Instagram運用の効果を正確に把握できずに悩んでいませんか?毎月の投稿データを手動で集計し、エクセルでグラフを作成する作業に時間を取られているマーケティング担当者は少なくありません。
Looker StudioとSupermetricsを連携することで、Instagram Insightsのデータを自動取得し、美しいダッシュボードで可視化できます。この記事では、設定方法から実践的な分析手法まで、初心者でも理解できるよう丁寧に解説します。
記事を読み終える頃には、Instagram運用の効率が劇的に向上し、データドリブンなコンテンツ戦略を立案できるようになります。
SupermetricsとInstagram Insightsとは?基本概要と連携メリット
Instagram Insightsの基本機能
Instagram Insightsは、投稿のリーチ数、エンゲージメント率、フォロワーの属性などを確認できるInstagramの公式分析ツールです。ビジネスアカウントまたはクリエイターアカウントに切り替えることで、誰でも無料で利用できます。
Instagramのアプリからも閲覧することができますが、企業で運用している場合はPCなどで閲覧する必要があったり、WEBサイトの情報と組み合わせて分析する場合は、データを分析できる状態に整形する必要があります。
Instagram Insightsで確認できる主なデータ
- アカウント全体のリーチ数とインプレッション
- 投稿別のいいね数、コメント数、保存数
- ストーリーの視聴数と離脱率
- フォロワーの年齢層、性別、地域分布
- オンライン時間とアクティブな曜日
しかし、ネイティブのInstagram Insightsには制限があります。データの期間比較が困難で、複数の指標を組み合わせた分析ができません。
期間比較をした場合は、別途CSVなどでダウンロードしたデータをLooker studioで可視化する方法が良いです。
プロアカウントへの切り替え手順
- プロフィール画面右上のメニューをタップ
- 「設定とプライバシー」を選択
- 「アカウントの種類とツール」をタップ
- 「プロアカウントに切り替える」を選択
- ビジネスまたはクリエイターを選択して完了
Supermetricsとは何か?
Supermetricsは、マーケティングデータを様々なレポートツールに自動転送するプラットフォームです。Instagram Insights、Facebook広告、Google Analytics、Google広告など800種類以上のデータソースに対応しており、手動でのデータ収集作業を自動化できます。
Looker studioから公式のサードパーティとして提供されております。(無料では利用制限があります)
Instagram以外にもFacebookなども提供されております。

Supermetricsの主要機能
- 800種類以上のマーケティングツールとの連携
- リアルタイムでのデータ自動更新
- カスタムダッシュボードとレポートの作成
- 複数のデータソースの統合分析
- 自動メール配信とスケジュール機能
無料でも一部機能は利用することができますが、Supermetrics自体の料金は下記になります。
料金プラン概要
- 無料トライアル:14日間(全機能利用可能)
- スタータープラン:月額29ドル
- グロースプラン:月額159ドル
- プロプラン:月額399ドル
- エンタープライズ:カスタム価格(大規模運用向け)
Looker Studio × Supermetrics × Instagram Insightsの連携メリット
3つのツールを連携することで、Instagram運用の効率性と分析精度が飛躍的に向上します。手動でのデータ集計が不要になり、リアルタイムで最新の数値を確認できるため、迅速な意思決定が可能になります。
主な連携メリット
従来の手法 | 連携後の改善 |
---|---|
手動データ収集(月40時間) | 自動データ更新(設定のみ) |
静的なエクセルグラフ | インタラクティブなダッシュボード |
期間比較が困難 | ワンクリックで期間比較 |
複数指標の関連性が不明 | 相関関係の可視化 |
共有が煩雑 | URLひとつで瞬時に共有 |
高度な可視化機能により、単なる数値の羅列ではなく、トレンドや相関関係を直感的に把握できます。また、Looker Studioの無料プランでも十分な機能が利用でき、コストを抑えながら本格的な分析環境を構築できます。
実現できる具体的な分析
- 投稿タイプ別エンゲージメント率の比較
- フォロワー増減とコンテンツ品質の相関分析
