Looker StudioでSEO分析レポート完全ガイド【設定から実践まで詳しく解説】

「SEO対策の効果をもっと分かりやすく可視化したい」「Google Analytics 4とサーチコンソールのデータを上手く組み合わせて分析できないか」「どんなレポートを作ればいいのかわからない」

多くのSEO担当者が、データ分析とレポート作成に悩みを抱えています。特に2024年からのGA4完全移行により、従来の分析方法の見直しを迫られている方も多いのではないでしょうか。

そんな中で注目を集めているのが、GoogleのBIツール「Looker Studio」です。無料で使え、データソースの連携も簡単なLooker Studioは、SEO分析の強力な味方となります。

この記事では、Looker Studioを使ったSEO分析の基礎から実践的なテクニックまでを、具体的な手順とともに解説します。

Looker StudioでのSEO分析レポートとは?基礎から解説

Looker StudioでSEO分析する4つのメリット

Looker StudioでSEO分析を行うことで、以下の4つの大きなメリットが得られます。

メリット詳細効果
データ統合GA4、サーチコンソール等のデータを一元管理包括的な分析が可能
リアルタイム更新データが自動で更新され常に最新工数削減、即時対応
カスタマイズ性必要な指標やグラフを自由に設定目的に応じた分析
コスト削減基本機能が無料で利用可能
レポート作成の工数削減
導入しやすい

looker studioのメリットと重複する部分もありますが、SEOの分析する上でにはGA4とサーチコンソールのデータを合わせて分析できることが最大のメリットになります。SEOは中長期でのデータが必要になります。その際エクセルなどのレポートでは中長期のデータを出すことが難しいため、Looker Studioの機能が役に立ちます。

必要なデータソースと準備するもの

SEO分析に必要な主なデータソースは以下の通りです。 GA4とサーチコンソールの2つのデータソースのみになります。
厳密には、サーチコンソールのデータソースが2種類あるので合計3つになります。
サーチコンソールは、WEBとURLの2種類のデータがあります。

【必須のデータソース】
1. Googleサーチコンソール(WEB・URL)
   - クエリデータ
   - クリック数/表示回数
   - 平均順位

2. Google Analytics 4
   - オーガニックトラフィック
   - ユーザー行動データ
   - コンバージョンデータ

準備するものは上記のデータソースのみになり簡単に分析レポートを作成することができます。

基本的な機能と活用シーン

Looker Studioの基本機能は、データ分析の目的によって使い分けます。

【主な活用シーン】

  • 月次SEOレポートの作成
  • キーワードパフォーマンスの分析
  • ランディングページの効果測定
  • コンテンツ改善点の特定

Looker Studioの初期設定と基本的なSEOレポート作成

Googleサーチコンソールとの連携方法

サーチコンソールとの連携は以下の手順で行います。この手順はlooker studioでサポートを作成する基本的な手順になります。下記の記事で連携の方法について解説している記事がありますので、参考にしてください。

【完全ガイド】Looker Studioの使い方マスターわかりやすいスクショ付き解説

  1. Looker Studioで新規レポート作成
  2. データソースの追加から「Search Console」を選択
  3. 対象のプロパティを選択
  4. 取得したいデータの種類を指定
  • URL別パフォーマンス
  • クエリ別パフォーマンス

Google Analyticsデータの取り込み設定

GA4データの取り込みは以下の手順で実施します。手順としてはサーチコンソールの時と同じ手順になります。

設定項目選択内容注意点
データソースGA4プロパティ正しいプロパティIDを選択
ディメンションページパス、ソース等必要最小限に絞る
指標セッション数、PV数等カスタム指標も設定可

基本的なSEOレポートの作成手順

初めてのレポート作成では、以下の要素を含めることをおすすめします。

大きなデータから詳細のデータを分析していく流れでレポートを作成すると情報が整理されてわりやすいSEO分析レポートになります。

【基本的なレポート構成】
1. 概要ダッシュボード
   - オーガニック流入推移
   - 主要KPIの達成状況
   - 重要キーワードのランキング

2. 詳細分析ページ
   - キーワードパフォーマンス
   - ページパフォーマンス
   - 技術的SEO指標

弊社ではサーチコンソールのレポートも販売しておりますのでご利用してみてください。
レポート作成のための無料レポートも配布しております。

無料レポートはこちらから

効果的なSEO分析のためのダッシュボード作成

オーガニック流入分析のグラフ設定

オーガニック流入を効果的に分析するため、以下のグラフを設定します。
時系列グラフは、縦棒グラフが見やすいと思います。ランディングページなどデータ量が多いグラフは、表組みのグラフが良いです。

