GTMでGoogle広告のコンバージョンタグを設定する完全ガイド【2025年最新版】
「Google広告の効果測定がうまくいかない」「コンバージョンタグの設定が難しい」とお悩みではありませんか?
実は、Googleタグマネージャー(GTM)を使えば、HTMLを直接編集することなく、わずか3ステップでGoogle広告のコンバージョンタグを安全に設定できます。本記事では、初心者の方でも迷わず設定できるよう、画像付きで手順を詳しく解説します。
この記事を読めば、GTMを使ったGoogle広告タグの設定方法がすべて理解でき、今日から正確なコンバージョン計測が始められます。
目次
Google広告タグの基本構造とGTMを使うメリット
Google広告タグの3つの構成要素
Google広告のタグ設定には、3つの主要な構成要素があります。この構造を理解することで、スムーズな設定が可能になります。
1. GTMコンテナ GTMコンテナは、すべてのタグを管理する基盤となるコードです。Webサイトの全ページに設置することで、GTM管理画面から自由にタグを追加・編集できるようになります。コンテナコードは<head>タグ内と<body>タグ直後の2箇所に設置する必要があります。
2. Googleタグ(AWタグ) Googleタグは、Google広告のベースとなるタグで、リマーケティング機能やコンバージョン計測の基礎データを収集します。全ページで動作させる必要があり、コンバージョンIDを使って識別されます。このタグが正しく設置されていないと、後続のコンバージョンタグも機能しません。
3. コンバージョンタグ コンバージョンタグは、実際の成果(お問い合わせ完了や購入完了など)を計測するタグです。特定のページやイベントが発生したときだけ動作するよう設定します。コンバージョンIDとコンバージョンラベルの2つの識別情報が必要になります。
| 構成要素 | 設置範囲 | 主な役割 |
|---|---|---|
| GTMコンテナ | 全ページ | タグ管理の基盤 |
| Googleタグ(AWタグ) | 全ページ | データ収集・リマーケティング |
| コンバージョンタグ | 特定ページ | 成果計測 |
GTMを使うべき5つの理由
GTMを活用することで、タグ管理の効率が劇的に向上します。ここでは、GTMを使うべき具体的な理由を5つご紹介します。
1. サイト改修不要 GTMを使えば、HTMLファイルを直接編集する必要がありません。管理画面から設定を変更するだけで、タグの追加・削除・修正が完了します。これにより、開発チームへの依頼工数が大幅に削減され、マーケティング担当者だけで迅速にタグ管理ができるようになります。
2. 複数タグの一元管理 Google広告だけでなく、Yahoo!広告、Facebook広告、Google Analyticsなど、複数の広告媒体やツールのタグをGTM一つで管理できます。どのタグがどのページで動いているか一目で把握でき、管理の複雑さが解消されます。
3. エラーリスクの低減 HTMLに直接タグを埋め込む方法では、コピー&ペーストのミスやタグの重複設置などのエラーが発生しやすくなります。GTMなら、テンプレート化された設定画面で必要項目を入力するだけなので、ヒューマンエラーを最小限に抑えられます。
4. テスト環境での検証可能 GTMには「プレビューモード」という機能があり、公開前に設定内容を実際のサイト上でテストできます。タグが正しく発火しているか、意図しないページで動作していないかを事前に確認できるため、安心して設定を公開できます。
5. 権限管理が容易 複数の担当者でタグを管理する場合、GTMならユーザーごとに権限を細かく設定できます。閲覧のみ、編集可能、公開可能など、役割に応じた権限管理により、誤った設定の公開を防ぐことができます。
【事前準備】設定前に確認すべき3つのポイント
GTMコンテナの設置状況確認方法
GTMでタグを設定する前に、GTMコンテナがWebサイトに正しく設置されているか確認する必要があります。コンテナが設置されていない場合、いくらGTM管理画面で設定しても、タグは動作しません。
確認方法1: Google Tag Assistant(Chrome拡張機能)を使う Google Tag Assistantをインストールし、対象サイトを開いた状態で拡張機能アイコンをクリックします。「Google Tag Manager」という項目が表示され、緑色のチェックマークが付いていれば、コンテナは正しく設置されています。
確認方法2: ページのソースコードを確認する ブラウザで対象ページを開き、右クリック→「ページのソースを表示」を選択します。<head>タグ内にgoogletagmanager.com/gtm.js?id=GTM-で始まるコードがあり、かつ<body>タグ直後に<noscript>タグで囲まれた同様のコードがあれば、設置は完了しています。
確認方法3: GTMのプレビューモードを使う GTM管理画面右上の「プレビュー」ボタンをクリックし、対象サイトのURLを入力します。「Tag Assistant Connected」と表示されれば、コンテナは正常に動作しています。「not Connected」と表示される場合は、コンテナコードの設置に問題があります。
もしコンテナが設置されていない場合は、GTM管理画面のコンテナID(GTM-XXXXXX)をクリックすると表示されるコードを、Web担当者に共有して設置を依頼してください。
Google広告アカウントへのアクセス権確認
コンバージョンタグを設定するには、Google広告アカウントへの適切なアクセス権限が必要です。権限がない場合、コンバージョンIDやラベルを取得できません。
必要な権限レベル Google広告アカウントで「管理者」または「標準」の権限が必要です。「閲覧のみ」権限では、コンバージョンアクションの作成やタグ情報の取得ができません。自分の権限を確認するには、Google広告の管理画面右上の「ツールと設定」→「アクセスとセキュリティ」→「ユーザーアクセス」で確認できます。
複数アカウントの管理 MCCアカウント(管理者アカウント)を使って複数のGoogle広告アカウントを管理している場合は、設定対象のアカウントに切り替えてから作業を進めてください。間違ったアカウントのタグ情報を取得してしまうと、正しく計測されません。
アクセス権限がない場合の対処法 権限がない場合は、アカウントの管理者に連絡して、「管理者」または「標準」権限の付与を依頼してください。緊急の場合は、管理者に直接コンバージョンIDとラベルを取得してもらい、共有してもらう方法もあります。