- 最適な投稿時間帯の特定
- ハッシュタグ効果の定量的評価
- 競合他社とのベンチマーキング
事前準備|必要なアカウントと権限設定
Instagram側の準備
Instagram Insightsのデータを取得するには、ビジネスアカウントまたはクリエイターアカウントが必要です。また、Facebookページとの連携も必須となるため、事前に準備を完了させておきましょう。
ビジネスアカウントに切り替えとFacebookページとの紐付けを行なっておいてください。連携の設定をしてないとデータの取得ができません。
必要なアカウント要件
- Instagramビジネスアカウントまたはクリエイターアカウント
- 年齢制限や地域制限のない公開アカウント
- アクティブなFacebookページとの連携済み
- Facebook認証が正常に機能している状態
Facebook認証の確認方法は、Instagramの設定画面から「アカウント」→「リンク済みアカウント」→「Facebook」で確認できます。もし連携が切れている場合は、再度認証を行う必要があります。
アカウント設定のチェックリスト
- ✅ プロアカウントへの切り替え完了
- ✅ Facebookページとの連携確認
- ✅ プライバシー設定が公開アカウント
- ✅ 年齢制限や地域制限の解除
- ✅ ビジネス情報の入力完了
また、複数のInstagramアカウントを管理する場合は、各アカウントで同様の設定を行う必要があります。一度設定すれば、Supermetricsで複数アカウントのデータを統合して分析できるようになります。
Facebook側の権限設定
SupermetricsがInstagram Insightsのデータにアクセスするには、Facebookユーザーアカウントに適切な権限が設定されている必要があります。特に、新しいページ体験を利用している場合は「フルコントロール」権限が必要です。
必要な権限設定:
- Facebookユーザーアカウントの「インサイト」権限
- 新しいページ体験の場合は「フルコントロール」権限
- Instagramアカウントと連携されたFacebookページの管理権限
- Facebook Business Managerでの適切な役割設定
権限の確認方法は、Facebookページの設定画面から「ページの役割」または「ページアクセス」で確認できます。権限が不足している場合は、ページの管理者に権限付与を依頼する必要があります。
権限設定の手順:
- Facebookページの設定画面にアクセス
- 「ページの役割」または「ページアクセス」を選択
- 対象ユーザーの権限レベルを確認
- 必要に応じて「編集者」以上の権限に変更
- 変更を保存して権限の反映を確認
Looker Studioでのデータソース設定と連携
Looker StudioでのSupermetrics連携
Looker StudioでSupermetricsのデータを利用するには、専用のコネクタを追加する必要があります。この作業は一度だけ行えば、以降は簡単にデータソースを選択できるようになります。
Supermetrics連携の手順:
- Looker Studio(https://lookerstudio.google.com/)にアクセス
- 「作成」→「データソース」を選択
- コネクタ一覧から「SupermetricsのInstagram insight」を検索
- 「Instagram insight」コネクタをクリック
- 「承認」をクリックしてGoogleアカウントと連携
承認画面では、Looker StudioがSupermetricsのデータにアクセスする権限を求められます。「データの表示」「レポートの作成」などの権限が表示されるため、内容を確認して承認してください。
認証後の設定:
- Supermetricsアカウントとの連携確認
- 利用可能なデータソースの一覧表示
- Instagram Insightsコネクタの選択
- 認証済みアカウントの確認
コネクタの追加が完了すると、Looker Studioのデータソース一覧にSupermetricsが表示されます。この設定は一度行えば、今後のレポート作成時にも利用できます。
アカウント設定とテンプレート活用
データソースの詳細設定では、分析対象のInstagramアカウントを選択し、テンプレートの利用有無を決定します。初心者の場合は、Supermetrics公式テンプレートの利用を強く推奨します。
アカウント設定の流れ:
- 「Instagram Insights」を選択
- 前章で接続したInstagramアカウントを選択
