エンジニアの転職活動において、GitHubの重要性が年々高まっています。2025年現在、Web系企業を中心に採用担当者の約70%がGitHubアカウントを確認すると言われており、技術力を証明する有力なツールとして定着しています。
本記事では、エンジニア転職におけるGitHub活用の具体的なメリット5つとデメリット5つを徹底解説します。さらに、未経験者から経験者まで、それぞれのレベルに応じた効果的な使い方や、メルカリ・サイバーエージェントなど先進企業の評価基準、転職エージェント活用法まで網羅的にお伝えします。
「GitHubは必須なのか」「何をどう公開すればいいのか」「デメリットはないのか」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
GitHubとは?基本的な役割と機能
GitHubは、Gitというバージョン管理システムを使ったソースコード管理プラットフォームです。世界中で1億人以上の開発者が利用しており、コードの変更履歴を記録・共有できることから、チーム開発には欠かせないツールとなっています。
エンジニアの転職活動においては、以下の3つの役割で活用されています。
バージョン管理システムとしての役割
プロジェクトのコード変更履歴を細かく記録できるため、「いつ・誰が・何を変更したか」が明確になります。これにより、バグが発生した際の原因特定や、以前のバージョンへの巻き戻しが容易になります。実務でGitHubを使用した経験があることは、チーム開発への適応力を示す重要な指標です。
ポートフォリオとしての機能
自分が作成したプロジェクトを公開リポジトリとして保存することで、採用担当者に実際のコードを見てもらえます。履歴書や職務経歴書では伝えきれない技術スタック、コーディングスタイル、設計思想などを具体的にアピールできる点が大きな強みです。
開発者コミュニティとしての側面
オープンソースプロジェクトへの貢献や、他の開発者とのコードレビュー、技術的な議論の履歴が残ります。これにより、単独での開発能力だけでなく、コミュニケーション能力や協調性も評価されます。特にグローバル企業への転職では、英語でのissueやプルリクエストのやり取りが高く評価されることもあります。
転職市場におけるGitHub活用の現状【2025年】
2025年の転職市場では、GitHubの活用度が企業規模や業界によって大きく異なる状況が続いています。
企業の採用におけるGitHub確認率のデータ
レバテックキャリアの2024年調査によると、Web系自社開発企業の採用担当者のうち72%が「選考過程でGitHubアカウントを確認する」と回答しています。一方、SIerや受託開発企業では38%にとどまり、業界による温度差が顕著です。
スタートアップ企業では、書類選考の段階でGitHubのURLを必須項目としているケースも増えており、特にエンジニア採用に力を入れている企業ほどその傾向が強くなっています。
業界別・企業規模別の重要度の違い
Web系自社サービス開発企業では、GitHubがほぼ必須となっています。モダンな開発環境を整えている企業ほど、実際のコードを見て技術力を判断したいというニーズが強いためです。
一方、業務系システム開発や金融系システムを扱うSIerでは、セキュリティ上の理由からコードの公開自体が難しいケースが多く、GitHub提示の優先度は低くなります。企業規模で見ると、スタートアップから中堅企業では重視される傾向が強く、大手企業では部署や事業内容によって判断が分かれます。
メルカリ、サイバーエージェント等の先進企業事例
メルカリの採用プロセスでは、技術面接の前にGitHubアカウントの確認が行われ、コードの質やコミット頻度が評価対象となっています。同社のエンジニアブログでは「実際に手を動かして開発している人を採用したい」という方針が明言されており、GitHubは重要な判断材料の一つです。
サイバーエージェントでも、特にゲーム事業やメディア事業の開発職では、GitHubでのOSS活動やオリジナルプロジェクトが高く評価されます。同社の採用担当者によれば、「スターが付いているリポジトリや、継続的にコミットしているアカウントは面接で話題にしやすい」とのことです。
GitHubが必須の企業・任意の企業の見分け方
転職活動を効率的に進めるには、応募先企業がGitHubをどの程度重視しているかを事前に把握することが重要です。
Web系企業とSIerの違い
Web系企業、特にRuby on RailsやReact、Node.jsなどモダンな技術スタックを採用している企業では、GitHubの提示がほぼ必須です。これらの企業は開発文化としてオープンソースを重視しており、コードレビューやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)などの開発プロセスにGitHubを活用しています。
一方、SIerや業務系システム開発企業では、顧客情報や業務ロジックの機密性が高いため、コードの外部公開を推奨しない文化があります。こうした企業では、GitHubよりも資格(基本情報技術者、応用情報技術者など)や実務経験年数が重視される傾向にあります。
求人票でのGitHub言及の読み解き方
求人票で「GitHubアカウントがあれば歓迎」「ポートフォリオ提出推奨」といった記載がある場合、実質的には必須と考えた方が良いでしょう。特に「必須」と明記されている場合は、書類選考の段階で確認される可能性が高くなります。
逆に、求人票にGitHubやポートフォリオに関する記載が一切ない場合は、重視されていない可能性があります。ただし、記載がなくても実際には確認されることもあるため、準備しておくに越したことはありません。
スタートアップと大手企業の温度差
スタートアップ企業、特にシード〜シリーズA段階の企業では、少数精鋭で開発を進めるため、即戦力となる技術力の証明が強く求められます。そのため、GitHubでの実績が採用の決め手になることも珍しくありません。
大手企業では、新卒採用や第二新卒採用ではポテンシャル重視のため、GitHubの重要度は相対的に下がります。ただし、中途採用でシニアエンジニアやテックリードなどのポジションを目指す場合は、技術的リーダーシップを示すためにGitHubでの活動実績が有効です。
【メリット1】実際のコードでスキルを実証できる
エンジニア転職において、GitHubの最大のメリットは、言葉では説明しにくい技術力を具体的なコードで証明できることです。
履歴書・職務経歴書では伝わらない技術力の可視化
