GA4最新アップデート完全ガイド2024-2025年版:機能追加・改善情報を徹底解説
Googleアナリティクス4(GA4)の頻繁なアップデートに追いつけていないと感じていませんか?新機能の追加や仕様変更が次々と行われ、最新の分析機能を十分に活用できていない方も多いのではないでしょうか。GA4には新しい機能が随時アップデートされており、活用することでより深いデータを分析することができます。
本記事では、2024年から2025年にかけての重要なアップデート情報を、実務担当者の視点でわかりやすく解説します。この記事を読むことで、GA4の最新機能を理解し、より効果的なデータ分析と意思決定が可能になります。
目次
はじめに:GA4の進化と最新動向
Google アナリティクス4(GA4)は、2020年のリリース以降、デジタルマーケティングにおける重要な分析ツールとしてアップデートを続けています。従来のユニバーサルアナリティクスと比較して、より柔軟なデータ収集と詳細な分析が可能になりました。
特に2024年に入ってからは、機械学習を活用した予測分析やクロスプラットフォーム測定の強化など、ビジネスの目的や用途に応じて計測できる機能が追加されています。これらのアップデートは、プライバシー保護の強化とより正確なデータ分析の両立を目指しています。
本記事では、GA4の最新アップデートを時系列で整理し、各機能の具体的な活用方法や設定手順を解説します。
2024-2025年の革新的アップデート
1-1. カスタムイベントデータのインポート機能
カスタムイベントデータのインポート機能は、GA4の分析能力を大きく拡張する革新的なアップデートです。この機能により、オフラインデータとオンラインデータを統合し、顧客行動分析が可能になりました。
具体的な活用例として、実店舗での購買データやCRMシステムの顧客情報をGA4に取り込み、オンラインでの行動データと紐付けることができます。
例えば、ECサイトで商品を閲覧したユーザーが、実店舗でどのような購買行動を取ったのかを追跡することが可能です。
設定手順は以下の通りです。
- データインポート用のスキーマ定義(データの定義)
- データソースの設定
- データマッピングルールの作成
- インポートスケジュールの設定
設定とデータの取り込みは、GA4の管理画面から行うことができます。

【表:主なインポート可能データ例】
データ種類 | 例 |
---|---|
顧客属性 | 年齢、性別、居住地域 |
取引情報 | 購買履歴、支払方法 |
会員情報 | 会員ランク、ポイント数 |
1-2. アトリビューションモデルの精度向上
2024年6月のアップデートで、GA4のアトリビューションモデルは大幅な精度向上を実現しました。特筆すべき点は、gclidパラメータ(広告のパラメータ)が保持されない状況でも、有料検索広告の効果を正確に測定できるようになったことです。
この改善により、以下のような課題が解決されました。
【表:アトリビューションモデルの改善点】
改善前の課題 | 改善後の効果 |
---|---|
パラメータ欠落による計測漏れ | パラメータに依存しない追跡が可能に |
クロスデバイスでの追跡困難 | デバイスを跨いだ統合分析が実現 |
間接コンバージョンの把握が不正確 | 貢献度の正確な評価が可能に |
設定手順は以下の通りです。
- GA4の管理画面から「広告」セクションにアクセス
- 「アトリビューション設定」を選択
- モデル比較ツールで最適なモデルを選択
- レポート形式のカスタマイズ
広告のデータでgclidを持っていないと計測ができなかったものが、計測できるようになりました。gclidを保持されない環境化でも正しく計測ができるようになり、データの収集の精度が向上しました。
1-3. リアルタイムレポートの強化
リアルタイムレポートの機能強化により、より詳細なトラフィック分析が可能になりました。従来の30分間隔に加えて、5分間隔でのユーザー行動把握が実現し、瞬間的なトラフィック変動を確認することができるようになりました。
【図:リアルタイムレポートの表示例】

時間軸
|
|-5分前 → 現在
|-30分前 → 現在
|-1時間前 → 現在
この機能は以下のような場面で特に効果を発揮します。
- キャンペーンやセール開始直後の反応測定
- サイトの技術的問題の早期発見
- ソーシャルメディアでの話題化による影響分析
- 新規で設置したイベントタグが計測されいているかなどの確認
