GA4の初期設定を30分で完了!5ステップで導入する方法【2025年最新版】

「GA4の設定って難しそう…」「何から始めればいいかわからない」とお悩みではありませんか?

Webサイトの分析に欠かせないGoogle Analytics 4(GA4)ですが、初めて導入する方にとって設定手順が複雑に感じられるのは当然です。しかし、正しい手順を踏めば、実は30分程度で初期設定を完了できます。

本記事では、GA4の導入から必須の初期設定まで、5つのステップに分けてわかりやすく解説します。この記事の手順に従えば、今日からGA4でWebサイトのデータ計測を開始できます。

GA4を正しく設定して、データに基づいたWebサイト改善を始めましょう。


GA4(Google Analytics 4)とは?導入すべき理由

GA4は、2020年10月にリリースされたGoogleアナリティクスの最新版で、Webサイトやアプリのユーザー行動を分析するための無料ツールです。

従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)は2023年7月1日に計測が終了したため、現在はGA4への移行が必須となっています。GA4はUAとは根本的に異なる設計思想を持ち、ページビュー中心の計測から「ユーザー行動(イベント)」中心の計測へと進化しました。

GA4とUAの主な違い

項目UA(旧版)GA4(新版)
計測の基本単位セッション(訪問)イベント(行動)
クロスデバイス計測制限あり対応
アプリとWebの統合不可可能
プライバシー対応限定的強化
機械学習機能基本的高度

GA4を導入すべき理由は3つあります。第一に、UAが終了した今、GA4が唯一の公式アクセス解析ツールである点です。第二に、スマートフォンやタブレットなど複数デバイスを使うユーザーの行動を正確に追跡できる点です。第三に、AI機能を活用した予測分析やアノマリー検出など、より高度な分析が可能になる点です。

GA4で計測できる主なデータには、ユーザーの属性情報(年齢、性別、地域など)、流入経路(検索エンジン、SNS、広告など)、サイト内行動(閲覧ページ、滞在時間、クリックなど)、コンバージョン(購入、問い合わせ、資料請求など)があります。これらのデータを活用することで、Webサイトの改善点を具体的に把握し、効果的なマーケティング施策を実施できます。


GA4初期設定の準備:必要なものと所要時間

GA4の初期設定を始める前に、必要なものと所要時間を確認しておきましょう。

必要なもの

  • Googleアカウント:GmailなどのGoogleサービスで使用しているアカウント。企業で利用する場合は、個人用ではなく会社用のアカウントを作成することを推奨します
  • Webサイトのアクセス権限:HTMLの編集権限、またはWordPressなどのCMS管理画面へのアクセス権限が必要です
  • 計測対象のWebサイトURL:正確なURLを事前に確認しておきましょう

所要時間 基本的な初期設定は約30分で完了します。内訳は以下の通りです。

  • アカウント・プロパティ作成:5分
  • トラッキングコード設置:10分
  • 必須の初期設定:15分

ただし、Googleタグマネージャー(GTM)を使った高度な設定や、複数のコンバージョン設定を行う場合は、追加で30分~1時間程度かかる場合があります。

事前に確認しておくべきこと

  • Webサイトで使用しているCMS(WordPress、Wixなど)の種類
  • 自社・関係者のIPアドレス(内部トラフィック除外のため)
  • 計測したい主要なコンバージョンポイント(問い合わせ、購入、資料請求など)
  • クロスドメイン計測の必要性(複数ドメインを運用している場合)

これらを事前に準備しておくことで、スムーズに設定作業を進められます。


【ステップ1】Googleアカウントの準備と確認

GA4を利用するには、まずGoogleアカウントが必要です。既にGmailやGoogleドライブを使用している場合は、そのアカウントを利用できます。

Googleアカウントの取得方法 アカウントをお持ちでない場合は、Googleアカウント作成ページから新規作成できます。氏名、メールアドレス、パスワードを入力するだけで、数分で作成完了します。

企業でGA4を利用する場合は、個人のGoogleアカウントではなく、会社用のアカウントを作成することを強く推奨します。理由は以下の通りです。

  • 担当者が退職した際のアカウント引き継ぎが容易
  • 複数のメンバーでアクセス権限を管理しやすい
  • 個人のGmailと混同するリスクを回避できる

既存アカウントの確認手順 既にGoogleアカウントをお持ちの場合は、そのアカウントでGA4を設定できます。Google Analytics公式サイトにアクセスし、ログインできるか確認しましょう。