コンバージョン計測するページの特定
コンバージョンタグを正しく設置するには、どのページ(またはどのアクション)をコンバージョンとして計測するか明確にする必要があります。
一般的なコンバージョンポイントの例
- お問い合わせ完了ページ(例:
/contact/thanks、/contact/complete) - 商品購入完了ページ(例:
/order/thanks、/checkout/complete) - 資料ダウンロード完了ページ(例:
/download/complete) - 会員登録完了ページ(例:
/register/thanks) - 電話番号のクリック(クリックイベント計測)
- 特定のボタンクリック(例: 「見積もり依頼」ボタン)
完了ページがない場合の対応 ContactForm 7などのプラグインやAjax送信フォームでは、完了ページが存在しないケースがあります。この場合は、「フォーム送信イベント」や「特定の要素の表示」をトリガーにする必要があります。詳しくは後述の「ケース別フォームツール別のトリガー設定例」で解説します。
計測対象の優先順位付け 複数のコンバージョンポイントがある場合は、ビジネスへの貢献度が高い順に優先順位を付けて設定しましょう。最初から全てを設定しようとすると複雑になるため、まずは最重要のコンバージョンから始めることをおすすめします。
【STEP1】Google広告でコンバージョンアクションを作成
コンバージョンアクション作成の手順
Google広告でコンバージョンタグを発行するには、まずコンバージョンアクションを作成する必要があります。この作業はGTMではなく、Google広告の管理画面で行います。
手順1: Google広告にログインし、ツールメニューを開く Google広告の管理画面にログインし、画面上部の「ツールと設定」アイコン(レンチマーク)をクリックします。表示されたメニューから「測定」セクションにある「コンバージョン」を選択してください。
手順2: 新しいコンバージョンアクションを追加 コンバージョン画面で「+新しいコンバージョンアクション」ボタンをクリックします。計測したいコンバージョンの種類を選択する画面が表示されるので、「ウェブサイト」を選択してください。
手順3: コンバージョンの詳細情報を入力 次の画面で、コンバージョンアクションの詳細情報を入力します。重要な項目は以下の通りです。
| 項目 | 設定内容 | 推奨設定 |
|---|---|---|
| 目標とアクションの最適化 | カテゴリを選択 | 購入、問い合わせ送信など |
| コンバージョン名 | 識別しやすい名前 | 「お問い合わせ完了」など |
| 値 | コンバージョンの価値 | わかる場合は入力 |
| カウント方法 | 全件 or 初回のみ | 通常は「初回のみ」 |
手順4: タグ設定の選択 「タグを設定する」セクションで「Googleタグマネージャーを使用する」を選択します。すると、「コンバージョンID」と「コンバージョンラベル」が表示されます。この2つの情報を必ずメモまたはコピーしてください。
手順5: 保存して完了 「完了」または「保存して次へ」ボタンをクリックして、コンバージョンアクションの作成を完了します。これでGoogle広告側の準備は整いました。
コンバージョンIDとラベルの確認方法
コンバージョンIDとラベルは、GTMでタグを設定する際に必須の情報です。作成時に控えていない場合でも、後から確認できます。
既存のコンバージョンアクションからIDとラベルを確認する手順
- Google広告の「ツールと設定」→「測定」→「コンバージョン」を開きます
- 確認したいコンバージョンアクションの名前をクリックします
- 「タグを設定する」または「タグの設定を編集」をクリックします
- 「Googleタグマネージャーを使用する」を選択します
- 表示される「コンバージョンID」と「コンバージョンラベル」をコピーします
コンバージョンIDとラベルの形式
- コンバージョンID:
AW-123456789という形式の文字列です(数字部分は10桁程度) - コンバージョンラベル:
AbCdEfGhIjKlMnOpQrStのようなランダムな英数字の組み合わせです
これらの情報は、GTMでタグを設定する際に正確に入力する必要があります。間違えると計測ができないため、コピー&ペーストで正確に転記することをおすすめします。
カテゴリ・値・カウント方法の適切な設定
コンバージョンアクション作成時に設定する各項目は、正確なデータ分析と広告最適化に重要な役割を果たします。
カテゴリの選択 カテゴリは、コンバージョンの種類を分類するための設定です。適切なカテゴリを選ぶことで、Google広告の自動入札機能がより効果的に動作します。
- 購入: ECサイトで商品が購入された場合
- 問い合わせ送信: 問い合わせフォームが送信された場合
- 登録: 会員登録やメールマガジン登録が完了した場合
- ページビュー: 特定のページが閲覧された場合
- その他: 上記に当てはまらない場合
値の設定 値は、1件のコンバージョンがどれくらいの価値を持つかを金額で設定します。ECサイトの場合は購入金額を動的に設定できますが、お問い合わせなどの場合は、過去のデータから平均的な顧客生涯価値を算出して固定値を設定すると良いでしょう。
カウント方法の選択 カウント方法には「全件」と「初回のみ」の2つがあります。
- 全件: ユーザーがコンバージョンページを訪問するたびにカウントします(ECサイトの購入など)
- 初回のみ: 同じユーザーからは最初の1回のみカウントします(問い合わせフォームなど)
一般的に、BtoBのリード獲得では「初回のみ」、ECサイトの購入では「全件」を選択します。
よくある設定ミスと対処法
コンバージョンアクション作成時によくある設定ミスと、その対処法を解説します。
ミス1: コンバージョンIDとラベルを控え忘れる コンバージョンアクション作成時に表示されるIDとラベルを控えずに画面を閉じてしまうケースです。対処法は前述の「コンバージョンIDとラベルの確認方法」を参照し、後から確認してください。
ミス2: カウント方法の選択を間違える お問い合わせフォームで「全件」を選んでしまうと、ユーザーが確認のために完了ページを再訪した際に重複カウントされます。必ず「初回のみ」に設定し直してください。設定変更は、コンバージョンアクションの編集画面から可能です。
ミス3: 複数のアカウントで作業している MCCアカウントで複数のGoogle広告アカウントを管理している場合、間違ったアカウントでコンバージョンアクションを作成してしまうミスがあります。必ず画面右上のアカウント名を確認し、正しいアカウントで作業してください。
