【最も重要】サイト制作時に重要な要件定義

Webサイトの制作を外注する際、最も重要なのが要件定義です。適切な要件定義があれば、予算超過や納期遅延、そして何より完成後の「イメージと違う」といったトラブルを防ぐことができます。本記事では、成功するサイト制作のための要件定義について、実践的なノウハウをご紹介します。

要件定義とは?その重要性について

要件定義とは、Webサイト制作において「何を」「どのように」実現するかを明確にする工程です。具体的には、サイトの目的、機能、デザイン、運用方法などを文書化し、発注者と制作者の間で認識を合わせる重要なプロセスとなります。

特に重要になるのが、どのような目的でどのようなサイトを作るかかがもっとも重要になります。

なぜ要件定義が必要なのか

  • プロジェクトの方向性の明確化
  • コストと納期の適切な見積もり
  • 手戻りの防止による効率的な開発
  • 関係者間のコミュニケーション円滑化

要件定義を省略してしまうと、プロジェクトの途中で大幅な修正が必要になったり、予算超過が発生したりするリスクが高まります。合わせてスケジュール遅延も防ぐことができます。

要件定義で押さえるべき7つのポイント

1. ビジネス要件の明確化

どのような目的のサイトであるか。誰をターゲットにしたサイトであるか。
この2つを明確にします。この2つを明確にします。初めの時点の認識が委託先と発注者で認識がズレるとズべてがずれたものになりますので、ここ認識は必ず同じものを持った状態でなければなりません。

目的と目標の設定

  • サイト構築の目的
  • 具体的な数値目標(KPI)の設定
  • 達成までのタイムライン

ターゲットユーザーの定義

  • 主要ターゲット層の属性
  • ユーザーの課題やニーズ
  • 利用シーンの想定

2. 機能要件の特定

必須機能の洗い出し

  • コンテンツ管理システム(CMS)の要否
  • 会員機能の有無
  • 問い合わせフォームの仕様

などの機能の洗い出しが必要になります。機能の洗い出しがなければ後々に追加見積もりが発生したり、スケジュールの遅延が発生しますので、想定される機能は全て洗い出しておくことでスケジュールの調整が可能になったりします。

あとで機能を追加することができないものなどがあるため、将来実装したいものも要件ではなく、今後の実装するものとして考慮して構築する旨を伝えておくことが重要です。

技術要件の定義

使用技術は何か。どのCMSを利用するか。選定を誤ると必要以上の機能やコストが発生する場合がありますので、注意してください。初期の運用段階では問題なくても将来先のリスクなども考慮しておく必要があります。

過去にあった事例では、あまり使われることがないCMSを使用したため技術者がいなく、リソースの確保にコストがかかりすぎたなどがあり、最終的にはCMSごと変更という大規模な案件になったこともあります。

特にCMSの選定は今後の拡張性やサイトの設計に大きな影響を与えますので、選定は慎重に協議して決めてください。

  • 使用するプログラミング言語
  • 使用するCMSやパッケージ
  • サーバー環境
  • セキュリティ要件
  • 外部サービス連携の有無

3. デザイン要件の確認

コンセプト設計から行うことができれば、デザインのずれなどはなくなるかと思いますが、多くの案件が参考サイトのようなイメージしているサイトがあり、それに独自の要素を追加してコンテンツのレイアウトや構成を変更していく流れが多いかと思います。

その際は、いきなりデザインを作成する、作成してもらうのではなくイメージボードのようなもの作って簡単にイメージのすり合わせをすることでずれを少なくすることができます。
参考イメージボードについて

デザインコンセプト

  • ブランドイメージとの整合性
  • 色使いやトーン
  • 参考にしたいWebサイト

レスポンシブ対応

  • 対応デバイスの範囲
  • スマートフォン表示時の優先機能
  • タブレット対応の必要性

対応デバイスによってサイズ違いのデザインを用意する必要が出てきますので、そこはデザイナーが認識の上で制作を行うのがよいです。

要件定義書の作成手順

1. 事前準備

必要な情報の収集

  • 競合分析
  • 市場調査
  • 既存サイトの分析(リニューアルの場合)

