的な違い:

スマホユーザー:

  • ページ遷移が多い傾向(情報を小分けに確認)
  • 短いセッション時間でコンバージョン
  • SNS経由の流入が多い

PCユーザー:

  • じっくり比較検討する傾向
  • 資料ダウンロードや詳細情報ページの閲覧率が高い
  • 検索エンジン経由が多い

活用例:

  • スマホで離脱が多いページはモバイルUI改善
  • PCユーザーには詳細資料、スマホには簡潔なコンテンツ
  • デバイス別に広告クリエイティブを最適化

特定期間のコンバージョン経路を分析したい場合

どの分析方法でも、画面右上の期間選択で特定期間に絞り込んでコンバージョン経路を分析できます。

手順:

  1. 任意のレポートまたは探索画面を開く
  2. 画面右上の日付範囲をクリック
  3. 「カスタム」から開始日と終了日を指定
  4. または「比較」にチェックを入れて前年同期や前月と比較

期間指定が有効なケース:

キャンペーン期間の効果測定

  • キャンペーン実施期間を指定
  • 通常期間と比較して経路の変化を確認
  • キャンペーン経由の流入がどの経路を通ったか分析

季節変動の把握

  • 年末商戦、新年度など特定時期を指定
  • 前年同時期と比較して需要変化を確認
  • 季節特有の経路パターンを発見

施策前後の比較

  • サイトリニューアル前後で比較
  • SEO対策実施前後で比較
  • 広告配信開始前後で比較

期間比較のポイント: 期間設定時に「比較」を有効にすると、2つの期間のデータが重ねて表示されます。これにより、施策の効果や変化が視覚的に把握しやすくなります。特に「週次」や「月次」で定期的にチェックすることで、トレンドの変化を早期に発見できます。


GA4コンバージョン経路分析でよくある課題と解決策

データが表示されない・少ない場合の対処法

GA4でコンバージョン経路のデータが表示されない、または極端に少ない場合は、主に3つの原因が考えられます。

コンバージョン設定の確認ポイント

まず最初に確認すべきは、コンバージョンイベントが正しく設定されているかです。

確認手順:

  1. 「管理」→「イベント」でコンバージョンにしたいイベントが記録されているか確認
  2. イベント名の右側にある「キーイベントとしてマークを付ける」トグルがオンになっているか確認
  3. 「レポート」→「リアルタイム」でイベントが実際に発生しているか確認

よくあるミス:

  • イベント名のスペルミス(purchaseをpurcahseと記載など)
  • カスタムイベントの設定漏れ
  • GTMでタグが正しく発火していない

解決策:

  • GA4デバッグモードで実際にコンバージョン操作を行い、イベントが記録されるか検証
  • GTMのプレビューモードで該当ページでタグが発火するか確認
  • 「DebugView」(GA4管理画面の「設定」内)でリアルタイムのイベント送信を確認

データ収集期間の問題

GA4は設定直後からデータ収集を開始するため、設定前のデータは存在しません。

一般的に、コンバージョン経路を分析するには最低でも以下の期間が必要です。

サイト規模推奨データ収集期間
月間CV数が100以上1週間〜2週間
月間CV数が10〜1001ヶ月
月間CV数が10未満2〜3ヶ月

対策:

  • データが蓄積されるまで待つ(最も確実)
  • サイト規模が小さい場合は「マイクロコンバージョン」(PDFダウンロード、特定ページ閲覧など)も設定して分析データを増やす
  • 期間を長めに設定して十分なサンプル数を確保

しきい値によるデータ制限への対応

GA4には、ユーザーのプライバシー保護のため「データのしきい値」機能があり、データ量が少ない場合に自動的にデータが非表示になります。

しきい値が適用されると、レポート上部に「このカードにはしきい値が適用されています」と表示されます。

解決策:

  1. 期間を延長する:より長い期間を選択してサンプル数を増やす
  2. セグメントを削除する:細かくセグメント化するとデータ量が減りしきい値が適用されやすい
  3. Googleシグナルをオフにする:「管理」→「データ設定」→「データ収集」でGoogleシグナルを無効化(ただしクロスデバイス追跡は失われる)
  4. レポートIDを変更する:画面右上の「デフォルト」を「報告用ID」に変更