ミス4: テスト用のコンバージョンアクションを削除し忘れる 設定テスト時に作成したコンバージョンアクションを削除せずに放置すると、レポートが煩雑になります。テスト用のアクションは、動作確認後に必ず削除するか、ステータスを「削除済み」に変更してください。
【STEP2】GTMでGoogleタグ(AWタグ)を全ページに設置
Googleタグの新規作成手順
Googleタグ(AWタグ)は、Google広告の基盤となるタグで、すべてのページで動作させる必要があります。GTMで新規タグを作成する手順を解説します。
手順1: GTM管理画面にログインし、対象コンテナを開く GTMの管理画面(tagmanager.google.com)にアクセスし、設定したいWebサイトのコンテナを選択します。画面左側の「ワークスペース」が選択されていることを確認してください。
手順2: 新しいタグを作成 左メニューから「タグ」をクリックし、画面右上の「新規」ボタンをクリックします。タグに名前を付ける画面が表示されますが、まずは「タグの設定」エリアをクリックして、タグタイプを選択します。
手順3: タグタイプで「Googleタグ」を選択 タグタイプ一覧から「Googleタグ」を探して選択します。もし見つからない場合は、検索ボックスに「Google」と入力すると絞り込めます。2024年以降の新しいGTMでは「Googleタグ」、古いバージョンでは「Google広告のリマーケティング」と表示されることがあります。
手順4: タグIDを入力 「タグID」フィールドに、Google広告から取得したコンバージョンIDを入力します。形式はAW-123456789です。この時点では、コンバージョンラベルは入力しません(コンバージョンラベルは次のSTEP3で使用します)。
手順5: タグに名前を付けて保存 画面上部の「名前のないタグ」部分をクリックし、「Google広告タグ – 全ページ」のようなわかりやすい名前を付けます。ただし、まだ保存はしません。次にトリガーの設定を行います。
タグIDの取得方法と入力
GoogleタグのタグIDは、STEP1で取得したコンバージョンIDと同じものを使用します。念のため、確実な取得方法を再度解説します。
Google広告からタグIDを取得する方法
- Google広告の管理画面で「ツールと設定」→「共有ライブラリ」→「オーディエンスマネージャー」を開きます
- 左メニューの「データソース」をクリックします
- 「Google広告タグ」という項目を探し、その横に表示されている「AW-」で始まる番号がタグIDです
- この番号をコピーして、GTMの「タグID」フィールドに貼り付けます
別の確認方法: コンバージョンアクションから確認 コンバージョンアクションを作成した際に表示された「コンバージョンID」がタグIDと同じです。AW-123456789という形式の番号をそのまま使用してください。
入力時の注意点
AW-の部分も含めて入力してください(数字だけではエラーになります)- 前後にスペースが入らないよう注意してください
- コピー&ペーストを使用することで、入力ミスを防げます
- 複数のGoogle広告アカウントを管理している場合は、必ず正しいアカウントのIDを使用してください
トリガー設定(All Pages vs Initialization)の違い
Googleタグは全ページで動作させる必要がありますが、トリガーの選択には2つの選択肢があります。それぞれの違いと使い分けを解説します。
All Pages(すべてのページ) 「All Pages」トリガーは、ページが完全に読み込まれた後(DOM Ready)にタグを発火させます。ページの要素がすべて準備された状態でタグが動作するため、安定性が高いのが特徴です。一般的なWebサイトでは、こちらを選択することをおすすめします。
Initialization(初期化) 「Initialization」トリガーは、GTMコンテナが読み込まれた直後、ページの読み込みより前にタグを発火させます。より早いタイミングでタグを動作させたい場合や、ページ離脱率が高いサイトで確実にタグを発火させたい場合に使用します。
どちらを選ぶべきか
- All Pagesがおすすめのケース: 通常のWebサイト、ページ速度が十分速い、安定性を重視したい
- Initializationがおすすめのケース: ページ離脱率が高い、ページ読み込みが遅い、より早いタイミングでデータ収集したい
迷った場合は「All Pages」を選択してください。ほとんどのケースで問題なく動作します。
トリガーの設定方法 タグ設定画面の下部にある「トリガー」エリアをクリックし、表示されるトリガー一覧から「All Pages」または「Initialization – All Pages」を選択します。選択後、画面右上の「保存」ボタンをクリックして、タグの作成を完了します。
プレビューモードでの動作確認方法
タグを保存したら、公開する前に必ずプレビューモードで動作確認を行いましょう。これにより、設定ミスによる計測エラーを防げます。
プレビューモードの起動方法 GTM管理画面の右上にある「プレビュー」ボタンをクリックします。すると、「Tag Assistant」という新しいタブが開き、接続するWebサイトのURLを入力する画面が表示されます。対象サイトのURL(https://から始まる完全なURL)を入力し、「Connect」ボタンをクリックしてください。
動作確認の手順
- プレビューモードで接続すると、対象サイトが新しいタブで開きます
- サイトの下部に「Tag Assistant」というデバッグパネルが表示されます
- 「Container Loaded」という項目をクリックすると、そのタイミングで発火したタグ一覧が表示されます
- 作成した「Google広告タグ」が「Tags Fired」(発火したタグ)のセクションに表示されていれば成功です
- 複数のページを巡回して、すべてのページで正しく発火することを確認してください
トラブルシューティング もしタグが「Tags Not Fired」(発火しなかったタグ)に表示される場合は、以下を確認してください。
- トリガーが「All Pages」に設定されているか
- タグIDが正しく入力されているか
- GTMコンテナコードがページに設置されているか
確認と修正が完了したら、プレビューモードを終了して次のステップに進みます。
【STEP3】GTMでコンバージョンタグを設定
コンバージョン用トリガーの作成方法