複数サイト管理時の注意点 複数のWebサイトを管理する場合、1つのGoogleアカウントで複数のGA4プロパティを作成できます。ただし、サイトごとに異なる担当者がいる場合や、クライアント案件の場合は、適切にアクセス権限を設定する必要があります。GA4では「閲覧者」「アナリスト」「編集者」「管理者」の4つの権限レベルがあり、業務内容に応じて適切な権限を付与できます。


【ステップ2】GA4プロパティの作成とデータストリーム設定

Googleアカウントの準備ができたら、GA4プロパティを作成します。プロパティとは、Webサイトやアプリのデータを管理する単位のことです。

GA4プロパティの作成手順

Google Analytics公式サイトにアクセスし、「測定を開始」をクリックします。

アカウント作成 最初にアカウント名を設定します。アカウント名は会社名や組織名にすることが一般的です。例:「株式会社○○」「○○事業部」など。アカウント名は後から変更可能なので、まずは分かりやすい名前を設定しましょう。

アカウントのデータ共有設定では、Googleのベンチマークデータやテクニカルサポートへのデータ共有について選択できます。推奨設定のまま進めて問題ありません。

プロパティの設定 次に、プロパティ名、レポートのタイムゾーン、通貨を設定します。

  • プロパティ名:Webサイト名やサービス名を入力(例:「コーポレートサイト」「ECサイト」)
  • タイムゾーン:「日本」を選択
  • 通貨:「日本円(JPY – ¥)」を選択

タイムゾーンは非常に重要です。ここで「日本」を選択しないと、レポートの日付が日本時間とずれてしまい、正確な分析ができなくなります。

プロパティ作成時の注意点

  • プロパティ名は後から変更可能ですが、測定IDは変更できません
  • 1つのアカウント内に複数のプロパティを作成可能
  • テスト用と本番用でプロパティを分けることも可能です

「ビジネスの説明」と「ビジネスの目標」は任意項目ですが、適切に選択することで、GA4が推奨レポートをカスタマイズしてくれます。

データストリームの追加方法

プロパティを作成したら、次にデータストリームを設定します。データストリームとは、WebサイトやアプリからGA4にデータを送信するための経路のことです。

データストリームの作成手順

  1. プラットフォームで「ウェブ」を選択
  2. WebサイトのURLを入力(https://を含む完全なURL)
  3. ストリーム名を入力(わかりやすい名前、例:「メインサイト」)
  4. 「拡張計測機能」はデフォルトでオンになっています。このままにしておくと、スクロール、外部リンクのクリック、サイト内検索などが自動で計測されるので便利です
  5. 「ストリームを作成」をクリック

測定IDの確認方法 データストリームを作成すると、「G-XXXXXXXXXX」という形式の測定IDが自動発行されます。この測定IDは、次のステップでトラッキングコードを設置する際に必要になるので、メモしておきましょう。

測定IDは、データストリームの詳細画面の右上に表示されています。コピーボタンをクリックすれば簡単にコピーできます。

ストリーム名の設定のコツ ストリーム名は後から見てもわかりやすい名前にしましょう。複数のWebサイトを管理する場合は特に重要です。例:

  • 「コーポレートサイト(www.example.com)」
  • 「ECサイト(shop.example.com)」
  • 「ブログ(blog.example.com)」

このように、サイトの役割とURLの一部を含めると、どのストリームがどのサイトに対応しているか一目で判断できます。


【ステップ3】トラッキングコード(Googleタグ)の設置

データストリームの作成が完了したら、発行された測定IDを使ってWebサイトにトラッキングコード(Googleタグ)を設置します。設置方法は大きく3つあります。

HTMLに直接設置する方法

最もシンプルな方法は、HTMLファイルに直接Googleタグを貼り付ける方法です。

手順

  1. GA4のデータストリーム詳細画面で「タグの実装手順を表示する」をクリック
  2. 「手動でインストールする」を選択
  3. 表示されるグローバルサイトタグ(gtag.js)をコピー
  4. Webサイトの全ページの<head>タグ内、できるだけ上部に貼り付け

コード例

<!-- Google tag (gtag.js) -->
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=G-XXXXXXXXXX"></script>
<script>
  window.dataLayer = window.dataLayer || [];
  function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
  gtag('js', new Date());
  gtag('config', 'G-XXXXXXXXXX');
</script>

全ページへの設置方法 トラッキングコードはサイトの全ページに設置する必要があります。多くのWebサイトでは、ヘッダー部分が全ページ共通のテンプレートファイルになっているため、そのファイル1箇所に追加すれば全ページに反映されます。

