Google Search Console(サーチコンソール)で絶対に見るべき9つのポイント
目次
Google Search Consoleはあなたのサイトの「健康診断書」である
Google Search Console(以下、サーチコンソール)は単なる分析ツールではなく、Webサイトの「健康診断書」とも言えるツールです。医師が患者の健康状態を様々な角度から診断するように、サーチコンソールはあなたのサイトのSEO健全性を多角的に分析します。
多くのサイト運営者やマーケターは、このツールを使いこなせていないか、一部の機能しか活用できていません。特に2025年の検索アルゴリズムの変更に対応するためには、従来とは異なる視点での分析が不可欠となっています。
本記事では9つの重要指標について、単なる「見方」だけでなく、実際のビジネス成果につながる「活用法」まで、具体例を交えて解説します。記事を読み終えた後には、あなたもサーチコンソールを使いこなし、競合に差をつけることができるでしょう。
そもそもGoogle Search Console(サーチコンソール)とは?
Google Search Console(以下、サーチコンソール)は、Googleが無料で提供しているWebサイト分析ツールです。サイトに対してどのようなキーワードでどのページに来たかなどのデータを収集・分析することができます。Google公式のツールのためGoogle検索からの流入の精度は高いです。
サーチコンソールでできること
- 検索パフォーマンスの分析
- どのような検索キーワードで流入があるか
- クリック数やインプレッション数などの具体的な数値
- クロールエラーの検出
- インデックス状況の確認
- どのページがGoogleにインデックスされているか
- XMLサイトマップの管理
- 構造化マークアップの対応状況
などの情報がGoogle Search Console(サーチコンソール)で分析することができます。
2025年に注目すべきGoogle Search Consoleの新機能と変更点
Google Search Consoleは定期的にアップデートされ、新機能が追加されています。2025年現在、特に重要な新機能と変更点を紹介します。
AI生成コンテンツレポート
最近、追加された「AI生成コンテンツレポート」は、Googleがサイト内のAI生成コンテンツをどのように認識しているかを確認できる機能です。このレポートを活用することで、AI生成コンテンツの最適化やポリシー違反の早期発見が可能になります。
チェックポイント
- AI生成コンテンツとして認識されているページの確認
- 「有益なAIコンテンツ」と「低品質AIコンテンツ」の区分
- AI生成コンテンツのインデックス状況
コアウェブバイタルの新指標:INP
従来のFIDに代わり、INP(Interaction to Next Paint)が正式にコアウェブバイタルの指標として採用されました。INPはユーザーの操作に対するサイトの応答性を測定し、より実際のユーザー体験に近い評価を可能にします。
改善ポイント
- JavaScript実行の最適化
- イベントハンドラーの効率化
- 長時間実行されるタスクの分割
1. 検索パフォーマンスの重要指標
クリック数とインプレッション数
検索結果でのサイトの露出とユーザーアクションを示す最も基本的な指標です。インプレッション数は検索された時の検索結果で表示された回数になります。自身のサイトがどのくらいニーズがあるかどうかを判断することができます。
そこからクリック数は、ユーザーが結果から自身のサイトをクリックした回数になります。
- クリック数:ユーザーが検索結果からサイトを訪問した回数
- インプレッション数:検索結果でサイトが表示された回数
実務での活用ポイント
- 前年同月比での傾向分析
- 季節変動の把握
- コンテンツ改善の効果測定
CTRの詳細分析
CTR(クリック率)は、インプレッションに対するクリック数の割合を示す重要な指標です。
検索結果として表示された後に、どのくらい自社のサイトがクリックされたかを数値化した指標になります。
- 平均的なCTR:検索順位によって大きく異なる
- 1位:20-30%
- 2位:10-15%
- 3位:5-10%

改善のためのチェックポイント
- タイトルタグの魅力度
- メタディスクリプションの訴求力
- リッチリザルトの有無
タイトルやディスクリプションなどのを変更して検索結果として表示されたときに、ユーザーがわかりやすい且つ欲しい情報が掲載されてるページと認識してもらいやすいタイトル、ディスクリプションにすることが重要です。
また、リッチリザルト対応をすることで検索結果のUIをよくすることで、ユーザーのクリック率向上につながります。
