Looker Studioの計算フィールドの作り方:初心者向け完全ガイド

データ分析でシンプルで使いやすいLooker Studio。特に計算フィールドの機能は、データ分析の可能性を大きく広げる重要な機能です。この記事では、Looker Studioの計算フィールドの基礎から応用まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

Looker Studioはなにをするものか

Looker Studioは、Googleが提供する無料のデータ可視化ツールです。さまざまなデータソースから情報を取り込み、インタラクティブなダッシュボードやレポートを作成できます。特にGoogle Analytics 4(GA4)やGoogle広告などのGoogleプロダクトとの連携が強みで、マーケティングデータの分析に適しています。

計算フィールドとは

計算フィールドは、既存のデータを基に新しい指標や分析軸を作成する機能です。例えば、売上と費用のデータから利益率を計算したり、複数の指標を組み合わせて新しいKPIを作成したりできます。

計算フィールドの基本的な作り方

  1. レポートエディタを開く
  2. 「リソースを追加」→「計算フィールド」を選択
  3. フィールド名と計算式を入力
  4. 「保存」をクリック

1.

基本的な演算子と関数

  • 四則演算(+、-、*、/)
  • 比較演算子(>、<、=、!=)
  • 論理演算子(AND、OR、NOT)
  • 集計関数(SUM、AVERAGE、COUNT)

よく使う計算フィールドの例

1. コンバージョン率の計算

SUM(コンバージョン数) / SUM(セッション数) * 100

2. 前年比の計算

(現在の値 - 前年の値) / 前年の値 * 100

計算フィールドの活用シーン

計算フィールドは、GA4の単体のデータは出力することができないデータなどや計算式として反映させないと表示できない項目をレポートに表示させたい時に使います。

お問い合わせフォームのページからお問い合わせの確認画面へ推移した割合。そのあと、お問い合わせの完了画面が表示された割合を出す際には、通常のGAのデータではレポート上に反映させることができないため、独自で計算式を作成して表示れます。

1.推移率の表示

先ほどのお問い合わせページから確認画面・完了画面へ推移したそれぞれの割合を出す。

手順としては下記になります。

  1. フォームの入力画面への到達数を出す
  2. フォームの完了画面への到達数を出す
  3. 入力画面÷完了画面で到達率を計算

上記の流れで設定を行うとフォームの到達率を算出することができます。フォームの完了画面の表示はビジネスのKPIとして設定することが多いため必ず算出するデータとして思っておいてもよいかと思います。

HTML
SUM(コンバージョン) / SUM(セッション)

またこの到達数と到達率を出すことで、フォームの入力画面の改善のためのデータも取得することができます。

2. 地域の割合を表示

関東・関西・東北などで地域ごとのアクセスの割合を出す。地域ごとの分類でユーザー数を出すことで地域特化のビジネスをしている場合などは有効になります。また広告を出稿する際にもどの地域からのユーザー数が多いかは指標として有効になります。

手順は下記になります。

  1. 計算フィードを新規作成
  2. 計算フィールドに条件を入力
  3. グラフへ反映
HTML
CASE
WHEN 地域 IN ("Hokkaido") THEN "北海道"
WHEN 地域 IN ("Aomori", "Iwate", "Miyagi", "Akita", "Yamagata", "Fukushima") THEN "東北"
WHEN 地域 IN ("Tokyo", "Kanagawa", "Chiba", "Saitama", "Ibaraki", "Tochigi", "Gunma") THEN "関東"
WHEN 地域 IN ("Yamanashi", "Nagano", "Niigata", "Toyama", "Ishikawa", "Fukui") THEN "北陸・甲信越"
WHEN 地域 IN ("Aichi", "Shizuoka", "Gifu", "Mie") THEN "東海"
WHEN 地域 IN ("Osaka", "Hyogo", "Kyoto", "Shiga", "Nara", "Wakayama") THEN "関西"
WHEN 地域 IN ("Okayama", "Hiroshima", "Shimane", "Tottori", "Yamaguchi", "Tokushima", "Ehime", "Kagawa", "Kochi") THEN "中・四国"
WHEN 地域 IN ("Fukuoka", "Kumamoto", "Kagoshima", "Saga", "Nagasaki", "Oita", "Miyazaki") THEN "九州・沖縄"
ELSE "その他"
END

上記のコードを反映することで地域ごとの分類でセッション数などを出すことができます。
参考サイト:https://googleanalytics-laboratory.com/columns/5

3.ユーザー数に対してのCVの割合

CVの割合を出す際に、新規ユーザーからのCVかリピートのユーザーからのCVを出すことで、新規で流入での課題かリピートに対しての課題があるかを明確にすることができます。

ユーザーの状態に合わせたデータを取得することで、ユーザーが欲しい情報を提供することや導線の設計を見直す指標になります。

  1. 計算フィールドの追加
  2. 計算フィールドに計算式を反映
  3. グラフに表示
HTML
総ユーザー数 / コンバージョン

事前にキーイベントの設定は必ず行う必要がありますのでご注意ください。
キーイベントの設定をしてない場合は別途設定を行なってからレポートを作成してください。

4.曜日を日本語表示に変換

looker studio特有のバグのようなもので曜日を表示させると1つだけ数値が表示されるものがあります。
それを正しく曜日として表示させるためには別途計算式を追加する必要があります。

新しく計算式を作成することで曜日が正しく表示されたものを表示することができます。

HTML
CASE
WHEN Weekday_DECIMAL = 0 THEN '日'
WHEN Weekday_DECIMAL = 1 THEN '月'
WHEN Weekday_DECIMAL = 2 THEN '火'
WHEN Weekday_DECIMAL = 3 THEN '水'
WHEN Weekday_DECIMAL = 4 THEN '木'
WHEN Weekday_DECIMAL = 5 THEN '金'
WHEN Weekday_DECIMAL = 6 THEN '土'
ELSE 'other'
END

計算フィールドの応用テクニック

CASE文の活用

複雑な条件分岐を実現するCASE文の例:

CASE
  WHEN 売上 >= 1000000 THEN "ハイバリュー"
  WHEN 売上 >= 500000 THEN "ミドル"
  ELSE "ロー"
END

日付関数の活用

時系列分析に役立つ日付関数の例:

DATEDIFF(現在の日付, 登録日, "DAY")


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よくあるトラブルシューティング

エラーメッセージの解決方法

1.構文エラー

計算式を追加してもエラーになる場合は追加することができません。追加することができない場合は計算式があっているかを再度確認してください。

  • 原因:カッコの対応や演算子の使い方が間違っている
  • 解決:式の構造を見直す

2.データが表示されない

データが表示されない場合が多々あります。その際にはページを更新するまたデータを更新するなどを行なってください。それでも表示されない場合は、下記の手順を行うと表示されることがあります。

  • 原因:正しくデータが取得できてない
  • 解決:データソースの再接続を実施

まとめ

計算フィールドは、Looker Studioの中でも特に重要な機能の一つです。基本的な使い方を押さえ、徐々に応用的な活用方法を学んでいくことで、より深いデータ分析が可能になります。Looker Studioのデータ参照でお困りの方はお気軽にご相談ください。ご相談はこちら

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