コンバージョンタグは、特定の条件(ページ訪問やボタンクリックなど)が満たされたときだけ発火させる必要があります。そのための「トリガー」を作成します。
サンクスページ型(URL指定) 最も一般的な方法で、お問い合わせ完了ページや購入完了ページなど、特定のURLを持つページでタグを発火させます。
- GTM左メニューの「トリガー」をクリックし、「新規」ボタンをクリックします
- 「トリガーの設定」エリアをクリックし、「ページビュー」を選択します
- 「このトリガーの発生場所」で「一部のページビュー」を選択します
- 条件設定で以下のように入力します:
- Page URL(またはPage Path)
- 「含む」
/thanks(または完了ページのURL)
- トリガーに「CV完了 – お問い合わせ」のようなわかりやすい名前を付けて保存します
フォーム送信型(イベント指定) ContactForm 7やElementorなどのプラグインでは、フォーム送信時に特定のイベントが発火します。このイベントをトリガーにします。
- トリガータイプで「カスタムイベント」を選択します
- イベント名に
wpcf7mailsent(ContactForm 7の場合)など、使用しているプラグインの イベント名を入力します - 「すべてのカスタムイベント」を選択し、保存します
ボタンクリック型 電話番号リンクのクリックや、特定のボタンのクリックをコンバージョンとする場合のトリガー設定です。
- まず、GTMの「変数」メニューで「Click – Element」などのクリック関連変数を有効化します
- トリガータイプで「すべての要素」または「リンクのみ」を選択します
- 条件で、クリックするボタンを特定します(例: Click URL に
tel:を含む) - トリガーを保存します
Google広告コンバージョンタグの設定
トリガーの作成が完了したら、実際にコンバージョンを計測するタグを設定します。
手順1: 新しいタグを作成 GTM左メニューの「タグ」から「新規」をクリックし、「タグの設定」エリアをクリックします。
手順2: タグタイプで「Google広告のコンバージョントラッキング」を選択 タグタイプ一覧から「Google広告のコンバージョントラッキング」を見つけてクリックします。
手順3: コンバージョンIDとラベルを入力 STEP1で取得した情報を入力します:
- コンバージョンID:
AW-123456789(STEP2で使用したタグIDと同じ) - コンバージョンラベル:
AbCdEfGhIjKlMnOpQrSt(固有のラベル文字列)
手順4: トリガーを選択 「トリガー」エリアをクリックし、先ほど作成したコンバージョン用トリガー(例: CV完了 - お問い合わせ)を選択します。
手順5: タグに名前を付けて保存 「Google広告CV – お問い合わせ完了」のような明確な名前を付けて保存します。これでコンバージョンタグの基本設定は完了です。
コンバージョンリンカータグも忘れずに Google広告のタグを正しく動作させるには、「コンバージョンリンカー」というタグも必要です。タグタイプで「コンバージョンリンカー」を選択し、トリガーは「All Pages」で設定してください。これにより、クロスドメイントラッキングやITP対策が自動で行われます。
値と通貨の動的設定(EC向け)
ECサイトでは、購入金額をコンバージョン値として動的に設定することで、より詳細な分析が可能になります。
値の動的設定が必要な理由 固定値ではなく、実際の購入金額を計測することで、ROASキャンペーンの収益性)を正確に把握できます。これにより、Google広告の自動入札機能が売上を最大化する方向で最適化されます。
GTM変数を使った値の設定方法
- まず、購入完了ページに購入金額を含むデータレイヤー(dataLayer)を設置します
- GTMの「変数」メニューで「データレイヤーの変数」を新規作成し、変数名に
transactionTotalなどを設定します - コンバージョンタグの「コンバージョン値」フィールドで、作成した変数
{{transactionTotal}}を選択します - 「通貨コード」フィールドに
JPY(日本円)を入力します
動的な値の設定例
// 購入完了ページに以下のコードを設置
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
dataLayer.push({
'transactionTotal': 15800, // 購入金額
'transactionId': 'ORDER-12345' // 注文ID
});
</script>
この設定により、購入金額がそのままコンバージョン値として計測され、正確なROAS分析が可能になります。
重複計測を防ぐ設定のコツ
コンバージョンの重複計測は、データの正確性を損なう深刻な問題です。以下の方法で重複を防ぎましょう。
1. トリガーの条件を厳密に設定する 完了ページのURLを「含む」ではなく「完全一致」で設定することで、意図しないページでの発火を防げます。ただし、URLにパラメータが付く場合は「含む」を使用し、できるだけ固有の文字列を指定してください。
2. カウント方法を「初回のみ」に設定する Google広告側のコンバージョンアクション設定で、カウント方法を「初回のみ」にすることで、同じユーザーが完了ページを再訪しても1回としてカウントされます。
3. 既存の直接埋め込みタグを削除する GTM導入前にHTMLに直接タグを埋め込んでいた場合、GTMと重複して動作します。必ず古いタグは削除してください。ページのソースコードでgoogle_conversion_やgtag(を検索し、見つかった場合は削除を依頼しましょう。
4. GTM内でのタグ重複を確認する GTM管理画面の「タグ」一覧で、同じコンバージョンラベルを持つタグが複数ないか確認してください。誤って同じタグを複数作成してしまうと、コンバージョンが2倍、3倍にカウントされてしまいます。
5. プレビューモードで発火回数を確認する プレビューモードで完了ページにアクセスし、コンバージョンタグが1回だけ発火していることを確認してください。「Tags Fired」セクションに同じタグが複数回表示される場合は、トリガー設定を見直す必要があります。
【ケース別】フォームツール別のトリガー設定例
Contact Form 7の場合
Contact Form 7は、WordPress で最も人気のあるお問い合わせフォームプラグインです。完了ページを持たないため、フォーム送信イベントをトリガーにします。
トリガー設定手順