しきい値は小規模サイトで発生しやすい問題ですが、データ量が増えるにつれて自然と解消されます。


複数のコンバージョンを分けて分析する方法

GA4では複数のコンバージョンイベントを設定でき、それぞれの経路を個別に分析できます。

設定方法:

  1. 「管理」→「イベント」で分析したい各イベントをキーイベントとしてマーク
  2. 各レポートで「キーイベント」ドロップダウンから特定のイベントを選択
  3. 探索レポートでは、各コンバージョンごとに別の探索レポートを作成

活用例:

コンバージョン種類イベント名例分析の目的
商品購入purchase売上につながる経路
資料ダウンロードfile_downloadリード獲得経路
会員登録sign_upユーザー獲得経路
メルマガ登録newsletter_signup見込み客育成経路
問い合わせcontact商談化経路

比較分析のポイント:

  • **高価値と低価値の経路差異:**purchase(購入)とadd_to_cart(カート追加)で経路を比較し、購入に至る決め手を分析
  • **ファネル段階別の分析:**認知(資料DL)→検討(価格ページ閲覧)→決定(問い合わせ)と段階ごとに経路を比較
  • **カスタマージャーニーの可視化:**初回CV(メルマガ登録)から最終CV(購入)までの経路を時系列で追跡

複数のコンバージョンを設定することで、ユーザーの成熟度に応じた施策が立てやすくなります。

間接効果(アシストコンバージョン)の評価方法

間接効果とは、直接コンバージョンには至らなかったものの、その後のコンバージョンに貢献したチャネルやページの効果を指します。

アトリビューションレポートでの確認方法:

  1. 「広告」→「アトリビューション」→「コンバージョン経路」を開く
  2. 表示される経路の中で、終点(最後)以外のタッチポイントが間接効果を持つチャネル
  3. 「モデル比較」で「ラストクリック」と「データドリブン」を比較
  4. データドリブンで増加したチャネルが、高い間接貢献をしているチャネル

具体例:

あるユーザーの経路が「Organic Search → Direct → Paid Search(CV)」だった場合:

  • **ラストクリックモデル:**Paid Searchに100%貢献度
  • **データドリブンモデル:**Organic Search 40%、Direct 20%、Paid Search 40%のように分配

このケースでは、Organic Searchが間接的に大きく貢献していることが分かります。

間接効果の高いチャネルの特徴:

チャネル典型的な役割評価方法
Organic Search認知・情報収集ブランド名検索の増加で評価
Organic Social興味喚起エンゲージメント指標と組み合わせ
Display広告リーチ拡大表示回数とその後の検索数
Email継続的接触開封率とサイト訪問の相関
Referral信頼性向上他サイト経由後の行動変化

活用ポイント: ラストクリックだけで評価すると、間接貢献の高いチャネルが過小評価され、予算削減の対象になりがちです。データドリブンアトリビューションで真の貢献度を把握し、カスタマージャーニー全体を支える施策を維持することが重要です。


コンバージョン経路データを活用した具体的なマーケティング施策

CVRが高い経路への予算配分最適化

コンバージョン経路分析で最も効率的な経路が特定できたら、その経路に予算を集中することでROIが向上します。

ステップ1:高CVR経路の特定

アトリビューションレポートでコンバージョン数が多い経路TOP5を抽出し、各経路のCVRを計算します。計算式は「コンバージョン数 ÷ その経路を通ったユーザー数」です。

ステップ2:経路ごとのCPA(顧客獲得単価)算出

各チャネルにかかった広告費をコンバージョン数で割り、経路別のCPAを算出します。CVRとCPAの両方が優秀な経路が最優先投資対象です。

ステップ3:予算再配分の実行

経路パターンCVRCPAアクション
Organic Search → Direct → Purchase8%¥3,000SEOコンテンツ強化に予算配分
Paid Search → Product Page → Purchase12%¥5,000リスティング広告予算を20%増額
Display Ad → Organic Search → Purchase6%¥4,000ディスプレイ広告は現状維持
Social → Blog → Service → Purchase15%¥2,000SNS広告予算を30%増額

実践のポイント:

  • 月次で経路パフォーマンスをモニタリング
  • A/Bテストで段階的に予算配分を変更
  • 季節変動も考慮した柔軟な調整
  • 間接効果の高いチャネルは完全に削減しない