静的HTMLで構築されたサイトの場合は、各ページのHTMLファイルに個別に追加する必要があります。ページ数が多い場合は、次に紹介するCMSやGTMでの設置を検討しましょう。

WordPressでの設置方法

WordPressを使用している場合、HTMLを直接編集せずに簡単にGA4を設置できます。

方法1:プラグインを使った設置 最も簡単なのは「Site Kit by Google」などのプラグインを使う方法です。

  1. WordPressダッシュボードから「プラグイン」→「新規追加」
  2. 「Site Kit by Google」を検索してインストール・有効化
  3. プラグインの設定画面でGoogleアカウントと連携
  4. GA4プロパティを選択して接続完了

Site Kit by Googleは、Google公式のプラグインで、GA4だけでなくGoogle Search ConsoleやGoogle広告とも連携できます。

方法2:テーマ設定画面での設置 多くのWordPressテーマには、トラッキングコードを設置する専用フィールドが用意されています。

  1. 「外観」→「カスタマイズ」または「テーマ設定」
  2. 「アクセス解析」「Google Analytics」などの項目を探す
  3. 測定ID(G-XXXXXXXXXX)を入力、または全体のタグコードを貼り付け

テーマによって設定場所や方法が異なるため、使用しているテーマのマニュアルを確認しましょう。

どの方法を選ぶべきか

  • 初心者の方:Site Kit by Googleプラグインを使用
  • テーマに設定機能がある方:テーマの設定画面から入力
  • カスタマイズ性を重視する方:次のGTMでの設置を検討

プラグインは設定が簡単ですが、サイトの速度に影響する可能性があります。一方、テーマ設定での実装はシンプルで軽量です。サイトの要件に合わせて選択しましょう。

Googleタグマネージャー(GTM)での設置

GoogleタグマネージャーGoogle Tag Manager、GTM)は、Googleタグをはじめ、様々なトラッキングコードを一元管理できる無料ツールです。

GTMを使うメリット

  • HTMLを直接編集せずにタグを追加・変更できる
  • GA4以外のツール(Google広告、ヒートマップツールなど)も一元管理可能
  • 高度なイベント計測(特定のボタンクリック、スクロール深度など)が容易
  • タグの発火条件を細かく設定できる

GTMでのGA4タグ設定手順

  1. Googleタグマネージャーにアクセスし、アカウントとコンテナを作成
  2. 発行されたGTMコンテナスニペットをWebサイトの<head><body>直後に設置
  3. GTM管理画面で「タグ」→「新規」をクリック
  4. タグタイプで「Googleアナリティクス:GA4設定」を選択
  5. 測定IDを入力(G-XXXXXXXXXX)
  6. トリガーで「Initialization – All Pages」を選択(All Pagesより優先度が高く、計測漏れを防げます)
  7. タグに名前を付けて保存(例:「GA4 – 基本計測」)
  8. 画面右上の「公開」ボタンをクリック

GTM設定時の注意点

  • 公開を忘れずに:GTMは設定を保存しただけでは反映されません。必ず「公開」ボタンをクリックしましょう
  • 既存タグとの重複:HTMLに直接GA4タグが設置されている場合は削除してください。重複すると二重計測になります
  • プレビューモード活用:公開前にプレビューモードで正しく動作するか確認しましょう

GTMは初期設定がやや複雑ですが、一度設定すれば今後のタグ管理が非常に楽になります。複数のマーケティングツールを使用する予定がある場合は、GTMでの設置を強く推奨します。


【ステップ4】必須の初期設定7項目

トラッキングコードの設置が完了したら、GA4で正確なデータを計測するための初期設定を行います。以下の7項目は必ず設定しましょう。

データ保持期間の変更

GA4のイベントデータ保持期間は、デフォルトでは「2ヶ月」に設定されています。これを最長の「14ヶ月」に変更しましょう。

設定変更の手順

  1. GA4管理画面左下の「管理」(歯車アイコン)をクリック
  2. 「データ設定」→「データ保持」を選択
  3. 「イベントデータの保持」を「14ヶ月」に変更
  4. 「新しいアクティビティのリセット」をオンに設定(推奨)
  5. 「保存」をクリック

デフォルト2ヶ月を14ヶ月に変更する理由 データ保持期間が2ヶ月のままでは、探索レポートで過去のデータを分析する際に、2ヶ月前までのデータしか使用できません。年単位での比較分析ができなくなるため、必ず14ヶ月に変更しましょう。