- GTMの「トリガー」→「新規」をクリックします
- トリガータイプで「カスタムイベント」を選択します
- イベント名に
wpcf7mailsentと入力します(これがContact Form 7のフォーム送信成功イベント名です) - 「すべてのカスタムイベント」を選択します
- トリガー名を「CF7 – フォーム送信完了」などに設定して保存します
複数のフォームがある場合の条件分岐 サイト内に複数のContact Form 7フォームがあり、特定のフォームだけでコンバージョンを計測したい場合は、以下のように条件を追加します。
- GTMの「変数」で「データレイヤーの変数」を新規作成し、「データレイヤーの変数名」に
wpcf7FormIDを入力します - トリガー設定で「一部のカスタムイベント」を選択し、条件に「wpcf7FormID」「等しい」「123」(フォームIDを入力)を設定します
動作確認のポイント プレビューモードでフォームを実際に送信し、送信完了時に「wpcf7mailsent」イベントが発火し、コンバージョンタグが動作することを確認してください。
Elementor Proの場合
Elementor Proのフォームウィジェットも、送信完了時にJavaScriptイベントを発火させます。
トリガー設定手順
- トリガータイプで「カスタムイベント」を選択します
- イベント名に
elementor_form_submit_successと入力します - 「すべてのカスタムイベント」を選択して保存します
特定のフォームだけを対象にする方法 Elementorでは、各フォームに固有のForm IDやForm Nameを設定できます。これを利用して条件分岐します。
- データレイヤー変数で「formId」または「formName」を設定します
- トリガーで「一部のカスタムイベント」を選択し、条件を追加します
- 例: 「formName」「等しい」「contact-form」
Elementor特有の注意点 Elementorのフォームは、設定によってはAjax送信ではなくページ遷移する場合があります。その場合は、サンクスページ型のトリガー(URL指定)を使用してください。
Google Formsの場合
Google Formsは、フォーム送信後に独自の完了ページにリダイレクトされます。このURLパターンを利用してトリガーを設定します。
トリガー設定手順
- トリガータイプで「ページビュー」を選択します
- 「一部のページビュー」を選択します
- 条件設定:
- Page URL
- 「含む」
formResponse(Google Formsの完了ページURLに含まれる固有文字列)
- トリガーを保存します
Google FormsをWebサイトに埋め込んでいる場合 iframeでGoogle Formsを埋め込んでいる場合、通常の方法ではイベント取得が困難です。この場合は、以下のいずれかの対応が必要です。
- Googleフォームの「別のページに移動」機能を使い、自サイトの完了ページにリダイレクトさせる
- より高度な計測が必要な場合は、Google Apps Scriptを使ってカスタムイベントを発火させる
サンクスページ設定の推奨 可能であれば、Google Formsの設定で「回答を送信した後」→「別のページに移動」を選択し、自サイトの完了ページURL(例: https://example.com/thanks)を設定すると、より確実に計測できます。
Ajax送信フォームの場合
独自開発のフォームや一部のフォームビルダーでは、ページ遷移せずにAjaxで送信完了メッセージを表示します。
方法1: カスタムイベントを設置する(推奨) 開発者に依頼して、フォーム送信成功時にdataLayerにイベントをプッシュするコードを追加してもらいます。
// フォーム送信成功時に実行するJavaScript
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
dataLayer.push({
'event': 'formSubmitSuccess',
'formType': 'contact'
});
GTMのトリガーでは、カスタムイベント「formSubmitSuccess」を指定します。
方法2: 完了メッセージの表示をトリガーにする 送信完了時に「送信が完了しました」というメッセージが表示される場合、このメッセージ要素の表示をトリガーにできます。
- トリガータイプで「要素の表示」を選択します
- 選択方法で「CSSセレクタ」を選び、完了メッセージのクラス名やID(例:
.success-message)を入力します - 「1ページあたり1回」にチェックを入れます
- トリガーを保存します
方法3: フォーム送信ボタンのクリックをトリガーにする(非推奨) 送信ボタンのクリックをトリガーにすることも技術的には可能ですが、フォーム送信が失敗(エラー)した場合もタグが発火してしまうため、正確性に欠けます。可能な限り、上記の方法1または2を使用してください。
動作確認とトラブルシューティング
GTMプレビューモードでの確認項目チェックリスト
タグ設定後は必ずプレビューモードで動作確認を行います。以下のチェックリストに沿って確認してください。
基本動作の確認
- [ ] GTMコンテナが正しく読み込まれているか(「Tag Assistant Connected」と表示される)
- [ ] Googleタグ(AWタグ)がすべてのページで発火しているか
- [ ] コンバージョンリンカータグがすべてのページで発火しているか
- [ ] コンバージョンタグが完了ページ(またはフォーム送信時)のみで発火しているか
トリガー条件の確認
- [ ] コンバージョンタグが意図しないページで発火していないか
- [ ] 同じタグが1ページで複数回発火していないか
- [ ] トリガー条件を満たしているのにタグが発火しない状況がないか
タグ設定値の確認
- [ ] コンバージョンIDが正しく入力されているか
- [ ] コンバージョンラベルが正しく入力されているか
- [ ] ECサイトの場合、購入金額が正しく取得されているか
クロスブラウザ確認
- [ ] Chrome、Safari、Firefox、Edgeなど主要ブラウザで動作するか
- [ ] スマートフォン(iOS、Android)でも正しく動作するか
すべての項目にチェックが入ったら、GTM管理画面の「送信」ボタンから設定を公開します。
Google広告管理画面での計測確認方法
GTMで設定を公開したら、Google広告の管理画面でコンバージョンが正しく計測されているか確認します。
