GA4の探索レポートのファネルデータ探索の活用方法

ファネルデータ探索レポートとは

ファネルデータ探索レポートは、GA4(Google Analytics 4)に実装された分析機能の一つです。このレポートを使用することで、ウェブサイトやアプリでのユーザーの行動フローを段階的に分析し、コンバージョンまでの過程で発生するドロップオフ(離脱)ポイントを特定することができます。

サイトの行動を可視化するためどの時点の行動に課題があるかが把握できる分析手法になります。よく実務では購入までの段階をファネル化して分析することがよくあります。

ファネル分析の基礎知識

ファネル分析とは、ユーザーの行動を漏斗:ろうと(ファネル)型の段階的なプロセスとして捉える分析手法です。例えば、ECサイトでは「商品ページ閲覧」→「カート追加」→「購入手続き開始」→「購入完了」という具合に、段階的にユーザーの行動を追跡します。

上が全体の母数が多い部分で下に行くほど母数が少なくなります。逆三角形の形になります。
上部の部分から最後の下の部分までどのくらいのユーザーが到達したかを分析します。また、マーケティングの手法として認知 → 興味・関心 → 比較検討 → 購入 などのプロセスを明確にするためにも使われることがあります。

各ステップでは以下の要素を確認することが重要です。

  • コンバージョン率:次のステップに進んだユーザーの割合
  • ドロップオフ率:そのステップで離脱したユーザーの割合
  • セグメント別の行動傾向:デバイスやユーザー属性による違い

WEBサイトでは、コンバージョンすることが最も重要でWEBマーケティングで改善するべき点です。
上記の内容を探索レポートで分析してどこに課題があるかを明確にしてください。

レポートへのアクセス方法

GA4のインターフェースから探索レポートにアクセスする手順は以下の通りです:

  1. GA4管理画面にログイン
  2. 左側メニューから「探索」を選択
  3. 「テンプレート」タブから「ファネル探索」を選択
  4. 分析するイベントやセグメントを設定

ファネルデータ探索レポートの設定方法

ファネルデータ探索では、ステップごとの段階構造になっていることを理解しておいてください。
段階構造の辻褄が合わないデータが表示することができません。

基本的な設定手順

設定方法としては、ディメンションの設定と指標の設定になります。
この時注意が必要になるのが、ステップ1から最終のステップまでのディメンションが最も重要になります。ディメンションが間違っているとデータが表示されません。

  1. ステップの定義
  • 各ステップに対応するイベントの選択
  • ステップ間の順序関係の設定
  • タイムアウト期間の設定
  1. セグメントの設定
  • ユーザー属性による絞り込み
  • 行動データによる絞り込み
  • カスタムセグメントの作成
  1. 日付範囲の設定
  • 分析期間の選択
  • 比較期間の設定
  • データサンプリングの確認

高度な設定オプション

基本の設定以外に独自のセグメントを追加することで、より絞り込みされたデータを抽出してグラフに表示させることができます。セグメントをうまく使いこなすと基本的な設定はそのままで、簡単に独自の軸でデータを表示できます。

例えば、ECサイトでプレゼントなどの12月の購買では、男女どちらがステップ1から最終ステップまで至っているを計測することができます。
ここで女性が低い場合は、UIの改善が必要な可能性なども見えてきます。男性の方が普段からの情報の多いサイトでの買い物が慣れている傾向などがあるため。

カスタムセグメントの活用

カスタムセグメントを使用することで、より詳細な分析が可能になります。
セグメントを使ってデータを限定することで必要な情報のみ探索レポートとして表示できます。

  1. デモグラフィック特性
  • 年齢層別の分析
  • 地域別の分析
  • 性別による比較
  1. 行動特性
  • 訪問頻度による分類
  • 過去の購入履歴
  • サイト内での行動パターン

ファネルの分析手法と実践的な活用方法

分析方法の例としてご紹介します。サイト毎に分析の軸などが変わりますが、基本的な分析手法のためサイトやKPIなど自社のマーケティング活動で必要になるデータに合わせて改変してください。

