n8nのセルフホストにおすすめのVPS|Cloud版との費用比較・構築方法・脆弱性対策まで【2026年】

n8nのセルフホストにおすすめのVPS

「n8nを使い始めたけれど、Cloud版の実行回数の上限が気になってきた」「社内の業務自動化に使いたいので、データを自社管理のサーバーに置きたい」——こうした理由でn8nのセルフホストを検討する方が増えています。n8nは無料のCommunity Editionを自分のサーバーで動かせるため、VPSを1台用意すれば実行回数を気にせず使えるのが大きな魅力です。この記事では、Cloud版との費用比較から、必要なメモリ、主要VPSの導入テンプレート、見落とされがちなライセンスと脆弱性の注意点までを整理します。

結論:月の実行回数が2,500回を超えるならVPSでのセルフホストが有利

結論:n8nは、Cloud版のStarterプランの上限(月2,500実行)を超えそうなら、VPSでのセルフホストのほうが費用を抑えやすくなります。n8n公式の料金ページでは、Starterプランが年払いで月20ユーロ(月2,500実行)、Proプランが月50ユーロ(月10,000実行)です(2026年10月時点)。一方、セルフホスト用のCommunity Editionは無料で、実行回数の上限はありません。4GBクラスのVPSは月1,300〜1,700円前後から借りられます。

そのうえで、VPSの選び方は次のように整理できます。

  • 固定費を抑えて長く動かしたい・DifyなどほかのAIアプリも同居させたい → ABLENET VPS(setup-toolでn8nを導入でき、最低利用期間なし)
  • まず時間課金で試したい・長期契約で月額を下げたい → ConoHa VPS(n8nのスタートアップスクリプトでHTTPSまで自動構築)
  • 法人として老舗の安定運用を重視したい → さくらのVPS(n8nのスタートアップスクリプトあり・4GB以上はSLA対象)

ただし、セルフホストは「無料で使い放題」ではありません。アップデート、バックアップ、セキュリティ対策は自分の仕事になります。2026年はn8nに緊急性の高い脆弱性が複数公表されており、更新を怠ると外部から悪用されるおそれがあります。この点は後半で詳しく説明します。

n8n Cloudとセルフホストの違い

n8n Cloudは「サーバー管理を任せる代わりに実行回数で課金される」、セルフホストは「サーバー管理を自分で持つ代わりに実行回数が無制限」という関係です。どちらが得かは、使い方と、サーバーを管理できる人が社内にいるかで決まります。

表1:n8n Cloudとセルフホスト(Community Edition)の比較

項目n8n Cloud(Starter)n8n Cloud(Pro)セルフホスト(VPS)
料金月20ユーロ(年払い)月50ユーロ(年払い)ソフトは無料+VPS代(4GBで月1,300〜1,700円前後)
月間実行回数2,500回10,000回上限なし(サーバー性能次第)
同時実行数550サーバー性能次第
サーバー管理不要不要自分で行う(更新・バックアップ・監視)
データの置き場所n8nのクラウドn8nのクラウド自社で契約したVPS(国内リージョンも選べる)
コミュニティノードの追加制限あり制限あり自由に追加できる
n8n公式料金ページ(2026年10月確認)と各VPSの公式料金をもとに編集部作成。Cloud版はユーロ建てのため、円換算額は為替で変動します

n8nの「1実行」は、ワークフローを1回最後まで動かすことを指します。ノードが10個あっても1実行です。15分おきに動くワークフローが1本あるだけで月に約2,900実行になり、Starterの上限を超えます。定期実行やWebhookを多用するなら、セルフホストのほうが気兼ねなく使えます。

セルフホストしたn8nでよく自動化される業務

セルフホストの価値が大きいのは、「回数が多い」「社内データを扱う」「24時間止めたくない」の3つがそろう業務です。こうした業務はCloud版だと実行回数がすぐに積み上がり、データの置き場所も気になります。代表的な例を挙げます。

業務の例実行頻度の目安セルフホストが向く理由
問い合わせフォームの内容をAIで分類し、担当者のチャットへ通知問い合わせのたび顧客の個人情報を自社管理のサーバーで扱える
受信メールの添付ファイルを保存し、台帳に記録数分おき定期チェックだけで月数千実行になる
アクセス解析や広告のデータを集計して日報を送る毎朝外部APIの認証情報を手元に置ける
Webhookで受けた注文データを販売管理へ連携注文のたび24時間受け付け続ける必要がある
編集部作成。実行頻度は一般的な業務を想定した目安

いずれも、AIの判断はOpenAIやAnthropicなどのAPIに任せ、n8nは「つなぐ役」に徹するのが基本の形です。そのためサーバーにGPUは要らず、通常のVPSで十分に回せます。