職務経歴書に「JavaScript、React、TypeScriptを使用した開発経験3年」と記載しても、実際のスキルレベルは伝わりません。しかし、GitHubで実際のReactアプリケーションのコードを公開すれば、採用担当者やエンジニアリングマネージャーは以下のポイントを直接確認できます。
- コンポーネントの設計思想(状態管理の方法、再利用性の高さ)
- TypeScriptの型定義の適切さ
- エラーハンドリングやエッジケースへの対応
- パフォーマンス最適化への配慮
これにより、「本当にその技術が使えるのか」という採用側の不安を解消できます。
コミット履歴による継続的な学習姿勢のアピール
GitHubのContribution graph(草と呼ばれる活動履歴)は、日々の学習や開発への取り組みを視覚的に示します。定期的にコミットしているアカウントは、「技術トレンドをキャッチアップし続けている」「自己学習の習慣がある」という印象を与えます。
特に転職活動中に学習用のリポジトリを作成し、新しい技術スタックに挑戦している様子を見せることで、成長意欲の高さをアピールできます。例えば、「Next.js 14のApp Routerを使った個人プロジェクト」などの新しい技術への取り組みは、採用担当者に好印象を与えます。
採用担当者が評価するポイント(コード品質、設計思想)
採用担当者がGitHubで特に注目するのは、以下のような点です。
- 可読性の高いコード: 適切な変数名、関数名、コメントの使用
- 保守性への配慮: モジュール化、DRY原則の適用、適切なディレクトリ構造
- テストコードの有無: ユニットテスト、統合テストの実装
- ドキュメント: README、コメント、API仕様書などの充実度
これらの要素は、単に「動くコード」を書けるだけでなく、チームで長期的にメンテナンスできるコードを書ける能力を示します。
【メリット2】問題解決能力と思考プロセスを示せる
GitHubは単にコードを保存する場所ではなく、開発の過程そのものを記録できるプラットフォームです。
issueやプルリクエストでの議論履歴
オープンソースプロジェクトへの貢献では、issueでのバグ報告や機能提案、プルリクエストでのコードレビューのやり取りが残ります。これらは、以下のスキルを証明する材料になります。
- 問題の本質を見極める分析力
- 解決策を論理的に説明するコミュニケーション力
- レビューでの指摘を受け入れ改善する柔軟性
例えば、「〇〇の機能が△△の環境で動作しない」という問題に対して、環境調査、再現手順の特定、修正コードの提案、テストまで一貫して行っている履歴があれば、実務レベルの問題解決能力を示せます。
バグ修正やリファクタリングの過程
個人プロジェクトでも、コミット履歴を見れば開発の思考プロセスが分かります。「最初はベタ書きしていたコードを、後からクラス化してリファクタリング」「パフォーマンス問題を発見し、最適化を実施」といった改善の過程は、技術的な成長意欲を示します。
特に、コミットメッセージを丁寧に書くことで、「なぜこの変更を行ったのか」「どのような問題を解決したのか」が明確になり、採用担当者の理解を助けます。
チーム開発への適応力の証明
複数人でのプロジェクト開発や、プルリクエストベースの開発フローを経験していることは、実務におけるチーム開発への適応力を示します。ブランチの切り方、マージの方法、コンフリクトの解決といった実践的なスキルは、入社後の立ち上がりの早さに直結します。
【メリット3】業務ツールへの習熟度をアピールできる
現代のソフトウェア開発では、Git/GitHubは必須ツールとなっています。
現場で使われるGit/GitHubの実務経験
多くの企業では、GitHubまたはGitLabなどのGitベースのツールを使用しています。GitHubの使用経験があれば、以下のような基本的なワークフローを理解していることを示せます。
- リポジトリのクローン、ブランチの作成
- コミット、プッシュ、プルリクエストの作成
- コードレビューの依頼と対応
- マージコンフリクトの解決
これらは新人エンジニアが最初に習得すべきスキルであり、すでに経験があれば研修期間を短縮できます。
ブランチ戦略やレビュープロセスの理解
Git-flowやGitHub-flowといったブランチ戦略を理解し、実践していることは、より高度な開発プロセスへの理解を示します。個人プロジェクトでも、以下のような工夫をすることで、実務レベルの知識をアピールできます。
- feature/○○、fix/△△などのブランチ命名規則の採用
- Pull Requestテンプレートの使用
- GitHub Actionsを使った自動テストやデプロイ
即戦力としての評価向上
GitHubでの開発経験は、「入社初日から開発に参加できる」という即戦力性の証明になります。特に中小企業やスタートアップでは、教育リソースが限られているため、ツールの使い方から教える必要のない人材は貴重です。
【メリット4】ポートフォリオとして差別化できる
転職市場では、同じようなスキルセットを持つ候補者が多数存在します。GitHubは、その中で自分を差別化する強力なツールです。
成果物とソースコードの同時提示
一般的なポートフォリオサイトでは、完成したアプリケーションのスクリーンショットやデモ動画を掲載しますが、GitHubではそれに加えて実装の詳細まで見せられます。これにより、「見た目だけのアプリ」ではなく、「内部実装もしっかりしたアプリ」であることを証明できます。
例えば、ToDoアプリを作った場合、以下のような情報を提示できます。
- デプロイされた実際のアプリ(Vercel、Netlifyなど)
- ソースコード全体
- 使用した技術スタック(package.jsonなどから確認可能)
- 開発過程(コミット履歴)
- 技術的な工夫(READMEでの説明)
README記述による説明力のアピール
優れたREADMEファイルは、技術的なドキュメント作成能力とコミュニケーション能力を示します。以下の要素を含むREADMEは、高く評価されます。
- プロジェクトの概要と目的
- 使用技術スタック
- セットアップ手順
- 機能一覧
- 技術的なチャレンジポイント
- スクリーンショットやデモGIF
特に「なぜこの技術を選んだのか」「どのような課題を解決したのか」といった背景説明があると、思考プロセスまで伝わります。
面接通過率向上の具体的データ
レバテックキャリアの調査では、GitHubアカウントを提出した候補者は、提出しなかった候補者と比較して、書類選考通過率が約1.5倍、最終面接通過率が約1.3倍高いという結果が出ています。