リッチリザルトのテストを行うことも可能です。
Google公式のテストサイト:https://search.google.com/test/rich-results?hl=ja
リッチリザルト以外に検索結果の表示のUIを変更するためのコードがありますので、別の記事でご紹介いたします。
2. 検索クエリ分析
重要キーワードの特定
検索クエリレポートからビジネスにとって重要なキーワードを特定します。
サイトに来ている人がどのようなキーワードで流入しているかを判断することで、自身の獲得したユーザー層にマッチしているかを分析することで、記事やコンテンツの内容を調整することができます。
例えばある地域にある美容クリニックでしたら、
渋谷 美容クリニック シミ取り など具体的なキーワードでの獲得の有無や自身のサイトにしかないようなメニューでの獲得ができているかなどの分析になります。
チェックポイント
- 検索ボリューム
- コンバージョン貢献度
- 競合状況

Googleトレンドなどで検索ボリュームなどの測定することもできますので、活用してみてください。
Googleトレンド
月間での検索ボリュームが少ない広く具体的なニーズに対してアプローチするのも効果的な場合もあります。検索ボリュームが少ない場合は広く具体的なニーズに近いキーワードの方が成果につながることもあります。
クエリカテゴリー分析
検索クエリを以下のように分類して分析します。先ほどのキーワードを分類するものになります。分類することでどのくらい認知や比較されているのかを判断することができます。
- ブランドクエリ
- 商品・サービス関連
- 情報探索クエリ
- 比較・検討クエリ
3. インデックス登録状況
クロール統計
サイトのクロール状況を示す重要な指標です。検索エンジンに認識されているページの状況になります。
公開するべきページが全て検索エンジンに登録されているか確認してください。
検索エンジンに登録が必要ないページはサーチコンソール上でエラーの表示なりますが、エラーになっても無視していただいて問題ないです。
確認ポイント
- クロール頻度
- クロールエラー
- robots.txtのブロック状況
インデックスカバレッジ
サイトのページがどの程度インデックスされているかを示す指標です。
要チェック項目
- インデックス済みページ数
- 除外されているページ
- エラーページの状況
4. モバイルユーザビリティ
モバイルフレンドリーテスト
モバイル対応状況を示す重要指標です。モバイル対応のテストツールは以前はテストツールのURLがありましたが、今後は下記のURLからテストすることができます。
Lighthouseがテストツールになります。詳細はこちらから
チェックポイント
- ビューポートの設定
- タップターゲットのサイズ
- 横スクロールの有無

ページエクスペリエンス
Googleが重視するコアウェブバイタルの指標です。
重要な3指標
- LCP(Largest Contentful Paint)
- ページの読み込み速度の指標になります。ページの表示速度が低い場合はサイト自体の改修が必要になります。推奨としては、2.5秒以内にLCPをするのが望ましいです。
- INP(Interaction to Next Paint)
- インタラクティビティを計測します。ユーザーが操作した後に視覚的に変化するまでの時間になります。わかりすい例としてはアコーディオンをクリックした際に、見えるタイミングが遅いか早いかの数値になります。早い方が好ましいです。
200 ミリ秒未満にするのが推奨です。
- インタラクティビティを計測します。ユーザーが操作した後に視覚的に変化するまでの時間になります。わかりすい例としてはアコーディオンをクリックした際に、見えるタイミングが遅いか早いかの数値になります。早い方が好ましいです。
- CLS(Cumulative Layout Shift)
- 視覚的安定性を測定します。意図してないレイアウトの崩れや表示の不具合などのことを指します。0.1 以下にする必要があります。
5. リンク分析
内部リンク
サイト内のリンク構造を分析する重要指標です。外部ドメインやサイト内リンクなどリンクがどのくらいありどのくらいリンクされているか重要になります。特に関連しているメディアやサイトからのリンクされているかどうかは重要になります。
チェックポイント
- リンク数の適切性
- アンカーテキストの最適化
- リンク階層の深さ
外部リンク
他サイトからの被リンクの状況を示す指標です。
分析ポイント
- リンク元ドメインの質
- アンカーテキストの自然さ
- リンクの増減トレンド
- リンクされているドメインのランク

6. サイトマップ管理
サイトマップの状態