なお、標準レポートは保持期間の設定に関係なく、過去のデータをすべて閲覧できます。この設定は「探索レポート」での分析に影響する設定です。

「新しいアクティビティのリセット」をオンにすると、定期的にサイトを訪れるリピーターのデータを長期間保持できるため、リピーター分析に役立ちます。

内部トラフィックの除外設定

自社や関係者からのアクセスを除外し、正確なユーザーデータを計測するための設定です。

内部トラフィックの定義方法

  1. GA4管理画面の「データストリーム」から対象のWebサイトを選択
  2. 「タグ設定を行う」をクリック
  3. 「すべて表示」→「内部トラフィックの定義」を選択
  4. 「作成」をクリック
  5. ルール名を入力(例:「本社オフィス」「自宅」)
  6. traffic_typeは「internal」のまま
  7. マッチタイプで「IPアドレスが次と等しい」を選択
  8. 除外したいIPアドレスを入力
  9. 「作成」をクリック

IPアドレスの確認と登録 自分のIPアドレスは「確認くん」などのWebサービスで簡単に確認できます。会社のオフィスからアクセスする場合は、IT部門に問い合わせて固定IPアドレスを確認しましょう。

複数の拠点やリモートワーク環境がある場合は、それぞれのIPアドレスを登録する必要があります。IPアドレスごとに内部トラフィックルールを作成できます。

データフィルタの有効化 内部トラフィックを定義しただけでは除外されません。データフィルタを有効化する必要があります。

  1. 「データ設定」→「データフィルタ」を選択
  2. 「Internal Traffic」というフィルタが自動作成されているので、これをクリック
  3. フィルタの状態を「テスト」から「有効」に変更
  4. 「保存」をクリック

これで内部トラフィックが除外され、外部ユーザーのデータのみが計測されるようになります。

Googleシグナルの有効化

Googleシグナルは、Googleアカウントにログインしているユーザーの行動を、デバイスやセッションをまたいで追跡できる機能です。

Googleシグナルとは ユーザーがスマートフォンとパソコンの両方でサイトを訪問した場合、通常は別々のユーザーとしてカウントされます。Googleシグナルを有効にすると、Googleアカウントでログインしているユーザーであれば、同一ユーザーとして認識できます。

これにより、より正確なユーザー数の把握や、クロスデバイスでのユーザー行動分析が可能になります。

有効化の手順とメリット

  1. GA4管理画面の「データ設定」→「データ収集」を選択
  2. 「Googleシグナルのデータ収集」の「設定」をクリック
  3. 「続行」をクリック
  4. 内容を確認して「有効にする」をクリック

メリットは以下の通りです。

  • クロスデバイス計測の精度向上
  • 広告のリマーケティング機能が利用可能
  • ユーザー属性レポート(年齢、性別、興味関心)の精度向上

プライバシー設定との関係 Googleシグナルを有効にする際は、プライバシーポリシーにその旨を記載する必要があります。特にEU圏内のユーザーがいる場合は、GDPR(一般データ保護規則)への対応も必要です。

Google Search Consoleとの連携

Google Search Console(サーチコンソール)とGA4を連携することで、検索エンジンからの流入キーワードやクリック数などのSEOデータと、サイト訪問後のユーザー行動データを統合して分析できます。

連携するメリット(検索クエリの確認)

  • どんな検索キーワードでサイトに訪問しているかを確認できる
  • 検索結果でのクリック率や掲載順位を把握できる
  • 検索流入後のコンバージョン率を分析できる
  • SEO施策の効果を正確に測定できる

連携設定の手順

  1. GA4管理画面の「Search Consoleのリンク」をクリック
  2. 「リンク」ボタンをクリック
  3. Search Consoleのアカウントを選択(事前にSearch Consoleへの登録が必要)
  4. 連携するWebプロパティを選択
  5. 確認して「次へ」をクリック
  6. データストリームを選択
  7. 「送信」をクリック

連携後に確認できるデータ 連携が完了すると、GA4の「集客」→「Search Console」セクションで以下のデータを確認できます。

  • Google検索クエリ(検索キーワード)
  • Google検索結果でのクリック数
  • 表示回数(インプレッション数)
  • 平均掲載順位
  • クリック率(CTR)

これらのデータとGA4の行動データを組み合わせることで、SEO施策の費用対効果を正確に測定できます。

コンバージョン(キーイベント)の設定

コンバージョンとは、サイトの目標達成を意味します。問い合わせフォームの送信、商品購入、資料ダウンロードなど、ビジネスの成果につながるユーザー行動をコンバージョンとして設定します。