特に未経験からの転職や、異業種からのキャリアチェンジの場合、実務経験が少ない分、GitHubでの学習成果が重要な判断材料となります。
【メリット5】OSSコミュニティへの貢献実績を示せる
オープンソースソフトウェア(OSS)への貢献は、技術コミュニティへの参加姿勢と高度なスキルを示す最高の証明です。
オープンソースプロジェクトへの参加履歴
React、Vue.js、TypeScriptなどの有名OSSプロジェクトへのコントリビュート実績は、極めて高く評価されます。小さなドキュメント修正やバグ修正でも、以下のような価値があります。
- グローバルな開発者とのコラボレーション経験
- 大規模コードベースの理解力
- 厳しいコードレビューをクリアする技術力
- 英語でのコミュニケーション能力
技術コミュニティでの評価・認知
自分が作成したOSSライブラリやツールが多くのスターを獲得していたり、他のプロジェクトで使用されていたりする場合、技術者としての影響力を示せます。npmパッケージの週間ダウンロード数や、GitHubのスター数は、客観的な評価指標となります。
グローバル企業への転職での優位性
外資系IT企業や、グローバル展開している日本企業では、OSSへの貢献が採用の重要な判断材料になることがあります。Google、Microsoft、Metaなどの企業は自社製品の多くをOSSとして公開しており、OSSコミュニティでの活動を高く評価する文化があります。
実際に、国内でもメルカリやLINE、サイボウズなどの企業は、社員のOSS活動を推奨しており、応募者のOSS実績も選考で重視しています。
【デメリット1】継続的なメンテナンス負担が発生する
GitHubアカウントを転職活動で活用する場合、一度公開したら終わりではありません。
更新が止まったリポジトリの印象リスク
最終コミットが2年前、3年前のリポジトリばかりだと、「現在は技術学習をしていないのでは」「モチベーションが低いのでは」という印象を与えかねません。特に技術トレンドの変化が激しいWeb開発の分野では、継続的な学習姿勢が重視されます。
採用担当者の中には、「GitHubの草(Contribution graph)が緑色になっているか」を確認する人もおり、活動が止まっているアカウントはマイナス評価になる可能性があります。
定期的なコミットの必要性
理想的には、週に2〜3回程度のコミットがあると、「継続的に開発している」という印象を与えられます。ただし、無理に意味のないコミットをする必要はなく、以下のような活動でも十分です。
- 学習記録用のリポジトリへの更新
- 既存プロジェクトのREADMEの改善
- バグ修正やリファクタリング
- 新しい技術の検証用プロジェクト
本業との両立における時間管理
現職で働きながら転職活動をする場合、GitHubの更新に時間を割くのは簡単ではありません。仕事後や週末の限られた時間で、ポートフォリオ作成と技術学習を両立する必要があります。
そのため、完璧を目指さず、「小さく始めて継続する」ことが重要です。1日30分でもコードを書く習慣を作ることで、長期的には大きな成果につながります。
【デメリット2】コード品質が厳しく評価される
GitHubでコードを公開することは、自分の技術力をさらけ出すことでもあります。
低品質なコードによる逆効果
「何もないよりはマシ」と思って低品質なコードを公開すると、かえってマイナス評価になることがあります。特に以下のような問題があるコードは避けるべきです。
- 変数名や関数名が意味不明(a、b、funcなど)
- インデントがバラバラ
- コメントが全くない、または不適切
- ハードコードだらけ
- エラーハンドリングが存在しない
- セキュリティ上の問題(APIキーがベタ書きなど)
経験者ほど求められる水準の高さ
職務経歴書で「実務経験5年」と記載しているのに、GitHubのコードが初学者レベルだと、「本当にその経験があるのか」と疑われます。経験年数に見合ったコード品質が求められるため、公開前に以下の点を確認しましょう。
- リンターやフォーマッター(ESLint、Prettierなど)の適用
- 適切なコメントとドキュメント
- テストコードの存在
- ベストプラクティスに沿った実装
レビュアー負担への配慮
採用担当者や現場エンジニアは、複数の候補者のGitHubを確認します。コードが読みにくい、構造が複雑すぎる、といった理由で確認に時間がかかると、それだけで印象が悪くなる可能性があります。
「他人が読むこと」を前提に、分かりやすく、シンプルなコードを心がけることが重要です。
【デメリット3】機密情報・企業コードの取り扱いリスク
GitHubでのコード公開には、法的リスクが伴うことを理解する必要があります。
情報漏洩による法的問題
現職または前職の業務で作成したコードを無断でGitHubに公開すると、以下のような法的問題に発展する可能性があります。
- 秘密保持契約(NDA)違反
- 著作権侵害
- 不正競争防止法違反
- 懲戒処分、損害賠償請求
特に、顧客情報、APIキー、データベースの接続情報などが含まれていた場合、重大なセキュリティインシデントとなります。
前職コードの公開禁止事項
基本的に、業務で作成したコードの著作権は会社に帰属します。そのため、以下のような行為は避けるべきです。
- 業務コードをそのまま公開
- 業務コードを少し改変して公開
- 業務で使用した独自のライブラリやツールの公開
- 顧客向けに作成したシステムのコード公開
安全なポートフォリオ作成方法
GitHubでポートフォリオを作成する際は、完全にオリジナルのプロジェクトを作成しましょう。以下のアプローチが安全です。
- 個人的な課題を解決するツールの開発
- チュートリアルを参考にしつつ、独自機能を追加
- オープンデータを使ったアプリケーション
- 架空のサービスを想定した練習プロジェクト
また、公開前に以下を必ず確認してください。
- .envファイルがgitignoreされているか
- APIキーや秘密情報がハードコードされていないか
- 個人情報やテストデータが含まれていないか
【デメリット4】企業文化によっては評価されない
すべての企業がGitHubを重視しているわけではありません。
SIer・業務系保守企業での優先度
大手SIerや、金融機関向けシステム開発を行う企業では、以下の理由でGitHubの優先度が低くなります。
- 案件の機密性が高く、コード公開の文化がない
- ウォーターフォール開発が主流で、アジャイルやDevOpsの浸透度が低い
- 資格(情報処理技術者試験など)や業務経験年数が重視される
- 使用言語が古い(COBOLやVBAなど)ため、GitHub上の事例が少ない