2024年前半の重要アップデート
2-1. チャネルグループの改善
2024年2月に実装されたメインチャネルグループ機能は、独自のマーケティングチャネル定義をGA4上で簡単に管理できるようになっています。
従来のチャネル管理では、カスタム定義を作成するたびにレポートの設定を変更する必要がありました。しかし、メインチャネルグループ機能により、一度設定したカスタム定義を標準設定として保存し、すべてのレポートで一貫して使用できるようになりました。
特にこの設定が有効なサイトは、流入チャネルが多いサイトでは有効になります。チャネルごとに条件を設定することであるパラメーターを持っているものだけをグループ化したりすることも可能になります。

【表:チャネルグループ管理の変更点】
項目 | 改善前 | 改善後 |
---|---|---|
設定方法 | レポートごとに個別設定 | 一括設定が可能 |
更新作業 | 手動で各レポートを更新 | 自動反映 |
一貫性 | レポート間で差異が発生 | 統一された定義を維持 |
実務での具体的な活用方法として、以下のようなカスタム定義が可能になりました。
- 自社メディアからの流入を「オウンドメディア」として一括管理
- SNSプラットフォームごとの詳細なトラフィック分析
- アフィリエイトパートナーごとの個別トラッキング
2-2. コンバージョンがキーイベントに変更
2024年の前半には、GA4のインターフェースとレポート機能に大きな変更が加えられました。特に注目すべき変更は、「コンバージョン」から「キーイベント」への名称変更と、広告セクションの統合です。
イメージは同じですが、キーイベントになったため1つのイベントとしての扱いになりました。そのため、イベントの情報の中に、コンバージョン=キーイベントの情報が含まれる形になります。
この変更により、以下のような業務効率の向上が実現しています。
コンバージョンの計測・分析の強化
3-1. コンバージョン計測の進化
2023年9月に導入されたコンバージョン価値設定機能は、2024年に入ってさらなる進化を遂げています。この機能により、各コンバージョンに対して金銭的価値や重要度を設定し、より実践的なROI分析が可能になりました。
【表:コンバージョン計測の新機能】
機能 | 活用例 |
---|---|
価値設定 | 商品カテゴリごとの利益率反映 |
カウント方法選択 | 複数回購入の正確な集計 |
目標別グループ化 | 事業部門ごとのKPI管理 |
実務での具体的な活用シーンとして、以下のような分析が可能になっています。
- 商品カテゴリごとの収益貢献度分析
- マーケティングチャネル別のROI計算
- 顧客セグメント別の生涯価値予測
ECサイト事業者にとっては非常に強力な機能になります。チャネルごとの分析でどのCVが費用対効果があるかを分析することができます。
3-2. eコマース分析の強化
2023年から2024年にかけて実施されたeコマース分析機能の強化により、オンラインショップの運営者はより詳細な購買行動分析が可能になりました。新しく追加されたディメンションと指標により、商品やカテゴリーごとの詳細なパフォーマンス分析が実現しています。
特に注目すべき改善点として、商品レコメンデーションの効果測定機能が挙げられます。この機能では、レコメンド表示から購入に至るまでの過程を詳細に追跡することが可能です。例えば、「この商品を見た人はこちらも見ています」のような商品レコメンドがどの程度の購買につながっているかを、正確に把握できるようになりました。
eコマース機能をフルに活用するためには、既存サイトに対してJavaScriptのコードを設置して計測するようにする必要があります。
【表:強化されたeコマース分析指標】
分析指標 | 測定内容 | 活用方法 |
---|---|---|
商品詳細視認率 | 商品詳細ページの閲覧深度 | 商品説明の改善指標として活用 |
カート放棄復帰率 | 放棄カートからの購入復帰率 | リマーケティング施策の効果測定 |
クロスセル成功率 | 関連商品の購入率 | 商品組み合わせの最適化に使用 |
GA4 360(有料版)の特別機能
4-1. BigQuery連携の強化
2023年12月にベータ版として導入されたBigQuery Fresh Daily Exportは、データ分析の即時性と精度を大きく向上しました。この機能により、BigQueryへのデータエクスポートがより高頻度かつ迅速に行えるようになりました。
