「専用サーバーと共有サーバー、結局どちらを選べばいいの?」とお悩みではありませんか?
サーバー選びは、Webサイトの表示速度やコスト、将来の拡張性に直結する重要な判断です。しかし、専門用語が多く、自社に最適な選択がわからないという声をよく耳にします。
本記事では、専用サーバーと共有サーバーの違いを、性能・コスト・運用面から徹底的に比較し、あなたのサイト規模や予算に合った最適な選択方法を解説します。
この記事を読めば、サーバー選びの判断基準が明確になり、無駄なコストをかけずに快適なサイト運営が実現できます。まずは両者の基本的な違いから確認していきましょう。
専用サーバーと共有サーバーの最も大きな違いは、サーバーリソースを独占するか、複数のユーザーで共有するかという点です。共有サーバーは1台の物理サーバーを複数のユーザーで分け合うため低コストですが、専用サーバーは1ユーザーが1台のサーバーを丸ごと使えるため高性能です。
この違いにより、表示速度、カスタマイズ性、セキュリティレベル、運用コストなど、あらゆる面で特性が異なります。サイトの規模や目的に応じて、適切なサーバータイプを選ぶことが重要です。
初めてサーバーを選ぶ方は、まず自社のサイト規模、予算、技術力の3つの観点から検討することをおすすめします。以下で詳しく解説していきます。
サーバーリソースの占有方法の違い
共有サーバーは、1台の物理サーバーを複数のユーザーで分割利用する仕組みです。CPU、メモリ、ディスク容量、ネットワーク帯域など、すべてのリソースを他のユーザーと共有します。そのため、同じサーバー内の誰かが大量のアクセスを受けると、自分のサイトも影響を受けて表示速度が低下する可能性があります。
一方、専用サーバーは、1台のサーバーを1ユーザーが完全に独占します。すべてのCPU、メモリ、ストレージを自由に使えるため、他のユーザーの影響を一切受けません。安定したパフォーマンスが保証され、大規模なトラフィックにも対応できます。
例えば、共有サーバーは「シェアハウス」、専用サーバーは「一戸建て」のようなイメージです。シェアハウスでは他の住人の生活音や水道使用量が影響しますが、一戸建てなら完全に自分の裁量で使えます。
この違いが、後述する性能、コスト、運用方法のすべてに影響します。
住宅で例えるとわかりやすい違い
サーバーの違いを住宅に例えると、共有サーバーはシェアハウスや賃貸アパートに相当します。複数の住人が共同スペースやインフラを共有するため、家賃は安いですが、他の住人の影響を受けやすく、リフォームなどのカスタマイズも制限されます。
専用サーバーは一戸建てです。建物全体を自分だけで使えるため、内装を自由に変更でき、庭の使い方も思いのままです。ただし、購入費用や維持管理費用は高額になります。
さらに、VPS(仮想専用サーバー)はマンションの一室と考えるとわかりやすいでしょう。建物自体は共有ですが、各部屋は独立しており、ある程度の自由度があります。コストと性能のバランスが取れた中間的な選択肢です。
この住宅の例えを頭に入れておくと、サーバー選びの判断がしやすくなります。
それぞれに向いているサイト・事業規模
共有サーバーは、個人ブログ、小規模な店舗サイト、名刺代わりのコーポレートサイトなど、月間PV数が10万以下の小規模サイトに最適です。WordPress標準機能で運用する場合や、サーバー管理に時間をかけたくない初心者に向いています。月額数百円から利用でき、導入のハードルが低い点も魅力です。
専用サーバーは、大規模ECサイト、会員制サービス、高トラフィックメディアなど、月間30万PV以上のサイトや、高度なセキュリティが求められるビジネスに適しています。SaaSサービスの提供や、APIサーバーとして大量のリクエストを処理する場合にも専用サーバーが必要です。
また、カスタマイズ性を重視するエンジニアや、特殊なソフトウェアを導入したい企業にも専用サーバーが向いています。
まずは自社のサイト規模と将来の成長予測を見極めて、適切な選択をすることが重要です。
専用サーバーと共有サーバーの違いを一目で把握できるよう、性能・機能面、コスト・運用面、セキュリティ・カスタマイズ面の3つの観点から比較表にまとめました。
これらの表を参考に、自社のサイト運営に必要な要件と照らし合わせることで、最適なサーバータイプを選択できます。特に重視すべきポイントは、月間PV数、予算、技術者の有無です。
以下の比較表で、各項目の具体的な違いを確認していきましょう。
性能・機能面の比較
| 項目 | 共有サーバー | 専用サーバー |
|---|---|---|
| CPU・メモリ | 共有利用(変動あり) | 独占利用(固定) |
| ディスク容量 | 50GB〜300GB程度 | 500GB〜数TB |
| 転送量 | 月間制限あり(数百GB〜) | 実質無制限が多い |
| 処理速度 | 他ユーザーの影響を受ける | 常時安定した高速処理 |
| 同時接続数 | 制限あり(数百程度) | 数千〜数万まで対応 |
| データベース数 | 制限あり(10〜50個程度) | 無制限 |
共有サーバーは他のユーザーとリソースを分け合うため、性能が変動しやすい特徴があります。特にアクセスが集中する時間帯は、サイトの表示速度が遅くなる可能性があります。
専用サーバーはすべてのリソースを独占できるため、常に安定したパフォーマンスを発揮します。大量のアクセスや高負荷な処理にも対応でき、ビジネス用途に最適です。
月間10万PV以下の小規模サイトなら共有サーバーで十分ですが、それ以上になると専用サーバーやVPSの検討が必要になります。
コスト・運用面の比較
| 項目 | 共有サーバー | 専用サーバー |
|---|---|---|
| 初期費用 | 無料〜3,000円 | 10,000円〜100,000円 |
| 月額費用 | 300円〜3,000円 | 10,000円〜50,000円以上 |
| 運用管理 | サーバー会社が実施 | 自己管理orマネージドプラン |
| 技術知識 | 不要(管理画面で操作) | Linux・サーバー管理必須 |
| サポート | 充実(電話・メール) | プランによる |
| バックアップ | 自動実施が多い | 自己管理が基本 |