セルフホストの前に確認したいライセンスの条件

n8nは完全なオープンソースではなく、「Sustainable Use License」という独自ライセンスで提供されています。自社の業務に使う分には無料ですが、使い方によっては別途商用契約が必要です。セルフホストを決める前に、ここだけは確認してください。

表2:n8n Community Editionで「できること・できないこと」

使い方無料で使えるか
自社の業務自動化に使う(社内の人だけがワークフローを作る)○ 使える
個人の副業・個人プロジェクトで使う○ 使える
自分のn8nで顧客向けのワークフローを作り、結果だけを提供する○ 使える(公式FAQで例示)
顧客がワークフローを作れる形でn8nをホストして提供する× 別途契約が必要
n8nを自社製品の機能として組み込んで販売する× 別途契約が必要
n8n公式ドキュメント「Community license」「License FAQ」(2026年10月確認)をもとに編集部作成。判断に迷う場合はn8n公式(license@n8n.io)に確認してください

公式FAQには「ワークフローを作成・変更するのがあなたか、あなたの組織の人だけであれば、Community Licenseのもとで無料で使える」と書かれています。制作会社が「お客様ごとにn8nの環境を用意して、お客様自身に触ってもらう」形は対象外なので注意してください。

n8nに必要なVPSのスペック

n8nを単体で動かすなら、メモリ2GBが最低ライン、実用上は4GBが安心です。ConoHaの公式ドキュメントでは最小構成をCPU 2コア・メモリ2GB・ディスク20GB以上としており、さくらのVPSも「メモリ2GB以上のプラン推奨」としています。ただし、これは「起動して動く」下限です。

実際の運用では、同時に動くワークフローの数と、扱うデータの大きさでメモリ使用量が変わります。大きなCSVやPDFを扱う、AIエージェントのノードで長い文章をやり取りする、といった使い方をするなら余裕を持たせてください。

表3:用途別のメモリの目安

使い方メモリの目安根拠・補足
個人で数本のワークフローを試す2GBConoHa・さくらの公式が示す最低ライン
社内の定型業務を数十本自動化する4GBPostgreSQLを同じサーバーに置いても余裕が出る
n8nとDifyを同じサーバーで動かす8GBABLENETがDify・n8n向けの基本プランを8GBとしている
n8n+Dify+DB+RAG・OCR連携16GB以上ABLENETがこの構成に16GB以上を推奨
ConoHa・さくら・ABLENETの公式情報(2026年10月確認)と編集部の目安(相対評価)

n8nはGPUを必要としません。AIの処理はOpenAIやAnthropicなどの外部APIに任せるのが基本なので、GPUなしの通常のVPSで十分です。

n8nを導入しやすい国内VPSの比較

国内の主要VPSの多くは、n8nを数クリックかコマンド1つで導入できる仕組みを用意しています。自分でDockerをインストールして設定ファイルを書く必要がないため、サーバー構築に慣れていない方でも始めやすくなりました。

表4:主要VPSのn8n導入方法と料金(4GB前後)

サービスn8nの導入方法4GB前後の月額(税込)無料お試し最低利用期間
ABLENET VPSsetup-toolコマンドで展開L2(4GB):契約時1,536円/更新後1,706円10日間なし
ConoHa VPSスタートアップスクリプト(Docker Compose+自動HTTPS)4GB:まとめトク36ヶ月で1,285円〜なし(時間課金で代替)なし(時間課金時)
さくらのVPSスタートアップスクリプト(2026年5月追加)4GB:3,520円2週間3ヶ月
XServer VPSアプリイメージ(サブドメイン必須)4GB:2,035円(1ヶ月契約)——
各社公式サイト(2026年10月確認・税込)。ConoHaは長期契約ほど安く、時間課金の2GBは月額上限2,033円。料金・キャンペーンは変動するため申込前に公式で確認してください

XServer VPSは2026年9月17日から全プランの新規受付を一時停止しています(再開は2026年11月中の予定と公式発表)。既存の契約者は追加で申し込めますが、これから始める方は現時点では選べません。公式は代替として「XServer VPS クラウド」を案内しています。

各社のLinux VPSをAI用途全般で比べた結果はAI用途のVPS比較:さくら vs ConoHa vs XServerで詳しく解説しています。

★ n8nを長く動かすなら

ABLENET VPS

setup-toolでn8nを導入 | L2(4GB)は更新後価格で月1,706円・L3(8GB)は月2,400円(2026年時点)

✅ n8n・Dify・Open WebUIをコマンドで導入✅ 10日間の無料試用✅ 最低利用期間なし

ABLENET VPSを見る →

セルフホストの費用はいくらになるか(独自試算)

n8nのセルフホストで実際にかかるのは「VPS代」と「独自ドメイン代」、そして「管理の手間」です。n8nを外部サービスと連携させるにはHTTPSでアクセスできるURLが必要で、XServer VPSのアプリイメージのようにサブドメインを必須とする仕組みもあります。ConoHaのスクリプトは初期割当のホスト名でもHTTPS化できますが、業務で使うなら独自ドメインを用意しておくと後々楽です。