確認手順
- Google広告の「ツールと設定」→「測定」→「コンバージョン」を開きます
- 設定したコンバージョンアクションをクリックします
- 画面下部の「最近のコンバージョン」セクションで、テストコンバージョンが記録されているか確認します
計測されるまでの時間 コンバージョンデータがGoogle広告に反映されるまで、通常30分~3時間程度かかります。すぐに表示されなくても、数時間待ってから再度確認してください。
ステータスの確認 コンバージョンアクション一覧で、該当アクションのステータスが以下のようになっていることを確認します。
- 「記録中」: タグが正しく動作しています
- 「未確認」: まだコンバージョンが発生していない、または設定に問題がある可能性があります
- 「タグが見つかりません」: タグが正しく設置されていません
テストコンバージョンの実施 自分でフォームを送信するなどしてテストコンバージョンを発生させます。その際、以下の点に注意してください。
- プライベートブラウジングモード(シークレットモード)を使用する
- 実際にGoogle広告をクリックしてからコンバージョンする(広告経由でない場合は計測されません)
- テスト用のコンバージョンは、確認後にデータから除外するか、計測期間外のデータとして無視します
タグが発火しない場合の原因8選
プレビューモードやGoogle広告でタグが発火しない場合、以下の原因が考えられます。
原因1: GTMコンテナコードが設置されていない 最も基本的な原因です。ページのソースコードを確認し、<head>内と<body>直後にGTMコードがあるか確認してください。
原因2: タグIDまたはラベルの入力ミス コンバージョンIDやラベルに誤りがあると、タグは発火してもGoogle広告側で認識されません。コピー&ペーストで正確に入力し直してください。
原因3: トリガー条件が厳しすぎる 完了ページのURLを「完全一致」で設定している場合、URLパラメータが付くと発火しません。「含む」に変更し、URL内の固有部分のみを指定してください。
原因4: トリガーが選択されていない タグにトリガーを設定し忘れているケースです。タグ編集画面でトリガーセクションを確認し、適切なトリガーが選択されているか確認してください。
原因5: GTMの設定が公開されていない プレビューモードで動作しても、「送信」ボタンで公開しなければ、実際のサイトでは動作しません。バージョン画面で最新設定が「ライブ」になっているか確認してください。
原因6: フォームプラグインのイベント名が間違っている カスタムイベントを使用している場合、イベント名が実際に発火するイベント名と一致していないと動作しません。ブラウザの開発者ツールでイベント名を確認してください。
原因7: aタグやfromタグのデフォルト動作が優先されている リンククリックやフォーム送信のトリガーでは、ページ遷移が先に実行されてタグが発火しない場合があります。GTMの「タグの順序付け」で優先度を設定するか、トリガーで「リンククリックを待つ」オプションを有効にしてください。
原因8: ブラウザの広告ブロッカーが動作している 広告ブロッカーやトラッキング防止機能が有効だと、Google広告タグがブロックされます。テスト時は広告ブロッカーを無効にして確認してください。
重複計測されている場合の対処法
コンバージョンが実際より多くカウントされている場合、重複計測が発生している可能性があります。
原因と対処法1: 古いタグとGTMタグの併存 以前HTMLに直接埋め込んだタグが残っている場合、GTMのタグと重複します。ページのソースコードでgtag(やgoogle_conversion_を検索し、見つかった場合は削除を依頼してください。
原因と対処法2: GTM内でタグが重複している 誤って同じコンバージョンラベルを持つタグを複数作成している可能性があります。GTMの「タグ」一覧を確認し、重複するタグを一時停止または削除してください。
原因と対処法3: トリガーが複数回発火している トリガー条件が緩すぎて、1回のアクションで複数回発火している場合があります。プレビューモードで「Summary」パネルを確認し、タグが何回発火しているか確認してください。1ページで2回以上発火している場合は、トリガー条件を見直します。
原因と対処法4: カウント方法が「全件」になっている Google広告側のコンバージョンアクション設定で、カウント方法が「全件」になっていると、ユーザーが完了ページを再読み込みするたびにカウントされます。「初回のみ」に変更してください。
データクリーニングの方法 すでに重複計測されたデータは、Google広告の「コンバージョン調整」機能を使って手動で調整できます。ただし、将来の計測に影響はないため、設定修正後のデータから分析を始める方が現実的です。
Google Tag Assistantの活用方法
Google Tag Assistantは、タグの動作を確認するための公式ツールで、GTMのプレビューモードよりも詳細な情報を確認できます。
Google Tag Assistantのインストール Chrome Web Storeで「Google Tag Assistant」を検索し、拡張機能をインストールします。インストール後、ブラウザのツールバーにタグアイコンが表示されます。
基本的な使い方
- 確認したいWebサイトを開きます
- Google Tag Assistantのアイコンをクリックし、「Enable」をクリックします
- ページをリロードします
- 再度アイコンをクリックすると、ページで動作しているタグの一覧が表示されます
タグの状態を示すカラーコード
- 緑色: タグは正しく動作しています
- 青色: タグは動作していますが、改善の余地があります
- 黄色: 軽微な問題があります
- 赤色: 重大なエラーがあり、タグが正しく動作していません
詳細情報の確認方法 各タグをクリックすると、以下の詳細情報が表示されます。
- タグのタイプと識別情報
- タグが発火したタイミング
- 送信されたデータの内容
- エラーや警告メッセージ
GTMタグの確認 Google Tag Assistantを使えば、GTMのプレビューモードを起動しなくても、実際の公開環境でタグの動作を確認できます。ただし、未公開の設定内容は確認できないため、新規設定時はGTMのプレビューモードを使用し、公開後の最終確認にGoogle Tag Assistantを活用するのが効果的です。
よくある質問(FAQ)
Q: GTMとGoogle広告を連携させる必要はありますか?