こうした企業では、GitHubよりも以下の要素が重視されます。
- 大規模プロジェクトでの経験
- 上流工程(要件定義、基本設計)の経験
- ベンダー資格(Oracle、SAP、Ciscoなど)
- 顧客折衝や提案書作成の経験
ポートフォリオ不要の求人ケース
以下のような求人では、ポートフォリオの提出が求められないことがあります。
- 新卒・第二新卒採用(ポテンシャル重視)
- 社内SE(既存システムの保守・運用が中心)
- インフラエンジニア、ネットワークエンジニア(コーディングが主業務でない)
- マネジメント職(PMやテックリード)
GitHub以外のアピール方法
GitHubが評価されない企業でも、以下の方法で技術力をアピールできます。
- 技術ブログでの発信(Qiita、Zenn、個人ブログ)
- 勉強会やカンファレンスでの登壇実績
- 資格取得(AWS、GCP、Azure、セキュリティ関連)
- 業務での具体的な成果(パフォーマンス改善、コスト削減など)
【デメリット5】初心者には準備ハードルが高い
プログラミング初学者や未経験からの転職を目指す人にとって、GitHubの活用にはハードルがあります。
未経験者のリポジトリ作成難易度
GitHubを使いこなすには、以下のような知識が必要です。
- Gitの基本コマンド(clone、add、commit、push、pull)
- ブランチの概念と操作
- マークダウン記法(READMEの記述)
- ターミナル・コマンドラインの操作
- SSH鍵の設定
これらを学ぶだけでも、初学者には数週間から数ヶ月かかることがあります。
何を公開すべきか迷う問題
未経験者がGitHubで最も悩むのが、「何をポートフォリオとして公開すべきか」という点です。以下のような不安を抱える人が多くいます。
- チュートリアルの内容をそのまま公開していいのか
- オリジナリティがないと意味がないのか
- コードの質が低いと逆効果ではないか
- どの程度の規模のプロジェクトが必要か
実際には、完璧である必要はなく、「学習の過程を示す」「成長を見せる」ことに価値があります。
プログラミングスクール活用のすすめ
未経験者がGitHubを効果的に活用するには、プログラミングスクールの利用が有効です。以下のようなメリットがあります。
- カリキュラムに沿って体系的に学べる
- 講師のコードレビューを受けられる
- ポートフォリオ作成のサポートがある
- GitHubの使い方も含めた実践的なスキルを習得できる
DMM WEBCAMP、テックアカデミー、RUNTEQ、ポテパンキャンプなどのスクールでは、卒業制作としてオリジナルアプリを開発し、GitHubで公開するカリキュラムが組まれています。
採用担当者が見ているポイント
経験者のGitHubアカウントを確認する際、採用担当者は以下の点に注目しています。
Contribution graphの活動頻度
Contribution graph(通称「草」)は、過去1年間の活動を視覚化したものです。理想的なパターンは以下の通りです。
- 週に2〜3回以上のコミットがある
- 長期間の空白期間がない
- 休日も含めて継続的に活動している
ただし、草を生やすこと自体が目的化して、無意味なコミットを重ねるのは本末転倒です。実際の学習や開発に伴う自然なコミットを心がけましょう。
Star/Forkされているリポジトリの有無
他の開発者からスターやフォークを獲得しているリポジトリは、コミュニティから評価されている証拠です。特に以下のような実績は高く評価されます。
- スター数が100以上のリポジトリ
- npmパッケージとして公開され、実際に使用されているライブラリ
- 複数の開発者がコントリビュートしているプロジェクト
- 有名OSSプロジェクトへのマージされたプルリクエスト
READMEの充実度とドキュメント力
優れたREADMEは、以下の要素を含んでいます。
- プロジェクトの目的と概要(What)
- 作成した背景や解決したい課題(Why)
- 技術スタック(使用言語、フレームワーク、ライブラリ)
- セットアップ・実行手順
- 機能一覧
- デモサイトやスクリーンショット
- 技術的なチャレンジポイント
- ライセンス情報
特に「技術的なチャレンジポイント」の記述は重要です。「なぜその技術を選んだのか」「どのような工夫をしたのか」を説明することで、思考プロセスと技術的な判断力を示せます。
効果的なリポジトリ構成のベストプラクティス
評価されるGitHubアカウントを作るには、戦略的なリポジトリ構成が必要です。
プロジェクト選定(オリジナルアプリ vs OSS貢献)
理想的なポートフォリオは、以下の3種類のリポジトリを組み合わせたものです。
- オリジナルWebアプリケーション(1〜2個)
実際に使えるレベルのアプリケーション。フロントエンドとバックエンドの両方を実装し、デプロイまで完了していることが望ましい。例: タスク管理アプリ、SNS、ECサイトなど - 技術検証・学習用リポジトリ(2〜3個)
新しい技術やフレームワークを試したもの。READMEに学習内容や気づきを記録することで、継続的な学習姿勢を示せる。例: Next.js 14のApp Router検証、React Server Components実験など - OSS貢献実績
有名OSSプロジェクトへのプルリクエスト。ドキュメント修正やバグ修正など、小さな貢献でも価値がある
コード品質を保つレビュー習慣
経験者として評価されるには、以下のような品質管理の習慣が重要です。
- ESLintやPrettierによるコード整形
- TypeScriptによる型安全性の確保
- Huskyを使ったpre-commitフックでの品質チェック
- ブランチ戦略(feature、develop、mainなど)の採用
- プルリクエストを使ったセルフレビュー
個人開発でも、これらを実践することで「実務レベルの開発プロセスを理解している」ことを示せます。
テストコード・CI/CD設定の有無
テストコードとCI/CD設定は、経験者と初学者を分ける重要な要素です。以下のような実装があると、大きく評価されます。
- Jestやvitestによるユニットテスト
- Playwrightによるエンドツーエンドテスト
- GitHub Actionsによる自動テスト実行
- Vercel、Netlify、AWS等への自動デプロイ
- テストカバレッジの表示(Codecovなど)
これらは「品質を重視した開発」「チームでの開発を想定した設計」を示し、即戦力性をアピールできます。
プロフィール・READMEの最適化