基本的な分析アプローチ

  1. 全体のコンバージョン傾向分析
  • ステップ間の離脱率確認
  • ボトルネックの特定
  • 主要なドロップオフポイントの把握
  1. セグメント別の比較分析
  • デバイス別の違い
  • 流入経路による差異
  • ユーザー属性による傾向

実践的な活用シーン

ECサイトでの活用例

  1. 商品購入フロー分析
  • 商品閲覧からカート追加の転換率
  • カート追加から購入完了までの離脱率
  • 支払い方法選択での離脱傾向

ECサイトでカートに推移して注文確認・注文完了までのステップでどこに課題があるかを可視化します。さらに探索レポートでは離脱の多いステップの判断したあとに、該当のページの流入経路・スクロール量などを計測することで詳細の原因が判明します。

  1. リピート購入分析
  • 初回購入者と既存顧客の行動比較
  • 購入頻度による行動パターンの違い
  • LTV(顧客生涯価値)の予測

リピート購入は定期購入になるため通常の購入フローとは異なり、広告経由のCVが多いかと思います。
その場合、広告からの流入のユーザーはフォームのページの離脱が多く発生するしている可能性が高いためどの原因を調べることが重要になります。

コンテンツサイトでの活用例

  1. 会員登録フロー分析
  • 登録フォーム到達率
  • フォーム完了率
  • 確認メールのオープン率

コンテンツサイトやサービスサイトでは会員登録が一番ハードルの高いCVになります。会員登録時でもステップがあるためECサイトと同じ考え方でよいかと思います。

ファネルデータの解釈と改善施策への活用

ファネルデータ探索は、ステップ1から最終のステップでどこに課題があるを明確にするためのデータになります。ファネルデータ上で放棄されている部分がサイト上の課題になるため、サイト改善やマーケティング施策を改善する必要があります。

重要な分析指標

  1. ステップ完了率
  • 各ステップのコンバージョン率
  • セグメント別の完了率比較
  • 時系列での変化

上記の3つの指標を改善することで売上に大きく影響を与えます。
例えば、顧客の平均購入金額が10,000円で月売り上げが100万あり、CVRが1%の場合。
1%CVRを上げることで2%になります。そうなると月の売り上げは200万になります。

1%という数字だけを見ると小さい数値に見えますが、実際の売上で考えると倍の数値になります。

  1. 離脱ポイント分析
  • 主要な離脱箇所の特定
  • 離脱理由の仮説立て
  • 改善優先順位の決定

離脱の同じような考え方になります。離脱数を減少されると売り上げも必然的に上がります。

改善施策の立案

データを収集したら改善施策を実施します。データからわかる部分で離脱している箇所が多い部分に対して中心に実施します。

  1. UX/UI改善
  • フォーム入力の簡素化
  • ページ読み込み速度の改善
  • モバイル対応の最適化
  1. コンテンツ改善
  • 商品説明の充実
  • サポート情報の追加
  • FAQ・ヘルプの整備

よくある課題と解決方法

データ収集の課題

  1. イベントトラッキングの不備
  • 原因:イベント設定の漏れや誤り
  • 解決:GTMを使用した正確なイベント設定
  • 確認方法:デバッグモードでの検証
  1. データサンプリングの影響
  • 影響:精度の低下
  • 対策:期間分割での分析
  • 確認:サンプリング率の監視

分析上の注意点

分析する時は、データ量が一定数なければ母数が少なく判断できる材料にならないため、日で100以上の訪問者はあった方が良いです。

  1. セグメント設定での注意
  • データ量の確保
  • 統計的有意性の確認
  • 比較期間の適切な設定
  1. 解釈における留意点
  • 季節要因の考慮
  • キャンペーンの影響
  • 外部要因の把握

探索レポートの更新ヘルプはこちらになります。

まとめ

ファネルデータ探索レポートは、GA4における強力な分析ツールです。探索のファイネルを使用することでより効果的なデータ分析と改善施策の立案が可能になります。

より詳細なGA4の活用方法や、あなたのビジネスに合わせたカスタマイズについて知りたい方は、無料相談を承っております。丁寧にサポートいたします。」
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