共有サーバーの最大のメリットは圧倒的な低コストです。月額数百円から運用でき、初期費用も無料のサービスが多いため、予算が限られている個人や小規模事業者に最適です。
専用サーバーは月額1万円以上のコストがかかり、初期費用も高額です。さらに、サーバー管理を自分で行う場合は、セキュリティパッチの適用やバックアップなど、運用の手間も発生します。マネージドプラン(運用代行サービス)を選べば手間は減りますが、その分コストは上がります。
技術者がいない企業や個人は、運用の手間がかからない共有サーバーが現実的な選択肢です。
セキュリティ・カスタマイズの比較
| 項目 | 共有サーバー | 専用サーバー |
|---|---|---|
| root権限 | なし | あり |
| ソフトウェア導入 | 制限あり(事前インストール済みのみ) | 自由にインストール可能 |
| セキュリティリスク | 同一IP共有による影響の可能性 | 独立環境で高セキュリティ |
| ファイアウォール | サーバー会社が管理 | 自由に設定可能 |
| SSL証明書 | 無料SSLが標準提供 | 自由に選択・導入可能 |
| OS選択 | 不可(固定) | 自由に選択可能 |
共有サーバーはroot権限がなく、カスタマイズの自由度が低い点が最大のデメリットです。PHPのバージョンやミドルウェアの選択肢が限られており、特殊な要件には対応できません。
また、同一IPアドレスを他のユーザーと共有するため、稀に他のサイトがスパム判定を受けた場合、自分のサイトにも影響が及ぶリスクがあります。
専用サーバーはroot権限があり、OS、ミドルウェア、セキュリティ設定をすべて自由にカスタマイズできます。独自のファイアウォール設定や、高度なセキュリティ対策も実装可能です。
機密性の高いデータを扱うECサイトや会員制サービスには、専用サーバーの高いセキュリティレベルが不可欠です。
共有サーバーは、低コストで簡単に始められることが最大の魅力です。特に初めてWebサイトを運営する方や、小規模なビジネスサイトには最適な選択肢と言えます。
しかし、リソースを他のユーザーと共有するため、性能面での制約やカスタマイズの制限があることも理解しておく必要があります。
ここでは、共有サーバーのメリットとデメリットを詳しく解説し、どのような人やサイトに向いているかを明確にします。
共有サーバーの5つのメリット
1. 圧倒的な低コスト(月額300円〜で運用可能) 共有サーバーの最大のメリットは、月額数百円から利用できる圧倒的な低コストです。初期費用が無料のサービスも多く、気軽に始められます。年間でも数千円程度で運営できるため、個人ブログやアフィリエイトサイトに最適です。
2. 初心者でも簡単に始められる(管理画面が直感的) 専門知識がなくても、Webブラウザから直感的な管理画面(コントロールパネル)で操作できます。ドメイン設定、メールアドレス作成、データベース管理など、すべてGUI操作で完結するため、初心者でも迷わず使えます。
3. サーバー管理が不要(バックアップ・更新は業者任せ) サーバーのセキュリティパッチ適用、OS更新、バックアップなどの運用管理は、すべてサーバー会社が実施します。利用者は自分のWebサイトの運営だけに集中でき、技術的な知識や時間を投資する必要がありません。
4. WordPress等のCMS簡単インストール機能 多くの共有サーバーでは、WordPressなどのCMSを数クリックで自動インストールできる機能を提供しています。面倒な設定作業が不要で、すぐにサイト制作を始められます。
5. サポート体制が充実(電話・メールサポートあり) 国内の共有サーバー事業者は、電話やメールでのサポート体制が整っています。トラブル時や設定に困った際も、日本語で丁寧にサポートしてもらえるため、安心して利用できます。
共有サーバーの4つのデメリット
1. 他ユーザーの影響を受けやすい(急激なアクセス時のリスク) 同じサーバーを利用している他のユーザーのサイトに大量のアクセスが集中すると、自分のサイトも表示速度が低下したり、一時的にアクセスできなくなる可能性があります。これは「近隣迷惑」とも呼ばれる共有サーバー特有のリスクです。
2. カスタマイズの自由度が低い(PHPバージョン制限等) PHPのバージョン、Pythonやnode.jsなどの言語、各種ミドルウェアは、サーバー会社が用意したものしか使えません。特殊なソフトウェアのインストールや、root権限が必要な設定は一切できません。
3. 高負荷処理に向かない(CPU・メモリ制限) CPU使用率やメモリ使用量に上限が設定されているため、画像処理や動画変換などの高負荷な処理には向きません。また、同時アクセス数の制限があるため、急激なトラフィック増加に対応できないことがあります。
4. 同一IP共有によるSEOリスク(稀だが悪質サイトの影響) 他のユーザーのサイトがスパム行為やブラックハットSEOを行っていた場合、同じIPアドレスを共有している自分のサイトも、検索エンジンからペナルティを受けるリスクがゼロではありません。ただし、現在のGoogleは個別サイトを適切に評価するため、実際にこの影響を受けるケースは稀です。
共有サーバーを選ぶべき人・サイト
共有サーバーは、以下のような条件に当てはまる人やサイトに最適です。
月間PV数:〜10万PV程度 月間10万PV以下の小規模サイトであれば、共有サーバーのリソースで十分に対応できます。個人ブログやアフィリエイトサイトの大半がこの範囲内です。
予算:月3,000円以下 できるだけコストを抑えてサイト運営をしたい方、初期投資を少なくしたい方に向いています。年間でも数千円〜3万円程度で運用できるため、趣味のサイトや小規模ビジネスに最適です。
技術レベル:初級者 サーバー管理やLinuxコマンドの知識がない初心者でも、管理画面から直感的に操作できます。「とにかく簡単に始めたい」という方に最適です。
具体例:個人ブログ、小規模店舗サイト、名刺代わりのコーポレートサイト 飲食店や美容室などの店舗紹介サイト、個人のポートフォリオサイト、趣味のブログ、アフィリエイトサイトなど、大量のアクセスや特殊な機能を必要としないサイトに最適です。