GitHubのプロフィールページは、あなたの第一印象を決める重要な要素です。
自己紹介と技術スタックの明記
プロフィールページ(プロフィールREADME)には、以下の情報を含めましょう。
## About Me
フルスタックエンジニア。Web系自社サービス開発に3年従事。
現在はReact/Next.js × TypeScript × AWSでのモダンな開発に注力。
## Tech Stack
- Frontend: React, Next.js, TypeScript, TailwindCSS
- Backend: Node.js, Express, NestJS
- Database: PostgreSQL, MongoDB
- Infra: AWS (EC2, S3, CloudFront, Lambda), Docker
- Other: Git, GitHub Actions, Jest, Playwright
## Currently Learning
- Go言語でのバックエンド開発
- Kubernetes, ArgoCD
## Contact
- Email: example@example.com
- Twitter: @example
- Portfolio: https://example.com
Pinned repositoriesの戦略的活用
GitHubでは、最大6個のリポジトリをプロフィールページにピン留めできます。以下の基準で選びましょう。
- 最も自信のあるオリジナルプロジェクト
- 技術スタックが多様なプロジェクト(フロント、バック、インフラ)
- スター数が多いリポジトリ
- 継続的に更新しているプロジェクト
- 応募先企業の技術スタックに近いプロジェクト
古いプロジェクトや、学習初期の低品質なプロジェクトはピン留めしないようにしましょう。
連絡先・ポートフォリオサイトのリンク
プロフィールには、以下のリンクを設定しておくと、採用担当者が詳細情報にアクセスしやすくなります。
- ポートフォリオサイト(NotionやGitHub Pagesで作成)
- 技術ブログ(Qiita、Zenn、個人ブログ)
- Twitter(技術的な発信をしている場合)
特にポートフォリオサイトでは、プロジェクトの詳細、技術的な工夫、成果などをGitHubよりも分かりやすく説明できます。
プログラミングスクールの成果物活用法
未経験者がGitHubを活用する最も確実な方法は、プログラミングスクールでの成果物を公開することです。
DMM WEBCAMP、テックアカデミー等の課題公開
多くのプログラミングスクールでは、カリキュラムの一環としてポートフォリオ作成が含まれています。これらをGitHubで公開する際は、以下の点に注意しましょう。
- スクールの規約で公開が許可されているか確認
- 課題をそのまま公開するのではなく、独自機能を追加
- READMEでスクールで学んだことと、自主的に追加した部分を明記
例えば、DMM WEBCAMPの卒業制作では、Railsを使ったWebアプリケーション開発が課題となりますが、以下のような独自要素を加えることで差別化できます。
- APIの追加実装(外部サービスとの連携)
- フロントエンドの強化(React導入など)
- デプロイとCI/CD設定
- テストコードの追加
オリジナルアプリ開発の重要性
スクールの課題だけでなく、完全にオリジナルのアプリを1つ作ることを強くおすすめします。採用担当者は以下のポイントを評価します。
- 自分で企画・設計したか
- どのような課題を解決するアプリか
- 技術選定の理由を説明できるか
- ユーザー視点での機能設計ができているか
オリジナルアプリのテーマ例:
- 自分の趣味や興味に関連したもの(読書管理、筋トレ記録など)
- 日常の不便を解決するツール(家計簿、献立提案など)
- 学習を効率化するアプリ(単語帳、学習記録など)
スクール提供テンプレートからの差別化
多くのスクール生が同じテンプレートやカリキュラムで学ぶため、成果物が似通ってしまう問題があります。以下の方法で差別化しましょう。
- UIデザインのカスタマイズ(TailwindCSSやMUIの活用)
- 独自の機能追加(ソート、フィルター、検索など)
- パフォーマンス最適化(遅延読み込み、キャッシュなど)
- レスポンシブデザインの徹底
- アクセシビリティ対応(WAI-ARIA、キーボード操作など)
学習過程を見せる効果的なコミット戦略
未経験者の場合、完成度の高いプロジェクトよりも「学習の過程」を見せることが重要です。
少量でも定期的なコミットの価値
毎日30分でも良いので、継続的に学習し、その成果をコミットする習慣が大切です。以下のような活動でも十分です。
- 今日学んだJavaScriptの文法を試すコード
- Reactのチュートリアルを進めたコミット
- 既存コードのリファクタリング
- READMEへの学習メモの追加
コミットメッセージも丁寧に書きましょう。「update」「fix」だけでなく、「ユーザー認証機能を追加」「バリデーションロジックを修正」など、具体的な内容を記述します。
学習メモ・アウトプット用リポジトリ
「Today I Learned (TIL)」リポジトリを作成し、日々の学習内容をマークダウンでまとめる方法も効果的です。
my-til/
├── javascript/
│ ├── array-methods.md
│ ├── promise-async.md
│ └── closure.md
├── react/
│ ├── hooks-basic.md
│ ├── state-management.md
│ └── performance-optimization.md
└── README.md
このようなリポジトリは、以下のメリットがあります。
- 継続的な学習姿勢を示せる
- 学んだ内容を整理・定着させられる
- 後から見返せる知識ベースになる
- 技術ブログのネタになる
Qiita等外部発信との連携
GitHubでのコード公開に加えて、Qiita、Zenn、個人ブログで技術記事を書くことで、相乗効果が生まれます。
- 記事の中でGitHubリポジトリを紹介
- GitHubのREADMEから記事へリンク
- 学習過程を記事化(「React初学者が○○を作ってみた」など)
記事執筆は、技術理解の深化とアウトプット能力の向上につながり、採用担当者への強いアピールになります。
未経験者が避けるべきGitHub活用の失敗例
良かれと思ってやったことが、逆効果になるケースもあります。
チュートリアルコピーだけのリポジトリ