表5:4GBのVPSでn8nを1年間動かした場合の費用

構成月額年額実行回数の上限
ABLENET L2(4GB)2年目以降1,706円20,472円なし
ConoHa 4GB(まとめトク36ヶ月)1,285円15,420円なし
さくら 4GB(月払い)3,520円42,240円 ※なし
n8n Cloud Starter(年払い)20ユーロ240ユーロ月2,500回
n8n Cloud Pro(年払い)50ユーロ600ユーロ月10,000回
各社公式料金(2026年10月確認・税込)から筆者が算出。独自ドメイン代は別。※さくらは12ヶ月一括払いでおよそ1ヶ月分安くなる。ConoHaは36ヶ月の長期契約が前提

費用だけで見ると、セルフホストはn8n Cloud Starterと同程度か、それより安く収まります。そして実行回数の上限がないので、使い込むほど差が開きます。逆に、月に数百回しか動かさず、サーバーを管理したくないなら、Cloud版のほうが合理的です。

私自身は、DifyとOllamaを組み合わせた分析パイプラインをKAGOYA CLOUD VPSで、Claude Codeによるメディア運用の自動化をVPS常駐で回しています。こうした「業務を回すAIツール」を自前のVPSに置く運用で実感しているのは、月額の安さよりも「止まったときに自分で直せるか」が満足度を左右するということです。n8nも同じで、費用だけでなく管理の手間まで含めて判断してください。

VPSでn8nを始める手順(ConoHaの例)

テンプレートを使えば、n8nの起動まではおおむね30分ほどで進められます。ConoHa VPSのn8nスタートアップスクリプトを例に、公式ドキュメントに沿って流れを示します。

  1. VPSを作成する:OSはUbuntu 24.04 LTS、スタートアップスクリプトで「n8n」を選ぶ。メモリは2GB以上(業務で使うなら4GB)
  2. SSHで接続し、起動スクリプトを実行する:/root/n8n-start.sh を実行。セキュリティのため、インストール直後はサービスが停止した状態になっている
  3. アクセス先を確認する:cat /root/n8n-info.txt で、割り当てられたドメインを確認する
  4. ブラウザでアクセスし、管理者アカウントを作成する:HTTPSの証明書はCaddyが自動で取得・更新する
  5. 独自ドメインに切り替える(任意):/root/n8n-manage.sh domain -d で設定する

さくらのVPSやABLENETでも、仕組みは違っても流れはほぼ同じです。どのサービスでも最初にやるべきなのは、管理者アカウントを作ってから、サーバーのファイアウォールで不要なポートを閉じることです。

顧客にn8nを触らせる形で提供するか? はい→ n8nと商用契約が必要 いいえ → 月の実行回数は2,500回を超える? いいえ・管理したくないn8n Cloud Starter はい・管理できるVPSでセルフホスト n8n単体なら4GB/Difyも置くなら8GB テンプレートで構築しHTTPS化 更新・バックアップを運用に組み込む
n8nをCloudとセルフホストのどちらで使うかの判断フロー(筆者作成)

セルフホストで必ずやるべき脆弱性対策

セルフホストで最も見落とされがちなのが、n8n本体のアップデートです。2026年はn8nに緊急性の高い脆弱性が繰り返し公表されました。XServer VPSの公式お知らせでは、2026年3月25日に公開された複数の脆弱性(CVE-2026-33696など)について、認証済みユーザーによる不正なコード実行、アカウントの乗っ取り、機密情報の漏洩が起きる可能性があるとして、修正版への更新を呼びかけています。

表6:セルフホストで運用に組み込むべき対策

対策頻度の目安理由
n8n本体のアップデートセキュリティ情報が出たら即日、それ以外は月1回2026年に緊急性の高い脆弱性が複数公表されている
OSのセキュリティ更新月1回以上サーバー自体の脆弱性を塞ぐ
データのバックアップ毎日(自動化する)ワークフローと認証情報を失うと復旧が大変
管理画面へのアクセス制限構築時に1回ログイン画面を誰でも開ける状態にしない
ユーザー権限の見直しメンバーが変わるたび脆弱性の多くは「ワークフロー作成権限のある認証済みユーザー」が起点
XServer VPS公式の脆弱性情報(2026年3月25日公開分ほか)をもとに編集部作成

「n8nのワークフローを作れる人を必要最小限にする」のは、費用ゼロでできる効果の大きい対策です。外部の協力者にアカウントを渡す場合は、とくに注意してください。VPSの運用で費用が想定外に膨らむパターンはVPSのコスト暴走を防ぐ注意点にまとめています。