高CVR経路への集中投資により、同じ予算でもコンバージョン数を20〜30%増やせるケースが多くあります。

離脱ポイントの特定と改善施策

経路データ探索で可視化されたページ遷移から、ユーザーが離脱しやすいポイントを特定し、ピンポイントで改善できます。

離脱ポイントの見つけ方:

経路データ探索で、前のステップと比較して大幅にユーザー数が減少している箇所が離脱ポイントです。

例:

  • Step 1:ランディングページ(1,000ユーザー)
  • Step 2:サービスページ(800ユーザー)
  • Step 3:料金ページ(300ユーザー)← ここで大幅減少
  • Step 4:申込ページ(250ユーザー)
  • Step 5:完了(200ユーザー)

この場合、料金ページで60%以上が離脱しているため、優先改善対象です。

離脱理由と改善策:

離脱箇所よくある理由改善施策例
料金ページ価格が高い/不明瞭価格の根拠説明、プラン比較表、返金保証の追加
入力フォーム項目が多すぎるEFO(フォーム最適化)、入力項目削減、進捗バー表示
商品詳細ページ情報不足レビュー追加、詳細画像増加、FAQ設置
カートページ送料が高い送料無料ライン明示、配送オプション追加

ヒートマップツールとの併用:

GA4の経路分析で「どこで」離脱しているかが分かったら、Clarity、Hotjarなどのヒートマップツールで「なぜ」離脱しているかを深掘りします。スクロール到達率、クリックヒートマップ、セッションリプレイを確認し、具体的なUI/UX改善につなげましょう。

デバイス別の経路最適化

スマホとPCでユーザー行動が大きく異なるため、デバイス別に経路を最適化すると全体のCVRが向上します。

デバイス別の行動特性:

スマホユーザー:

  • スキマ時間の閲覧が多く、セッション時間が短い
  • 縦スクロール中心、タップ操作
  • 通勤中、就寝前などの時間帯に集中

PCユーザー:

  • じっくり比較検討、セッション時間が長い
  • 複数タブを開いて比較
  • 業務時間中の閲覧が多い(BtoBの場合)

デバイス別最適化施策:

スマホ向け:

  • ファーストビューに結論を配置
  • CTA(申込ボタン)を大きく固定表示
  • ページ数を減らしてスムーズな遷移
  • 電話発信ボタンを目立つ位置に配置
  • 入力フォームは1カラム、自動入力対応

PC向け:

  • 詳細情報、比較表、資料を充実
  • サイドバーにショートカットメニュー
  • 複数商品の比較機能
  • チャット機能で疑問をその場で解決
  • PDF資料ダウンロード導線

実装例: GA4で「スマホ経由のCVRが低い」と判明した場合、スマホ専用のLPを作成し、最短3クリックでコンバージョンできる導線を設計します。一方、PC経由は詳細な製品比較ページを追加し、検討材料を豊富に提供することで、それぞれのデバイス特性に合った体験を提供します。

ランディングページの改善優先順位付け

全てのランディングページを同時に改善するのは非効率なため、GA4データで優先順位を付けて段階的に改善します。

優先度判定マトリクス:

ランディングページ流入数CVR優先度理由
ブログ記事A★★★改善インパクト最大
サービスページ★★現状維持で良好
ブログ記事B流入増施策が先
会社概要ページ優先度低い

優先改善対象は「流入数が多い × CVRが低い」ページです。 改善による影響が大きく、CVRが2倍になればコンバージョン数も2倍になります。

具体的な改善フロー:

Step1:現状分析

  • ランディングページレポートでCVRワースト5を抽出
  • 各ページの流入数を確認
  • 流入チャネルも確認(SEO?広告?)

Step2:問題点の仮説立て

  • ヒートマップでユーザー行動を確認
  • 競合ページと比較
  • ユーザーの検索意図とページ内容のズレを確認

Step3:改善施策の実施

  • 見出しをユーザーニーズに合わせて修正
  • CTAボタンの位置・デザイン・文言を最適化
  • ページ表示速度を改善
  • 関連コンテンツへの内部リンクを追加

Step4:効果測定

  • 改善前後でCVRを比較(最低2週間のデータ)
  • 統計的有意差を確認
  • 改善効果があれば他の類似ページにも展開

改善は1ページずつ実施し、効果を確認してから次に進むことで、何が効果的だったかが明確になります。


GA4コンバージョン経路分析のよくある質問(FAQ)

Q1: コンバージョン経路はどれくらい遡れますか?