A: 必須ではありませんが、強く推奨されます。
GTMを使わずにGoogle広告のタグを設置することも可能です。Google広告が提供するタグコードをHTMLに直接貼り付ければ、計測自体は機能します。しかし、GTMを使うことで以下のような大きなメリットがあります。
GTMを使うべき理由:
- タグ管理の効率化: 複数の広告媒体やツールのタグを一元管理でき、追加・削除・修正が管理画面から簡単に行えます
- 開発リソースの削減: HTMLの編集が不要なため、エンジニアへの依頼工数が削減されます
- エラーの防止: 直接埋め込みではコピーミスやタグの重複が起きやすいですが、GTMならテンプレート化された入力で正確に設定できます
- テスト環境: プレビューモードで事前確認できるため、本番環境への影響なく設定できます
- 権限管理: 複数の担当者で役割分担しながら、安全にタグを管理できます
GTMを使わない方が良いケース:
- 非常にシンプルなサイトで、今後もタグの変更予定がない
- 技術的な制約でGTMが導入できない(特殊なCMSや環境)
- すでに完璧に動作している直接埋め込みタグがあり、移行のリスクを取りたくない
ただし、これらのケースでも、長期的にはGTM導入のメリットが上回ることがほとんどです。特に、複数の広告媒体を運用する予定がある場合や、ABテストツールなどの追加ツールを導入する可能性がある場合は、早めにGTMを導入することをおすすめします。
Q: 既存の直接埋め込みタグとGTMタグは併用できますか?
A: 技術的には可能ですが、重複計測のリスクがあるため推奨しません。
既存のHTMLに直接埋め込まれたGoogle広告タグと、GTMで新しく設定したタグを併用すると、同じコンバージョンが2回カウントされてしまいます。これにより、広告の費用対効果が実際より低く見え、正確な判断ができなくなります。
推奨される移行手順:
- GTMでタグを設定し、プレビューモードで動作確認を行います
- 問題なく動作することを確認したら、GTMの設定を公開します
- 既存のHTMLタグを削除します(これが最重要ステップです)
- 削除後、Google Tag Assistantなどで重複がないことを最終確認します
既存タグを見つける方法: ページのソースコード(Ctrl+U または Command+Option+U)を開き、以下のキーワードで検索してください:
gtag(google_conversion_AW-で始まるコンバージョンID
見つかった場合は、その部分のコードを削除する必要があります。WordPressの場合、テーマファイルやプラグイン設定、またはheader.phpなどに記述されていることが多いです。
移行期間中の暫定的な併用: どうしても移行期間中にデータの欠損を避けたい場合は、1~2日程度の短期間だけ併用し、GTMタグが正しく動作することを確認してから既存タグを削除する方法もあります。ただし、この期間のデータは重複していることを認識した上で分析する必要があります。
Q: コンバージョンが計測されるまでの時間は?
A: 通常30分~3時間、最大で24時間かかる場合があります。
GTMでコンバージョンタグを設定・公開してから、Google広告の管理画面にデータが反映されるまでには一定の時間がかかります。これはGoogle側のデータ処理に時間を要するためで、設定ミスではありません。
計測までの時間の目安:
- リアルタイムデータ: 15~30分程度
- 通常のレポート: 3時間程度
- 完全な反映: 最大24時間
即座に確認したい場合: Google広告の「概要」ページでは、比較的早くデータが更新されます。また、「最近のコンバージョン」セクションを見ることで、個別のコンバージョンがいつ発生したかを確認できます。
24時間経ってもデータが表示されない場合の対処法:
- GTMのプレビューモードで、タグが正しく発火しているか再確認します
- Google Tag Assistantで、実際のサイトでタグが動作しているか確認します
- コンバージョンIDとラベルが正しく入力されているか確認します
- Google広告のコンバージョンアクションのステータスが「記録中」になっているか確認します
テスト時の注意点: テストでフォームを送信してすぐにGoogle広告を確認しても、まだデータは表示されません。少なくとも1~2時間は待ってから確認してください。また、広告経由でサイトに訪問していない場合(直接URLを入力した場合など)は、コンバージョンとして計測されないことに注意してください。
Q: テスト用のコンバージョンを削除する方法は?
A: コンバージョンデータ自体は削除できませんが、除外設定やフィルターで対応できます。
設定テスト時に発生させたコンバージョンは、Google広告のレポートに含まれてしまいます。残念ながら、個別のコンバージョンデータを完全に削除する機能はGoogle広告にはありません。しかし、以下の方法でデータへの影響を最小限に抑えられます。
方法1: テスト期間を認識して分析する 最もシンプルな方法は、テストを行った日時を記録しておき、分析時にその期間のデータを除外して評価することです。数件のテストコンバージョンであれば、全体のデータに与える影響は限定的です。
方法2: テスト用の別コンバージョンアクションを作成する 本番設定前に、「テスト用_お問い合わせ」のような名前で別のコンバージョンアクションを作成し、そちらでテストを行います。テスト完了後、そのコンバージョンアクションを削除または無効化すれば、本番データには影響しません。
方法3: IPアドレス除外を設定する 自社オフィスや自宅からのコンバージョンをカウントしないよう、Google広告の「IPアドレスの除外」設定を行います。これにより、指定したIPアドレスからのコンバージョンは計測されなくなります。
設定方法:
- Google広告の「ツールと設定」→「共有ライブラリ」→「除外IPアドレス」を開きます
- 自社のIPアドレスを入力して保存します
- これ以降、そのIPアドレスからのコンバージョンは計測されません
方法4: Google Analytics 4との連携でフィルタリング Google Analytics 4とGoogle広告を連携している場合、GA4側でIPアドレスフィルタやユーザー除外設定を行うことで、より柔軟なデータ管理が可能です。
推奨アプローチ: 本番運用開始前に、上記の方法2(テスト用コンバージョンアクション)と方法3(IPアドレス除外)を組み合わせて使用することで、テストデータが本番データに混入するリスクを最小限に抑えられます。
Q: 複数のGoogle広告アカウントを管理する場合は?