UdemyやYouTubeのチュートリアルをそのままコピーしただけのリポジトリは、ほとんど評価されません。以下の理由からです。
- 自分で考えて作った証拠がない
- 他の受講生と全く同じ内容
- 技術的な理解度が測れない
チュートリアルを活用する場合は、以下のように工夫しましょう。
- 完了後に独自機能を追加する
- 別の技術スタックで再実装してみる
- READMEで学んだことと課題を詳しく説明
説明不足で意図が伝わらないコード
コードだけあってREADMEがない、またはREADMEが「練習用」の一言だけ、というリポジトリは評価されません。最低限、以下を記載しましょう。
- このプロジェクトが何をするものか
- なぜ作ったのか(学習目的、課題解決など)
- 使用技術
- 実行方法
- 今後の改善点
古い技術スタックの放置
1年前、2年前に作ったプロジェクトを放置していると、依存ライブラリが古くなり、セキュリティ警告が表示されることがあります。これは「メンテナンスしていない」という印象を与えます。
定期的に以下を実施しましょう。
- npm updateやyarn upgradeでの依存関係更新
- セキュリティ警告への対応
- 非推奨APIの修正
- 最新のベストプラクティスへの更新
レバテックダイレクト等エージェントでの推奨事例
転職エージェントを利用する際、GitHubを効果的に活用することで、より良い求人にアクセスできます。
職務経歴書とGitHubの連携方法
レバテックキャリア、レバテックダイレクト、Greenなどのエンジニア特化型エージェントでは、職務経歴書にGitHubのURLを記載する欄があります。効果的な連携方法は以下の通りです。
- 職務経歴書の「技術スタック」セクションで、GitHubの対応リポジトリへリンク
- 「実績」セクションで、GitHubで公開しているプロジェクトを紹介
- 自己PRで、GitHubでの継続的な学習姿勢に言及
例:
【技術スタック】
- React, Next.js, TypeScript
実装例: https://github.com/username/nextjs-blog
- Python, FastAPI
実装例: https://github.com/username/fastapi-rest-api
エージェント経由での企業への見せ方
エージェント経由で応募する場合、エージェントが企業にあなたを推薦する際に、GitHubが有力な材料になります。以下のポイントを意識しましょう。
- エージェントとの面談時に、GitHubの見どころを説明
- 応募企業の技術スタックに合ったリポジトリをピン留め
- エージェントに「この企業には、このリポジトリを特にアピールしてほしい」と伝える
スカウト獲得のためのプロフィール最適化
レバテックダイレクトやBizreach、Forkwellなどのスカウト型サービスでは、GitHubの充実度がスカウト率に直結します。
- プロフィールに希望職種、経験年数、得意技術を明記
- README.mdで自己紹介と技術スタックを詳しく説明
- ピン留めリポジトリは定期的に見直す
- 活動を継続し、Contribution graphを緑に保つ
実際に、スター数100以上のリポジトリがあるエンジニアは、スカウト受信率が通常の3〜5倍になるというデータもあります。
メルカリ・サイバーエージェント等先進企業の評価基準
技術力を重視する先進企業では、GitHubが選考の重要な判断材料になります。
技術面接でのGitHub提示の実例
メルカリの技術面接では、GitHubアカウントを事前に提出し、面接時に以下のような質問がされます。
- 「このリポジトリで一番苦労した点は?」
- 「なぜこの技術スタックを選んだのですか?」
- 「コードレビューで指摘されたら、どう対応しますか?」
- 「このコードで改善したい点はありますか?」
これらの質問に答えるには、自分のコードを深く理解し、技術選定の背景を説明できることが必要です。
コードレビュー文化への適合性
メルカリやサイバーエージェントなどの企業では、コードレビューが開発プロセスの中心です。GitHubでの以下の活動は、この文化への適合性を示します。
- プルリクエストでのセルフレビューコメント
- issueでの技術的な議論
- 他人のコードへの建設的なフィードバック
- レビューコメントを受けての改善履歴
OSS貢献を重視する企業リスト
以下の企業は、OSSへの貢献を高く評価する傾向があります。
- メルカリ(自社OSSプロジェクトも多数公開)
- サイバーエージェント(AbemaTVなどのOSS公開)
- LINE(LINE SDK、LINE Botなど)
- サイボウズ(kintoneプラグインなど)
- クックパッド(Ruby on Railsへの貢献多数)
- freee(会計APIのライブラリなど)
これらの企業への応募を考えている場合、応募前に関連するOSSプロジェクトに少しでも貢献しておくと、話題作りになります。
Web系企業 vs SIerでの活用温度差
業界によるGitHubの重要度の違いを理解し、応募戦略を立てましょう。
業界別GitHub重要度マトリックス
| 企業タイプ | GitHub重要度 | 評価ポイント |
|---|---|---|
| Web系スタートアップ | 即戦力性、技術スタック適合 | |
| Web系自社サービス | コード品質、継続学習 | |
| SES・受託開発 | 基礎力、コミュニケーション | |
| 大手SIer | 資格、プロジェクト経験 | |
| 社内SE | 幅広い知識、保守スキル |
自社サービス開発企業での必須度
メルカリ、Sansan、SmartHR、freee、ラクスルなど、自社プロダクトを持つ企業では、GitHubはほぼ必須です。これらの企業では、以下の理由でGitHubが重視されます。
- 継続的なサービス改善が必要で、コード品質が重要
- チーム開発の経験が求められる
- 最新技術へのキャッチアップ能力が必須
- 技術的な自走力が重視される
受託開発・SESでの位置づけ
受託開発やSES企業では、GitHubの重要度は相対的に低くなります。理由は以下の通りです。
- 顧客の指定技術を使うため、個人の技術スタックが重視されにくい
- プロジェクトごとに技術が変わるため、特定技術の深い知識より幅広さが求められる
- 顧客折衝やドキュメント作成など、コーディング以外のスキルも重要
ただし、受託開発企業でもモダンな技術を扱う企業(RailsやReactでの開発が主流など)では、GitHubが評価されることもあります。
GitHubが必須でない企業や、コード公開が難しい状況でも、他の方法で技術力をアピールできます。