VPS別:どんな人に向くか

ABLENET VPS:n8nとDifyを同居させて長く回したい人

ABLENETは、n8nを含むAIアプリを固定費を抑えて長期運用したい人に向きます。公式の「AIセルフホストVPS」ページでは、Dify・n8n向けの基本プランを8GBのL3とし、setup-toolコマンドでn8nやDify、Open WebUIを展開できると案内しています。L3は更新後価格で月2,400円です。ABLENETの詳しい評価はABLENET VPSの評判とAI用途での検証をご覧ください。

ConoHa VPS:まず時間課金で試してから決めたい人

ConoHaは、n8nを時間課金で数日試し、気に入ったら長期契約で安く使い続けたい人に向きます。スタートアップスクリプトがDocker ComposeとCaddyによる自動HTTPSまで構築してくれるため、構築の手間が最も少ない部類です。36ヶ月のまとめトクにすると4GBで月1,285円からと、表4に挙げた中では長期の月額が最も安くなります。

★ 手軽に始めるなら

ConoHa VPS

n8nのスタートアップスクリプトでHTTPSまで自動構築 | 時間課金で試してから長期契約に切り替えられる

✅ Docker Compose+Caddyで自動HTTPS✅ 時間課金・月額上限あり✅ 長期契約で4GB月1,285円〜

ConoHa VPSを見る →

さくらのVPS:法人として安定運用とSLAを重視する人

さくらのVPSは、社内の業務基盤としてn8nを置く法人に向きます。2026年5月にn8nのスタートアップスクリプトが追加され、Ubuntu・AlmaLinux・Rocky Linux・Debianなど幅広いOSで使えます。4GB以上のプランはSLA(品質保証)の対象で、東京・大阪・石狩からリージョンを選べます。最低利用期間は3ヶ月ですが、クレジットカード払いなら2週間無料で試せます。

よくある質問(FAQ)

Q. n8nのセルフホストは本当に無料ですか?

n8nのソフトウェア(Community Edition)は無料です。ただし、動かすためのサーバー代(VPSなら4GBで月1,300〜1,700円前後〜)と、独自ドメインを使う場合はドメイン代がかかります。また、自社の業務に使う範囲を超えて、顧客にn8nを触らせる形で提供する場合は別途契約が必要です。

Q. n8nはメモリ1GBのVPSでも動きますか?

起動はできる場合がありますが、おすすめしません。ConoHaは最小構成をメモリ2GB、さくらは2GB以上を推奨しています。ワークフローが増えたり、大きなデータを扱ったりすると1GBではすぐに足りなくなります。業務で使うなら4GBから始めるのが安全です。

Q. レンタルサーバー(共用サーバー)でn8nは動きますか?

一般的な共用レンタルサーバーでは、n8nのように常時起動しておくアプリは動かせません。n8nを動かすには、root権限があり、Dockerなどを自由に使えるVPSが必要です。

Q. n8nとDifyは同じVPSで動かせますか?

動かせます。ただし、Difyは複数のコンテナで構成されるため、メモリは8GB以上を目安にしてください。ABLENETはDify・n8n向けの基本プランを8GB、DBやRAGまで組み合わせるなら16GB以上を推奨しています。Difyの構築はConoHa VPSでDifyを動かす全手順で解説しています。

Q. Cloud版からセルフホストに移行できますか?

ワークフローはJSON形式でエクスポートし、セルフホストのn8nにインポートできます。ただし、外部サービスとの接続に使う認証情報(クレデンシャル)は、移行先で設定し直す必要がある点に注意してください。

まとめ:実行回数と管理体制で「Cloudかセルフホストか」を決める

n8nのセルフホストは、月の実行回数が多い人ほど得をする選択肢です。一方で、アップデートやバックアップ、脆弱性への対応は自分の責任になります。この2つを天秤にかけて決めてください。

  • 月2,500実行を超えない・サーバーを管理したくない → n8n Cloud Starter
  • n8nとDifyなどを同居させ、固定費を抑えて長く回したい → ABLENET VPS
  • まず時間課金で試し、長期契約で安く使いたい → ConoHa VPS
  • 法人として安定運用とSLAを重視したい → さくらのVPS

どのVPSを選ぶ場合も、メモリは4GBから、アップデートとバックアップは最初から運用に組み込むことをおすすめします。料金・キャンペーンは変わりやすいため、申込前には必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してください。

★ 法人の安定運用に

さくらのVPS

n8nのスタートアップスクリプトあり | 4GB以上はSLA対象・2週間の無料お試し(クレジットカード払い)

✅ 東京・大阪・石狩から選べる✅ 老舗の国内VPS

さくらのVPSを見る →

関連記事