- 「Use report template for new reports」にチェック
- データ取得期間の設定(最大2年間)
- 「Connect」をクリックして接続完了
テンプレート機能を有効にすると、Supermetricsが用意した分析済みのダッシュボードを利用できます。自分でゼロからレポートを作成する必要がなく、すぐに実用的な分析を開始できます。
テンプレート活用のメリット:
- プロが設計した効果的なレイアウト
- 重要な指標が適切に配置済み
- 業界のベストプラクティスを反映
- カスタマイズも簡単に可能
- 設定時間の大幅短縮
データ取得期間は、Instagramアカウントの運用履歴に応じて設定してください。新しいアカウントの場合は3ヶ月程度、確立されたアカウントの場合は12ヶ月以上に設定することを推奨します。
利用可能なディメンション・指標の確認
接続が完了すると、Instagram Insightsから取得可能なすべてのデータ項目が表示されます。2025年3月25日のAPI変更により、一部の指標が変更されているため、最新の項目を確認してください。
主要なディメンション(分析軸):
- Date(日付)
- Media type(投稿タイプ:フィード、リール、ストーリー)
- Media caption(投稿キャプション)
- Hashtags(使用ハッシュタグ)
- Media permalink(投稿URL)
主要な指標(数値データ):
- Profile followers(フォロワー数)
- Profile views(プロフィールビュー数)※新指標
- Reach(リーチ数)
- Impressions(インプレッション数)
- Engagement(エンゲージメント数)
- Like count(いいね数)
- Comment count(コメント数)
- Save count(保存数)
- Share count(シェア数)
2025年の重要な変更点:
- 「Profile impressions」→「Profile views」に変更
- 「Media impressions」が廃止予定
- 新しい「Views」「Story views」指標の追加
- リール関連指標の精度向上
データ項目の確認が完了したら、「Create report」をクリックしてレポート作成を開始します。テンプレートを使用した場合は、自動的に最適化されたダッシュボードが生成されます。
【実践編】Instagram Insights分析レポートの作成方法
基本的なKPI監視ダッシュボード
効果的なInstagram運用には、継続的なKPI監視が不可欠です。基本ダッシュボードでは、フォロワー数、リーチ数、エンゲージメント率などの主要指標を時系列で追跡し、運用の成果を可視化します。
ダッシュボードに含める必須指標:
指標名 | 目的 | 推奨グラフタイプ |
---|---|---|
フォロワー数推移 | 成長トレンドの把握 | 折れ線グラフ |
週間リーチ数 | コンテンツの到達状況 | 棒グラフ |
エンゲージメント率 | ユーザー反応の測定 | 折れ線グラフ |
プロフィールビュー数 | ブランド関心度 | 面グラフ |
投稿頻度 | 運用活動レベル | 棒グラフ |
フォロワー数推移のグラフでは、前月比や前年同期比の比較機能を活用し、成長率の変化を定量的に把握できます。また、特定のキャンペーンや投稿タイプとの相関関係も分析可能です。
時系列分析のポイント:
- 週単位と月単位の両方で推移を確認
- 季節性やイベントの影響を考慮
- 急激な変化があった場合の要因分析
- 競合他社との比較による相対評価
- 目標値との乖離状況の把握
エンゲージメント率の計算では、「エンゲージメント数 ÷ リーチ数 × 100」の計算式を使用し、より正確な数値を算出します。フォロワー数ベースの計算よりも、実際のコンテンツ品質を反映しやすくなります。
投稿パフォーマンス分析
個別投稿の分析により、高いエンゲージメントを獲得するコンテンツの特徴を特定できます。投稿タイプ、キャプション、ハッシュタグ、投稿時間などの要素と成果指標の関係を詳細に分析しましょう。
投稿分析のフレームワーク:
- 投稿タイプ別パフォーマンス比較
- 高エンゲージメント投稿の共通点抽出
- 低パフォーマンス投稿の改善点特定
- 最適な投稿時間帯の分析
- ハッシュタグ効果の定量評価
コンテンツタイプ別の分析では、フィード投稿、リール、ストーリーのそれぞれで異なるKPIを設定します。リールでは再生回数とシェア数、フィード投稿では保存数とコメント数、ストーリーでは視聴完了率を重視します。