GA4のコンバージョン経路は、デフォルトで過去30日間のタッチポイントを遡ることができます。

具体的には、ユーザーがコンバージョンする前の30日間に接触したすべてのチャネルやページが経路として記録されます。これは、UAの「コンバージョン経路レポート」がデフォルトで90日間だったことと比較すると短くなっています。

カスタマージャーニーの長さによる考慮点:

  • 短期検討商材(ECサイトなど):30日間で十分カバーできる
  • 長期検討商材(BtoBサービス、不動産など):初回接触が30日以前の場合は経路に含まれない

対策方法:

  1. Googleアナリティクス360(有料版):ルックバックウィンドウを90日間に延長可能
  2. BigQueryエクスポート:生データをBigQueryにエクスポートし、カスタム分析で90日以上の経路を分析
  3. CRMツールとの連携:Salesforce、HubSpotなどと連携し、長期的な顧客接点を別途管理

また、経路データ探索では最大10ステップまで遡行できますが、これは「ページ遷移の段階数」であり、「期間」ではないことに注意してください。10ステップすべてが30日以内に発生している必要があります。

Q2: 直接流入のコンバージョンも経路に含まれますか?

直接流入(Direct)も経路に含まれますが、その前に他のチャネル接触があった場合は、データドリブンアトリビューションでそちらにも貢献度が配分されます。

直接流入とは、以下のような訪問を指します:

  • ブラウザのお気に入り/ブックマークからアクセス
  • URLを直接入力してアクセス
  • アプリからのアクセス(参照元情報がない場合)
  • メールクライアントからのリンク(トラッキングパラメータがない場合)

重要なポイント:

直接流入でコンバージョンした場合でも、その前30日以内に他のチャネル(検索、SNS、広告など)からの流入があれば、それらも経路に記録されます。

経路の例:

  1. 初回:オーガニック検索でサイト訪問(離脱)
  2. 2回目:Direct(直接流入)でサイト訪問しコンバージョン

この場合、アトリビューションレポートには「Organic Search → Direct」という経路が記録されます。

ラストクリックとデータドリブンの違い:

  • ラストクリック:Directに100%の貢献度
  • データドリブン:Organic Searchにも適切な貢献度が配分される(例:Organic 60%、Direct 40%)

これにより、「一見すると直接流入に見えるが、実際は検索からの認知が起点」というケースも正しく評価できます。直接流入が多いサイトでも、その背景にある他チャネルの貢献を見逃さないことが重要です。

Q3: Looker Studioでコンバージョン経路を可視化できますか?

Looker StudioでもGA4のコンバージョン経路データを活用できますが、GA4の探索レポートほど柔軟な経路分析機能はありません。

Looker Studioでできること:

  1. チャネル別コンバージョン数の可視化
    • GA4データソースを接続
    • ディメンション:「デフォルトチャネルグループ」または「参照元/メディア」
    • 指標:「コンバージョン」「コンバージョン率」
    • サンキーダイアグラムで流入から成果までの流れを表現
  2. ランディングページ別CVRダッシュボード
    • ディメンション:「ランディングページ」
    • 指標:「セッション数」「コンバージョン」「コンバージョン率」
    • テーブルやスコアカードで可視化
  3. 日次トレンドの監視
    • 期間ディメンションで日次・週次のコンバージョン推移をグラフ化
    • 複数チャネルを積み上げ面グラフで比較

Looker Studioの制限事項:

  • GA4の「経路データ探索」のような複数ステップの経路分析は不可
  • アトリビューションモデルの比較は限定的
  • セグメント機能がGA4ほど柔軟ではない

推奨される使い分け:

用途推奨ツール
詳細な経路分析・探索的分析GA4の探索レポート
定期的なKPIモニタリングLooker Studio
経営陣への報告レポートLooker Studio
アトリビューション分析GA4のアトリビューションレポート

Looker Studioは「すでに分かっている指標を継続的にモニタリングする」用途に適しており、GA4は「データを深掘りして新しい発見をする」用途に適しています。両方を組み合わせることで、データ活用の幅が広がります。

Q4: アトリビューションモデルは変更できますか?