専用サーバーは、1台のサーバーを丸ごと独占できる高性能なサービスです。大規模サイトや高負荷なWebアプリケーション、セキュリティを重視する企業サイトに適しています。
しかし、高額なコストと高度な技術知識が必要になるため、誰にでも適した選択肢ではありません。
ここでは、専用サーバーのメリットとデメリットを詳しく解説し、どのような場合に専用サーバーを選ぶべきかを明確にします。
専用サーバーの5つのメリット
1. 圧倒的な処理速度と安定性(リソース独占) すべてのCPU、メモリ、ディスクI/Oを独占できるため、常に最高のパフォーマンスを発揮します。他のユーザーの影響を一切受けないため、アクセスが集中しても安定した表示速度を維持できます。大規模ECサイトやメディアサイトには不可欠です。
2. 完全なカスタマイズ自由度(OS・ミドルウェア選択可) root権限があるため、OSの選択から、Apache/Nginx、MySQL/PostgreSQL、PHP/Python/Rubyなどのバージョンまで、すべて自由に設定できます。機械学習用のライブラリやゲームサーバーの構築など、特殊な用途にも対応可能です。
3. 高いセキュリティレベル(独立環境・IP独占) 他のユーザーと完全に独立した環境のため、セキュリティリスクが大幅に低減します。独自のファイアウォール設定やWAF(Web Application Firewall)の導入も自由に行え、クレジットカード情報や個人情報を扱うECサイトに最適です。
4. 大規模トラフィックに対応(数十万PV以上も安定) 月間30万PV以上の大規模サイトや、瞬間的に大量のアクセスが発生するキャンペーンサイトでも、安定したパフォーマンスを維持できます。同時接続数が数千を超える場合にも対応可能です。
5. 独自の特殊な設定が可能(機械学習サーバー、ゲームサーバー等) Webサイト以外にも、APIサーバー、メールサーバー、データベースサーバー、機械学習の学習サーバー、ゲームサーバーなど、様々な用途に活用できます。自由度が高いため、ビジネスの成長に合わせて柔軟に対応できます。
専用サーバーの4つのデメリット
1. 高額なコスト(月額1万円〜、初期費用も高額) 専用サーバーは月額1万円〜5万円程度のコストがかかり、初期費用も数万円〜10万円程度必要です。年間で12万円〜60万円以上の運用コストとなるため、予算が限られている個人や小規模事業者には負担が大きいです。
2. 高度な技術知識が必要(Linux、サーバー管理、セキュリティ対策) サーバーの構築から運用まで、Linuxの基本操作、SSH接続、Webサーバー設定、データベース管理、セキュリティパッチ適用など、高度な技術知識が必要です。技術者がいない場合は、マネージドプランを選ぶか、外部に運用を委託する必要があります。
3. 運用管理の手間(自己管理の場合、24時間監視体制が理想) 自己管理型(アンマネージド)の専用サーバーでは、セキュリティ監視、バックアップ、障害対応など、すべて自分で行う必要があります。ビジネスで利用する場合は、24時間365日の監視体制が理想的ですが、個人や小規模企業では現実的ではありません。
4. スケールダウンしにくい(契約単位が大きい) 共有サーバーやVPSと比べて、契約単位が大きく、一度契約すると小規模なプランへのダウングレードが難しいです。また、解約時に違約金が発生する場合もあるため、慎重に検討する必要があります。
専用サーバーを選ぶべき人・サイト
専用サーバーは、以下のような条件に当てはまる人やサイトに最適です。
月間PV数:30万PV以上 月間30万PV以上のトラフィックがある場合、共有サーバーやVPSではリソースが不足し、表示速度の低下やサーバーエラーが発生する可能性が高まります。専用サーバーなら安定したパフォーマンスを維持できます。
予算:月1万円以上 サーバー運用に月額1万円以上の予算を確保できる企業や、売上が安定しているECサイトに向いています。ビジネスの成長に投資する意味でも、専用サーバーは有力な選択肢です。
技術レベル:中級〜上級、または外部エンジニアリソースあり 社内に技術者がいる企業や、外部の開発会社に運用を委託できる体制がある場合に適しています。マネージドプランを選べば、技術者がいなくても運用可能ですが、コストは高くなります。
具体例:大規模ECサイト、会員制メディア、SaaSサービス、高負荷API提供サイト Amazonや楽天のような大規模ECサイト、有料会員制のオンラインサロンやメディア、SaaSツールを提供するサービス、APIを公開して大量のリクエストを処理するサイトなど、ビジネスクリティカルな用途に最適です。
共有サーバーと専用サーバーの中間的な選択肢として、**VPS(Virtual Private Server:仮想専用サーバー)**があります。
VPSは、1台の物理サーバーを仮想的に分割し、各ユーザーに独立した仮想サーバー環境を提供するサービスです。専用サーバーに近い自由度と性能を、共有サーバーに近い価格で実現できるため、近年人気が高まっています。
ここでは、VPSの特徴やメリット・デメリット、どのような人に向いているかを解説します。
VPSとは?共有・専用サーバーとの違い
VPS(仮想専用サーバー)は、1台の物理サーバーを仮想化技術で複数の仮想サーバーに分割し、各ユーザーに独立した環境を提供するサービスです。
共有サーバーのように物理リソースは共有していますが、各ユーザーにはroot権限が与えられ、OSやミドルウェアを自由にカスタマイズできます。専用サーバーのような完全な独占ではありませんが、他のユーザーの影響を受けにくい設計になっています。
VPSの位置づけ:
- 共有サーバー:リソース共有、カスタマイズ不可、低コスト
- VPS:リソース半共有、カスタマイズ可能、中コスト
- 専用サーバー:リソース独占、完全自由、高コスト
住宅に例えると、共有サーバーがシェアハウス、VPSがマンションの一室、専用サーバーが一戸建てに相当します。マンションは建物自体は共有ですが、各部屋は独立しており、ある程度自由にリフォームできるイメージです。
VPSは、共有サーバーでは物足りないが専用サーバーほどのコストはかけられない、という方に最適な選択肢です。