投稿時間分析の手法:
- 曜日別・時間帯別のエンゲージメント率比較
- フォロワーのオンライン時間との相関
- 投稿から24時間以内の反応速度測定
- 競合投稿との時間的競合状況
- 最適投稿タイミングの統計的特定
ハッシュタグ分析では、使用したハッシュタグごとのリーチ数とエンゲージメント数を追跡し、効果的なハッシュタグの組み合わせを特定します。人気ハッシュタグと独自ハッシュタグのバランスも重要な分析ポイントです。
フォロワー属性とオーディエンス分析
ターゲットオーディエンスとの適合性を確認するため、フォロワーの属性データを詳細に分析します。年齢層、性別、地域分布、アクティブ時間などの情報から、コンテンツ戦略の方向性を決定できます。
オーディエンス分析の重要指標:
- 年齢層分布(13-17歳、18-24歳、25-34歳、35-44歳、45歳以上)
- 性別比率(男性、女性、その他)
- 地域分布(国、都市別)
- 言語設定(主要言語の特定)
- アクティブ時間(曜日・時間帯別)
フォロワーの地域分布分析では、ビジネスの対象エリアとの一致度を確認し、必要に応じてローカルコンテンツの強化や地域別キャンペーンの実施を検討します。グローバル展開を目指す場合は、海外フォロワーの増加傾向も重要な指標となります。
アクティブ時間分析の活用:
- フォロワーがオンラインの時間帯に投稿
- 地域別の時差を考慮した投稿スケジュール
- 平日と週末の行動パターンの違い
- 年代別のInstagram利用時間の傾向
- イベントや季節による変動パターン
年齢層分析では、各年代のエンゲージメント行動の違いを把握し、年代に応じたコンテンツ戦略を立案します。若年層は動画コンテンツを好み、中高年層はテキスト情報を重視する傾向があります。
ストーリー・リール専用分析
ストーリーとリールは、フィード投稿とは異なる分析アプローチが必要です。特にストーリーは24時間で消える特性があるため、リアルタイムでの効果測定と迅速な改善が重要になります。
ストーリー分析の重要ポイント:
- 視聴開始から完了までの離脱率
- タップによる次ストーリーへの移動率
- プロフィール訪問への誘導効果
- 各ストーリー要素(テキスト、ステッカー、音楽)の効果
- ハイライト保存による長期的な価値
リール分析では、再生数だけでなく、再生完了率、シェア数、「いいね」率などの複合指標で評価します。アルゴリズムによる推奨表示を獲得するには、高い完了率と早期のエンゲージメント獲得が重要です。
リール最適化の分析項目:
- 最初の3秒での視聴維持率
- 全体再生完了率
- シェア率(バイラル性の指標)
- コメント誘発率
- 保存率(後で見直したいコンテンツの指標)
- 外部シェア数(Instagram外での拡散)
ストーリーの24時間制限に対応するため、「Combine new results with old」設定を有効にし、データの継続的な蓄積を確保します。これにより、長期的なストーリー戦略の効果を測定できます。
【注意点と制限事項】Instagram Insights分析における重要なポイント
データ取得の制限事項
Instagram Insightsのデータ取得には、APIの仕様上いくつかの制限があります。特にストーリーデータの24時間制限は、分析戦略に大きな影響を与えるため、適切な対応策を講じる必要があります。
主要な制限事項と対応策:
制限事項 | 影響 | 対応策 |
---|---|---|
ストーリーデータ24時間制限 | 長期分析が困難 | 自動日次取得設定 |
API呼び出し回数制限 | 大量データ取得不可 | 取得頻度の最適化 |
履歴データ制限(2年間) | 長期トレンド分析制約 | 定期的なデータバックアップ |
リアルタイム更新の遅延 | 即座の効果測定困難 | 更新タイミングの理解 |
「Combine new results with old」設定を有効にすることで、新しいデータを既存データに追加し、長期的な分析を可能にします。この設定は、初回設定時に必ず有効化してください。
定期的なデータ取得スケジュールの設定:
- ストーリーデータ:毎日午前中に取得
- 投稿データ:週2回(火曜日・金曜日)
- フォロワーデータ:週1回(月曜日)
- エンゲージメントデータ:毎日夕方に取得
- 月次サマリー:月初3日以内
データ取得エラーが発生した場合の復旧手順も事前に決めておきます。自動取得が失敗した際は、手動での補完取得を行い、データの欠損を最小限に抑えます。
権限設定とアカウント連携の注意点