ポートフォリオサイトでの代替
GitHubに代わるポートフォリオ提示方法として、専用サイトの作成があります。
Notion、Wantedly等での作品公開
Notionは、エンジニアのポートフォリオとして人気が高まっています。以下のメリットがあります。
- ノーコードで見栄えの良いページを作成できる
- プロジェクトの説明を画像や動画を交えて分かりやすく提示
- 技術的な知識がない採用担当者にも理解しやすい
- 更新が簡単
Notionポートフォリオに含めるべき内容:
- 自己紹介と経歴
- 技術スタック一覧
- プロジェクト詳細(目的、技術、成果、苦労した点)
- ブログ記事へのリンク
- 連絡先
デザイナー・フロントエンド向けプラットフォーム
特にフロントエンドエンジニアやUIエンジニアの場合、以下のプラットフォームも有効です。
- CodePen: HTML/CSS/JSのコードスニペットを公開
- Dribbble: UIデザインの作品を公開
- Behance: Webデザインのポートフォリオ
- Vercel/Netlify: デプロイしたアプリのデモサイト
これらを組み合わせることで、GitHubがなくても十分なアピールができます。
GitHub併用との相乗効果
理想的には、GitHubとポートフォリオサイトを併用することです。役割分担は以下の通りです。
- GitHub: コードの詳細、技術的な実装
- ポートフォリオサイト: プロジェクトの概要、ビジュアル、成果
例えば、ポートフォリオサイトで「タスク管理アプリを作成しました」と紹介し、デモサイトのリンクとGitHubリポジトリの両方を提示する形です。
技術ブログ・Qiita等での発信
コードを公開せずに技術力を示す方法として、技術記事の執筆があります。
アウトプット活動全般の評価
Qiita、Zenn、個人ブログでの技術記事投稿は、以下の能力を示します。
- 技術的な理解力(学んだことを言語化できる)
- コミュニケーション能力(分かりやすく説明できる)
- 継続的な学習姿勢(定期的な投稿)
- 技術コミュニティへの貢献意欲
特に、「LGTM(いいね)が多い記事」「トレンド入りした記事」があると、それ自体が実績になります。
SEO効果による企業からの発見
技術ブログで特定の技術について詳しく書いておくと、その技術を求めている企業の採用担当者が検索経由で見つけてくれることがあります。
例えば、「React Server Componentsの実装ガイド」という記事を書いておくと、React Server Componentsの経験者を探している企業からスカウトが来る可能性があります。
GitHub Pagesとの組み合わせ
GitHubでコードを公開しつつ、GitHub Pagesで技術ブログを運営する方法もあります。これにより、以下のメリットがあります。
- Gitでのバージョン管理ができる
- マークダウンで記事を書ける
- 無料でホスティングできる
- 独自ドメインを設定できる
Next.js、Gatsby、Hugoなどの静的サイトジェネレーターを使えば、高速で見栄えの良いブログを作れます。
実務経験・資格でのアピール
GitHubやポートフォリオ以外にも、技術力を証明する方法はあります。
職務経歴書の充実が最優先
結局のところ、実務経験が最も強力なアピール材料です。職務経歴書では、以下を具体的に記述しましょう。
- プロジェクトの規模(チーム人数、開発期間、ユーザー数)
- 担当フェーズ(要件定義、設計、実装、テスト、運用)
- 使用技術(言語、フレームワーク、インフラ)
- 定量的な成果(処理速度〇%改善、バグ〇%削減など)
- 技術的な工夫や提案
GitHubがなくても、これらが充実していれば十分に評価されます。
AWS・GCP等クラウド資格の価値
クラウド技術の資格は、GitHubに代わる技術力の証明になります。特に評価が高いのは以下です。
- AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト・プロフェッショナル)
- AWS認定デベロッパー
- Google Cloud Professional Cloud Architect
- Azure Solutions Architect Expert
これらの資格は、インフラやバックエンドエンジニアにとって、GitHubよりも重要視されることもあります。
GitHub不要でも通過する企業選定
以下のような企業では、GitHubがなくても選考に進めます。
- 大手SIer(NTTデータ、日立、富士通など)
- 金融系システム開発
- 組み込みシステム開発
- インフラ・ネットワーク専門企業
- レガシーシステム保守
これらの企業では、資格、実務経験年数、プロジェクトマネジメント能力などが重視されます。
- GitHubがないと転職は不利ですか?
-
GitHubがないからといって、転職が不可能になるわけではありません。ただし、応募する企業や職種によって影響は大きく異なります。
必須ではないが有利になるケースが多い
Web系自社サービス開発企業、スタートアップ、モダンな技術スタックを採用している企業では、GitHubがあることで大きくアドバンテージを得られます。書類選考の通過率は、GitHubがある場合とない場合で約1.5倍の差があるというデータもあります。一方、大手SIer、業務系システム開発、社内SEなどでは、GitHubの有無よりも実務経験年数や資格の方が重視されます。
企業・ポジションによる重要度の違い
以下のような場合、GitHubの重要度が特に高くなります。- 未経験からの転職(実務経験がない分、学習成果を示す必要がある)
- スタートアップや少数精鋭の企業(即戦力性が重視される)
- フロントエンドエンジニア、フルスタックエンジニア(コード品質が重要)
- 技術的に先進的な企業(最新技術へのキャッチアップ能力が求められる)
逆に、以下の場合は重要度が下がります。
- 豊富な実務経験がある(5年以上のエンジニア経験など)
- インフラ・ネットワークエンジニア(コーディングが主業務でない)
- マネジメント職への転職(技術力より管理能力が重視される)
代替手段との組み合わせ
GitHubがない場合でも、以下の方法で技術力をアピールできます。- 技術ブログでの継続的な発信(Qiita、Zennなど)
- Notionなどでのポートフォリオサイト作成
- クラウド資格の取得(AWS、GCP、Azure)
- 勉強会やカンファレンスでの登壇実績
- 職務経歴書での具体的な成果の記述
- プライベートリポジトリでも評価されますか?