コンバージョンの定義 GA4では、コンバージョンを「キーイベント」と呼びます。キーイベントを設定することで、重要な成果を特別に追跡し、分析できるようになります。

イベントの作成とコンバージョン登録 GA4では、まずイベントを作成し、そのイベントをキーイベント(コンバージョン)としてマークする流れになります。

  1. GA4管理画面の「イベント」を選択
  2. 自動収集イベントや拡張計測イベントの一覧が表示されます
  3. 既存のイベントをコンバージョンにする場合:イベント名の右側にある「キーイベントとしてマーク」トグルをオンにする
  4. 新規イベントを作成する場合:「イベントを作成」をクリックし、条件を設定

おすすめのコンバージョン設定例 サイトの種類別に、設定すべきコンバージョンの例を紹介します。

コーポレートサイト

  • お問い合わせフォーム送信完了
  • 資料ダウンロード完了
  • 電話番号のタップ(モバイル)
  • メールアドレスのクリック

ECサイト

  • 商品購入完了(purchase)※GA4では自動計測
  • カートへの追加
  • 購入手続き開始
  • 会員登録完了

メディアサイト

  • メールマガジン登録
  • 会員登録完了
  • 記事の深読み(一定以上のスクロール)
  • SNSシェアボタンのクリック

コンバージョンは最大30個まで設定できますが、本当に重要な指標に絞ることをおすすめします。

クロスドメイントラッキングの設定(必要な場合)

複数の異なるドメインを運用している場合、ユーザーがドメイン間を移動しても、同一セッションとして計測するための設定です。

クロスドメイントラッキングが必要なケース

  • コーポレートサイト(example.com)とECサイト(shop.example.jp)を運用している
  • メインサイト(example.com)と予約システム(booking.example.net)が別ドメイン
  • LPからサービスサイトへ遷移し、異なるドメインになる
  • 決済システムが外部サービスで別ドメイン

これらのケースでクロスドメイントラッキングを設定しないと、ドメイン移動のたびに新規セッションとしてカウントされ、正確なユーザー行動が追跡できません。

設定手順と確認方法

  1. GA4管理画面の「データストリーム」から対象サイトを選択
  2. 「タグ設定を行う」→「ドメインの設定」を選択
  3. 「条件の追加」をクリック
  4. マッチタイプで「ドメインに次を含む」を選択
  5. 計測対象に含めたいドメインを入力(例:shop.example.jp)
  6. 「保存」をクリック

設定後は、実際にドメイン間を移動してみて、リアルタイムレポートで同一セッションとして計測されているか確認しましょう。

参照元除外リストの設定

決済サービスや外部フォームなど、自社サイトの一部として扱いたいドメインを参照元から除外する設定です。

参照元除外が必要な理由 例えば、ECサイトで外部の決済サービス(例:stripe.com)を使用している場合、ユーザーが決済ページに移動し、その後サンクスページに戻ってくると、GA4はstripe.comからの「新規訪問」として記録してしまいます。

これにより、本来は「検索エンジン」や「広告」から訪問したユーザーが、「stripe.com」からの訪問として記録され、流入経路のデータが不正確になります。

除外すべきドメインの例

  • 決済サービス(Stripe、PayPalなど)
  • 外部フォームサービス(Googleフォーム、Typeformなど)
  • 外部の予約システム
  • 認証システム(OAuth、SSO)

設定方法

  1. GA4管理画面の「データストリーム」から対象サイトを選択
  2. 「タグ設定を行う」→「もっと見る」→「参照元除外リスト」を選択
  3. 「除外する参照のリストを設定する」の「条件の追加」をクリック
  4. マッチタイプで「ドメインが次と一致」を選択
  5. 除外したいドメインを入力(例:stripe.com)
  6. 「保存」をクリック

複数のドメインを除外する場合は、1つずつ追加してください。


【ステップ5】計測の確認とテスト

すべての設定が完了したら、GA4が正しくデータを計測しているか確認します。

リアルタイムレポートでの確認方法

  1. GA4管理画面の左メニューから「レポート」→「リアルタイム」を選択
  2. 別のブラウザまたはシークレットモードで自社サイトにアクセス
  3. リアルタイムレポートに「過去30分間のユーザー」として表示されるか確認
  4. ページビュー、イベント、コンバージョンが記録されているか確認

正しく計測できているかのチェックポイント

確認項目チェック方法正常な状態
ユーザー数サイトにアクセス後、リアルタイムレポートを確認1以上のユーザーが表示される
ページビュー複数ページを閲覧閲覧したページが記録される
内部トラフィック除外社内IPからアクセスリアルタイムレポートに表示されない
イベント計測設定したイベントを実行(ボタンクリックなど)イベントが記録される
コンバージョンコンバージョンを実行キーイベントとして記録される