VPSのメリット・デメリット
メリット:
1. コストパフォーマンス(月額1,000円〜5,000円程度) VPSは月額1,000円〜5,000円程度で利用でき、専用サーバーの10分の1以下のコストで運用できます。初期費用も無料のサービスが多く、共有サーバーより少し高い程度の予算で、大幅に自由度と性能が向上します。
2. root権限あり(カスタマイズ自由) 共有サーバーとの最大の違いは、root権限が与えられることです。OSの選択、Webサーバー(Apache/Nginx)の設定、データベースのチューニング、独自ソフトウェアのインストールなど、ほぼすべての設定を自由に行えます。
3. スケールアップ・ダウンが柔軟 多くのVPSサービスでは、サイトの成長に合わせてCPU、メモリ、ディスク容量を柔軟に変更できます。月単位や時間単位でプラン変更が可能なため、トラフィックの変動に合わせてコストを最適化できます。
デメリット:
1. 技術知識必要(共有サーバーほど簡単ではない) root権限があるということは、サーバーの構築や運用を自分で行う必要があるということです。Linuxの基本操作、SSH接続、Webサーバー設定、セキュリティ対策など、一定の技術知識が求められます。
2. 物理リソースは共有(専用サーバーほどではない) 仮想化技術により各ユーザーの環境は独立していますが、物理的なCPU、メモリ、ディスクI/Oは他のユーザーと共有しています。そのため、同じ物理サーバー上の他のユーザーが高負荷な処理を行うと、わずかに影響を受ける可能性があります。ただし、共有サーバーほど顕著な影響は受けません。
VPSを選ぶべき人・サイト
VPSは、以下のような条件に当てはまる人やサイトに最適です。
月間PV数:10万〜30万PV 共有サーバーでは処理しきれないが、専用サーバーほどのトラフィックはない、という成長段階のサイトに最適です。月間10万PVを超えてきたら、VPSへの移行を検討するタイミングです。
予算:月3,000円〜1万円 共有サーバーの上位プランと同程度の予算で、格段に高い性能とカスタマイズ性を得られます。専用サーバーの10分の1以下のコストで運用できるため、コストパフォーマンスを重視する方に向いています。
技術レベル:中級者(基本的なLinuxコマンド操作可能) Linuxの基本コマンド(cd、ls、cp、mv等)を理解しており、SSH接続ができる程度の技術レベルがあれば、VPSを活用できます。完全な初心者には難しいですが、学習意欲があれば十分に習得可能です。
具体例:成長中のメディアサイト、中規模WordPressサイト、開発・検証環境 アクセス数が増えてきたブログメディア、複数のWordPressサイトを運営している方、開発環境や検証環境を構築したいエンジニア、小規模なECサイトやWebアプリケーションなどに最適です。
「結局、自分にはどのサーバーが合っているの?」という疑問に答えるため、4つの視点から最適なサーバーを選ぶフローチャートを用意しました。
サイトの月間PV数、予算、技術レベル、サイトの種類・目的という4つの基準で判断することで、自分に最適なサーバータイプが明確になります。
以下のフローチャートを参考に、自社のサイト運営に最適な選択をしてください。
サイトの月間PV数から選ぶ
月間PV数は、サーバー選択の最も重要な指標の一つです。アクセス数が多いほど、高性能なサーバーが必要になります。
〜10万PV → 共有サーバー 月間10万PV以下の小規模サイトであれば、共有サーバーで十分に対応できます。個人ブログ、アフィリエイトサイト、小規模な店舗サイトの大半がこの範囲です。エックスサーバーやConoHa WINGなどの国内大手サービスがおすすめです。
10万〜30万PV → VPS or 高性能共有サーバー この規模になると、通常の共有サーバーではやや性能不足を感じる場合があります。共有サーバーの上位プランか、VPSへの移行を検討してください。特に、WordPressで画像を多用するメディアサイトはVPSが適しています。
30万PV以上 → 専用サーバー or クラウド(AWS等) 月間30万PVを超えると、安定したパフォーマンスを維持するために専用サーバーが必要になります。さらに大規模な場合や、トラフィックの変動が激しい場合は、AWSやGCPなどのクラウドサービスも検討しましょう。
予算から選ぶ
サーバーコストは、サイト運営の継続性に直結する重要な要素です。無理のない予算設定が重要です。
月〜3,000円 → 共有サーバー 月額3,000円以下の予算であれば、共有サーバー一択です。月額数百円のロリポップ!から、月額1,000円前後のエックスサーバーまで、幅広い選択肢があります。この予算内でも、WordPressの運営や独自ドメインの利用は問題なく可能です。
月3,000円〜1万円 → VPS この予算帯であれば、VPSを選択できます。ConoHa VPS(月額682円〜)、さくらのVPS(月額643円〜)、KAGOYA CLOUD VPS(月額550円〜)など、低価格で高性能なVPSが多数あります。共有サーバーより格段に高い自由度と性能を得られます。
月1万円以上 → 専用サーバー 月額1万円以上の予算を確保できるなら、専用サーバーが選択肢に入ります。さくらの専用サーバー(月額9,713円〜)、KAGOYA(月額19,580円〜)など、用途に合わせて選択できます。ビジネス用途で安定性を重視するなら、この投資は十分に価値があります。
技術レベルから選ぶ
自分やチームの技術レベルに合わせたサーバー選択も重要です。技術力に見合わないサーバーを選ぶと、運用に失敗するリスクがあります。
初心者(管理画面のみ) → 共有サーバー Linuxコマンドやサーバー管理の知識がない初心者は、迷わず共有サーバーを選んでください。Webブラウザから直感的な管理画面で操作でき、WordPressも簡単にインストールできます。電話やメールのサポートも充実しているため、困ったときも安心です。
中級者(Linux基本操作可) → VPS SSH接続ができ、基本的なLinuxコマンド(cd、ls、cp、vim等)を使える方は、VPSに挑戦できます。最初は戸惑うかもしれませんが、ネット上に豊富な情報があるため、学習しながら運用できます。技術力を向上させたいエンジニアにも最適です。