サイトマップの送信状況と問題点を示す指標です。サイトマップはサイトの本と思っていただければイメージが湧きやすいかと思います。
サイトマップを送信することでどのような内容のものがどのくらいページがあるかなどをGoogleに教える役割があります。ただしい構造でサイトマップを送信しないと不要なページなども送信されてしまうことがあります。
確認項目
- 送信されたURL数
- インデックス済みURL数
- エラーの種類と数
XMLサイトマップの最適化
効果的なサイトマップ管理のポイントです。
重要な設定
- 更新頻度の指定
- 優先度の設定
- 最終更新日の管理
7. ユーザーエクスペリエンス指標
コアウェブバイタル
サイトのパフォーマンスを示す重要指標です。
改善ポイント
- 画像の最適化
- JavaScriptの最適化
- サーバーレスポンスの改善
ページスピード
ページの読み込み速度に関する指標です。
チェックポイント
- FCP(First Contentful Paint)
- TTI(Time to Interactive)
- 総ブロッキング時間
8. セキュリティとHTTPS
セキュリティの問題
セキュリティ関連の警告やエラーを示す指標です。
HTTPS導入状況
HTTPSの実装状況を示す指標です。URLの構造に関わるリダイレクトの部分は特に気をつけた方が良い点になります。記事を書いても評価されてない記事や重複のコンテンツとしてみなされている場合はリダイレクトをさせたりすることでサイト全体の評価を高く保持できることがあります。
そのため適切なリダイレクトを行うことで評価を下げることがないです。
チェックポイント
- SSL証明書の状態
- 混在コンテンツの有無
- リダイレクトの設定
9. 実務での活用方法
レポーティング
定期的なレポート作成のポイントです。データを参照する際には短期的な目線でどうだったかと長期的な目線が重要になります。SEOはすぐに効果が出るものもあれば中長期でしか効果がでないものもあります。見るべきポイントは短期の数値で見るものか、中長期で見るべき数値なのかを決めた上でレポートを作成してください。
弊社ではサーチコンソールのレポートもご提供しておりますので参考として見ていただくとよいかと思います。
含めるべき項目
- 重要KPIの推移
- 問題点と対策
- 改善提案
改善施策の立案
データに基づく改善施策の立て方です。
ステップ
- 課題の特定
- 優先順位付け
- 実施計画の作成
検索パフォーマンスを深堀りする高度な分析手法
ランディングページとクエリのクロス分析
サーチコンソールでは「ページ」と「クエリ」の両方からデータを確認できますが、この2つを組み合わせた分析が非常に有効です。
分析手順
- 「検索パフォーマンス」レポートを開く
- ページタブでパフォーマンスの良いページを選択
- そのページに対するクエリを確認
- 逆に、重要キーワードでフィルタリングし、どのページがランクインしているか確認
この「クロス分析」により、以下のような重要な気づきが得られます。
- 想定外のキーワードでランクインしているページの発見
- 複数ページで同じキーワードに対して競合している状態(カニバリゼーション)の特定
- ページのテーマと検索クエリのミスマッチの発見
平均順位の落とし穴とその対策
平均順位は便利な指標ですが、誤った解釈をしないよう注意が必要です。例えば、平均順位3位のページが実際には1位と100位に分かれてランクインしている場合があります。
より正確な分析のために:
- 「検索順位の分布」を確認する
- 特定キーワードの「検索順位の変動グラフ」を時系列で確認する
- デバイス別・国別の順位差を比較する
CTRベンチマーク分析
検索順位ごとの標準的なCTRと自社サイトのCTRを比較することで、改善余地のあるページを特定できます。
順位別の平均的CTR(2025年日本市場):
- 1位:22-28%
- 2位:10-15%
- 3位:5-8%
- 4-10位:1-5%
あなたのサイトのCTRがこれらの数値を下回っている場合、タイトルやメタディスクリプションの最適化が必要です。特に注目すべきは「期待値を大きく下回るページ」で、これらは小さな改善で大きな効果が期待できます。
まとめ:効果的な活用のポイント
週次では必ず見るようにするべき且つ流入キーワードを深掘りして観察してクエリでどのような流入があるかどうかを見ることで潜在的なキーワードの掘り起こしを実施して、ニーズのあるキーワードを獲得するようなコンテンツを追加していくことでリード獲得やお問い合わせ獲得につながります。
日常的なモニタリング
- 重要指標の定期チェック
- 異常値の早期発見
- トレンドの把握
長期的な改善計画
- データの蓄積と分析
- 改善施策の実施
- 効果測定とPDCA