A: GTMで複数のGoogle広告アカウントのタグを管理できますが、アカウントごとにタグを分けて設定する必要があります。
代理店や複数事業を展開している企業では、複数のGoogle広告アカウントを運用することがあります。GTMを使えば、これらすべてのアカウントのタグを1つのコンテナで管理できます。
複数アカウント管理の基本方針: 各Google広告アカウントごとに、専用のGoogleタグとコンバージョンタグを作成します。タグ名にアカウント名を含めることで、管理がしやすくなります。
設定例:
- アカウントA用: 「Googleタグ – アカウントA」(タグID: AW-111111111)
- アカウントB用: 「Googleタグ – アカウントB」(タグID: AW-222222222)
- アカウントA CV: 「Google広告CV – アカウントA – お問い合わせ」
- アカウントB CV: 「Google広告CV – アカウントB – 購入完了」
トリガーの工夫: もし、アカウントごとに異なるランディングページを使用している場合は、トリガーにURL条件を追加することで、適切なアカウントのタグだけが発火するように制御できます。
例:
- アカウントAのタグ: トリガー条件に「Page URL 含む /lp-a/」を追加
- アカウントBのタグ: トリガー条件に「Page URL 含む /lp-b/」を追加
注意点:
- 各アカウントのコンバージョンIDとラベルを混同しないよう、設定時は慎重に確認してください
- 複数のコンバージョンリンカータグは不要です(1つで全アカウントに対応します)
- タグの命名規則を統一し、どのタグがどのアカウント用かを明確にしてください
MCCアカウントとの連携: Google広告のMCC(管理者アカウント)を使用している場合でも、GTM側の設定方法は変わりません。各クライアントアカウントのコンバージョンIDを使用して、個別にタグを設定してください。
まとめ:GTMで効率的にGoogle広告を運用しよう
3ステップで完了する設定フロー
本記事では、GTMを使ったGoogle広告のコンバージョンタグ設定方法を詳しく解説しました。改めて、設定フローを振り返りましょう。
STEP1: Google広告でコンバージョンアクションを作成 Google広告の管理画面でコンバージョンアクションを作成し、コンバージョンIDとラベルを取得します。この情報がGTM設定の基礎になります。
STEP2: GTMでGoogleタグを全ページに設置 取得したコンバージョンIDを使い、GTMでGoogleタグ(AWタグ)を作成します。トリガーは「All Pages」を選択し、すべてのページで動作するよう設定します。
STEP3: GTMでコンバージョンタグを設定 コンバージョンを計測したいページやイベントに応じたトリガーを作成し、コンバージョンタグと紐付けます。コンバージョンIDとラベルの両方を正確に入力することが重要です。
この3ステップに加えて、コンバージョンリンカータグの設置、プレビューモードでの動作確認、設定の公開、Google広告での計測確認を行えば、完璧な設定が完了します。
定期的な動作確認の重要性
GTMでタグを設定した後も、定期的な動作確認が重要です。以下のタイミングで確認を行いましょう。
月次チェック項目:
- Google広告のコンバージョン数が極端に増減していないか
- GTMの「バージョン」履歴で、意図しない変更が行われていないか
- 主要ページでGoogle Tag Assistantを使い、タグが正常に動作しているか
Webサイト更新時のチェック:
- テーマやプラグインの更新後、GTMコンテナコードが消えていないか
- サイトリニューアル後、完了ページのURLが変更されていないか
- 新しいフォームを追加した場合、そのフォーム用のトリガーとタグを設定したか
広告運用の変更時のチェック:
- 新しいキャンペーンやランディングページを追加した場合、タグが正しく動作するか
- コンバージョンポイントを追加・変更した場合、対応するタグとトリガーを設定したか
定期的な確認により、計測エラーを早期に発見し、データの正確性を保つことができます。
次のステップ:拡張コンバージョン設定へ
基本的なコンバージョンタグの設定が完了したら、次は「拡張コンバージョン」の設定に挑戦しましょう。
拡張コンバージョンとは: 拡張コンバージョンは、ユーザーがフォームに入力したメールアドレスなどの情報をハッシュ化してGoogle広告に送信する機能です。これにより、サードパーティCookieが制限される環境でも、より正確なコンバージョン計測が可能になります。
拡張コンバージョンのメリット:
- ITP(Intelligent Tracking Prevention)などのプライバシー保護機能の影響を受けにくい
- コンバージョン計測の精度が向上する
- 自動入札の最適化がより効果的になる
設定の準備: 拡張コンバージョンを設定するには、フォーム送信時にユーザーのメールアドレスや電話番号などの情報をGTMに渡す必要があります。詳しい設定方法は、Googleの公式ドキュメントや専門記事を参照してください。
その他の高度な設定:
- 動的リマーケティング: 閲覧した商品情報を基にした広告配信
- クロスドメイントラッキング: 複数ドメインをまたいだユーザー行動の計測
- サーバーサイドGTM: よりセキュアで高速なタグ管理
GTMをマスターすることで、これらの高度なマーケティング施策も実現できるようになります。基本をしっかり理解し、段階的にスキルアップしていきましょう。