【基本的なグラフ設定】

1. 時系列グラフ
   - 軸の設定:日付(X軸)、セッション数(Y軸)
   - 比較機能:前年同期比
   - セグメント:デバイス別、ユーザー属性別

2. データテーブル
   - ランディングページごとの流入数
   - 直帰率、滞在時間
   - ページ別コンバージョン率

サーチコンソールの情報では、直帰率や滞在時間を計測ができないため、GA4のデータソースを使って表示させることで、グラフに出力することができます。

キーワードパフォーマンスの可視化方法

キーワードのパフォーマンスを把握するための効果的な可視化方法です。

グラフタイプ分析内容設定のポイント
スコアカードCTR、平均順位前月比を表示
散布図クリック数vs表示回数トレンド線を追加
折線グラフ順位変動の推移色分けで視認性向上

ランキング変動の追跡と分析

検索順位の変動を効果的に追跡・分析する方法です。

ランキング分析でどのキーワードがニーズがあり、今後伸びてきそうなキーワードかどうかを判断します。

【ランキング分析の主要指標】
1. 順位帯別キーワード数の推移
   - 1-3位
   - 4-10位
   - 11-30位
   - 31位以降

2. 重要キーワードの順位変動
   - 日次変動グラフ
   - 変動要因の記録
   - 競合との比較

SEOのアップデートがされた際には、ランキングが大きく変わるためSEOのアップデートの情報をこまめに確認しておいてください。

下記からアップデートの情報を参照できます。
参考:https://status.search.google.com/summary
参考:Google 検索のコア アップデートとウェブサイト

アップデートの影響を受けて順位が大きく変動することがありますのでアップデート後の前後1,2ヶ月は定期的にみるようにしてください。

高度なSEO分析テクニック

データブレンドを活用した複合分析

複数のデータソースを組み合わせることで、より深い分析が可能になります。

【データブレンド活用例】

  1. サーチコンソール ✕ GA4
    • キーワードごとのコンバージョン率
    • ランディングページの品質評価
  1. GA4 ✕ 外部データ
    • 競合比較分析
    • 市場シェア分析

外部データとの連携は、自社内のデータで行う場合は問題ないですが、他社のデータを使う場合は、扱いには注意が必要です。連携させないで自社だけで参照するなどの方がリスクとしては少ないと思います。

カスタム指標の作成と活用法

効果的なカスタム指標の例と設定方法です。サイトがSEOの施策を行なってどのくらい数値が改善しているか、ビジネスの目的に対してどのくらい貢献しているかを数値化することができます。

最終的には、KPIに対してどのくらい貢献しているかを計測するのがもっとも良いです。

カスタム指標計算式活用シーン
実質CTRクリック数÷(表示回数×表示順位)クリック率の質的評価
SEOスコア(CTR×10 + 順位×5 + CV×2) ÷ 17ページの総合評価
機会損失表示回数×(1位CTR – 実測CTR)改善機会の特定

カスタム指標は独自で計算フィールドを使って計算式作りレポートとして表示させる必要があります。
計算フィールドの使い方は下記で紹介しております。

Looker Studioの計算フィールドの作り方:初心者向け完全ガイド

実践的なSEO分析レポートの作成

目的別レポートテンプレートの活用

目的に応じた効果的なレポートテンプレートの例です。競合分析はできる場合とできない場合があるかと思います。
Ahrefsなどツールを使って分析したデータをlooker studioで表示させることは可能です。

【レポートテンプレート一覧】

1. 月次報告用
   - KPI達成状況
   - ターゲットキーワードの検索順位
   - 主要施策の効果
   - 次月のアクション

2. 改善分析用
   - 課題ページの特定
   - 改善優先順位付け
   - 具体的な改善案

3. 競合分析用(できる場合のみ)
   - キーワードポジション比較
   - コンテンツ網羅性評価
   - 弱み・強みの分析

ターゲットキーワードの検索順位で、アクセス数の母数が増えるため、中長期の視点としてレポートに入れておくことをおすすめします。指名キーワードの順位が上がることでCV数も変わってくるため定点観測が必要です。

ターゲットキーワードでの順位が下がる場合は、競合が強くなっているやGoogleの検索のアップデートなどの影響があるためすぐに対応してください。

効果的なビジュアライゼーションの選び方

データの種類に応じた最適なグラフ選択方法です。SEOのレポートでは、折れ線グラフと棒グラフをよく使用します。

データの種類推奨グラフ使用例
時系列変化折れ線グラフPV推移、順位変動
構成比円グラフ、棒グラフトラフィック源の内訳
相関関係散布図CTRと順位の関係

具体的なレポートは弊社の無料レポートを参考にしてみてください。
無料レポートはこちら

無料レポートについての詳細を説明した記事はこちら

自動更新レポートの設定方法

定期的なレポーティング業務を効率化する設定です。looker studioには標準の機能としてスケジュールを決めて自動的にレポートを配信する機能があります。それを活用することより、レポートの共有の手間をなくすことができます。