Facebook側の権限変更やInstagramアカウントの設定変更により、データ取得が突然停止する場合があります。定期的な権限確認と、問題発生時の迅速な対応手順を確立しておくことが重要です。
よくある権限関連の問題:
- Facebookページの管理権限の変更
- Instagramアカウントの個人アカウントへの変更
- Facebook Business Managerの組織変更
- 二段階認証設定による認証エラー
- アカウント凍結や制限による一時停止
権限変更時の再認証手順は、Supermetrics Hubの「データソース」画面から行います。該当するコネクタの「再認証」ボタンをクリックし、最新の権限で接続し直してください。
複数アカウント管理時の注意事項:
- 各アカウントの権限レベルを統一
- 管理者権限の重複設定(バックアップ担当者)
- アカウント統廃合時のデータ移行計画
- セキュリティポリシーとの整合性確認
- 定期的な権限監査の実施
組織内での権限管理では、最小権限の原則に従い、必要な人員にのみ適切なレベルの権限を付与します。また、退職者の権限削除も忘れずに実施してください。
2025年のAPI変更への対応
Meta(Facebook)のAPI仕様変更により、Instagram Insightsの一部フィールドが廃止・変更されています。2025年3月25日と1月8日の変更内容を把握し、分析レポートの調整を行う必要があります。
2025年3月25日の主要変更:
- 「Profile impressions」→「Profile views」に名称・仕様変更
- 「Media impressions」の廃止
- 「Story impressions」の廃止
- 新しい「Views」「Story views」指標の追加
- 日付別分解能の一部制限
廃止フィールドから新フィールドへの移行では、過去データとの継続性を保つため、計算フィールドを使用した調整を行います。Looker Studioの計算機能を活用し、旧指標と新指標の橋渡しを実現できます。
移行時の計算フィールド例:
// Profile viewsの継続性確保
Profile_Views_Adjusted =
IF(Date >= DATE(2025,3,25), Profile_views, Profile_impressions)
// 統合Viewsメトリクス
Total_Views = Views + Story_views + Reel_plays
API変更の影響を最小限に抑えるため、Supermetricsの更新情報を定期的に確認し、事前に対応策を準備することを推奨します。また、重要な分析結果は、変更前後で数値の連続性を検証してください。
MetaのAPIはよくアップデートがされて廃止になるものやデータが取得できないなどのエラーが発生することが多くあります。あらかじめ理解しておいた上で、利用することをおすすめします。
よくある課題と解決方法|トラブルシューティング
接続・認証関連のトラブル
SupermetricsとInstagram Insightsの接続で最も頻繁に発生するのが認証関連のエラーです。FacebookとInstagramの複雑な権限構造により、設定の不備が見落とされがちです。体系的なトラブルシューティング手順を確立しておきましょう。
認証エラーの主な原因と対処法:
エラーの種類 | 主な原因 | 解決方法 |
---|---|---|
Facebook認証失敗 | パスワード変更・二段階認証 | 最新認証情報で再ログイン |
権限不足エラー | ページ管理権限の不足 | Facebook管理者に権限要求 |
アカウント未連携 | Instagram-Facebook連携切れ | Instagram設定で再連携 |
API制限エラー | 短時間での大量リクエスト | 取得頻度を調整して再試行 |
アカウント権限不足の解決では、Facebook Business Managerの権限設定を詳細に確認します。「広告管理」「ページ管理」「インサイト閲覧」の権限が適切に設定されているかを確認してください。
段階的な権限確認手順:
- Facebook個人アカウントの有効性確認
- Facebookページへのアクセス権限確認
- InstagramアカウントとFacebookページの連携確認
- Business Manager内での役割確認
- Supermetricsアプリの認証状況確認
再認証が必要になるケースでは、Supermetrics Hub上で該当コネクタの「Reconnect」ボタンをクリックし、最新の認証情報で接続し直します。この際、以前の設定は保持されるため、データの継続性は確保されます。