上級者(サーバー構築経験あり) → 専用サーバー Apache/Nginxの設定、データベースのチューニング、セキュリティ対策、監視体制の構築など、サーバー管理の実務経験がある方は、専用サーバーを最大限に活用できます。完全な自由度で、ビジネス要件に合わせた最適な環境を構築できます。
サイトの種類・目的から選ぶ
サイトの種類や運営目的によっても、最適なサーバーは異なります。以下を参考に選択してください。
個人ブログ・アフィリエイトサイト → 共有サーバー 収益化を目指す個人ブログやアフィリエイトサイトは、初期投資を抑えることが重要です。共有サーバーで十分な性能があり、WordPress運営に最適化されたエックスサーバーやConoHa WINGがおすすめです。
コーポレートサイト(中小企業) → 共有サーバー or VPS 企業の公式サイトは、ある程度の信頼性とセキュリティが求められます。小規模企業なら共有サーバーの上位プランで問題ありませんが、中規模企業や上場準備中の企業はVPSを選ぶと安心です。
ECサイト(小規模) → 高性能共有サーバー or VPS 小規模なECサイト(月間売上100万円以下)は、高性能な共有サーバーかVPSが適しています。決済情報を扱うため、SSL証明書の導入は必須です。カラーミーショップやBASEなどのECプラットフォームを使う場合は、サーバー選択は不要です。
ECサイト(大規模) → 専用サーバー or クラウド 月間売上が数百万円以上の大規模ECサイトは、専用サーバーが必須です。個人情報やクレジットカード情報を扱うため、高いセキュリティレベルと安定性が求められます。楽天やYahoo!ショッピングなどのモール型ECを利用する場合は、サーバー選択は不要です。
会員制サービス・SaaS → 専用サーバー or クラウド 有料会員制のオンラインサロン、動画配信サービス、SaaSツールなど、ビジネスクリティカルなサービスは専用サーバーかクラウドが必須です。24時間365日の安定稼働が求められるため、冗長化やバックアップ体制も重要になります。
サイトが成長するにつれて、共有サーバーでは性能が追いつかなくなるタイミングがやってきます。
しかし、「いつ移行すべきか?」という判断は難しいものです。移行が早すぎるとコストの無駄になり、遅すぎるとユーザー体験の悪化やビジネス機会の損失につながります。
ここでは、移行を検討すべき症状、具体的な数値基準、段階的な移行ステップを解説します。
こんな症状が出たら移行を検討
以下のような症状が頻繁に発生する場合、サーバーの移行を検討すべきサインです。
1. サイトの表示速度が遅い(3秒以上かかる) ページの読み込みに3秒以上かかるようになったら、サーバーの処理能力不足の可能性が高いです。Googleの調査では、表示速度が3秒を超えると離脱率が急激に上昇します。特にモバイルユーザーは待ってくれないため、売上やPVの減少につながります。
2. アクセス集中時にサーバーエラー頻発(503エラー等) 記事がバズったり、SNSで拡散されたりした際に、503エラー(Service Unavailable)や502エラー(Bad Gateway)が頻発する場合、サーバーの同時接続数制限やCPU制限に達しています。ビジネスチャンスを逃している状態です。
3. サーバー会社から制限通知が来る(CPU使用率超過等) 共有サーバーでは、CPU使用率やメモリ使用量に上限が設定されています。サーバー会社から「リソース使用量が多い」という警告メールが届いた場合、すでに制限に達しており、より高性能なサーバーへの移行が必要です。
4. 導入したいソフトウェアが使えない(バージョン制限等) 新しいWordPressプラグインやPHPフレームワークを導入したいが、サーバーのPHPバージョンが古くて対応していない、といったケースです。共有サーバーでは自由にバージョンアップできないため、カスタマイズ性の高いVPSや専用サーバーへの移行が必要です。
5. セキュリティ要件が厳しくなった(独自SSL、WAF等) 企業のコンプライアンス強化や、個人情報保護法の対応で、より高度なセキュリティ対策が求められる場合があります。独自のファイアウォール設定やWAF(Web Application Firewall)の導入が必要な場合、専用サーバーへの移行を検討してください。
移行の判断基準(具体的な数値)
以下の数値基準のいずれかに該当する場合、サーバー移行を具体的に検討すべきタイミングです。
月間PV数が30万を超えた 月間30万PVは、共有サーバーから専用サーバー(またはVPS)への移行を検討する明確な基準です。この規模になると、共有サーバーでは処理能力やメモリが不足し、表示速度の低下が顕著になります。
同時接続ユーザー数が1,000以上 同時接続ユーザー数(同じ時間にサイトを閲覧している人数)が1,000を超える場合、共有サーバーの同時接続制限に達する可能性が高いです。リアルタイムで大量のユーザーが集まるキャンペーンサイトやイベントサイトでは、専用サーバーが必須です。
データベースが3GB以上 WordPressサイトで記事数が増え、データベースサイズが3GBを超えると、共有サーバーではクエリ処理が遅くなります。特に検索機能や複雑なクエリを使う場合、データベース専用の高性能サーバーが必要になります。
ファイル容量が50GB以上必要 画像や動画を大量にアップロードするメディアサイトで、ファイル容量が50GBを超える場合、共有サーバーの容量制限に達します。専用サーバーなら数百GB〜数TBまで拡張できるため、余裕を持った運用が可能です。
月間売上が100万円を超えた(ECサイトの場合) ECサイトの月間売上が100万円を超えたら、ビジネスの安定性を確保するために専用サーバーへの移行を検討すべきです。サーバーダウンによる機会損失を防ぎ、顧客に安定したショッピング体験を提供するための投資として重要です。
段階的移行のステップ
サーバー移行は、いきなり専用サーバーに移行するのではなく、段階的にステップアップすることでリスクを抑えられます。