合わせてフィルターを設定しておくことで、自由な期間でデータの比較も行うことができます。

【自動更新の設定手順】
1. スケジュール設定
   - 更新頻度の選択
   - 通知先の設定
   - エラー時の対応

2. データ取得条件
   - 期間の設定
   - フィルター条件
   - 除外設定

Looker StudioでのSEO分析における注意点とトラブルシューティング

よくある問題と解決方法

初めて使う際によく遭遇する問題とその対処法です。

特にデータの更新がされない表示がされないという現象が発生します。その場合は画面を更新する・一度looker studioの画面を閉じて再度開くことで解消されることがあります。

問題原因解決方法
データ更新遅延API制限更新頻度の調整
再度画面更新・データ更新をクリック
グラフ表示エラー計算式の誤り数式の見直し
権限エラーアカウント設定権限の再確認

パフォーマンス最適化のポイント

レポートの読み込み速度と使いやすさを向上させるためのポイントです。

最適化項目具体的な施策効果
データ量不要な指標の削除読み込み速度向上
更新頻度適切な間隔設定サーバー負荷軽減
レイアウトコンポーネントの整理視認性向上

事例で学ぶLooker StudioのSEO活用

実際の改善事例とその手法

【成功事例1:Eコマースサイト】
1. 課題
   - 商品ページの検索順位低下
   - CVR低下傾向

2. 分析アプローチ
   - ページ別パフォーマンス分析
   - ユーザー行動の可視化

3. 改善結果
   - 主要キーワード順位30%改善
   - CVR15%向上

課題は、looker studioのレポートから検索順位の低下が見られたため、改善が必要箇所として分析。

その課題に対して、ユーザーがパフォーマンスが良いページと悪いページでどのような構成になっているかを目視・ヒートマップで分析。合わせてユーザー行動分析。検索順位の低下が見られるページの構成をパフォーマンスの良いページを参考にコンテンツを追加を実施。

Looker studioからの数値データと目視での分析により効率的に分析が可能になりました。

業種別の活用ポイント

各業種に応じた効果的な活用方法です。

業種重要指標分析ポイント
Eコマース商品別CVR季節変動、在庫連動
メディアPV、滞在時間、CV数コンテンツ評価
BtoB問い合わせ率リード獲得効率

全てのサイトで検索の順位は大きく影響します。ページごとのキーワードと検索順位は常に見た上で、上記の指標に対してどのようにサイトが貢献しているかを分析してください。

効果測定と改善サイクルの回し方

継続的な改善を実現するためのPDCAサイクルです。SEOに限らずどのようなサイトでも同じフローになります。

【改善サイクルの実施手順】

  1. 現状分析(Plan)
    • KPI達成状況確認
    • 課題の洗い出し
  1. 施策実施(Do)
    • 優先順位付け
    • タスク管理
    • スケジュール確定
  1. 効果測定(Check)
    • データ収集
    • 比較分析
  1. 改善(Action)
    • 成功要因の特定
    • 次期施策への反映

まとめ:Looker StudioでSEO分析を成功させるために

導入から運用までのロードマップ

SEO分析の導入から運用までの具体的なステップです。SEOは中長期的なマーケティングの施策になるため、基礎の運用と本格運用からのフェーズがもっとも重要になります。

本格運用時に正しいデータを取得して、改善点を見つけ出すことでSEOでの効果が高い良いサイトを作ることができます。

【実施ステップ】
1. 初期設定(1-2週間)
   - アカウント連携
   - 基本レポート作成

2. 基礎運用(1-3ヶ月)
   - データ収集
   - 分析手法の確立

3. 本格運用(3ヶ月以降)
   - 詳細分析
   - 改善サイクルの確立

本格運用時はどのデータを指標としてみたら良いか改善点の見つけ方などに関してはお問い合わせください。
お問い合わせはこちらから

継続的な分析のためのチェックリスト

本格運用後には定期的な計測を行い、目標に対しての軌道修正やGoogleのアップデートなども対応できる体制も重要です。

チェック項目頻度重要度
データ更新確認毎日★★★
KPI確認週1回★★★
詳細分析月1回★★
レポート改善四半期★★

さらなる活用のためのリソース

より高度な活用のための参考情報です。

【おすすめリソース】

  1. 公式ヘルプドキュメント
  2. コミュニティフォーラム

以上で、Looker StudioでのSEO分析に関する包括的な解説を終わります。ツールの基本的な使い方から応用的なテクニックまで、段階的に習得していただければと思います。

弊社では無料のレポートも配布しておりますのでお気軽にご利用ください。
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