データ表示・更新に関する問題
データが正常に表示されない場合、接続の問題だけでなく、データ自体の仕様や取得タイミングに起因する可能性があります。Instagram APIの特性を理解した上で、適切な対応を行う必要があります。
データ表示問題の診断チェックリスト:
- ✅ Supermetrics接続ステータスの確認
- ✅ データ取得期間の設定確認
- ✅ Instagramアカウントのデータ蓄積期間
- ✅ API制限による取得遅延の有無
- ✅ Looker Studioのデータ更新設定
更新頻度の調整では、データの重要性と取得コストのバランスを考慮します。リアルタイム性が重要な指標は頻繁に更新し、トレンド分析用のデータは日次更新で十分です。
まとめ|Instagram運用改善への活用方法
分析から得られるインサイトの活用
Looker StudioとSupermetricsを活用したInstagram分析により、従来は感覚的に行われていた運用判断をデータに基づいて実行できるようになります。継続的な分析により蓄積されたインサイトを、戦略的なコンテンツ戦略の立案に活用しましょう。
データドリブンなコンテンツ戦略の要素:
- 高エンゲージメント投稿の成功パターンの体系化
- フォロワー属性に基づくターゲティング戦略
- 最適な投稿タイミングとフリークエンシーの設定
- 効果的なハッシュタグミックスの標準化
- 競合分析に基づく差別化ポイントの明確化
KPI設定と継続的な改善サイクルでは、PDCA(Plan-Do-Check-Action)フレームワークを活用し、月次での戦略見直しを実施します。数値目標の設定だけでなく、達成手段の具体化も重要です。
効果的なKPI設定の例:
主要KPI:エンゲージメント率 月次5%向上
└ リーチ数:前月比110%
└ いいね率:投稿あたり3%以上
└ コメント率:投稿あたり0.5%以上
└ 保存率:投稿あたり1%以上
支援KPI:フォロワー質向上
└ フォロワー増加率:月次3%
└ アクティブフォロワー率:60%以上
└ エンゲージメント継続率:70%以上
チーム内でのデータ共有と意思決定では、Looker Studioの共有機能を活用し、関係者全員が同じデータを基に議論できる環境を構築します。定期的なレビューミーティングにより、組織全体のデータリテラシーも向上します。
サーチコンソールの無料レポートでレポートの工数を30%以上下げることができます。
無料のSEOの(サーチコンソール)レポートを配布しておりますのでお気軽にご利用ください。
継続的な運用とスケーリング
分析環境の構築は一度で完了するものではなく、ビジネスの成長に合わせて継続的に改善していく必要があります。自動化の拡充とレポートの標準化により、運用効率を継続的に向上させましょう。
自動レポート配信の設定手順:
- Looker Studioで月次レポートテンプレートを作成
- スケジュール配信機能で関係者に自動送信設定
- 重要な変化があった場合のアラート設定
- 四半期レビュー用の詳細レポート準備
- 年次戦略立案用のサマリーレポート作成
月次・週次レポートの標準化では、意思決定に必要な情報を簡潔にまとめ、actionableなインサイトの提供を重視します。数値の羅列ではなく、具体的な改善アクションを提示することが重要です。
標準レポートの構成例:
- エグゼクティブサマリー(2-3行での要約)
- 主要KPIの達成状況(前月比・目標比)
- 注目すべき変化とその要因分析
- 成功した施策とその効果
- 改善が必要な領域と推奨アクション
- 来月の重点施策と期待効果
分析結果に基づく施策立案では、発見したインサイトを具体的なアクションプランに落とし込みます。仮説設定→実施→効果測定→改善のサイクルを高速で回すことで、Instagram運用の精度を継続的に向上できます。
施策立案から実行までのフロー:
- データ分析によるインサイト発見
- 改善仮説の設定と優先順位付け
- 具体的なアクションプランの策定
- 実施期間と測定指標の設定
- 施策実行と効果測定
- 結果分析と次回改善への反映
継続的な改善により、Instagram運用は単なるSNS活動から、ビジネス成果に直結する戦略的マーケティング活動へと進化します。データに基づく科学的なアプローチにより、確実な成果向上を実現できるでしょう。
FAQ|Instagram Insights × Supermetrics × Looker Studioでよくある質問
- Supermetricsは無料で使えますか?