ステップ1: まずは高性能な共有サーバープランへアップグレード 現在使っている共有サーバーに、より高性能な上位プランがある場合、まずはそちらにアップグレードしてください。例えば、エックスサーバーのスタンダードプランからプレミアムプランへの変更などです。これだけで問題が解決する場合もあります。
ステップ2: それでも不足ならVPSへ移行 上位プランでも性能が不足する場合、VPSへの移行を検討します。VPSなら月額1,000円〜5,000円程度で、共有サーバーの数倍の性能を得られます。ConoHa VPSやさくらのVPSなど、初心者向けのサポートが充実したサービスを選びましょう。
ステップ3: さらに成長したら専用サーバーorクラウドへ VPSでも処理しきれない規模になったら、専用サーバーかクラウド(AWS、GCP等)への移行を検討します。月間100万PV以上、売上が月間数百万円以上の規模であれば、専用サーバーへの投資は十分に回収できます。
この段階的なアプローチにより、コストを抑えながらサイトの成長に合わせた最適な環境を維持できます。
サーバー選びでは、具体的にどのサービスを選ぶかも重要な判断です。
ここでは、国内で人気の高い共有サーバー、専用サーバー、VPSのおすすめサービスを3選ずつ紹介します。料金、特徴、向いている人を明確にしているので、自分に合ったサービスを選んでください。
共有サーバーおすすめ3選
1. エックスサーバー
- 月額:990円〜(スタンダードプラン)
- 特徴:国内シェアNo.1、WordPress特化機能が充実
- 向いている人:WordPress運用者、初心者
エックスサーバーは、国内レンタルサーバーシェアNo.1の実績を誇り、運用サイト数は240万件以上です。WordPress簡単インストール機能、自動バックアップ、無料独自SSL、高速化機能(XAccelerator)など、初心者に必要な機能がすべて揃っています。サポート体制も充実しており、電話・メールで丁寧に対応してくれるため、初めてのサーバー選びに最適です。
2. ConoHa WING
- 月額:678円〜(長期契約割引適用時)
- 特徴:高速表示、初期費用無料、管理画面が使いやすい
- 向いている人:コスパ重視、ブロガー
ConoHa WINGは、GMOインターネットグループが提供する高速レンタルサーバーです。国内最速レベルの表示速度を誇り、WordPress運営に最適化されています。初期費用が無料で、月額料金も長期契約なら678円〜と非常にリーズナブルです。管理画面が直感的でわかりやすく、初心者でもストレスなく操作できます。
3. ロリポップ!
- 月額:220円〜(エコノミープラン)
- 特徴:格安プランあり、老舗の安定性、長期運営実績
- 向いている人:とにかく安く始めたい人
ロリポップ!は、2001年からサービスを提供している老舗レンタルサーバーです。最大の魅力は月額220円〜という圧倒的な低価格で、「まずは試しにサイトを作ってみたい」という方に最適です。上位プランのハイスピードプラン(月額550円〜)なら、WordPress運営にも十分な性能があります。170万人以上の利用実績があり、安定性も抜群です。
専用サーバーおすすめ3選
1. KAGOYA(カゴヤ)
- 月額:19,580円〜
- 特徴:マネージドプランあり、サポート充実、高い安定性
- 向いている人:技術者不在の企業、安定性重視
KAGOYA(カゴヤ・ジャパン)は、法人向けに特化した高品質な専用サーバーを提供しています。最大の特徴は、サーバー運用をすべて任せられる「マネージドプラン」があることです。セキュリティパッチ適用、バックアップ、監視など、専門知識がなくても安心して運用できます。24時間365日の電話サポートもあり、企業利用に最適です。
2. さくらの専用サーバー
- 月額:9,713円〜
- 特徴:低価格、柔軟なカスタマイズ、老舗の信頼性
- 向いている人:コスト重視の技術者、カスタマイズ重視
さくらインターネットの専用サーバーは、月額9,713円〜という専用サーバーとしては格安の価格設定が魅力です。自己管理型(アンマネージド)が基本のため、技術者がいる企業や個人に向いています。OSやミドルウェアを自由に選択でき、柔軟なカスタマイズが可能です。老舗プロバイダの安定したネットワーク環境も強みです。
3. GMO CLOUD 専用サーバー
- 月額:16,500円〜
- 特徴:高性能、ビジネス向けサポート、SLA保証
- 向いている人:法人利用、高負荷サイト
GMO CLOUDの専用サーバーは、高性能なハードウェアとビジネス向けのサポート体制が特徴です。SLA(サービス品質保証)が設定されており、稼働率99.99%以上が保証されているため、ビジネスクリティカルな用途に最適です。大規模ECサイトや会員制サービスなど、ダウンタイムが許されないサイトに向いています。
VPSおすすめ3選(参考)
1. ConoHa VPS – 月額682円〜 GMOインターネットグループが提供するVPSサービスです。初期費用無料、時間課金にも対応しており、柔軟な運用が可能です。管理画面が直感的でわかりやすく、VPS初心者でも使いやすい設計になっています。テンプレート機能でWordPress環境やRuby on Rails環境を簡単に構築できます。
2. さくらのVPS – 月額643円〜 さくらインターネットが提供する老舗VPSサービスです。安定したネットワーク環境と豊富な実績が強みです。スタートアップスクリプト機能で、サーバー構築を自動化できます。2週間の無料お試し期間があり、実際に使ってから判断できる点も魅力です。
3. KAGOYA CLOUD VPS – 月額550円〜 KAGOYAが提供するVPSサービスで、月額550円〜という低価格が魅力です。日額課金プラン(日額20円〜)もあり、短期間の利用にも対応しています。法人向けサポートが充実しており、企業のVPS利用に最適です。
サーバー選びでよく寄せられる質問に、プロの視点から詳しく回答します。初心者が疑問に思いやすいポイントを中心に、実務的なアドバイスを含めて解説します。
- 共有サーバーでも専用IPアドレスは使えますか?