-
プライベートリポジトリは、原則として採用選考での評価対象にはなりません。
公開設定の重要性
GitHubの最大のメリットは、「誰でも見られる形でコードを公開している」ことです。採用担当者は、事前に候補者のGitHubを確認したいと考えているため、プライベートリポジトリでは意味がありません。プライベートリポジトリが多いアカウントは、以下のような印象を与えることがあります。
- 「公開できるレベルのコードがないのでは」
- 「技術力に自信がないのでは」
- 「オープンな開発文化に馴染めないのでは」
一部のみ公開する戦略
どうしても全てを公開できない事情がある場合は、以下の戦略が有効です。- 代表的なプロジェクトを3〜5個だけ公開リポジトリにする
- 機密情報を含む部分だけ削除して公開版を作る
- 簡略版やデモ版を公開リポジトリとして作成
重要なのは、「このエンジニアはどんなコードを書くのか」を採用担当者が確認できることです。
面接時の画面共有活用
プライベートリポジトリでも、面接時に画面共有で見せることはできます。ただし、以下のデメリットがあります。- 事前確認ができず、面接の場で初めて見ることになる
- 採用担当者が複数の候補者を比較しにくい
- コードレビューに時間を割けない
そのため、可能な限り公開リポジトリを用意することをおすすめします。
- 転職活動中にGitHubを始めるのは遅いですか?
-
転職活動を始めてからGitHubを作成しても、決して遅くはありません。
今からでも間に合う理由
採用担当者が見ているのは、「長期間の活動履歴」だけではありません。以下のポイントも重要視されます。- コードの質(1つでも高品質なプロジェクトがあれば評価される)
- 最近の活動(ここ1〜3ヶ月の学習姿勢)
- 技術的な理解度(READMEでの説明)
実際に、転職活動開始から1ヶ月でGitHubアカウントを作成し、2〜3個のプロジェクトを公開して内定を獲得したケースは多数あります。
短期間で成果を出す方法
限られた時間で効果的なGitHubアカウントを作るには、以下の戦略が有効です。- 1週目: 環境構築と基礎学習
- GitHubアカウント作成
- Git基本コマンドの習得
- プロフィールREADMEの作成
- 2〜3週目: 小規模プロジェクト作成
- チュートリアルベースで1つ作成(独自機能を追加)
- READMEを丁寧に書く
- デプロイまで完了させる
- 4週目以降: オリジナルプロジェクト着手
- 自分の課題を解決するアプリを企画
- 定期的にコミット(週3〜5回)
- 継続的な改善を続ける
継続的な更新の重要性
転職活動が長期化する場合、GitHubの更新を止めないことが重要です。面接が進むにつれて、再度GitHubを確認される可能性があるためです。少なくとも週に1回はコミットし、「現在も学習を続けている」ことを示しましょう。
- 何個くらいリポジトリがあれば十分ですか?
-
リポジトリの数よりも、質が重要です。
量より質の原則
100個の低品質なリポジトリよりも、3個の高品質なリポジトリの方が遥かに価値があります。採用担当者は多数の候補者を見るため、全てのリポジトリを詳細に確認する時間はありません。そのため、以下のような戦略が効果的です。
- ピン留め機能で、最も自信のあるリポジトリを目立たせる
- 古いまたは低品質なリポジトリは非公開にする
- READMEが充実しているリポジトリを優先する
3〜5個の充実したプロジェクト推奨
理想的なポートフォリオは、以下のような構成です。- メインプロジェクト(1個): 最も力を入れたオリジナルアプリ
- サブプロジェクト(2〜3個): 異なる技術スタックでの作品
- 学習・検証用(1〜2個): 新しい技術の学習成果
この程度の数があれば、「幅広い技術への興味」と「深い理解」の両方を示せます。
定期更新されている1個の価値
数は少なくても、以下のような特徴を持つリポジトリが1つあれば、高く評価されます。- 過去6ヶ月以内に定期的な更新がある
- 機能が充実しており、実用レベル
- テストコードやCI/CDが設定されている
- READMEが詳細で、技術的な工夫が説明されている
- 実際にデプロイされ、動作確認できる
継続的な改善を続けているプロジェクトは、「技術への情熱」「持続力」「成長志向」を示す最高の証拠です。
メリット・デメリットの総括
GitHubをエンジニア転職で活用することには、明確なメリットとデメリットの両方があります。
- 実際のコードで技術力を実証できる
- 問題解決能力と思考プロセスを示せる
- 業務ツールへの習熟度をアピールできる
- ポートフォリオとして差別化できる
- OSSコミュニティへの貢献実績を示せる
- 継続的なメンテナンス負担が発生する
- コード品質が厳しく評価される
- 機密情報の取り扱いリスクがある
- 企業文化によっては評価されない
- 初心者には準備ハードルが高い
これらを理解した上で、自分の状況に合った活用方法を選択することが重要です。
自分の状況に合わせた活用レベルの選択
GitHubの活用レベルは、以下のように状況に応じて調整しましょう。
未経験・第二新卒の場合:
- プログラミングスクールの成果物を公開
- 学習過程を示すTILリポジトリを作成
- 1〜2個のオリジナルアプリを時間をかけて開発
経験者(1〜3年)の場合:
- 実務とは別の技術スタックでのプロジェクト
- 業務で学んだことを活かした個人開発
- OSSへの小規模な貢献(ドキュメント修正など)
経験者(5年以上)の場合:
- 技術的に高度なプロジェクト
- OSSライブラリの公開
- 有名OSSプロジェクトへの貢献
- 技術ブログとの組み合わせ
マネジメント志向の場合:
- GitHubは必須ではない
- 技術ブログでの発信や、資格取得を優先
- プロジェクト管理能力を職務経歴書で詳述
行動喚起(今日からできる第一歩)
GitHubを転職活動に活用したいと考えているなら、今日から以下のアクションを始めましょう。
今日できること:
- GitHubアカウントを作成する
- プロフィール写真と自己紹介を設定する
- 気になるOSSプロジェクトにスターを付ける
今週できること:
- Git基本コマンドを学習する
- プロフィールREADMEを作成する
- 簡単なプロジェクト(ToDoリストなど)を作成して公開
今月できること:
- オリジナルアプリを1個完成させる
- READMEを丁寧に書く
- Vercelなどでデプロイする
完璧を目指さず、まずは小さく始めることが大切です。継続的な学習と改善を続けることで、GitHubは転職活動における強力な武器となります。
エンジニアとしてのキャリアを次のステージに進めるため、今日からGitHubを活用した転職準備を始めましょう。

