スプレッドシートをlooker studioでレポート化する際のスプレッドシートの注意点まとめ

データ分析の現場で「Looker Studioでスプレッドシートのデータを読み込もうとしたけど、エラーが発生してしまう」「データの更新が正しく反映されない」「効果的なダッシュボードが作れない」といった課題に直面していませんか?実は、これらの問題は適切な設定と運用ルールを知ることで、すべて解決できる課題なのです。

looker studioでスプレッドシートのデータを可視化するには、あらかじめスプレッドシートをそれに合わせたデータ構造にしておく必要があります。そこの部分ができてないとlooker studioでスプレッドシートのデータを可視化する時に必ずエラーになります。

本記事では、Looker StudioとGoogleスプレッドシートの連携における重要なポイントから、実務で使える具体的なテクニック、そしてトラブル解決のための実践的なノウハウまでを、豊富な実例とともにご紹介します。

様々なレポートを取り扱っております。用途やシーンに合わせて、最適なレポートを使っていただくことで、日々のレポート作成やデータ分析のお役に立ちます!

1. Looker Studioでスプレッドシートを使うメリット

1-1. リアルタイムのデータ連携が実現する業務効率化

Googleスプレッドシートと連携することで、データの更新がリアルタイムでダッシュボードに反映されます。

これにより、毎日のレポート作成業務が大幅に効率化されます。例えば、営業部門の日次レポートでは、担当者がスプレッドシートに売上データを入力するだけで、自動的にダッシュボードが更新され、マネージャーは常に最新の実績を確認できるようになります。さらに、データの更新頻度も15分から12時間まで柔軟に設定可能で、業務のニーズに合わせた運用が可能です。

1-2. 柔軟なデータ管理とチーム共有の実現

複数のチームメンバーとのデータ共有や権限管理が容易に行えます。特に重要なのは、編集権限と閲覧権限を細かく設定できる点です。例えば、データ入力担当者にはスプレッドシートの編集権限を、マネージャーにはダッシュボードの閲覧権限のみを付与するといった運用が可能です。また、スプレッドシートの編集履歴も自動的に保存されるため、データの変更管理や監査対応も確実に行えます。

1-3. コスト面での優位性と導入のしやすさ

追加のライセンス料金なしで利用できるため、特に中小規模のビジネスや個人での分析に最適です。専用のデータベースを構築する場合と比較すると、初期費用で数十万円、運用コストで月額数万円の削減が可能です。また、馴染みのあるスプレッドシートをデータソースとして使用できるため、チームメンバーのトレーニングコストも最小限に抑えることができます。

1-4. シンプルな運用

スプレッドシートは多くの企業で導入されており、日常的に使用するツールのため誰でも操作方法を理解しております。そのため導入コストが少なく導入することができます。またデータをシンプルに管理することができる点もメリットになります。

スプレッドシートとlooker studioの連携方法がわからない方は下記のページを参考にしてください。

2. 正しいデータ設計の基本ルール

2-1. 効果的なデータ構造の設計手法

データは必ず縦長形式(行がレコード、列が属性)で設計する必要があります。Looker Studioでの分析に最適な構造です。この構造を理解した上でまずはスプレッドシートのデータ構造を考えて作成する必要があります。

この構造を理解しないままいつも通りにスプレッドシートを作成して、そこにデータを溜めていく運用にするとLooker studioで分析ができない、欲しいデータが取れないなどが発生しますので、注意してください。

ここではスプレッドシートの列と行について解説します。

  1. ヘッダー行の設定
    • A1セルから開始し、必ず1行目をヘッダーとして使用
    • 列名は簡潔かつ明確な名称を使用(例:「売上高」「顧客ID」など)
  1. データの配置
    • 2行目以降に実データを配置
    • 空白行や空白列を含めない
    • セルの結合は絶対に使用しない
  1. データの整理
    • 不要なフィルター設定を解除
    • 非表示の行や列を削除
    • シート名は分かりやすい名称を使用

上記の内容が注意点になります。この内容を踏まえてスプレッドシートを作成してください。
実際に同様なデータ構造化をわかりやすくするために参考のスプレッドシートのリンクも掲載しておきますので、参考にしてください。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1mWIk4C74tapg8chgj0XO3Lq7mK5IEJYANDA55WKjsCM/edit?usp=sharing

2-2. 堅牢なフィールド設定の実装方法

データの信頼性を確保するためスプレッドシートへの入力制限や規制は必ず必要になります。この規制が緩いと正しくない情報が入ってきたり、looker studioそのものがエラーになる場合があります。

  1. データ型の統一
    • 数値データは必ず数値型で統一
    • 日付は「yyyy/mm/dd」形式で統一
    • 文字列は全角/半角を統一
  1. 計算フィールドの扱い
    • 複雑な計算はLooker Studio側で実装
    • スプレッドシート側では基礎データのみを管理
    • 集計行は含めない(合計や平均はLooker Studioで計算)