サイトの構築前に競合他社のサイトや商材を分析が重要です。
競合他社の見せ方や導線は必ず参考にしてより改善した構成にする必要があります。

関係者へのヒアリング

  • 経営層の意向確認
  • 実務担当者のニーズ把握
  • 運用担当者の要望収集

ヒアリングを実施すると部署間で欲しいリードや管理体制が異なるため、それぞれの部署間でサイトの情報やお問合せへの対応方法などをあらかじめ考慮しておく必要があります。

2. 要件定義書の作成

記載すべき項目

  1. プロジェクト概要
  2. 目的と目標
  3. スケジュール
  4. 予算
  5. 機能要件・ディレクトリマップなど
  6. 非機能要件
  7. デザイン要件
  8. 運用保守要件

上記の項目は発注する前や社内で制作をする前にあらかじめ用意しておいてください。
社内での制作であればある程度の融通がきくと思いますが、外注する場合はないと認識の相違が発生する可能性が高いです。

また依頼時に外注先が用意する場合がありますが、できるだけ社内で作成したものを外注先に提示する方が良いです。

理由としては、自社で一度作成すると考えることができるため、自社のビジネスに合っているかお客さまの欲しい情報を提供できているかを判断することができます。

よくあるトラブルと対策

1. 要件の認識齟齬

原因

  • 曖昧な表現の使用
  • 技術的な理解不足
  • コミュニケーション不足

対策

  • 専門用語の解説付記
  • 図表を用いた視覚化
  • 定期的な確認ミーティング

かなりよくあるトラブルになります。実際はここまでお願いしたつもりになっていたが、制作会社はその認識がないなどのズレが発生することがあります。過去にコミュニケーションや必要書類を提示しない場合に起こったことがあります。
弊社では資料として残すようにしております。

2. スケジュールの遅延

原因

  • 要件の追加・変更
  • リソース不足
  • 技術的課題の発生

対策

  • 変更管理プロセスの確立
  • バッファの確保
  • リスク管理表の作成

スケジュールの遅延は技術力の問題で発生することがありますが、あらかじめリスクとなりそうなものは制作会社側からの提示が必要です。発注側としては、動きの指示などは具体的で明確に指示を出しておくことで対策できます。

成功するための実践的なポイント

1. ステークホルダーの巻き込み

  • 初期段階からの関係者参加
  • 定期的な進捗確認
  • 意思決定プロセスの明確化

2. 優先順位付け

  • MVP(最小限の機能)の定義
  • フェーズ分けによる段階的開発
  • コストパフォーマンスの検討

「要件定義でお困りですか?私たちの経験豊富なコンサルタントが、的確なアドバイスと支援を提供いたします。まずはお気軽にご相談ください。」

お問い合わせはこちらから

要件定義のチェックリスト

基本項目

  • □ プロジェクトの目的
  • □ ターゲットユーザー
  • □ 予算
  • □ スケジュール
  • □ 必要な機能一覧
  • □ 必要なページ数
  • □ 運用体制

技術要件

  • □ 使用する技術スタック
  • □ インフラ環境
  • □ セキュリティ要件
  • □ パフォーマンス要件

まとめ

要件定義は、Webサイト制作プロジェクトの成否を左右する重要な工程です。本記事で解説した内容を参考に、プロジェクトの目的や規模に応じた適切な要件定義を行い、成功するサイト制作を実現してください。できるだけ一度自社内でどのようなサイトを構築したかを資料化することで考えもまとまります。

[専門用語解説]

  • CMS(Content Management System):Webサイトのコンテンツを管理するシステム。
  • レスポンシブデザイン:様々な画面サイズに対応できる柔軟なWebデザイン。

よく読まれている記事

    新しい記事はありません

ブログ一覧に戻る

ご相談はこちら