よくある計測エラーとその対処法

エラー1:リアルタイムレポートに何も表示されない

  • 原因:トラッキングコードが正しく設置されていない、または公開されていない
  • 対処法:ブラウザの開発者ツール(F12キー)でページのソースコードを確認し、Googleタグが存在するか確認。GTMを使用している場合は「公開」を実行したか確認

エラー2:自分のアクセスが除外されない

  • 原因:IPアドレスが正しく登録されていない、またはデータフィルタが「有効」になっていない
  • 対処法:現在のIPアドレスを再確認し、内部トラフィックルールを修正。データフィルタの状態を「有効」に変更

エラー3:イベントが記録されない

  • 原因:イベントの設定条件が間違っている、またはタグの設置に問題がある
  • 対処法:GTMのプレビューモードで、イベントが正しく発火しているか確認。GA4の「DebugView」機能も活用

エラー4:コンバージョンが計測されない

  • 原因:イベントがキーイベントとしてマークされていない
  • 対処法:GA4の「イベント」設定でトグルをオンにする

計測開始後24~48時間は、データが不安定な場合があります。本格的な分析は数日後から始めることをおすすめします。


GA4初期設定後にやっておきたい追加設定

基本的な初期設定が完了したら、さらに高度な分析を行うための追加設定を行いましょう。

カスタムディメンションの作成 カスタムディメンションを使うと、GA4の標準レポートでは取得できない独自のデータを記録できます。例えば、会員ステータス(無料会員/有料会員)、記事カテゴリ、商品カテゴリなどです。

設定方法:

  1. 「管理」→「カスタム定義」→「カスタムディメンションを作成」
  2. ディメンション名とイベントパラメータを設定
  3. 対応するイベントパラメータをGTMやコード内で送信

オーディエンスの設定 オーディエンスとは、特定の条件を満たすユーザーグループのことです。例えば「過去7日間に3回以上訪問したユーザー」「商品をカートに入れたが購入しなかったユーザー」などです。

オーディエンスを作成すると、そのグループだけを対象にした詳細分析や、Google広告でのリターゲティングが可能になります。

設定方法:

  1. 「管理」→「オーディエンス」→「新しいオーディエンス」
  2. 条件を設定(訪問回数、イベント、ページURL、ユーザー属性など)
  3. オーディエンス名を付けて保存

レポートのカスタマイズ GA4の標準レポートは便利ですが、自社のビジネスに合わせてカスタマイズすることで、さらに使いやすくなります。

  • 不要な指標を非表示にする
  • 重要な指標を上位に配置する
  • カスタムディメンションを追加する
  • レポート名を変更して分かりやすくする

レポートのカスタマイズは「レポート」画面の右上の鉛筆アイコンから行えます。

探索レポートの活用準備 探索レポートは、GA4の最も強力な分析機能です。自由形式でディメンションと指標を組み合わせ、深い洞察を得られます。

よく使う探索レポートのテンプレートを作成しておくと、定期的な分析作業が効率化されます。以下のような探索レポートを作成しておくと便利です。

  • ページ別のコンバージョン率分析
  • ユーザーフロー分析(どのページ経路でコンバージョンに至るか)
  • コホート分析(特定期間に訪問したユーザーの継続率)
  • ファネル分析(コンバージョンまでのステップごとの離脱率)

GA4設定時のよくある質問(FAQ)

Q1: UAのデータはGA4に移行できる?

A: いいえ、UAのデータをGA4に移行することはできません。

UAとGA4は計測の仕組みが根本的に異なるため、過去のデータを自動的に移行する機能は提供されていません。UAで計測していたデータは、UA管理画面で2025年7月1日まで閲覧可能ですが、その後は削除される予定です。

対策として、以下を実施しましょう。

  • 重要なUAデータは、2025年7月までにエクスポート(CSV、Googleスプレッドシート、BigQueryなど)して保存する
  • GA4とUAを並行稼働させている期間のデータを比較し、傾向を把握する
  • GA4で新たなベースラインを確立し、今後の変化を追跡する

Q2: GA4とUAは併用すべき?

A: 現時点(2025年11月)では、UAの計測は完全に停止しているため、併用はできません。

2023年7月1日以前であれば、UAとGA4を併用し、データの違いを把握しながら移行期間を設けることが推奨されていました。しかし、現在はGA4のみの運用となります。

もしまだUAからの完全移行が完了していない場合は、以下を実施してください。

  • UAで設定していたコンバージョンやカスタムレポートをGA4で再現する
  • UAの過去データで重要なものをエクスポートして保存する
  • GA4の使い方に慣れるためのトレーニングを実施する

Q3: スマホアプリの計測も同時にできる?