実装のポイントとして、以下の設定が重要です。
【表:BigQuery連携の設定項目】
設定項目 | 推奨設定 | 注意点 |
---|---|---|
エクスポート頻度 | 1日4回 | サーバー負荷を考慮 |
データ保持期間 | 26ヶ月 | ストレージコストを検討 |
スキーマ設定 | 自動更新 | 互換性の確認が必要 |
この機能の活用により、以下のような高度な分析が可能になっています。
- リアルタイムに近い顧客行動分析
- 大規模なデータセットを用いた傾向予測
- カスタムビジネスロジックの適用
今後の展望と実務での活用
5-1. 今後予想される機能追加
GA4の今後の展開として、AIを活用した分析機能のさらなる強化が予想されます。特に注目すべき点は、プライバシー保護を維持しながら、より精緻な予測分析を実現する方向性です。具体的には、機械学習モデルを活用したユーザー行動予測や、クロスプラットフォームでのデータ統合がより高度化されると考えられます。Geminiなどのモデルを活用して自動的にデータを分析して改善を出すのようなことがことがGA4だけでもできるようになってくるかと思います。
【表:今後予想される主要な機能追加】
機能カテゴリ | 予想される追加機能 | 想定される活用シーン |
---|---|---|
AI分析 | 購買予測モデルの精緻化 | 在庫最適化、販促タイミングの決定 |
データ統合 | クロスデバイス追跡の強化 | オムニチャネルマーケティングの最適化 |
プライバシー | 同意管理機能の拡充 | 地域別のプライバシー規制への対応 |
5-2. 実務担当者のためのベストプラクティス
効果的なGA4の活用には、計画的なKPI戦略と日常的なモニタリング体制の構築が不可欠です。
具体的な運用手順として、以下のようなアプローチを推奨します。まず、重要なビジネスイベントを特定し、それらを正確に測定するためのイベント設定を行います。
次に、カスタムディメンションやメトリクスを活用して、事業特有の分析ニーズに対応します。さらに、定期的なレポーティング体制を確立し、データに基づく意思決定プロセスを組織に定着させることが重要です。
もっと重要になるKPIとしてのデータを収集するところから行い、それに対してに定期的なレポーティング体制と改善点を出し実行するという行動プロセスまで決めておく必要があります。
【表:日常的なモニタリング項目】
確認項目 | 確認頻度 | 対応基準 |
---|---|---|
データ収集状況 | 毎日 | 前日比で20%以上の変動がある場合に調査 |
イベント計測精度 | 週次 | サンプリング率が80%を下回る場合に調査 |
カスタムレポート更新 | 月次 | ビジネス要件の変更に応じて適宜更新 |
よくある質問(FAQ)
Q1: GA4の新機能は自動的に有効になりますか?
A1: 一部の機能は自動的に有効になりますが、多くの新機能は管理者による設定が必要になる場合もあります。アップデートされる内容によって変動します。
Q2: 既存のレポート設定は新機能追加後も維持されますか?
A2: 基本的なレポート設定は維持されることが多いと思いますが、インターフェースの変更や機能の追加により、一部の設定の見直しが必要になる場合があります。特に「コンバージョン」から「キーイベント」への名称変更のような大きな変更の際は、レポート設定の確認と必要に応じた調整を行うことが推奨されます。
Q3: 無料版から360(有料版)への移行は簡単にできますか?
A3: 技術的な移行自体は比較的容易です。ただし、移行前に以下の点について十分な検討が必要です:データ保持期間の延長に伴うストレージ計画、BigQuery連携の設定、拡張された機能の活用計画などです。
まとめ:GA4アップデートを最大限活用するために
2024年から2025年にかけてのGA4アップデートは、データ分析の精度と利便性を大きく向上させています。特にカスタムイベントデータのインポート機能や、アトリビューションモデルの精度向上は、より正確なマーケティング効果測定ができるようになりました。
今後も継続的なアップデートが予想されるGA4において、最新の機能を効果的に活用するためには、公式ヘルプや専門サイトでの情報収集を欠かさず行うことが重要です。本記事で解説した内容を参考に、自社のデータ分析基盤の強化に取り組んでいただければと思います。
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