- Supermetricsは14日間の無料トライアルを提供していますが、継続利用には有料プランの契約が必要です。基本プランは月額99ドルからで、接続するデータソース数によって料金が変動します。
Instagram Insights分析のみであれば、最小プランでも十分な機能を利用できます。無料期間中に十分な検証を行い、投資対効果を確認してから本格導入を検討することを推奨します。ROIが明確に見込める場合、コスト以上の価値を得られるでしょう。
- Instagram個人アカウントでも分析できますか?
- Instagram Insightsの詳細データを取得するには、ビジネスアカウントまたはクリエイターアカウント(プロアカウント)への切り替えが必須です。個人アカウントのままでは、Supermetricsでのデータ取得はできません。
プロアカウントへの切り替えは無料で、いつでも個人アカウントに戻すことが可能です。切り替えによるデメリットはほとんどないため、分析を行いたい場合は早めに切り替えることを推奨します。
- ストーリーのデータはどのくらい保存されますか?
- Instagram APIの仕様により、ストーリーのデータは投稿から24時間後に取得できなくなります。そのため、継続的な分析を行うには、毎日自動でデータを取得する設定が必要です。
Supermetricsの「Combine new results with old」設定を有効にすることで、過去のストーリーデータを累積して保存できます。一度設定すれば、長期的なストーリー戦略の効果測定が可能になります。
- 複数のInstagramアカウントを同時に分析できますか?
- はい、Supermetricsでは複数のInstagramアカウントのデータを同時に取得し、Looker Studioで統合して分析できます。各アカウントを個別のデータソースとして接続し、統合ダッシュボードで比較分析が可能です。
企業で複数のブランドアカウントを運用している場合や、地域別アカウントを管理している場合に特に有効です。アカウント別の詳細分析と、全体統合での俯瞰分析の両方を実現できます。ただし、各アカウントで個別にSupermetrics接続設定が必要になります。
- データの更新頻度はどのくらいですか?
- Instagram Insightsのデータ更新頻度は、データの種類によって異なります。基本的なエンゲージメントデータは3-6時間ごと、フォロワー数などの基本指標は12-24時間ごとに更新されます。
Supermetricsの設定で更新頻度をカスタマイズできますが、あまり頻繁に設定するとAPI制限に抵触する可能性があります。重要度に応じて適切な更新間隔を設定し、リアルタイム性と安定性のバランスを取ることが重要です。
- Facebook広告データと統合できますか?
- はい、SupermetricsではInstagram InsightsとFacebook広告データの統合分析が可能です。オーガニック投稿の効果と有料広告の効果を同一ダッシュボードで比較でき、総合的なマーケティング効果の測定を実現できます。
統合分析により、広告とオーガニック投稿の相乗効果、フォロワー獲得コストの比較、ROAS(広告費用対効果)の総合計算などが可能になります。マーケティング予算の最適配分や、チャネル間の効率性比較に活用できます。