A: はい、GA4ではWebサイトとスマホアプリのデータを同じプロパティ内で計測し、統合分析できます。

これはGA4の大きな特長の1つです。設定方法は以下の通りです。

  1. GA4プロパティで、既存のウェブデータストリームに加えて、アプリデータストリームを追加
  2. iOSアプリの場合:Firebase SDKを実装
  3. Androidアプリの場合:Firebase SDKを実装
  4. アプリとWebで共通のユーザー識別子を設定

アプリとWebのクロスプラットフォーム分析により、以下のような洞察が得られます。

  • ユーザーがWebで商品を閲覧し、アプリで購入するといった行動パターン
  • アプリとWebそれぞれのコンバージョン率の違い
  • デバイスをまたいだユーザージャーニーの可視化

ただし、アプリ計測には開発者の協力が必要で、WebサイトのGA4設定よりも技術的な知識が求められます。

Q4: 設定後、いつからデータが見られる?

A: トラッキングコードを設置し、設定が完了した時点からデータ計測が開始されます。リアルタイムレポートではほぼ即座にデータが反映されますが、標準レポートには24~48時間の遅延があります。

データ反映のタイムライン

  • リアルタイムレポート:設定後すぐ(数分以内)
  • 標準レポート:24~48時間後
  • 探索レポート:24~48時間後
  • Google広告連携データ:最大48時間後

データが反映されない場合は、以下を確認してください。

  • トラッキングコードが正しく設置されているか
  • GTMを使用している場合、「公開」が完了しているか
  • ブラウザの拡張機能(広告ブロッカーなど)が計測を妨げていないか
  • 内部トラフィック除外設定により、自分のアクセスが除外されていないか

Q5: 無料版と有料版(GA4 360)の違いは?

A: GA4には無料版と有料版(Google Analytics 360)があります。ほとんどの中小企業やWebサイトでは、無料版で十分な機能が利用できます。

主な違い

項目GA4無料版GA4 360(有料版)
月額費用無料数百万円〜
イベント数上限月1,000万イベント月10億イベント
コンバージョン数30個50個
カスタムディメンション50個125個
データ保持期間最大14ヶ月最大50ヶ月
BigQueryエクスポート1日1回ストリーミング対応
SLA保証なしあり
サポートコミュニティ専任サポート

GA4 360が必要なケース

  • 大規模なECサイトで月間1,000万イベント以上を記録する
  • 高度なデータ分析のため、リアルタイムでBigQueryにデータを送信したい
  • 企業の重要システムとしてSLA(サービスレベル保証)が必要
  • 専任のGoogleサポートが必要

月間数十万~数百万PVの一般的なWebサイトであれば、無料版で問題ありません。イベント数の上限に近づいてきたら、GA4 360への移行を検討しましょう。


GA4初期設定でつまずいたときのトラブルシューティング

GA4の設定中に問題が発生した場合の対処法をまとめました。

データが計測されない場合の確認ポイント

チェック1:トラッキングコードの設置確認

  • ブラウザで自社サイトを開き、右クリック→「ページのソースを表示」
  • Ctrl+F(Windowsまたは⌘+F(Mac)で「gtag.js」または測定ID「G-XXXXXXXXXX」を検索
  • コードが見つからない場合は設置されていない

チェック2:GTMの公開確認

  • GTMを使用している場合、設定を保存しただけでは反映されない
  • GTM管理画面右上の「公開」ボタンをクリックしたか確認
  • 「バージョン」タブで最新バージョンが公開済みになっているか確認

チェック3:内部トラフィック除外設定

  • 自分のアクセスが除外設定されている可能性
  • 別のネットワーク(モバイル回線など)からアクセスして確認
  • または、一時的にデータフィルタを「テスト」状態に戻す

タグが正しく設置されているか確認する方法

方法1:Google Tag Assistant(Chrome拡張機能)

  1. Chromeブラウザに「Tag Assistant Legacy」拡張機能をインストール
  2. 自社サイトにアクセス
  3. Tag Assistantアイコンをクリック
  4. 「Enable」をクリックしてページを再読み込み
  5. GA4タグが検出され、正常に動作しているか確認

方法2:ブラウザの開発者ツール

  1. Chromeで自社サイトを開く
  2. F12キー(またはMacで⌘+Option+I)を押して開発者ツールを開く
  3. 「Network」タブを選択
  4. ページを再読み込み
  5. フィルタ欄に「collect」と入力
  6. 「collect?v=2」で始まるリクエストがあればGA4が動作している