スプレッドシートに対しての工夫

データの整合性や信頼性を担保するためには、スプレッドシート側であらかじめデータに対して制限をすることが良いです。

選択形式にする

データの中で入力される内容が候補の中から必ず1つの場合は、データの入力方法を選択(チェックボックス)を 使って入力するようにしてください。そうすると表記の揺れがなくなります。
その時必ずデータが無効の場合は、入力を拒否するようにしておいてください。(デフォルトで入力を拒否になっております)

参考のシートのC列の部分になります。

日付の入力規則の追加

日付は手動で入力すると、人によって2025/01/01や2025/1/1などバラバラになりやすいため、入力規制の設定と表示方法を日付に変更しておくことで、表記の揺れがなくなります。

電話番号の形式の統一

電話番号もハイフンありやなしなどの表記が統一されなく、整合性が取れないデータになる可能性があります。電話場号も形式を合わせることで、信頼性が担保されたデータになります。

電話番号に関しては、1つ注意点があります。スプレッドシートに反映したデータを別で活用する場合があると、電話番号の形式を保持しておく方法も異なります。

Aというシステムでは、CSVのインポートの時に、桁ごとに分けてCSVで取り込む必要があるか。
Bシステムでは、1つのセルに電話番号をハイフンあり取り込みが必要になる。
Cシステムでは、1つのセルにハイフンなしで取り込む必要がある。

というようにシステムによって形式が異なる場合が多々あります。上記の条件に合う形でスプレッドシートに反映させることは難しいため、加工しやすい方法でスプレッドシートで管理するのが最善です。

上記の3つのパターンを考慮すると、桁ごとにセルを分けて登録する方法が最も効率的に管理して、データを活用しやすくなります。
セルごとに分けて登録するため、整数値で且つ最大入力文字数を制限することで、揺れを無くすことができます。

メールアドレスの入力規制

よく表記ミスや形式が違うなどが発生するのがメールアドレスです。メールアドレスかどうかを形式をスプレッドシートで判定することができます。同じ入力規制で「有効なメールアドレスであるテキスト」を選択することで規則を設定することができます。

3. スムーズな連携のための具体的な設定手順

3-1. データソース追加の具体的手順

Looker Studioでのデータソース追加は以下の手順で行います。
この手順は過去の記事でも紹介しておりますので、参考にしてください。

  1. 基本設定
    • 「データを追加」からGoogleスプレッドシートを選択
    • マイドライブもしくは共有ドライブから対象シートを選択
    • シート名の確認と選択
  1. 詳細設定
    • データ型の確認と修正
    • 集計方法の設定
    • フィルターの設定
    • カスタムフィールドの作成

4. 実務で活きる効果的なデータ活用術

4-1. 説得力のあるダッシュボード作成のコツ

効果的なダッシュボード作成のために、どのデータが必要でどのデータを主に分析したかを考えてレポートを作成します。
またデータの活用方法までを見込みして作成することで運用にのるLooker studioのレポートを作成することができます。

  1. レイアウト設計
    • 重要な指標を上部に配置
    • 関連データをグループ化
    • スクロールを最小限に抑える
  1. ビジュアライゼーションの選択
    • 時系列データには折れ線グラフ
    • 構成比には円グラフ
    • 比較分析には棒グラフ
    • スコアカードによる重要KPIの表示

効果的で見やすいレポートを作成するための注意点をまとめておりますので参考にしてください。

  1. インタラクティブ機能の活用
    • フィルターの適切な配置
    • ドリルダウン機能の実装

よくある質問

スプレッドシートの更新がLooker Studioに反映されないのはなぜですか?
この問題には主に以下の原因が考えられます。
・キャッシュの問題
・Looker Studioのキャッシュ更新(画面リロード)
・データソースの再読み込みエラーのため再度接続で解消

権限の問題
・スプレッドシートの共有設定確認
・Googleアカウントの権限確認

対処方法としては、まずキャッシュのクリアを試し、それでも解決しない場合は権限設定を見直してください。
データの自動更新の頻度は設定できますか?
はい、以下の範囲で設定可能です。
・最短:15分間隔
・標準:1時間間隔
・最長:12時間間隔

ビジネスニーズに応じて適切な更新頻度を選択できます。ただし、更新頻度を短くするとクエリ制限に達する可能性があるため、データ量と更新ニーズのバランスを考慮して設定することをお勧めします。

まとめ

Looker StudioとGoogleスプレッドシートの連携は、適切な設定と運用ルールを守ることで、強力なデータ分析基盤となります。本記事で解説した以下のポイントを押さえることで、多くのトラブルを未然に防ぎ、効率的なデータ分析環境を構築することができます。

  1. データ設計の基本原則の遵守
  2. 適切な権限設定とアカウント管理
  3. 効果的なダッシュボード作成
  4. 定期的なメンテナンスと監視