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一部の共有サーバーでは有料オプションで専用IP提供があります。ただし、リソースは共有のままです。
共有サーバーでも、有料オプション(月額500円〜2,000円程度)で専用IPアドレスを取得できるサービスがあります。エックスサーバーやさくらのレンタルサーバーなどが対応しています。
ただし、重要なのは専用IPを取得しても、CPU・メモリ・ディスクなどのリソースは他のユーザーと共有のままという点です。つまり、性能面でのメリットはほとんどありません。
専用IPが必要になるケースは、以下の通りです:
- SSL証明書のインストール(ただし現在はSNI対応により不要なケースが多い)
- IPアドレスベースのアクセス制限が必要な場合
- 特定のサービスがIPアドレス指定を要求する場合
SEO対策として専用IPを取得する必要はありません。Googleは個別のサイトを適切に評価しており、共有IPでも検索順位に影響はないからです。
- 専用サーバーの運用に必要な技術知識は?
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最低限Linux基本操作、SSH接続、Webサーバー設定(Apache/Nginx)、セキュリティ対策の知識が必要です。マネージドプランなら不要になります。
専用サーバーを自己管理(アンマネージド)で運用する場合、以下の技術知識が必要です:
必須レベルの知識:
- Linuxの基本コマンド操作(cd、ls、cp、mv、rm等)
- SSH接続とファイル転送(SCP、SFTP)
- Webサーバー設定(Apache、Nginxの設定ファイル編集)
- データベース管理(MySQL、PostgreSQLの基本操作)
- セキュリティパッチの適用とファイアウォール設定
推奨レベルの知識:
- シェルスクリプト作成(バックアップ自動化等)
- ログ解析とトラブルシューティング
- パフォーマンスチューニング
- 24時間監視体制の構築
これらの知識がない場合は、**マネージドプラン(運用代行サービス)**を選択することをおすすめします。マネージドプランでは、サーバー会社が運用管理をすべて代行してくれるため、技術知識がなくても専用サーバーを利用できます。ただし、月額費用は2〜3割程度高くなります。
- 共有サーバーから専用サーバーへのデータ移行は難しい?
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A. WordPressなら移行プラグイン利用で比較的簡単です。データベース移行やDNS設定変更が必要になります。業者に依頼することも可能です。
共有サーバーから専用サーバーへのデータ移行は、サイトの種類によって難易度が異なります。
WordPressサイトの場合: 「All-in-One WP Migration」や「Duplicator」などの移行プラグインを使えば、比較的簡単に移行できます。基本的な手順は以下の通りです:
- 移行元サイトでプラグインをインストールし、バックアップ作成
- 移行先サーバーにWordPressをインストール
- プラグインでバックアップをインポート
- DNS設定を変更して移行先サーバーを参照
静的HTMLサイトの場合: FTPでファイルをダウンロードし、移行先サーバーにアップロードするだけで完了します。最も簡単なケースです。
複雑なWebアプリケーションの場合: データベースのダンプとリストア、設定ファイルの編集、パスの変更など、技術的な知識が必要です。自信がない場合は、サーバー会社の移行代行サービス(有料)や、Web制作会社に依頼することをおすすめします。費用は3万円〜10万円程度が相場です。
- 専用サーバーのバックアップは自分で行う必要がある?
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アンマネージドプランは自己管理必須です。マネージドプランは自動バックアップ込みが多いです。
専用サーバーのバックアップ体制は、プランによって大きく異なります。
アンマネージド(自己管理型)プランの場合: すべてのバックアップを自分で管理する必要があります。具体的には:
- 定期的なファイルバックアップ(rsync、tarコマンド等)
- データベースのダンプ取得(mysqldump等)
- バックアップスクリプトの作成と自動実行(cron設定)
- バックアップデータの外部保存(別サーバーやクラウドストレージ)
ビジネス用途では、最低でも日次バックアップ、理想的には時間単位のバックアップ体制を構築すべきです。
マネージドプランの場合: サーバー会社が自動バックアップを実施してくれるケースが多いです。一般的には:
- 日次自動バックアップ(7日〜30日分保存)
- ワンクリックでのデータ復元機能
- 災害対策のための遠隔地バックアップ
マネージドプランは月額料金が高くなりますが、バックアップの手間とリスクを考えると、技術者がいない企業には十分に価値があります。
- 共有サーバーでも高速化できる?