GA4では、管理画面からアトリビューションモデルを変更できますが、変更はレポートの表示方法にのみ影響し、実際のデータ収集には影響しません。

変更可能なアトリビューションモデル:

モデル名貢献度の配分方法
データドリブン(推奨)機械学習で最適な配分を自動算出
ラストクリック最後のタッチポイントに100%
ファーストクリック最初のタッチポイントに100%
線形すべてのタッチポイントに均等配分
接点ベース最初と最後に40%ずつ、中間に20%
減衰コンバージョンに近いほど高い配分

変更方法:

  1. 「管理」→「アトリビューション設定」を開く
  2. 「レポートのアトリビューションモデル」で希望のモデルを選択
  3. 「保存」をクリック

変更後、アトリビューションレポートやコンバージョン経路レポートに反映されます(リアルタイムレポートには影響しません)。

注意点:

  • アトリビューションモデルの変更は「見え方」が変わるだけで、実際のコンバージョン総数は変わりません
  • 過去データにも遡って適用されます
  • 異なるモデルで比較したい場合は「モデル比較」機能を使用

どのモデルを選ぶべきか:

  • データドリブン(推奨):ほとんどのケースで最も正確な評価が可能
  • ラストクリック:直接的な成果だけを評価したい場合
  • ファーストクリック:認知施策の評価を重視する場合
  • 線形:すべてのタッチポイントを平等に評価したい場合

特別な理由がなければ、データドリブンアトリビューションを使用することをお勧めします。

Q5: クロスデバイスのコンバージョン経路は追えますか?

GA4では、Googleシグナルを有効化することで、ログイン中のGoogleユーザーに限り、クロスデバイスのコンバージョン経路を追跡できます。

Googleシグナルとは:

Googleアカウントにログインし、広告のパーソナライゼーションを有効にしているユーザーのデバイス間行動を追跡する機能です。これにより、同一ユーザーがスマホとPCで別々にサイトを訪問しても、同一ユーザーとして認識できます。

有効化手順:

  1. 「管理」→「データ設定」→「データ収集」を開く
  2. 「Googleシグナルを有効にする」をクリック
  3. 利用規約に同意して有効化

クロスデバイス経路の例:

  • 1日目(スマホ):Instagram広告をクリックして商品ページ閲覧(離脱)
  • 3日目(PC):Google検索からサイト訪問し購入

Googleシグナルが有効な場合、この経路は「Paid Social → Organic Search」として記録され、Instagram広告の貢献も正しく評価されます。

制限事項:

  1. カバレッジの限界:Googleアカウントにログインしていないユーザー(推定50〜70%)は追跡不可
  2. プライバシー規制:しきい値が適用されやすくなり、データが非表示になるケースが増える
  3. データの遅延:クロスデバイスデータの統合には最大24時間かかる場合がある

代替手段:

完全なクロスデバイス追跡を実現するには、ユーザーログイン機能を実装し、User IDを設定する方法があります。これにより、Googleアカウント以外でもデバイスをまたいだ追跡が可能になります。

実装方法:

  1. サイトにログイン機能を実装
  2. GA4の「User-ID」機能を設定
  3. ログイン後にユーザーIDをGA4に送信

ただし、これはログインユーザーのみが対象となるため、ECサイトや会員制サービス向けの手法です。


まとめ:GA4コンバージョン経路分析でマーケティング成果を最大化

GA4のコンバージョン経路分析を活用すれば、ユーザーがどのように自社サイトと接触し、最終的にコンバージョンに至るかを明確に把握できます。

本記事で紹介した4つの確認方法を状況に応じて使い分けることで、チャネル別の貢献度評価、サイト内の改善ポイント特定、デバイス別の最適化が可能になります。特に、アトリビューションレポートと経路データ探索を組み合わせれば、表面的な数値だけでは見えない深い洞察が得られるでしょう。

重要なのは、データを見るだけでなく、そこから具体的なアクションにつなげることです。CVRが高い経路への予算集中、離脱ポイントの改善、デバイス別の体験最適化など、データに基づいた施策を継続的に実行してください。

GA4のコンバージョン経路分析を定期的に行い、PDCAサイクルを回すことで、マーケティングROIは確実に向上します。今日からさっそく、あなたのサイトのコンバージョン経路を確認してみましょう。

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