方法3:GA4のDebugView

  1. Chrome拡張機能「Google Analytics Debugger」をインストール
  2. 拡張機能を有効化
  3. 自社サイトにアクセス
  4. GA4管理画面の「設定」→「DebugView」を開く
  5. リアルタイムでイベントが表示されれば正常

リアルタイムレポートに表示されない原因

原因1:データの反映遅延

  • リアルタイムレポートでも数分の遅延が発生する場合がある
  • 5〜10分待ってから再度確認

原因2:広告ブロッカーの影響

  • 広告ブロッカーやプライバシー拡張機能がGA4を無効化している可能性
  • シークレットモード、または拡張機能を無効にしたブラウザで確認

原因3:測定IDの間違い

  • トラッキングコードに入力した測定IDが正しいか確認
  • GA4のデータストリーム画面で測定IDをコピーし直して再設置

原因4:ボットとしてフィルタリングされている

  • GA4は自動的にボットトラフィックを除外する
  • 通常のブラウザから、通常の操作でアクセスしているか確認

サポートへの問い合わせ方法

どうしても解決できない場合は、以下の方法でサポートを受けられます。

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Googleサポートへの直接問い合わせ

  • GA4無料版では、メールやチャットでの直接サポートは基本的に提供されていない
  • GA4 360(有料版)の利用者のみ、専任サポートを利用可能

外部専門家への依頼

  • Webマーケティング代理店
  • GA4認定資格保有者
  • フリーランスのアナリスト

複雑な設定や高度な分析が必要な場合は、プロに依頼することも選択肢の1つです。


まとめ:GA4初期設定は30分で完了!次のステップへ

本記事では、GA4の初期設定を5つのステップで解説しました。改めて振り返ってみましょう。

5ステップの振り返り

  1. Googleアカウントの準備:会社用アカウントを用意
  2. GA4プロパティとデータストリームの作成:測定IDを発行
  3. トラッキングコードの設置:HTML直接、WordPress、またはGTMで設置
  4. 必須の初期設定7項目:データ保持期間、内部トラフィック除外、Googleシグナル、Search Console連携、コンバージョン、クロスドメイン、参照元除外
  5. 計測の確認:リアルタイムレポートで動作確認

これらの設定を完了すれば、GA4でWebサイトのデータ計測が開始され、ユーザー行動の分析が可能になります。

GA4を使いこなすための学習リソース

初期設定は完了しましたが、GA4を本格的に活用するにはさらなる学習が必要です。以下のリソースを活用しましょう。

  • Googleアナリティクスアカデミー:Google公式の無料オンライン学習プログラム
  • Google Analytics 4ヘルプ:公式ドキュメント、最新情報はここで確認
  • YouTubeチュートリアル:「GA4 使い方」で検索すると多数の解説動画が見つかる
  • 書籍:「いちばんやさしいGoogleアナリティクス4の教本」など入門書が多数出版されている
  • オンラインコース:UdemyやSchooなどのプラットフォームでGA4講座が提供されている

データ分析を始める前に知っておくべきこと

GA4の設定が完了したからといって、すぐに完璧な分析ができるわけではありません。以下の点を理解しておきましょう。

1. データ蓄積期間を確保する 最低でも1〜2週間、理想的には1〜3ヶ月のデータが蓄積されてから本格的な分析を開始しましょう。データ量が少ないと、正確な傾向がつかめません。

2. ベースラインを設定する 初期のデータを基準(ベースライン)として記録しておきます。今後の改善施策の効果を測定する際に、このベースラインと比較します。

3. 定期的なレポート確認の習慣化 週次または月次で定期的にレポートを確認する習慣をつけましょう。継続的なモニタリングが、問題の早期発見と改善につながります。

4. 仮説を持って分析する 「何となく」データを眺めるのではなく、「○○の施策で△△が改善したはず」という仮説を持って分析しましょう。目的意識を持った分析が、具体的なアクションにつながります。

5. 数字の変化だけでなく「なぜ」を考える 「PVが減った」という事実だけでなく、「なぜPVが減ったのか」を深掘りすることが重要です。流入元、デバイス、ページ別など、様々な角度から分析しましょう。

GA4は強力なツールですが、ツール自体がビジネスを改善してくれるわけではありません。データを正しく読み解き、具体的なアクションにつなげることで、初めて価値が生まれます。

本記事で解説した初期設定を完了させ、データに基づいたWebサイト改善の第一歩を踏み出しましょう。

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