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A. CDN導入、画像最適化、キャッシュプラグイン活用で改善可能です。ただし限界があります。
共有サーバーでも、以下の施策でサイト表示速度を改善できます:
すぐに実施できる高速化施策:
- CDN(Content Delivery Network)の導入 – Cloudflare(無料プラン)やAmazon CloudFrontで静的ファイルを配信
- 画像最適化 – WebP形式への変換、適切なサイズへのリサイズ
- キャッシュプラグイン – WordPressなら「WP Rocket」や「LiteSpeed Cache」
- 不要なプラグイン削除 – 使っていないプラグインを無効化・削除
- Gzip圧縮の有効化 – .htaccessで設定可能
上級者向けの施策:
- CSSとJavaScriptの最小化(Minify)
- 遅延読み込み(Lazy Load)の実装
- データベースの最適化
ただし、共有サーバーではCPU・メモリの制限があるため、最適化にも限界があります。これらの施策を実施しても表示速度が改善しない場合は、VPSや専用サーバーへの移行を検討してください。
- VPSと専用サーバー、どちらを選ぶべき?
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A. 月間30万PV未満ならVPS、それ以上or高いセキュリティ要件なら専用サーバーです。
VPSと専用サーバーの選択は、以下の基準で判断してください:
VPSを選ぶべきケース:
- 月間PV数が10万〜30万PV
- 予算が月額1万円以内
- 共有サーバーより高い自由度が欲しいが、専用サーバーほどのコストはかけられない
- 技術学習も兼ねてサーバー管理を経験したい
- 開発・検証環境として使いたい
専用サーバーを選ぶべきケース:
- 月間PV数が30万以上
- 予算が月額1万円以上確保できる
- 24時間365日の安定稼働が必須(ECサイト、会員制サービス等)
- 高いセキュリティレベルが求められる(個人情報、決済情報を扱う)
- 完全な独立環境が必要(他ユーザーの影響を一切受けたくない)
コストパフォーマンスではVPSが優れていますが、ビジネスの安定性とセキュリティを最優先するなら専用サーバーが適しています。まずはVPSで始めて、事業の成長に合わせて専用サーバーに移行するのも賢い選択です。
ここまで、専用サーバーと共有サーバーの違いを、性能・コスト・運用面から徹底的に比較してきました。最後に、本記事のポイントを再確認し、あなたのサイトに最適なサーバー選択をサポートします。
本記事のポイント再確認
共有サーバー:低コスト・簡単・小規模向け 共有サーバーは、月額数百円〜3,000円程度で利用でき、初心者でも簡単に始められる点が最大のメリットです。WordPress簡単インストール機能やサポート体制も充実しており、個人ブログや小規模コーポレートサイト(月間10万PV以下)に最適です。ただし、リソースを他のユーザーと共有するため、カスタマイズの自由度が低く、高負荷な処理には向きません。
専用サーバー:高性能・高自由度・大規模向け 専用サーバーは、月額1万円〜5万円以上のコストがかかりますが、1台のサーバーを丸ごと独占できるため、圧倒的な性能と安定性を実現します。root権限があり、OSやミドルウェアを自由にカスタマイズでき、大規模ECサイトや会員制サービス(月間30万PV以上)に最適です。ただし、高度な技術知識が必要で、運用管理の手間もかかります。
VPS:中間選択肢として有力 VPSは、月額1,000円〜5,000円程度で、専用サーバーに近い自由度と性能を得られるコストパフォーマンスに優れた選択肢です。共有サーバーでは物足りないが、専用サーバーほどのコストはかけられない、という成長段階のサイト(月間10万〜30万PV)に最適です。
サーバー選びの3つの重要ポイント
サーバー選びで失敗しないために、以下の3つのポイントを必ず確認してください。
1. 現在のPV数・アクセス状況を正確に把握 Google Analyticsなどで、自分のサイトの月間PV数、同時接続ユーザー数、ピーク時のアクセス数を正確に把握しましょう。現状を正しく理解することが、最適なサーバー選択の第一歩です。
2. 将来の成長を見越したスケーラビリティ サイトは成長するものです。半年後、1年後にどれくらいのPV数になっているかを予測し、スケールアップしやすいサーバーを選びましょう。共有サーバーなら上位プランへの変更が簡単か、VPSならプラン変更が柔軟かなど、将来の拡張性も重要です。
3. 自社の技術リソース・予算を考慮 どれだけ高性能なサーバーでも、運用できなければ意味がありません。自社に技術者がいるか、運用を外部に委託できる予算があるか、サーバー管理に時間を割けるかを冷静に判断してください。技術者がいない場合は、マネージドプランや共有サーバーが現実的な選択肢です。
迷ったらまずは共有サーバーから始めよう
スモールスタート推奨 サーバー選びで迷ったら、まずは共有サーバーから始めることをおすすめします。月額数百円から試せるため、リスクが少なく、失敗しても大きな損失にはなりません。実際に運用してみて、不足を感じたら上位プランやVPSへ移行すれば良いのです。
成長に応じて段階的移行 最初から高額な専用サーバーを契約する必要はありません。共有サーバー → 共有サーバー上位プラン → VPS → 専用サーバーという段階的な移行により、コストを抑えながらサイトの成長に合わせた最適な環境を維持できます。
初心者は管理の手間が少ない共有サーバーが安全 特に初めてWebサイトを運営する方は、管理の手間がかからない共有サーバーが最も安全な選択です。エックスサーバーやConoHa WINGなど、国内大手の共有サーバーを選べば、充実したサポート体制があるため、困ったときも安心です。
サーバー選びは、サイト運営の成功を左右する重要な判断です。この記事で解説した基準を参考に、あなたのサイトに最適なサーバーを選んで、快適なサイト運営を実現してください。

